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52 la Biennale di Venezia ♯3

旅の最後の報告はヴェネチア内でビエンナーレに便乗してやってる様々な展覧会の話。
行った頃には終わっていたが、デミアン・ハーストやトーマス・デマンドの展示、そしてペギー・グッゲンハイムでは9月2日までボイスとマシュー・バーニーの展覧会がやってたり、ぎりぎりで終わってしまってたヤン・ファーブルや時間の都合で行けなかったジョセフ・コスースや杉本博司など、この時期はヴェニス中で大展覧会が目白押しなのである。
そんな中から今回行った展覧会をいくつかご紹介。

Bill Viola 'Ocean Without a Shore' @ Chiesa di San Gallo

実際今回のビエンナーレよりヴェニスに来たのはこっちに依る所が大きい。
ビル・ヴィオラによる教会を使ったインスタレーション。悪いわけがない。
実際行ってみると最初閉まっていて泣きそうになる。次の日リベンジして開いててホッとしたけど。
教会内に入ると、3つの大型液晶テレビが正面と左右にかけられていて、人影が映し出されている。
やがてその人影がゆっくりこちらに近づいてきて、何もないと思われた画面の手前に実際は水の壁があって、人がそこからびしょびしょになって出てくる。そしてゆっくりまた水の壁の向こうに戻って行くという内容自体はシンプルなもの。
水の「あちら側」はモノクロで、「こちら」に出てくるとカラーになる。
水の壁は明らかに「この世」と「あの世」にある絶対的な境界線のようである。
人々が「こちら側」から「あちら側」に帰って行く時に見せる悲しげな表情が印象的。
そして入れ替わり立ち代わり色んな人々が出てきては帰って行く。
次の人はどんな表情を見せるのだろうと気になって中々教会から出れなかった。
しかし正直教会でやると聞いてたので、もっと相応のインスタレーションを期待していた。
あれだったらどの会場でもできたような気がする。
実際前回スタエ教会でやってたピピロッティ・リストの教会の天井に大きな映像を投射していた作品の方が圧巻だった。
それにしてもあの映像のすごさはやはりビル・ヴィオラ。神だ。11月24日まで。

李禹煥 'Resonance' @ Palazzo Paulumbo Fossati

もの派を代表する李禹煥の初のヴェニス展示。
東洋思想を美術に還元する作家の作品が西洋の古いゴテゴテした装飾的な建物の中にあるのがおもしろかった。11月21日まで。

森村泰昌 'Requiem for the XX century @ Galleria di pizza San Marco

サン・マルコ広場の近くのギャラリーでの展覧会。
最初はチェ・ゲバラや毛沢東、ヒトラーなど20世紀の著名人に扮した写真の展示。アインシュタインはそっくり。
次の部屋は三島由紀夫に扮した作家が美術について熱弁してる映像。
上の階も歴史的事件の再現写真と演説の映像。
三島とか世界の人が見てわかるんだろうか。ちょっと疑問。10月8日まで。

ARTEMPO : Where Time Become Art @ Plazzo Fortuny

建物のファサードを覆うエル・アナツイの作品にさっそく出迎えられるこの展覧会。
タイトルはART(芸術)とTEMPO(時間)を組み合わせた奇妙な造語。
副題に「アートが時間になる場所」と示されている。
中に入ると、ベーコンやら古代遺跡やらが等価に展示されている。
上に上がるとその展示が一層激しさを増し、どこまでが古代でどこからが現代のものか区別がつかなくなる。
机に置かれた表を見ながらどれがどの作品かを見極める。
奥にはタレルの部屋。相変わらず神っぷりを発揮している。
他にもルイーズ・ブルジョワ、河原温、宮島達男、ヤン・ファーブル、フォンタナ、具体作家の作品などが人体模型やミイラなどと一緒くたに展示されてあって、建物内の雰囲気は異様そのものであった。
「どこでもない場所、いつでもない時間」
そんな言葉がふっと浮かぶような不思議空間。
まさに時間がグラデーションのようにアートという文脈に混ぜ込まれている。
にしてもすごい展覧会だった。
今回ドクメンタやホンブロイッヒ美術館でも過去のものと現代のものがごっちゃに展示されてる空間を見たけれど、今回の展示はものすごい不気味さに包まれ印象深い展覧会だった。10月7日まで。

他にもピノー財団が買い取ったパラッツォ・グラッシのシークエンス展やリチャード・ハミルトン展も見た。前者はもうアートがデザインのようになってる感じがしてまったく好きになれない展覧会だった。建物も安藤忠雄がリノベーションしたらしいが、安藤らしさは微塵も感じられない。ハミルトンは絵画(コラージュ)と現実空間を行き来するパラレルワールド的な作品。こちらも特に感想はなし。
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