Sarah Sze @ Victoria Miro

いよいよロンドンアート秋の陣が始まりました!
7月・8月は本当にいい展覧会がなかったけど、これから続々と始まっていきます。夏休みで休んだ分、復帰第一弾って感じで、各ギャラリーは秋に一押しの作家の展覧会をもって来るのです。にしても学生のショー以外のロンドンのアート記事は6月3日のデミアンの記事以来とは・・・。ロンドン滞在も残すところ僅かですがばしばし書いていきますのでよろしくお願いします。
そんな中でも僕が最も楽しみにしていた展覧会の1つがこのサラ・ジーの展覧会。
彼女の作品を初めて見たのは金沢21世紀美術館にて。日常品を使いながら秩序があるのかないのかわからない絶妙なバランスで天井から床まで続くインスタレーション。その後美術手帖にインタビューが載ってるのを読んだり、昨年の東京現代美術館でのカルティエの時の展示を見たりして、とてもおもしろい作家だな、と。
そしてこのヴィクトリア・ミロで展示をやると聞いて駆けつけてきました(実際閉館ギリギリだったので文字通り走った走った)
ここのギャラリーは元倉庫かなんかを改築してギャラリーにしてるので天井が高いのが売り。
まさにサラ・ジーにうってつけの場所!
会場は期待通りのサラ・ジーワールド全開。
これまでここのギャラリーで見たのはこの高い天井をあまり利用してない展示だったので、天井から床へどこまでも伝っていく彼女の作品でようやくこのギャラリーの本領発揮といった感じ。
見れば見るほどわからなくなる彼女の作品に逆にすがすがしさすら感じました。
2階にも初めて登った。
円を描く毛糸。整列する長短のネジ。ばらまかれた待ち針。電車のチケット。扇風機。レポート用紙。梯子。カラーチャート。空箱。日常にあふれたものたちが彼女の手によって彼女の作品に変貌していく。
どういう頭してるんだろうか。搬入の時はどれくらいの材料を集めるのだろうか。などなど疑問もつきないけど、もう何も考えずに頭すっからかんにして彼女の世界に浸るのが本当に気持ちいい。今月末までの展示。ロンドンにいる方は是非!
ここのギャラリー最近あまりいいのやってなかったけど、次回は前回ターナー賞を惜しくも逃したフィル・コリンズの展示。また来月も来させていただきます!
Gary Hume @ White Cube
センターのホワイトキューブにてゲイリー・ヒュームの展覧会。
'American Tan'と題された今回の展示は、彼がNYで見たチアリーダー達に感化されて描かれたペインティングと初の彫刻作品。ペインティングは2種類あって、一方はアルミニウムの上にグロスの絵の具で描かれたもの。もう1つはキャンバスに同じくグロス絵の具とチョークなどで描かれた作品。どちらもヒュームらしい色合いでとても気持ちよかった。去年のホワイトキューブでの大理石の作品より断然いい。これぞヒュームといった感じ。にしても彫刻はいただけなかった。ペインティングのイメージをそのまま立体に起こしたようなもので、愚作としか言いようがない。しかも絶対発注で作ってるし、彼のこだわりなんて微塵も感じる事ができない。どうしてペインティングだけにしなかったのだろう。残念でならない。こちらは10月6日まで。
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