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「PERFECT DAYS」by ヴィム・ヴェンダース



今年最後にして最高の映画だった。。。
ヴェンダースが渋谷のトイレをテーマに役所広司主演で映画を撮るって聞いた時点で期待してたけど、その期待を遥かに上回りました。
カンヌで主演男優賞とったのも頷ける役所広司の演技が兎にも角にも凄い。
本当に実在するとしか思えないリアリティがあって、彼の生き様が2時間ちょいに刻まれています。
特にラストの3分ほどの長回し!
顔芸とも言える表情だけの演技マジで神ってた。
役所さんって役によっては拗過ぎることがあるけれど、この役は彼にしかできない見事なキャスティング。
彼のルーティーンの生活の所作もいちいち美しくて見入りました。
役を生きるってこういうことなんだな、と改めて思いました。
しかも撮影期間がたった16日しかなかったなんて、本当に信じがたい。
数十年分の時間がこの平山という役に宿ってました。
さらにそこに登場するカセットテープ、フィルムカメラ、古本、コインランドリー、、、。
昭和としか思えない日本人の美しい生活をドイツ人の監督が撮ってるんだから不思議で仕方ない。
映画の時間中、これといったドラマもないまま淡々と丁寧に主人公の生活を追いかけていく様はほぼドキュメンタリー。
そこに挟まれる夢の映像はアート作品のようだし、色んな表情を見せてくれる映画です。
ジャームッシュの「パターソン」も彷彿とさせるけれど、こちらの方が滋味深さがあります。
同じように見える毎日でも、映画に頻出する木漏れ日のように、そこに落ちる光や吹く風によって、大きくは変わらなくても小さいところで変化している。それこそがまさに「完璧な日々」なんですよね。
他の役者陣も豪華で、特に三浦友和と役所広司の共演シーンは痺れました。
石川さゆりの「朝日のあたる家」が聴けたのも衝撃だし、田中泯の台詞のない身体表現も流石。
めちゃくちゃ地味だけど見どころ満載の映画なのでぜひ!!こちら


他に今年後半に観た映画まとめ。

「枯れ葉」by アキ・カウリスマキ
カウリスマキ節が炸裂してる映画。
表情の乏し過ぎる登場人物たちがシュール過ぎましたw
どこのいつの時代なのかもわからない雰囲気なのに、ところどころに挟まれるロシアウクライナ戦争のニュースにこれが現代なんだと思い知らされます。
ただ現代なのに東京ラブストーリーよろしくのすれ違い劇が繰り広げられてて不思議過ぎた。。。



「アアルト」by ビルピ・スータリ
フィンランド繋がりでアアルトのドキュメンタリー。
正直映画としてはどうってことない内容だったけど、映像で観るアアルトの建築が美し過ぎて目を見張りました。
アアルトとアイナの手紙のやり取りが2人の間でしか成立しない温度感でドキドキ。



「サタデー・フィクション」by ロウ・イエ
前回の「シャドウ・プレイ」がイマイチだったのでどうかと思ったんだけど今回はこれぞロウ・イエ!って感じで最高でした。
美しいモノクロームの映像に美しい人々、美しい戦前の上海。
オダギリジョー特に好きじゃないけどやっぱり映えますね。
そして中島歩も素晴らしかった。最後の方は怖いぐらいに迫真の演技でした。
マーク・チャンも優男イケメンって感じで惚れ惚れ。
コン・リーも55歳とは思えないぐらい透明感があって美魔女が過ぎる。。。
演劇と現実が交錯していく構成も見事で、最初戸惑ったけどどんどん引き込まれていきました。
次回は「ブラインド・マッサージ」みたいな地味な映画が観たいな。



「首」by 北野武
結構期待していたのだけど、やや期待外れ。
日本人でもこの辺りの勢力争いは難しいのに海外の人が観て理解できるんだろうか。
そしてたけしが秀吉なのは無理があり過ぎ。せめて家康でしょ。
西島さん(明智)と遠藤さん(村重)のラブシーンは「きのう何食べた?」と被り過ぎて混乱。
西島さんって演技の幅がないからこういうデジャヴが起こっちゃうんだよね。。。
加瀬亮と中村獅童の怪演は見事だったりカットが美しかったり良いところもあったけど話が散漫過ぎ。



「ほかげ」by 塚本晋也
一生不穏なムードを和らげない塚本映画の真骨頂。
演者みんな素晴らしかったけど、何と言っても子役の塚尾桜雅君がすご過ぎた。。。
彼のあのつぶらな瞳がなければこの映画成立しなかったと思う。



「キリエの歌」by 岩井俊二
岩井俊二の映画って必ずと言って良いほどどこか無茶があるんだけど、今回一番その無茶が少なかったように思いました。
何と言っても主演のアイナの存在感が圧倒的すぎる。
僕は全然BiSHも通ってないので、初めてちゃんと彼女の歌を聴いてたまげました。
映画の中で、喫茶店でいきなり歌わされるシーンがあって、普通だったらそんなアホなってなるけど、彼女の歌声だと皆そうなるわな、っていう説得力が凄い。
冒頭の歌が最後に繋がるのは鳥肌もの。
何度かここで終わったら良いのにってシーンがあったんだけど、このエンディングにはやられました。



「バカ塗りの娘」by 鶴田慧子
津軽の刺子は知ってたけどバカ塗りは知りませんでした。
コツコツ重ねていくのが津軽の特徴なのかな。
途中の同性婚とか入れる必要あるのか疑問でしたが、なかったら地味過ぎて成立しないのかも。。。
木野花さんの津軽弁がガチ過ぎて途中普通に聞き取れなかった笑



あとは「ゆとりですがなにか インターナショナル」と「唄う六人の女」なんかも観たけど特に感想はありません。
特に後者は酷かった。。。


おまけ。
11月某日、なんと是枝裕和監督の最新作のエキストラに参加してきました!!!
お店の郵便受けに参加募集のチラシが入ってて、最初絶対嘘だろうと思いながらお客さんと話してたら、酔った勢いで応募してみよう!となって応募したら当選してしまった次第。
当日は朝8時半集合で無理かもと思いつつ3時間半睡眠でなんとか起きて後楽園ホールへ。
内容は伏せますが、終わったのが19時過ぎという過酷過ぎるスケジュール。
その後お店開けてマジで地獄だったけど、是枝監督の映画撮影という貴重な現場が観られて良い体験になりました。
公開したら私を探してみてくださいw
最後はオバショットでフィニッシュ!お疲れ様でした!!
ちなみに是枝監督本当に良い人過ぎてビビりました。人格者が過ぎる。

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