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地点「ギャンブラー」@ KAAT



恒例の地点xKAATです。
前回の「地下室の手記」に続きドストエフスキーです。
KAATでは以前「悪霊」をやってて、初ドストエフスキーでもありました。
次回は「未成年」と終演後のトークでちらっと三浦さんが仰ってましたがそれも楽しみ。
それはともかく「ギャンブラー」。

ステージは、床にルーレットの模様が施されていて、その上に長机。天井からはLEDのライトが円になって垂れ下がってます。このライトは「だれか、来る」でも使われてました。
さらに空間現代のステージ3つ+スタンドマイクと鞄の置かれたステージ1つが4角に。
空間現代が登場して、その後演者が次々に登場し、長机を囲んでルーレットスタート。
ルーレットが始まる度に上のライトもぐるぐる光ります。
そしてなんとこの長机も回るのです。
主演のアレクセイを務める田中祐気さんが1人で回すんだけど、7人も座ってる長机を車輪がついてるとは言え表情も変えず、しかも台詞言いながら息を切らさずに足で動かしてるの凄すぎ。。。明らかに田中さんだけ運動量が違う笑

いつもルールを設定しながら演じる地点ですが、今回のルールはとても分かりやすかった。
各々が持ってるサイコロを机に打ち付けると音楽が連動して、それぞれ自分の台詞を言う時に決まり文句があり、台詞が終わったら次の人の名前を指名する仕組み。

アレクセイ(田中祐気) 「ぼくです」
ボリーナ(相生翠) 「でもね」
アストリー(小林洋平) 「結構です」
将軍(小河原康二) 「だから」
おばあさん(安倍聡子)「やっぱりね」
デ・クリュー(石田大)「どちらかと言えば」
ブランシュ(窪田史恵) 「ハッハッハ」

という具合。
今回客演の相生さんがとてもよかった。
「罪と罰」や「どん底」にも出てたけど、今回一番うまかった。
地点のこの癖の強い演出を見事にやってのけてて素晴らしい。
空間現代の生演奏も相変わらず最高でした。
三浦さんが会場に来て突然思いついたというチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」とのコラボも素晴らし過ぎた。
そんな無茶ぶりにこんな素敵な音を奏でられるなんてやっぱり空間現代すごい。
そして最後の安倍さんの狂ったように鞄からコインを投げるシーンは圧巻。。。

とまあ、さすが地点なんですが、三浦さん自身も「まだ核心まで行きついてない気がしている」と仰ってるように、ドストエフスキーやっぱり曲者だなぁという印象。
観ながらまだまだ地点と噛み合ってない感じが拭えなかったです。
今後長編がまだ3つ残ってるので、今後にめちゃくちゃ期待です。


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