中西信洋「Halation」@nomart project space
オープニングの日、バイトを終えて文字通り駆けつけたのだけど、ちょうど終わったとこだった。中西さんとその奥さんで小生の先輩に当たる北城さんが現れたので、本能的になぜか隠れた。面識が少しではあるがあるにはあるので、なんとなく気まずかったんです。
ってことで広島から帰ってきたその日にリベンジ。
今回は中西さんが昔から取り組んでいる「ストライプドローイング」の展示。「ストライプドローイング」とは、ペンでストライプを描き、その余白が形を成して行くというもの。
中西さんの作品は概してその余白に本質がある。
彼の作品にはしばしばボイドが見られる。
彫刻出自の作家なので、彼なりの彫刻論というのがそこにあるんだろう。
今回のストライプドローイングだって、描いている所と違う所に形ができるという矛盾がおもしろい。
日本画などに見られる「間」とはまた違う「空」の形なのだと思う。
ロフトスペースにはそれらの版画作品。キューブには壁に直接行ったウォールドローイング。
驚いたのはキューブの方。今までその余白は概して抽象的なフォルムを描いていたのが、それは「森」であった。まるで木漏れ日のように漏れ出るストライプ。ドアが設置され、閉めて入ると真っ白な空間に観客は取り残されることになる。この体験は人のごった返すオープニングでは味わえなかったであろうので、あの日間に合わなくてよかったなどと言ってみる。にしても1人で味わうのがこの作品の醍醐味だろう。
以前中西さんは青森のレジデンスプログラムに参加し、その森に囲まれた環境は彼に大きな影響を及ぼしたと見られる。今回のウォールドローイングはその森の反映だと思う。
おもしろいのが、奥さんの北城さんも同じく最近森の風景を描いている。彼女の場合は岡山でのレジデンスが影響しているだろうけど。夫婦そろって同じ様な主題に取り組んでるのはおもしろい。お互い影響し合える仲なんでしょうね。
ちなみにその北城さんは4月1日から26日まで銀座のINAXギャラリーで展示があります。
あとは、ロフト2階にレイヤードローイングの映像バージョンがあった。時間をずらして撮った映像を重ねて行くというもの。昨年ギャルソンの店頭でショーの映像を組み合わせた作品を発表したらしい。
でもこっちは微妙な感じでした。4月19日まで。
中比良真子「The world turns over」@neutron
先輩の中比良さんの2年ぶりの個展。
1度話したことがあるくらいの面識ですが、中比良さんの作品は、学生の頃から廊下に置かれていても一際光るものがあって、何度も個展には足を運ばせてもらってます。
特に水を描いた作品はとても力強くて、パッと見て中比良さんの作品とわかります。
独特な絵の具の質感も特徴で、色がとても綺麗。
今回の新作は、水に映る風景を切り取った作品たち。
元の風景である水の上の風景はすごくデフォルメされていて、水に映る像はとても鮮明。
そういう作品たちが何点か展示されていたけれど、正直前のような力が画面になかった。
事前にイメージをネットなどで見ていたのだけど、その画像を超える生の力が感じられなかった。
一番奥に飾られた作品はその点では一番力があったように思えたのだけど。
それでも、中比良さんが水にまた焦点を戻したのは興味深かった。
これからも執念深く絵筆を握っていて欲しいです。詳しくはコチラ。
田中真吾「ほどける距離」@アートスペース虹
同級生でアトリエも一緒に借りてる田中君の展覧会。
搬入をお手伝いさせていただきました。
いやー、もう作品が繊細すぎて困った。
展示してる側からハラハラ崩れて行くんですもの。
後半作家が壊れてしまって大変だったけど、まあなんとか搬入無事終了。
彼は2年の後半からずっと火を使い続けてて、もはや火の虜になりまくってる人です。
ちょっとモチーフに近づきすぎてる感があるので、側からみてて危険やなぁ、とか思ってしまうのですが、それはここで言わずとも本人に直接言えばいいので、ここでは敢えて多くを語りません。
明日までですんで、京都に寄る機会がある方は見てやってください。
編集者の小吹さんがサイトで書いてるレビューがあるので参考に。「勝手にリコメンド」。
このレビューイマイチ良く書いてるのかよくわからないけど、とりあえず「リコメンド」なんで。にしてもここの画廊主さんはとても良いキャラでした笑
作品の下に灰を散らす作者↓

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