fc2ブログ

笹倉洋平展「ツタフ」@PANTALOON

ほんの数時間前笹倉さんのOPパーティに行ってきました。
阪急中津駅という梅田から一駅ながら、とってもとっても小さい駅から、歩いて3分ほどの、「ホントにこんな所にギャラリーなんかあんの?」って感じの脇道にパンタロンはあります。
前からこのギャラリーの噂はよく耳にしていて、1度行きたかったんですよね。
ちょうど知り合いの作家さん笹倉さんの展覧会がやると聞いてオープニングにお邪魔しました。
「パンタロンから線が決壊する。」
今回届いたDMに書かれていた1文ですが、百聞は一見に如かず。
パンタロンというその独特の吹き抜け空間を活かした大作「ツタフ」は圧巻。
まさに「線が決壊する」という言葉通り。
まるで滝のように、線が落ちてきたり上昇したり、線による集積の凄まじさが観客の言葉を奪います。
先日東京で見た塩保さんの展示もそうですが、人間の手仕事があるラインを超えると、もう人の作ったように見えなくなる感覚っていうんでしょうか。笹倉さんの作品の場合、本当に「線」がまるで自ら意思を持ったかのように紙に張り付いてる感じ。
「ツタフ」というここ最近笹倉さんが取り組んでらっしゃる「蔦」をイメージして描かれた線の作品ですが、もう蔦を超えた、何者でもないものになってると、今回の作品を見て思いました。「ツタフ」ってタイトルはそういう意味であまり適切ではないように感じたんですが、笹倉さん的にはどういう位置づけでこの作品を制作したのか、またゆっくり話してみたいです。
にしても、噂には聞いてましたが、パンタロン。やはり独特の空間でした。
長屋3棟をつないで、中を著しく変化させてて、例えば笹倉さんのその大作が展示されてる部屋は、2階部分の天井をスパンと矩形に切り取ってしまって無理矢理吹き抜けにしてる感じ。2階に上って、その大作を見下ろしたりもできるんだけど、柵がないから平気で落ちてしまいそう笑
2階には小作品も飾られていて、これもまたよかった。
笹倉さんの場合、小作品と大作でまたテーストが違うのがいい。
大作の線はもの凄く荒々しくてほとばしってるって感じなのに対して、小作はものすごくコントロールされた冷静な線。その線の緊張感がこちらにも伝わってくる様な。
一階に展示されてた「ツタフ」シリーズの小作一点欲しいなぁ。割り引いてくれないやろか(死)
あと、別棟の2階にも一作大作と小作の間くらいの作品が。
これまた新たな展開の予兆って感じで、展示の仕方も贅沢でよかった。
神経細胞のような線たち。
ということで、笹倉さんの線の世界を存分に味わえる展覧会になってます。
この秋関西でのおすすめ展覧会のひとつです。詳細は以下に。

笹倉洋平展「ツタフ」
2008年10月4日(土)-10月26日(日)
水~金 18:00~22:00  土日 12:00~19:00 月火 休み
PANTALOON パンタロン
http://www.pantaloon.org/
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新記事
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
プロフィール

もりかわみのる

森川穣
現代美術作家。
森川穣 website
A'holicオーナー
A'holic website
instagram

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理者用
カウンター
To See List
・2023.12.02-2024.02.04
「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄 @ 渋谷区立松濤美術館

・2023.11.24-2024.03.31
「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」 @ 麻布台ヒルズギャラリー

・2023.12.09-2024.02.25
キース・ヘリング展 アートをストリートへ @ 森アーツセンターギャラリー

・2023.12.01-2024.01.28
梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ @ ワタリウム美術館

・2023.11.09-2024.03.31
第14回上海ビエンナーレ @ 上海当代芸術博物館

・2023.12.17-2024.01.27
味/処 @ 神奈川県民ホールギャラリー

・2024.01.11-03.10
フランク・ロイド・ライト世界を結ぶ建築 @ パナソニック汐留美術館

・2023.12.16-2024.02.18
久門剛史「Dear Future Person, 」 @ @KCUA

・2024.01.12-02.25
牡丹靖佳展 月にのぼり、地にもぐる @ 市立伊丹ミュージアム

・2024.02.06-04.07
中平卓馬 火―氾濫 @ 東京国立近代美術館

・2024.01.18-03.24
能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築 @ ギャラリー間

・2024.02.23-04.14
生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真 @ 東京ステーションギャラリー

・2024.02.14-05.27
「マティス 自由なフォルム」@ 国立新美術館

・2024.03.06-06.03
遠距離現在 Universal / Remote @ 国立新美術館

・2024.03.09-06.30
カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 @ DIC川村記念美術館

・2024.03.12-05.12
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ @ 国立西洋美術館

・2024.03.15-06.09
横浜トリエンナーレ2023 @ 横浜美術館ほか

・2024.03.30-07.07
ブランクーシ 本質を象る @ アーティゾン美術館

・2024.04.06-07.07
ホー・ツーニェン エージェントのA @ 東京都現代美術館

・2024.04.24-09.01
シアスター・ゲイツ展 @ 森美術館

・2024.04.27-08.29
デ・キリコ展 @ 東京都美術館

・2024.05.23-08.04
魚谷繁礼展 @ ギャラリー間

・2024.09.04-11.24
大西麻貴+百田有希 / o+h展 @ ギャラリー間

・2024.09.14-12.01
塩田千春 つながる私(アイ) @ 大阪中之島美術館

・2024.09.25-2025.01.19
ルイーズ・ブルジョワ展 @ 森美術館

・2024.11.02-2025.02.09
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子 ―ピュシスについて @ アーティゾン美術館

・2024.11.23-2025.01.26
「再開館記念―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」展(仮称) @ 三菱一号館美術館

・2025.09.13-11.30
あいち2025 @愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなか

QRコード
QR