新山 清:Vintage Photographs 1948 – 1969 @ スタジオ35分
最近観た都内のギャラリー展示まとめ。
新山 清:Vintage Photographs 1948 – 1969 @ スタジオ35分 (会期終了)
新山清 写真展「松山にて」@ Alt_Medium (会期終了)
Recent Discovery CADAN × ISETAN ART GALLERY @ 伊勢丹新宿店アートギャラリー (会期終了)
森栄喜 ネズミたちの寝言 @ KEN NAKAHASHI (-9/2)
まずは新宿・中野エリア。
35分とAltで開催されてた新山清展はどっちもベラボーに良かった。
35分の方は畠山直哉氏セレクションの新山本人が焼いたヴィンテージプリントを年代関係なく17点の展示。
日本における主観主義写真の代表のような新山ですが、そのどれもが素朴に目の前のものに向き合ってきた結果なのだというのが真っ直ぐに伝わってきます。
主観主義写真というとシュールな写真という印象があるけど、それはあくまで結果なのです。
とはいえ、これ何なの!?みたいな写真も多々あってとても楽しい。
一番印象的だったのは、晩年の鏡に映った三輪車を撮った写真。
これどうやって撮ったんだろう??
この角度でカメラが映り込んでないのが不思議すぎる。
そしてよく見ると銀が浮き立ってて、ヴィンテージプリントならではの物質感もありました。
Altの方は戦後故郷の松山に帰った新山が撮った「松山時代」と呼ばれる写真群。
こちらはより素朴に故郷を切り取っていて、珍しく人物も多め。
但しそこは新山で、やっぱりどこか不思議な写真も多くて、彼の世界の発見の仕方が凄い。
いつかまとめて美術館とかでも新山清展開催して欲しいものです。
これらの写真は息子の洋一さんがしっかり保管していたお陰で今の時代も見られています。
そのあたりの詳しい話は35分のラジオで語られてるので長いですがぜひ。こちら。
伊勢丹でやってたCADANとのコラボ展は可もなく不可もなく。。。
川辺ナホ、岩名泰岳、加藤翼、髙橋銑の作品が観られたのは良かった。
そして森栄喜展。
写真でそのキャリアをスタートさせた森さんだけど、今や映像にサウンドに様々なメディアを横断しながら活動していて、年々自由を感じていい感じ。
今回も眠る人々の映像と、カラーバリエーションが瞬く映像、ラジオや口笛、シルバーのプラカードにチューリップが描かれた鏡。
一見取り留めもないんだけど、空間に居るにつれそれらがゆるく繋がっていく。
不平等を訴えるスローガンはただの寝言なのか真摯な祈りなのか。
外の緑と相まって白昼夢のような不思議な感覚に包まれる展覧会です。
最近公開された中橋さんのインタビューも必見。写真は森さん。こちら。




















ケリス・ウィン・エヴァンス 「L>espace)(…」 @ エスパス ルイ・ヴィトン東京 (-2024/1/8)
ダラ バーンバウム展 @ プラダ青山店 (-8/28)
大山エンリコイサム「Notes Rings Spirals」@ アニエスベー ギャラリー (会期終了)
続いて表参道エリア。
どれもファッションメゾンの展覧会。
ケリス・ウィン・エヴァンス、やっと空で言えるようになったw
ポーラや春の草月といい、日本に紹介される機会が多くなりましたね。
とはいえ、あまり得意な作家じゃないんだよなぁ。
とりあえず観にいくけど、毎回ふーんってなる。
それよか、久々にヴィトンからの景色が全開になってて気持ちいい空間。
プラダも同様で、ここまで外の景色開け放ってる展示初めてかも。
ダラ・バーンバウムも何となく知ってたけど、作品よくわからず。。。
どちらも建築を楽しむには良い展示です死
大山エンリコイサムの展示は何これ??って感じで肩透かし凄かった。


















山田康平 「Strikethrough」@ タカ・イシイギャラリー (会期終了)
菅 木志雄「ものでもなく場でもなく」@ 小山登美夫ギャラリー (会期終了)
片山博文 羊をつくる @ TARO NASU (会期終了)
冨井大裕 「冨井大裕・堀内正和 「拗らせるかたち」」@ Yumiko Chiba Associates (会期終了)
最後は六本木。
話題になってた山田康平の作品は噂に違わずよかった。
絵の具のレイヤーの捉え方が興味深く見入ってしまいました。
上から上から覆っていくことで、下の色彩が漏れる光のような効果になってるのがめちゃくちゃ面白いです。
これは確かに欲しくなる絵ですね。
1997年生まれとまだまだ若いのでこれからどう変化していくのも楽しみな作家さん。
対照的に超ベテランの菅さんの展示が同じビルでやってるのも面白い。
そして菅さんの作品はいつまで経っても若々しくてびっくりします。
似たようなことをやってるんだけど、全然飽きないの凄い。
今回も大空間の使い方素晴らしかった。
冨井さんキュレーションの、堀内正和との2人展も最高でした。
堀内のゴリゴリ近代彫刻と、冨井さんの人を食ったような緩い「彫刻」が並列されてるのはとても面白かった。
それにしても冨井さん、新潟と栃木の美術館で別々の個展しながら抜かりなくギャラリー展示もこなしてるの凄すぎ。
美術館、どっちか行きたかったけどどっちも遠すぎる。。。泣
片山博文展はよくわからなかったのでノーコメント。



















