池田亮司「datematics」@山口情報芸術センター

只今広島市内のネットカフェにてこの記事を執筆中…。
数時間前まで山口県にいました。
明日は広島市現代美術館の展覧会を観にいきます。後日アップ予定。
さて、山口県への目的は池田亮司氏の新作展。
チラシを見て以来気になってはいたものの、まさか本気で山口までやってこようとは…しかも青春18切符で大阪から10時間もかけてッ!我ながら狂ってます。青春もへったくれもありません。
到着しまず訪れたのはスタジオA。
入ると暗闇に浮かぶ一本の光の水平線。
よーく見ると、それは一本の長いフィルムで、さらによーく見ると数字が無数にマトリックスを成している。
その裏では膨大な何かのデータがひたすら流れていく巨大映像と高周波の音の洪水。
ただただ圧倒されてしまいました。
続くスタジオBでは何台かのモニターが床に等間隔に並べられていて、これまた膨大なデータの波と高周波の洪水が押し寄せる。
正直良いのか悪いのかも判断がつかない作品で、鑑賞後すごく変な違和感が残りました。
映し出された映像は一体何のデータだったのでしょうか。
また数字を使った作品ということで、チラシを見ていた時点では、宮島達男のような作品をイメージしていたのですが、それとはまた違っていて、そういう意味では実際見に来てよかったです。
しかし、こうなったら先日大阪でも行われていたパフォーマンスを見ておけばよかったと悔やまれるばかり。ダムタイプのメンバーというだけあって、やはりパフォーマンスでこそ真価を問われるんじゃないでしょうか。また機会があれば観にいきたい。
ちなみにこの池田さんはダムタイプ以外にも様々な人々とコラボしている。
2年前森美術館で行われた杉本博司展の「海景」シリーズの展示において、低音の音が流れていたのだけど、あれも池田さんの仕事。正直あれはしんどかったけど、他にもこないだの東京現代美術館における「Space for your future」展にも出品していたカールステン・ニコライとのユニットや、2000年にデンマーク・コペンハーゲンにあるルイジアナ美術館で開催された「ビジョン&リアリティ」展においてはこのブログでもおなじみ伊東豊雄氏との合作も。どんなんやったんか非常に気になる。情報お持ちの方はぜひ教えてください。
そんなこんなで、作品を観てますます謎が残るという不思議体験でした。
にしてもあんな高周波のエッジの効いた音に何時間もいるであろう監視員さんの耳が非常に気になる…大丈夫なんやろか。展覧会は5月25日まで。気になる方は是非。
ところでここの施設はとてもカッティング・エッジ!
開館してまだ5年ほどしか経っておらず、建築は磯崎新によるもの。
今回池田さん以外にも、インタラクティブなメディア・アートや、パフォーマンス映像など、前衛表現をプッシュするとても心強い施設のよう。図書館もすばらしかった。
正直最寄り駅である山口駅に降りた時には、まさかこんな施設があるなんて想像もできない辺鄙な場所でしたが…。
せんだいメディアテークといい、地方がすごすぎる!
その点都市部はホントだめ。特に大阪。腐ってます。
子供たちの姿が多々見られたんやけど、ある種これは文化の英才教育ですよ。こんな施設に子供の頃から接してたら何人かはすごいのがでてくるやも。うらやましい!現代の「松下村塾」になるか!?これからが楽しみです。
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