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自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで @ 国立西洋美術館

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リニューアルされた国立西洋美術館に行ってきました。
下手したら学生以来の来訪かも。。。
なのでリニューアルといってもどこが変わったのかよくわかりませんでした。。。
確かに言われてみれば前庭が広くなったような気も。。。
それはともかく、今回はドイツのエッセンにあるフォルクヴァング美術館のコレクションと西洋美術館のコレクションとのコラボで、なんとリヒターが展示されるということで行ってきました。
正直ほぼリヒター目的だったのですが、展覧会が普通に良くてびっくりしました。
タイトルの「自然と人のダイアローグ」というのが見事に反映されてます。
こういうコレクションの展覧会って、無理矢理タイトルつけてただ作品並べてるだけってのが多いのですが、今回の展示はちゃんと軸がしっかりしていて本当にいい展示。
海外のコレクションと自館のコレクションを混ぜるってのも中々ないですよね。
画家の自然へのまなざし(畏怖、憧憬、崇高)がじわじわ沁み渡るような展示で途中泣きそうになってました。

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最初のマネの嵐の海の絵からもうやばい。
船の描き方が異常すぎる。。。やっぱ天才。
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続くモネもヤバい。なんだこの筆致は。。。
モネ、昔は「おばさんが好きな絵」って感じで気にも留めてなかったけど、年々いいですね。
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そしてリヒター。
モネとの共演ですが、もっと違う絵があっただろうに。
リヒターの絵がこれだけシンプルなので、モネもシンプルな絵をおいて欲しかったな。
まあ、そこは箱根に譲りましょう。。。
それにしても雲だけでこれだけ見せられるのはやっぱり凄い。ずっと見てられるよ。。。
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いきなり前半に僕的ハイライト(リヒター)が来てしまったのでどうかと思ったんだけど、ここからがこの展覧会の凄いところだった。
リヒターがお気に入りのフリードリヒの作品から、ヨハン・クリスティアン・クラウゼン・ダール(長)の窓からの風景に、自然へのまなざしが強く反映されててめちゃくちゃエモい!!
窓はアルベルティを引くまでもなく絵画のメタファーなので、絵画内絵画のようなメタ構造が読み取れてとても面白い絵でした。
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このフォルクヴァング美術館蔵のクールベの波もめちゃいい。。。
お隣にももう一点クールベの波があってそっちは西洋美術館蔵。大陸を超えた壮大な共演。。。
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そして森。
ロヴィス・コリントの「樫の木」とクリスティアン・ロールフスの「森の中」が素晴らしかった。
しかもこの2点はそれぞれ所蔵が別ってのがこの展覧会の本気さを感じられます。
ちなみに前者が西洋美術館蔵で後者がフォルクヴァング美術館蔵。
写真撮れなかったけどマックス・エルンストの森の絵とイヴ・タンギーの絵も素晴らしかった。
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この後もセザンヌやゴッホらのビッグネームが続いてヤバすぎ。
このホドラーの絵も最高すぎる。。。
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モンドリアンのこの時期の作品を持ってくることで、自然を解体していく様も入ってきて素晴らしい。
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ゴッホもやっぱいいよなぁ。
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最後はモネの圧巻のラスト。
しかも一枚は第一次世界大戦でボロボロになった睡蓮でめっちゃかっこいいやないか。。。
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いやはや本当に素晴らしい展覧会でした。ありがたい。
この2館がいいもの持ってるのは言うまでもないけど、今回はキュレーションが抜群だった。
一流の素材(作品)を一流のシェフ(キュレーター)が一流の器(建築)に盛り付けた極上フルコース。
リヒター目当てだったのに、見終わった時にはそういえばリヒターもあったな、ぐらいの印象。
9月11日までやってるので是非!こちら


そして常設。
ほとんど来てないけどやっぱいいもの持ってるなぁ。
ハンマースホイ展も行きたかった。。。
ルーベンスの子供の絵は東近美の眠り展に出てましたね。
他にもブリューゲルやクールベやボナールもいいの持ってる。
今回みたいにいい企画展いっぱいやってくれたらもっと来たいのにな。。。

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そして何と言ってもこの美術館は国内唯一のコルビュジエ建築で東京唯一の世界遺産!
この美術館、見た目よりも広くて凄いんです。お陰で見終わった頃にはクタクタ。。。
これを建てたコルビュジエも「無限成長美術館」を謳っていて、コレクションの増加ともに展示室を増やすシステムらしい。メタボリズムの先をいってる。。。
そういえばコルビュジエが建てた美術館って他にないのでは?
19世紀ホールとかやっぱいいですね。
コルビュジエの絵画展もやってるけどこちらは才能あまりなかったのかな、って思える内容で逆に可愛い笑

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新しいエコロジーとアート @ 東京藝術大学大学美術館 本館3F, The 5th Floor
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川内倫子
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リリアナ・ザパタ
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小谷元彦
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エレナ・トゥタッチコワ
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石上純也
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HATRA + Synflux
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本田健
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リヴィタル・コーエン&テューア・ヴァン・バーレン
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AKI INOMATA
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スプツニ子!
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黒沢聖覇
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毛利悠子
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長谷川祐子の藝大退官記念展が藝大美術館本館と5th floorの2会場で展開しています。
藝大美術館、いつも陳列館の方しか行かないので本館はもしや初かも。
確か5th floor主催してる人も長谷川ゼミの卒業生なんですよね?
「新しいエコロジーとアート」と言う直球なタイトル。
正直昨今のSDGsとかほとんど興味ないんで、大丈夫かな、と思ってましたが、多分彼女の言う「エコロジー」って持続可能性とかいうよりももっと広義に人が生きていく環境のことを言ってるんじゃないかと展覧会を観ていて思いました。
メタバース系の作品もいくつか出てきていたのがその辺の顕著な傾向かと。
ただ、全体的にまとまりがないなぁという印象でほとんど集中できなかった。
もっと作家絞って大きな作品とかあれば見やすかったのかな、とも思いました。
AKI INOMATAさんの代表作が一気に見られたのとかは良かった。
5th floorの黒沢聖覇さんの作品もとても良かった。サウンドデザインがめちゃかっこ良すぎて全編見ちゃった。
1991年生まれで博士課程在籍中という若さ。。。凄い。。。
毛利さんもサウンドインスタレーションで新鮮だった。
とまあ個々に面白いのはあったけどでもやっぱ個人的にはあまり好きな展覧会ではなかった。
6/26まで。こちら
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