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中川佳宣展「光の根」@nomart project space

日本に帰って来てからロンドンにいた時に比べ展覧会を観に行く回数が減った。
まあ、最近のブログの更新頻度とロンドンにいた時のそれを比べれば一目瞭然。
やはりロンドンには日本とは比べ物にならないくらい質の高い展示が目白押しだった。
それでも帰って来てよかったな、と思えるのは恩師や友人・知人の展覧会を見られること。
やはり日本で活動してる人が大多数なので、これらの展覧会を気軽に観に行けるのは幸せです。
ロンドンにいる時何度知人の展覧会を観に行けずに歯がゆい想いをしたことか。
ということで、今回は、帰って来てから行われた知人達の展覧会のレビューを書きます。
知ってる人たちなので、逆に書きにくいけどあえて挑戦。苦情は受け付けません笑

まずは大学時代の恩師の1人中川さんのノマルでの個展。
彼の作品は非常に寡黙で力強い。本人は至ってエロ親父なのに爆
今回の個展は昨年の個展を発展させたものだそうだ。
昨年の個展ではわからないわからないと繰り返してた小生だが、今回行ったらなんとなく中川さんの作品が理解できてうれしかった。
彼の作品はスタイリッシュからはほど遠いほどに無骨だ。
ザラザラしていて、まっすぐではない。
それは彼が滋賀の自宅でやってる農業に深く関係している。
結局アートも人の手仕事なのだ、というメッセージが伝わってくる。
日本に帰ってくると何もかもがツルツルしていて、現実感を失いそうになる。
ヨーロッパでは石畳が未だに残っていたり、とてもゴツゴツしている。
とても歩きにくいんだけど、足に刺激が伝わって「歩いている」という感じがする。
日本では失われつつあるその現実感を中川さんの作品にはとても感じた。
そして今回タイトルでもある「光の根」というコンセプトにとても共感を憶えた。
彼がこの展覧会に寄せて書いた文章中にあるファーブル著「植物記」の一説がとても印象的だ。
植物は性格が正反対の二つの部分に分かれている。光を求めてやまない茎と、闇がほしい根とである。茎は太陽の光をあびるために、自力で立ちあがれないときには、巻きひげ、かすがい、かぎ、登攀根といった、登るためのあらゆる道具の助けをかりる。しゃにむにとなりの茎に身を寄せかけて、らせんにからんでゆく。必要とあれば、相手を腕のなかでしめあげてしまう。根のほうは暗闇でしか生きない。どうしても地中の闇が必要だ。そこに達するためには何ものにもたじろがない。腐葉土がなければ、粘土に凝灰岩のなかにでももぐりこむ。傷を負う危険をおかして石のあいだに忍び入り、岩のさけ目にすべりこむ。第一に必要なことは太陽を見ないことだ。極度に対照的な性格はみなそうだが、根と茎の反対の性向もごく幼いときからはっきり現れる
以前木というのは、枝が延びている範囲と同じだけ地中に根を張っているという話を聞いた。
見えない部分にこそ本質が隠されている。
今回の展覧会を通して色んなことを考えてしまった。

小枝繁昭「彼方に見えるもの」@KOUICHI FINE ARTS
こちらも大学時代の恩師、小枝さんの個展。
彼はガラス越しに花を覗き、その上から絵の具で花との対話によって生まれた色を置いていき、それを最終的に写真に落とし込むという作品で知られてますが、今回はシンプルにアクリルで花を描いたドローイングのような作品達だった。
前者の表現と比べ、やはり、地味ではあるが、小枝さんの眼差しが届くようだった。
にしても、ちょっと間違ったら年寄りの趣味にも見えなくもなくて・・・。
お話を伺いたかったが、在廊してらっしゃらなかったのでできなかった。残念。
小枝さんはずっと「今を感じる作品を作りたいし見てみたい」とおっしゃってた。
その「今」という事に関して色々お話またお聞きしたいと思う。
彼もロンドンに滞在制作をしていた事があり、それに関するインタビューで、帰って来て日本のことを考えた作品を作りたいというようなことを仰ってた。マーケット受けするような作品ではないかも知れないがそれでも日本人として作品を作っていきたいと。僕も今そんな気持ちです。あぁ、色々お話ししたいです。