新山 清:Vintage Photographs 1948 – 1969 @ スタジオ35分 (会期終了)
新山清 写真展「松山にて」@ Alt_Medium (会期終了)
Recent Discovery CADAN × ISETAN ART GALLERY @ 伊勢丹新宿店アートギャラリー (会期終了)
森栄喜 ネズミたちの寝言 @ KEN NAKAHASHI (-9/2)
まずは新宿・中野エリア。
35分とAltで開催されてた新山清展はどっちもベラボーに良かった。
35分の方は畠山直哉氏セレクションの新山本人が焼いたヴィンテージプリントを年代関係なく17点の展示。
日本における主観主義写真の代表のような新山ですが、そのどれもが素朴に目の前のものに向き合ってきた結果なのだというのが真っ直ぐに伝わってきます。
主観主義写真というとシュールな写真という印象があるけど、それはあくまで結果なのです。
とはいえ、これ何なの!?みたいな写真も多々あってとても楽しい。
一番印象的だったのは、晩年の鏡に映った三輪車を撮った写真。
これどうやって撮ったんだろう??
この角度でカメラが映り込んでないのが不思議すぎる。
そしてよく見ると銀が浮き立ってて、ヴィンテージプリントならではの物質感もありました。
Altの方は戦後故郷の松山に帰った新山が撮った「松山時代」と呼ばれる写真群。
こちらはより素朴に故郷を切り取っていて、珍しく人物も多め。
但しそこは新山で、やっぱりどこか不思議な写真も多くて、彼の世界の発見の仕方が凄い。
いつかまとめて美術館とかでも新山清展開催して欲しいものです。
これらの写真は息子の洋一さんがしっかり保管していたお陰で今の時代も見られています。
そのあたりの詳しい話は35分のラジオで語られてるので長いですがぜひ。こちら。
伊勢丹でやってたCADANとのコラボ展は可もなく不可もなく。。。
川辺ナホ、岩名泰岳、加藤翼、髙橋銑の作品が観られたのは良かった。
そして森栄喜展。
写真でそのキャリアをスタートさせた森さんだけど、今や映像にサウンドに様々なメディアを横断しながら活動していて、年々自由を感じていい感じ。
今回も眠る人々の映像と、カラーバリエーションが瞬く映像、ラジオや口笛、シルバーのプラカードにチューリップが描かれた鏡。
一見取り留めもないんだけど、空間に居るにつれそれらがゆるく繋がっていく。
不平等を訴えるスローガンはただの寝言なのか真摯な祈りなのか。
外の緑と相まって白昼夢のような不思議な感覚に包まれる展覧会です。
最近公開された中橋さんのインタビューも必見。写真は森さん。こちら。




















ケリス・ウィン・エヴァンス 「L>espace)(…」 @ エスパス ルイ・ヴィトン東京 (-2024/1/8)
ダラ バーンバウム展 @ プラダ青山店 (-8/28)
大山エンリコイサム「Notes Rings Spirals」@ アニエスベー ギャラリー (会期終了)
続いて表参道エリア。
どれもファッションメゾンの展覧会。
ケリス・ウィン・エヴァンス、やっと空で言えるようになったw
ポーラや春の草月といい、日本に紹介される機会が多くなりましたね。
とはいえ、あまり得意な作家じゃないんだよなぁ。
とりあえず観にいくけど、毎回ふーんってなる。
それよか、久々にヴィトンからの景色が全開になってて気持ちいい空間。
プラダも同様で、ここまで外の景色開け放ってる展示初めてかも。
ダラ・バーンバウムも何となく知ってたけど、作品よくわからず。。。
どちらも建築を楽しむには良い展示です死
大山エンリコイサムの展示は何これ??って感じで肩透かし凄かった。


















山田康平 「Strikethrough」@ タカ・イシイギャラリー (会期終了)
菅 木志雄「ものでもなく場でもなく」@ 小山登美夫ギャラリー (会期終了)
片山博文 羊をつくる @ TARO NASU (会期終了)
冨井大裕 「冨井大裕・堀内正和 「拗らせるかたち」」@ Yumiko Chiba Associates (会期終了)
最後は六本木。
話題になってた山田康平の作品は噂に違わずよかった。
絵の具のレイヤーの捉え方が興味深く見入ってしまいました。
上から上から覆っていくことで、下の色彩が漏れる光のような効果になってるのがめちゃくちゃ面白いです。
これは確かに欲しくなる絵ですね。
1997年生まれとまだまだ若いのでこれからどう変化していくのも楽しみな作家さん。
対照的に超ベテランの菅さんの展示が同じビルでやってるのも面白い。
そして菅さんの作品はいつまで経っても若々しくてびっくりします。
似たようなことをやってるんだけど、全然飽きないの凄い。
今回も大空間の使い方素晴らしかった。
冨井さんキュレーションの、堀内正和との2人展も最高でした。
堀内のゴリゴリ近代彫刻と、冨井さんの人を食ったような緩い「彫刻」が並列されてるのはとても面白かった。
それにしても冨井さん、新潟と栃木の美術館で別々の個展しながら抜かりなくギャラリー展示もこなしてるの凄すぎ。
美術館、どっちか行きたかったけどどっちも遠すぎる。。。泣
片山博文展はよくわからなかったのでノーコメント。



















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