丸山直文展「後ろの正面」@目黒区美術館

またまたまたまた東京に行ってきました。
今年6度目の上京。あと年内に1回は行きます。
「もう住んじゃえば?」
と各所で囁かれてますが、僕は関西にい続けてやります。
今回メインはまた後で紹介するとして、今回は目黒区美術館で開催中の丸山直文展。これが予想よりかなりよかった。
丸山さんの絵はグループ展とかで何度か見かけたことがあったけれど、こうして大きな個展として単体で観たのは初めて。
まず最初は2階からスタート。
2003年から今年までの新しい作品たち。
もう色彩が豊かで目がくらんだ。
それに対して、床が真っ白ですごく心地いい空間だった。
丸山さんの絵の特徴はなんといっても滲みだ。
綿布にたくさんの水を滲ませて画面を構成していく。
抽象画のようでもあり、でもちゃんと具象画でもある。
水面を描いたものから山を描いたもの。人の影の作品が個人的には好きだ。
よく近づいて見るとうっすら下書きの線が見える。
これには驚いた。
結構ランダムに色を配置していると思ってたら、かなり緻密な下書きを繰り返してるのがこれでわかる。
確かに薄塗りの作家程、作業量が少なく見えて、その作品に至るまでのプロセスが並大抵ではない場合が多い。
たくさん絵の具を使う人は結構やり直しがきくけど、うす塗りだと失敗がゆるされない。
マチスなんかがそうで、適当に描いてる様に見えて、実はあそこに辿り着くまでに何枚もドローイングを重ねたり色の配色を実験したりしている。
丸山さんがまさにそのタイプの画家だと改めて発見させられた。
他にも80年代後半から90年代の作品も展示されている。
特にロビーに展示されてた90年代半ばの白黒の作品がかなりかっこよかった。
80年代後半の抽象画はまだちょっとモチーフに迷いが感じられるけど、緑の抽象画はかなりよかった。
その展示室も普段のフロアを剥がして、かなり床が荒々しくなっててかっこよかった。
一階にも数点と、ドローイング。
そして見逃してはならないのが、丸山さんの制作風景を映した映像。
やはり、彼が1枚の作品に辿り着くまでの試行錯誤が映し出されている。
大体1枚の作品に対して、30枚程度のドローイングを重ねるらしい。
配置であったり、色構成であったり、かなり大変な作業だ。
面白かったのは、丸山さんの絵画に登場する蝶や蜂といったモチーフを予め描いて切っておいて、画面の上に実際載せてみたりしてる場面。他にも色の塊を置いてみたり、とにかくそのプロセスがおもしろい。
その映像の部屋には丸山さんの私物がたくさん置かれていて、生の画家を感じられる。
この展覧会は11月9日まで。
目黒区美術館初めて行ったけど、結構いい展示室やった。
次は石内都さんもやるみたいだし、また行ってみたい。
あと恵比寿に移ったNADiffにも行ってみた。
かなりわかりにくい場所で参った。
しかも品揃えも前の方がよかったような気がする。
サブカル系をフィーチャーしすぎて何だかなぁ、と言った感じ。
表参道の時はもっと気軽に行けたけど、もう中々行かなさそう。
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