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German Pavilion by Mies van der Rohe



20世紀のマスターピース、ドイツパビリオンへ。
作者はミース・ファン・デル・ローエ。
コルビュジエ、ライトに並ぶ20世紀建築の3大巨匠の1人。



彼の考え「less is more」が端的に表れたこの建物。
「究極」
そんな言葉がしっくりくるすごい建物でした。
無駄な要素がひとつも見当たらない。すごいことです。



それまで、僕の中で、彼は三大巨匠の中でも一番とっつきにくいイメージがあって、それは建築に対する人間味のなさからきてたんだと思います。
でもこの建物はとても暖かかった。究極なのに暖かい。
今の摩天楼を形成している、均一でまっすぐなラインはこの人のおかげだと言われていますが、巷に溢れているそれらとは確実に一線を画してる感じが見受けられました。多分そこに思想があるかないかの違いなんだと思う。彼の一貫した思想はとても強い。



この建物は1929年のバルセロナ万博のためにドイツ政府からパビリオンを作るように要請されて建てられた建物。
ここでスペイン国王が開会レセプションを行うとのことで、国王夫妻が座るための椅子のデザインもミースが担当。Xに交差する美しいラインの脚を持つその椅子は後にバルセロナチェアと呼ばれる。しかし開会式当日、レセプションを終えると国王はその椅子に座ることなくパビリオンを後にする。



博覧会終了後、パビリオンは取り壊され、オリジナルの椅子も失われた。その後1948年にバルセロナチェアは復刻され世界でロングセラーを記録する。そして取り壊されたパビリオンも1986年に再建される。
この都市にはガウディの曲線とミースの直線が同時に存在している。



この建物の特徴はなんといっても、内と外が区切られているようで区切られていないということ。鉄の柱が中に入ったり外に出たりして、壁も内壁になったり外壁になったりと、不思議なリズムが生まれている。
そして、オニキスや緑大理石などの美しい素材たち。やはり究極。

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