スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

176 & 111

サーチに続けとばかりに英国の大蒐集家2人(組)が相次いでギャラリーをオープン!
ひとつはザブルドウィック夫妻によるカムデンロックマーケット近くのチョークファームにて住所の番地をそのまま名前にした176。もうひとつは、デイビッド・ロバーツ氏によるこれまた住所の番地そのままのone one one(111)。にしてもこっちのギャラリー名の付け方ってホント適当。Frith Street GalleryなんてFrith Streetから引っ越してもこの名前のままやし。
そんなこんなでどちらも行って参りましたのでレポートします。

AN ARCHAEOLOGY @ 176

19世紀の教会をそのままギャラリーにしっちゃった176。
ってかこれ立派に公営の美術館ですってば。。。やることでかすぎ。
規模的にはホワイトチャペルギャラリーくらいの規模。
圧倒されつつ中に。早速Liz Craftによる、ブロンズの星座の彫刻と、ミュンスターにも出てたPae Whiteのインスタレーションがお出迎え。
中に入ろうとすると呼び止められ、まさか金をとられるのか、とびくびくしてたら会員証を作れば無料で入れてくれるとのことなので、もう来るかわからないけどとりあえず作ってもらった。中へ。
タイトルとステートメントが書かれたパーテションがまずあって、そこにはRenata Lucasによる監視カメラの映像があり、どうやら建物内にいるサルを監視してるようだ。その裏にはMarcela Astrgaのベルトが連なった作品があり、その横にはVanessa Beecroftの白人のマリアが黒人の赤ん坊を2人抱いてる写真が飾られている。そして絵はがきラックを展示台として、様々な時代の女性の写真が飾っていたのはMathilde ter Heijne。個人的にこの作品の展示方法が新鮮で好き。持って返ってもいいことを後で知ってショックを受ける。
こんな風にして作品が次々と連鎖的に展示してある。個々ではまったく違う作品なのにここまで自然に流れるような視線誘導を促す展示をしてるのはキュレーションの妙と、この建物の力だろう。
数年前まで演劇スクールであったため、その名残か壇上があり、それを見下ろすように吹き抜けで上には客席まである。この独特の建物と今回のテーマ「考古学」とが見事に合致している。
特に入って右のEast Galleryの展示は、とても博物館的でよかった。
映像まであるのに、なぜか古めかしく見えてしまう不思議。
またその対面にあるCandice Breitzの部屋では、テレビが何台か置いてあって、ソファや机、ベッドなども置いてある。しかしテレビに映し出された映像は、映画からある台詞だけが繰り返されていて、うるさくて気が狂いそうになる。
奥に行くと滞在しながらどんどんインスタレーションが増殖しているRina Banerjeeの部屋があり、さらに奥に行くと圧巻の大部屋でEve SussmanとRufus Corporationの映像が映画館よろしく上映されている。ギリシャ神話の地獄絵図のような、男女が肉欲に溺れて行く様を戯曲的に描いたその映像は圧巻。
上に行くとこの建物の本領が発揮される。
なんといっても元「客席」から眺めるこの建物の全貌はすごいの一言。
元演劇スクールと元教会という背景の建物に現ギャラリーとして美術品が展示されてる様は不思議な光景。
現代美術を見てるんだけど、何かの調度品をみているような感覚。
サラ・ルーカスの作品とかも何か別の見え方がして面白かった。
今回のオープニング展はテーマのチョイスも、作品のチョイスも抜かりがなくほぼ完璧な展覧会だった。
ただ建物とキュレーションが良過ぎて、これらの作品を別のところで見た場合に良いと感じられるのかな、という疑問もあった。まあ、それだけアゲアゲの建物とキュレーションってわけですね。
これからどんな展開を見せていくのか非常に楽しみなギャラリーです。
にしても開館時間なんとかならんのか。木・金11時から3時まで、土日11時から6時までって。

Works from david roberts collection @ Gallery one one one

こちらは普通サイズのギャラリーで176に比べれば全然小さいが質が半端なかった!
まず今回の展示では何気にゴームリーとキーファーがあるのがすごい。
地下では今回のヴェニスの韓国館代表を務めたイ・ヒョングの作品が堂々と展示されてあった。
そして、なんといっても今回ダグ・フォスター(Doug Foster)の作品が素晴らしかった。今回初めて見たけどこういう映像の見せ方もあるんだ、と思わせる作品。
まず会場に別々の形をした方形の錆びた鉄の箱が置いてある。
入って一番手前にある'Frozen'は、箱を覗くと冷凍された人たちが次から次へと円を描くように映されそれがループされる。その奥の’BOB’は男が長い廊下を速い速度で鞄を持って歩いていて、廊下の途中で全く同じ姿の男とすれ違う。そしたら今度はすれ違った男の風景になってまた男とすれ違って、というループ映像。そして一番奥の'Breather'が素晴らしかった。箱には覗き穴が上下それぞれ2つ開いていてそこから中を覗くと裸の男女が水中でキスをする映像が見られるんだけど、本当にその箱の中にその男女がいるんじゃないかっていうくらいの臨場感が味わえる。
映像の最大の敵はずばり「飽き」だと思うんだけど、この作家の作品はその「飽き」が全くなかった。やはり映像というのは絵画や彫刻と違って、ある一定時間無理にでも観客を拘束してしまうから、それなりの作品じゃないとやってられない。この作家の場合、「覗く」という行為を観客にさせることで、ただ見るだけじゃなく、作品に積極的に参加させる。そしてとても心地よい抜群のループのリズムだった。
このデイビッドさん、他にもたくさんいい作品を持っていそうなので、展示が変わる度に要チェックな気がする。今回の展示は1月まで。センターから近いのがよい。


176の帰りにバンクシー発見!
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

もりかわみのる

森川穣
現代美術作家。
森川穣 website

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理者用
カウンター
検索フォーム
To See List
RSSリンクの表示
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。