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ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室 @ DIC川村記念美術館

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早起きできてしまったので急遽川村記念美術館へ。
東京駅から9:55発の直行バスが出てるので、川村へはこれに乗るのがベスト中のベスト。
遠いので毎度躊躇してしまうのですが、行ったら絶対満足できちゃう美術館。
今回もロスコルームでうっとり時間を過ごしました。家に欲しい。

それはともかく今回はジョセフ・アルバース展。
一昨年パリでアルバース夫妻の展覧会既に観てるからパスしようかな、とも思ったんだけど、やはり無視できず行っちゃいました。
「日本初の回顧展」と銘打たれてますが、今回は彼の画業だけではなく、教育者としての一面がかなりフィーチャーされてて、そこがかなりミソな展覧会となってます。
アルバースは戦前から戦後にかけて、バウハウス、ブラックマウンテン・カレッジ(BMC)、イェール大学で教鞭を取っていました。
その教え子の中にはラウシェンバーグなんかもいて、戦後美術にかなり貢献した人物なのです。
とはいえラウシェンバーグは彼の指導をかなり無視してたみたいですが笑
会場には二つ入口があって、展覧会会場への入口とワークショップ会場への入口。
このワークショップ会場が最高なのです。
会場には夏休みの影響か家族づれが結構いて、みんな楽しそうにアルバースの課題に挑戦していました。
彼の授業ではとにかく色を「見る」ことが最重要視されていて、絵の具ではなく色紙がよく使われていたそう。
混色によって色を作るのではなくて、あくまで選び出すことこそが重要なのです。
というわけで、そんな彼の課題が大きく4つ提示されていました。

① 色のマジック: 1つの色が2つに見える


②3色の世界: 同じ色から違う世界が生まれる


③透明のトリック: 透けていないのに透けて見える


④ひだ折りの練習: しなやかな紙が立ち上がる



これらの課題をこなした成果物が壁一面に貼られていて壮観な景色なのです。
展覧会会場では、実際当時の生徒が同じ課題に取り組んだものも展示されてて、目や頭だけでなく身体を使って歴史と繋がっていく感覚は素晴らしい体験になると思います。
で、アルバースの回顧展としては、まあ会場も小さいので作品数としてはそこまで多くないものの、彼のキャリアをちゃんと通覧できる内容になってて素晴らしかった。
バウハウス時代のデザインから、BMC時代に抽象に目覚めていって、あの有名な「正方形讃歌」のシリーズに行き着く過程は観ていてスカッとします。
それにしても「正方形讃歌」、約20年で2000点近く作られたそうなんだけど、本当によく飽きないな。。。という素朴な感想が。
実際彼の制作を追ったドキュメンタリー映像も流されてるんだけど、まず決まった構図を線でひいて、直接絵の具をパネルに載せてナイフで塗っていく作業の繰り返し。
以前からなんで微妙に線の揺れがあるのかと思ってたらこうやって塗ってたのかという発見がありました。
こういうミニマルな作品だったらシルクスクリーンとかの方が合ってるのでは、とも思っちゃうんだけど、実際最後の章で版画が展示されてて、こっちの方がしっくり来るんですよね。
そこはやっぱりペインターとしての矜持があったのかしら。
やっぱりパリの展示と比べちゃうと、アニも全く出てこないし物足りなさはあるものの、ワークショップがあることでかなりの満足度があったので、とてもいい企画だと思いました。
そんなジョセフの全貌が観られる貴重な機会なので是非。11月5日まで。こちら
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