宮島達男「Art in You」@水戸芸術館

宮島達男の展覧会を見にはるばる水戸まで行ってきました。
水戸芸術館は2度目の訪問。東京から2時間・・・遠い。
ここは地方の美術館ながら、ホントに素晴らしい展覧会をコンスタントに行っていて、壁の状態とかもよくて、遠いことを除けば素晴らしい美術館です。
磯崎新による設計で、芸術館というだけあり、美術だけでなく、コンサートホールなんかも兼ね備えてて、この日はフルートの演奏会があったみたい。
そんなこんなで、チケットを買っていざ中へ。
まず最初に現れるのが「Death of Time」という過去に発表した広島をイメージして作られた作品。
彼の作品は、発光ダイオードによる数字カウンターが使われ、それが部屋に一列に並んでいて各々違う速度で数字を刻んでいる。彼のカウンターには0は存在しない。0は死を意味するらしく、その0が並んだ箇所があり、そこだけが暗闇に溶けてヴォイドになっている。
次からは新作がどんどん続くんだけど、正直どれもピンとこなかった、というか、宗教色が濃すぎて全然着いて行けませんでした。彼自身ある宗教に傾倒してらっしゃるってのもあるんやけど、それにしてもちょっと無茶な感じがありました。
「命の大切さ」とかいうのはわかるんやけどねー・・・。
特にドローイングは、、、言葉もありません。
今回最も注目の高さ5.5mにも及ぶ大作「HOTO」は、仏教に伝わる「宝塔」になぞらえた作品で、色んな種類のカウンターが鏡面のそれに埋め込まれている。にしてもこの形、僕にはそそり立つアレにしか見えないのは気のせいですかね(爆死)
あと、各地でワークショップを開いて制作された「Counter Skin」や「Death Clock」もなんかピンとこなかった。後者は2005年に熊本で実際やらせてもらって楽しかったけど、今回は参加型ではなくて残念。2年以上前になるけど、すでに死相感が僕の中でも変わってるので、アップデートしたかったのだけど。長生きがしたい!
そんなこんなで、特に感動もなく終了しました。
なんだか散々なレポートですが、それでもこれだけのキャリアで回顧展になってないのはやっぱすごいな、と思った。最初の作品以外全部新作ですからね。
彼の新作を一挙に見られるという点では要チェックの展覧会。5月11日まで。
- 関連記事
-
- 英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展@森美術館 (2008/04/26)
- ヴォルフガング・ティルマンス@WAKO WORKS OF ART (2008/04/25)
- 宮島達男「Art in You」@水戸芸術館 (2008/03/09)
- サラ・ジー展@エルメス銀座 (2008/03/08)
- 川俣正「通路」@東京都現代美術館 (2008/03/07)