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あいち2022

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「あいちトリエンナーレ」改、「あいち2022」に行ってまいりました!
前回のことがあった後なので、色々大変だったと思いますが、良くも悪くも無難にまとまった国際展だな、という印象です。
前回からの配慮なのか作家が100人もいるのに韓国人が1人もいない等問題もありますが、愛知県生まれの片岡真美を芸術監督に据え、同じく愛知出身の河原温の作品のタイトルから「STILL ALIVE」をテーマにしたのは本当にうまい。
前回のこともあったので今回は名古屋市は関与せず、愛知県美術館、有松、一宮、常滑の4か所が会場となりました。
全会場を回ろうと思うと3日は必要。
前々回の岡崎・豊橋も大変だったけど、今回も大変だった。。。
ということで各会場のレポ。

愛知県美術館
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まずは10階。
マルセル・ブロータースの世界地図をユートピアの地図と読み替えた作品からスタート。
次に今回のタイトルにもなってる河原温が来るんだけど、普通に河原温スタートで良かったのでは。
或いは各会場に河原温散りばめるとか、むしろ河原温が不在ぐらいでも良かったと思います。
僕が好きな国際展に2011年に開催された12回目のイスタンブールビエンナーレがあって、その時のテーマが「フェリックス・ゴンザレス=トレス」で、トレス自身は参加してなくて、トレスの作品を主題に大勢の作家を散りばめるっていう凄まじいキュレーションだったんだけど、今回もちょっとそれを期待しておりました。
まあ、マニアック過ぎて難しいとは思いますが。。。
その後河原温にまつわる奥村雄樹の作品への流れはとても良かった。
期待していた日本初出品のカデール・アティアはやや期待はずれ。
40分超の幻肢にまつわるドキュメンタリーのような映像。
彼の作品知らない人にとっては何のこっちゃでは。
普通に立体やインスタレーションで観たかったな。
それよか今回のあいち2022で最も感動したのがホダー・アフシャール
難民としてオーストラリアにやってきたものの、入国を拒否されてマヌス島に抑留された人々を映した映像作品で、あまりの美しさに動けなくなりました。
映像作品って2分ぐらい観て去っちゃうことが多いんだけど、この作品に関しては2周ぐらい観てしまった。
「STILL ALIVE 」という今回のテーマが最も反映された作品のように思えて途中で涙が溢れました。

続いて8階。
このフロアで最も印象的だったのは潘逸舟の新作。
自身が出てくる映像で有名だけど、今回は愛知県内にある帯芯工場の中で糸くずが舞う映像で、こちらもいつまでも観てられる美しい作品でした。
そして予約必至だったローリー・アンダーソン & 黄心健のVR作品。
月面の旅をテーマにした作品だったけど、まあこんなもんか、、、って感じ。
同じ月なら最後を締めくくった渡辺篤の「アイムヒア プロジェクト」が良かった。
2020年4月の最初の緊急事態宣言時に孤独を依代に集まった人々が、各々のスマホで撮った月を撮影した画像が展示されてて、こちらも「STILL ALIVE」というテーマに相応しいものでした。

最後にパフォーミングアーツ部門から僕はアピチャッポン・ウィーラセタクンの新作VR作品「太陽との対話」を体験しました。
最初の30分は会場真ん中に据えられたスクリーンの両面に映し出された映像を観るんだけど、その間に前の回で入った人たちがVR装置つけて会場中彷徨ってるのにぶつからないように注意しながら。
映像も眠る人がメインなんだけど、このVR装置つけてる人たちが夢遊病者のように見えて面白かった。
アピチャッポンの作品は眠りや夢が重要だけど、まさにこの状況はアピチャッポンの世界観そのものでした。
そして交代でVR装置を装着する番。
VRの中で装置付けた他の人が光になって見えるのでそれを避けながらの鑑賞。
最初は会場のスクリーンに加えて会場中に眠る人の映像がたくさん現れ、徐々に暗闇になり、そこに太陽が出現。
最後は光の束になるんだけど、VR装置付けた人たちもその光の一部になるという伏線回収は見事でした。


有松地区
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名古屋市内にも関わらず名古屋の人もほとんど行ったことがないという有松地区。
歴史的な町並みが保存されてて、行った日も山車が出て何かのお祭りがやってました。
そんな有松でしたが、展示はちょっと中途半端なものばかり。
特に会場数稼ぎにしか思えないミット・ジャインの作品はどうかと思った。
唐突にオロスコがあったのはびっくりした。
彼、日本に住んでるって噂を聞いたんだけど本当でしょうか?
最も見応えがあったのはAKI INOMATAの岡家住宅での展示。
有松伝統の鳴海絞りを纏ったミノムシの映像と、新たな絞りで表現した蛾の模様の団扇。
展示がスマートで、中々癖のある空間に馴染んでました。