表恒匡「R」@neutron
先輩の表さんの個展。
3つ上の先輩ながら、個人的に親しくさせていただいてる人です。
実際表さんの展覧会は個展、グループ展含めほとんど見させてもらってます。
毎回次はどんな展開でくるのか楽しみで、今回も期待して観に行きました。
正直、神戸アニュアルや去年の大学内での展示に僕は満足できませんでした。
それは作品にどこか迷いのようなものを感じてしまったからでした。
本人的にはどうかわからないのですが、見手の1人としてそう感じたのです。
しかし今回の個展では、その迷いが吹き飛んでとても気持ちいい作品達でした!
初期の反射率の高いブラックペインティングから、うまく引き継いだような写真。
真っ黒の夜の水平線の写真にアクリルがマウントされていて、その水平線が突き出すように物理的に曲げられ婉曲した作品が2作と、星空を長時間露光して撮られた作品にこれまたアクリルマウントが施され、天頂になる部分が穿たれたアクリルが歪んだ作品。
写真というのは概して冷たい印象が漂うものです。
なにせモチーフが写真の向こう側にある上、表面はツルツルだから。
しかしこの作品は物理的効果がその冷たさを感じさせない強さを持っていました。
また次はどういった展開がくるのか楽しみです。コーヒーごちそうさまでした。

川北ゆう「WATER WAVER」@立体ギャラリー射手座
同級生です笑
彼女の作品は言葉では表しづらい抽象性があるのですが、昔から作品には一貫性がありました。
コンセプトとして一貫するのは簡単だけど、作品として一貫するのは中々難しいと思う。
それを彼女はさも自然にやってのけてる人です。
3年の頃(3年くらい前)、オブラートという素材に出会い、彼女の作品はより一層広がりを見せました。
そして今回もオブラートで描かれた、必然と偶然による表現は健在で、前までペンを使って描画していたものを、油絵の具に変えたという新しい試みは、今までにない力強さを携えていてとてもよかった。まるで書道家が一筆でえいやと書いたような力強さ。見ていて気持ちがよかったです。色も形もすごいよかった。
そして新作の乳白色のアクリルの上に水たまりを作って、そこに絵の具を指ですっと延ばしたストロークの作品も悔しいくらいよかった笑 これまた彼女の世界観を何の無理もなく引き継いでいて、その影には努力もあっただろうけど、それを感じさせない気持ちよさがあった。
そしてギャラリー空間との兼ね合いもとてもうまくいってて、全体的にも綺麗過ぎるくらいのまとまり。ホント友人とか抜きにしても良い展覧会なので、是非京都に行ったら観に行ってやってください。今月23(日)まで。

西山美なコ「いろいき」@京都芸術センター
直接は関係ないんだけど、去年から精華の立体に教えに来てる精華関係者ってことで。
彼女の作品は、少女が描くメルヘンを極端なまでに表現した作品で知られます。
砂糖でできた王冠や、リカちゃんハウスをでかくした様な立体インスタレーションなど。
そんな中でも彼女が最近力を入れてるのが装飾的ドローイングやレリーフ。
今回は南・北ギャラリーだけでなく、元小学校である芸術センターの階段の踊り場や渡り廊下にもドローイングを施してあって、中々見応えがありました。
ギャラリー内では白いレリーフの裏地にピンクを塗って、壁や床から少し浮かして展示する事で、その裏地の色が緩やかに反射する立体作品が展示されてました。とても綺麗で繊細な作品のため、今回残念でならなかったのがなんといっても床の汚さ。反射する床が、よりその汚さを強調しているのが残念でなりませんでした。
そんな中でも、踊り場にあったすごい薄いピンクで塗られて、浮き出て来る様な壁画はすばらしかった。思わず写真に撮ったけど何も写らなかった。残念。
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