ヴォルフガング・ティルマンス@WAKO WORKS OF ART


久々の更新でご無沙汰しております。
なんだか今月はあまり見るべき展覧会がなくて更新しようにもできませんでした。
そして昨日まで東京に行ってました。またかよ、なんてつっこみはご遠慮ください。
ってことで東京で見てきたいくつかの展覧会をご紹介。

まずはワコーでやってたティルマンスの個展。
実はあんまり期待せず、むしろ隣のケンジタキでやってた村岡三郎さんの個展のついでといった感じだったのだけど、今回見てきたギャラリーでの展覧会としては一番のヒットでした。
「LICHTER」、夜明けという意味を持つドイツ語のタイトルのこの展覧会では、ティルマンスの衰えを知ることのない写真に対する挑戦心が見事に集約されたもので、作品の説明を受けた時には鳥肌が立ちました。
その中でもやはり一番の意欲作が、色のついた印画紙を折り曲げたりして、写真を立体として見せてる作品群。そんでもって、この「写真」はカメラを通さず暗室内だけで作られたもの。「カメラを使わない写真」という、いやーホント面白い人だ。
他にも別会場では、コピー機を使って印刷された大きな写真作品など、写真という概念をどんどん刷新していくような作品たちばかり。
もちろんノーマルな写真たちも展示されていて、その中でも、丸まった紙の中の光を撮った作品は美しすぎました。こういう何気ないものにも焦点を当てるのはやはりティルマンスならではですね。
インスタレーションもわざわざ来日して彼自身で手がけたそうな。
とてもおすすめの展覧会なので是非。5月24日まで。

村岡三郎「Principle of heat 熱の原理」@ケンジタキギャラリー
ワコーの隣のケンジタキで開催中の村岡三郎さんの展示。
僕が知りうる現役の日本人現代美術作家ではこの人が最高齢な気がする。
御年80。それでもまだまだ衰えることの知らない制作熱には頭が上がらない。
そして、新作を発表しても、常にかっこいい作品で、本当にどうなってるんやろと思う。
実は村岡さんは、僕の大学入学年の前年まで精華大学の洋画で教えてらっしゃった。
入学当時、ちょうど、大学内のギャラリーで退官記念展が行われており、何気に入った僕はとても衝撃を受けた。
鉄の塊や酸素ボンベ、2階には塩で埋め尽くされたインスタレーション。
当時「現代美術」というのがまだまだ未開の地だった僕には刺激が強すぎてなんのこっちゃわからんかった。ただあの衝撃は今でも鮮明に憶えている。
幾度か作品を見て行くうちに、やはりその作品の持つ雰囲気には毎回圧倒されている。
今回は鉄を用いた壁掛けの作品と床置きの作品、そしてドローイングの構成。
そのどれもがやはりかっこいい。80歳の人が作った作品とは到底思えない。
ああ、あと一年早けりゃこの人に教われててたのかー、などと思ってしまうのであります。
5月15日まで。ティルマンスと一緒にどうぞ。

椿会展2008「Trans-Figurative」@SHISEIDO GALLERY
村岡さんに師事した塩田千春さんも出してる椿会展に行ってきました。
初めて資生堂のギャラリーに行ったけどすごく立派な展示室でびっくりしました。
今回の出品者は前述の塩田千春、やなぎみわ、丸山直文、袴田京太郎。
塩田さんは、鉄のフレーム内に、ドレスや鏡などが黒い糸で絡まった立体作品を出品してました。重力を失ったように糸の中で静止するオブジェたちが異様。特に鏡はなんだか宗教性のようなものまで感じてしまいました。
やなぎみわはお得意の老女と少女が入り交じった不気味な写真群。
丸山さんは、淡い滲みの効いたペインティングで、袴田さんは色とりどりのアクリル版で構成された人形が高い天井からぶら下がってる立体作品。
そのどれもが個性的なのに、うまいこと調和してたのがすごい。
そして、女性出品者の作品が毒々しいのに対し、男性作家人の作品はどこか癒しのような淡い印象なのがおもしろかった。こちらは6月15日まで。

北条貴子「-holy green-」@INAXギャラリー
塩田さん同様、村岡さんのもとでも教わったと思われる先輩北条さんの展示。
ただ彼女の場合はペインティングなので直接の影響もないとは思いますが。
それに彼女自身精華を出たという過去を消そうとしてますからね笑
実際作家のプロフィールには「精華」なんて文字見当たりませんから。
さて、そんな北条さんの展示は、一昨年大原美術館のレジデンスプログラムを経て制作された、森の絵画たち。
水彩、油彩含めて20点ほどが一同に並べられていました。
やっぱりこの人の技術の高さには驚かされます。
昔はもっと抽象化されたペインティングだったけど、こうした具象を描くとそれらのうまさがより引き立ちますね。筆の置き方や間の取り方なんかが絶妙のバランスです。
にしても具象から抽象にいく人は多いけれど、抽象から具象って中々なくておもしろい。
ちなみに旦那さんの中西さんも青森のレジデンスですっかり森の魅力に取り憑かれ、今ではアプローチの違いはあれど、夫婦そろってモチーフが森ってのがおもしろいですね。

田中偉一郎「春の展示即売会」@Yuka Sasahara gallery
今回の東京ギャラリー巡りでは前回できなかった、東京の変わりゆくギャラリーマップを辿る旅をしてきました。中でも大きな変貌を遂げた、神楽坂エリアと白金エリアを探索。
まず神楽坂エリア。
昨年までは児玉、山本現代が入っていたところに、今年、京都にあったmori yu galleryとYuka Sasahara galleryが入ってきました。
そこで、昨年の六本木クロッシングでも笑いを振りまいていた田中偉一郎の展覧会が行われていました。「展示即売会」ということで、おもっきし手書きの値札がつけられていて、そのどれもがおかしい。1人でにやにやしながら見てしまいました。ひとつくらい買ってもよかったかしら。
mori yuの方はあまり好きな展示ではなかったので割愛。
また、同じビルの高橋コレクションではそのコレクション展が披露されてました。
会田誠や山口晃、小谷元彦など、今をときめく作家たちの作品群。
あまり好きな作家たちではないけれど、代表作に近いものまで展示されててびっくり。
「テーマはないけど、好きなもの並べました」ってスタンスもよかった。

白金エリアはわざわざ行ったけどとりたててここに書くこともありません。
新しく作ったので綺麗ってことくらいでしょうか。もうよっぽどでもない限り来ないと思う。
ところで、児玉画廊にて、同じビルに入っているはずの山本現代と高橋コレクション白金支店の入り口がわからなかったので、受付で聞いたら、普通にギャラリーマップ取り出して探し始めてびっくり。いや、同じビルやんとつっこみたかったけど我慢してたら、ようやくそのことに気づき、なんとか入り口を教えてくれました。その女の子は上の階にあるそれらのギャラリーに行ったことがなかったらしい。正直どん引きでした。この児玉画廊は、前の神楽坂にあった時も、客が作品見てるのに平気で作品の配置変えたりしてはっきりいってプロ意識ゼロのギャラリーだと僕は思ってます。今回の一件に関してもそうですが、ホント呆れてものも言えません。なんだかなー・・・。
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