常滑市
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最も過酷だったのがこの常滑会場。
10月だったのにこの日は暑くて、その上に坂道。。。
これ真夏に来てたら確実に死んでた。。。
というわけで、作品の印象より「しんどかった」って印象が強い。。。
最も印象的だったのはやっぱりシアスター・ゲイツかな?
作品というより「場」を作っていて流石と思いました。
そもそも日本での展示ってほとんどない作家なので貴重。
あとは田村友一郎ですかね。
1985年ニューヨークのプラザホテルで締結された「プラザ合意」を主題にした映像インスタレーション。
以前は常滑でも作られていた陶製人形で日米英仏西独5か国の蔵相の人形浄瑠璃を上演。
今回改めて、会場に合わせた作品を見るにつけ、自分がどんどん「サイトスペシフィック」な作品に興味がなくなってるのがわかりました。
それより普段からやってる表現がそのまま会場や展覧会のテーマと共鳴している作品に感動します。
こういう特異な会場を使った国際展ではやはりまだまだサイトスペシフィックな作品が多いのであまり感心しなくなっちゃいました。。。


一宮市
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最後の一宮会場。
名古屋から30分くらいで行けて便利。
とはいえ会場の範囲が広いので行ったら行ったで大変。。。
最も遠い墨会館に関しては前記事に書いたので割愛。こちら
塩田千春奈良美智も良かったけど、何と言ってもアンネ・イムホフ
昨年のパリで偶然観て衝撃を受けた作家。こちら
毎年恒例のArtReviewのPower100でも5位の作家。
(ちなみに7位の曹斐の映像は90分ぐらいあったのでほぼ観ず)
まだ40代前半なのにヴェネツィア・ビエンナーレドイツ館代表として出ていきなり金獅子賞とっちゃったりとにかく凄い作家。
彼女の作品を日本に紹介しただけでも今回の功績の1つだと思います。
そしてまた会場が凄い。
元スケート場で、しかもこの3月に閉館したばかりらしい。
そんな会場を物ともせず、昨年僕が観たパレ・ド・トーキョーでのパフォーマンス映像を爆音で流してました。
このパフォーマンスは観られなかったので嬉しい。
2つの大きなスクリーンには同じ演者が映されていて、多分別日に収録されたものがそれぞれ流れてる。
即興に見えるパフォーマンスなんだけど、そこにはちゃんとスクリプトがあるってのが見えて面白かった。
もちろん微妙に動きは違うものの、大きな流れは読み取れます。
さらに会場の隅にも小さな画面があって危うく見逃すところでした。。。
映像1時間あるんだけど丸々観てしまった。。。圧巻の展示でした。
前述のように、これだけの空間で全く場所性無視の展示、かっこよすぎた。。。
ちなみにお隣の看護学校も会場になってるんだけど、この春に閉校したばかりらしい。
こちらは作品たくさんあるものの感動までは至らず。
以前滋賀県美で観て面白い!と思った石黒健一が観られて嬉しかった。
あとは会場じゃなかったんだけど、オススメされて行ったRe-TAILっていう元繊維協会のレトロビルが素敵でした。
ここでは布が売ってて僕は買わなかったけど布好きの人にはオススメ。こちら


以上、あいち2022でした!!
この国際展は奇数回と偶数回で趣が違っていて、1回、3回、そして今回5回目は結構祝祭的なムードがあって、2回と前回の4回目は社会派。
流れ的に次やるとしたら社会派のやつなんだけど、そもそも次はあるのだろうか。。。
個人的には観てみたいと思うけど難しいかもな。。。
今回名古屋に3泊もして、お気に入りの飲み屋も見つけたし行きたい喫茶店もまだまだあるのでよろしくお願いします!

<関連記事>
あいちトリエンナーレ2010
あいちトリエンナーレ2016
あいちトリエンナーレ2019 ① 名古屋市美術館、四街道・円頓寺エリア
あいちトリエンナーレ2019 ② 愛知芸術文化センター
あいちトリエンナーレ2019 ③ 田中功起、小泉明朗
あいちトリエンナーレ2019 ④ 豊田市、まとめ

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