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大坂秩加|つぎはぎのうろこ @ GALLERY MoMo

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お店で知り合った大坂秩加さんの個展に行ってきました。
作品を生で観るのは初めてでとても楽しみにしていた展覧会でした。

ギャラリーに着くとまず飛び込んでくる大画面。
横5m、高さ2m近い大きさで凄まじい迫力。
さらにディテールが凄過ぎて見ても見ても見尽くせないのです。
一つの絵になっているものの、それぞれ小さなストーリーが継ぎ接ぎされていてめちゃくちゃ楽しい!


「出来事の残像を、人は記憶として所有し続ける。記憶は生き物のように年々そのカタチや色を変えて、最終的には心で思い出したりする。」
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「見返りを一切求めない尽くす気持ちこそが愛だ、その愛は必ず自分に戻ってくる。なんて、本当はうそ。
でも皆そんな神話みたいなのを小さなときから刷り込まれてるから、大人になって理想と現実のバランスがとれなくなってるんだ。
私には優子も佳奈も奈津子も志江も香里も舞もみんなみんな、ヒロインになりたくて自ら不幸を探してるみたいに見える。」

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「頭がだんだんうやむやになってきたところでその辺のものを見つめると、それが本当に面白いものに思えてきてね。この星でいま一番しあわせなのは私とか思えたりしちゃって。
大人って楽しい。歳取るごとに自由になってく感じがするよ。」

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「土ふまずに亀を仕込まないとできない変な性癖のある男だった。わたしがこの街から出るには誰かにぶら下がるしかなくて、そのためなら何だってがまんできた。」
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「はじめまして!!突然のお手紙でおどろかせてしまったことと思います。あなたをはじめて見たのは去年の8月。そのお顔に彫られた笹の刺青が渋くって、なんだか七夕を思い出しちゃったりして笑 その刺青はいつ頃入れたんですか?なんて、はじめてのお手紙なのに私ってば笑 そのお顔に私は心を撃ち抜かれたみたいになってしまって、端的に言うと好きになってしまいました。付き合ってください。どうやって伝えたらいいかなあと考えていて、私はこう見えてシャイなところがあるので、それだったらラブレターを書こうと思い、このように書いています。ただの紙ではつまらないので、そおお顔の笹もようにちなんで、短冊に私の想いを書くのとにしました。私は小・中・高とイジメに合っていて、とてもくらい子供時代をすごしました。なので、あなたのようなワイルドな男性にひかれるのかもしれません。デートはどこに行きたいとかありますか?私は動物園に行きたいです。ビーバーに似てるって言われたことがあります笑 ビーバーは好きですか?お返事まってます。」
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「見かけだおしでからっぽ。運だけ人間わたし。」
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「大すきなの、外法梯子剃(げほうはしこぞり)。このさ、張された外法の長頭のさ、肥大しすぎた自尊心って解釈あるみたいなんだけど、最高と思わない?自尊心だけでこれまで生きてきた私そのもの笑」
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「六月五日(雨)
まちにまった六月六日、明日は遠足です。もう四年間も大好きな川しまくんと、こんかい同じ班になれました。きせきです。だけど、天気よほうでは明日も雨だっていってます。おじいちゃんに
も手伝ってもらって、てるてるぼうずをいっぱい作りました。でもまだ雨がふっています。だから今からわたしもてるてるぼうずになって、おいのりします。
六月六日(晴)
六月七日(晴)
きのうの遠足は晴れてよかったけど、わたしはとちゅうで熱がでて、くるしかったです。ずっとバスにいました。」

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「クロワッサンを食べたあとにお皿に残るカサカサを、ザザーと口に流しこむ瞬間!あの一瞬の美味しさのために私はクロワッサンを食べると言っても過言じゃないです。
なんかそんなクロワッサンのカサカサみたいなさ、脳みそやからだ中がしあわせで震えるような時間を、どこかにいるあなたも経験していますように、満たされながら生きていますように。」

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なんなんだこの世界観!!!!
テキストも絵も最高に独特過ぎる!!!
特に最後のクロワッサンが好き過ぎる笑
あのカサカサを天から降り注ぐなんてやってみたい!!
これらのテキストはハンドアウトになってて作品の前の椅子たちに座りながら読めます。
椅子も独特なんだけど、なんと実家にあった椅子らしい笑

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さらにさらに奥にはこれらのテキストが、様々な人によって書かれた手書きの文字になってて、しかもこの文字はシルクスクリーンで刷られてるというマニアックさ!!

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世界観の構築が本当に抜かりなくて素晴らしい展覧会でした。
2月12日まで開催中なので是々非々!!!!こちら
DMもめちゃくちゃ凝っててすごい。お店にあります!

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SUBJEKTIVE PHOTOGRAPHY VOL.4 原本康三写真展 @ スタジオ35分
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新山清、大藤薫、後藤敬一郎とスタジオ35分は主観主義写真の写真家紹介してきました。
その第4弾で原本康三の写真展。
正直ほとんどの人が知らないと思います。写真やってる人だって知らないのでは。
そもそも主観主義写真ってのも普通知らないですよね。
僕もここに初めて来た時にやってたのが前述の後藤敬一郎の展覧会で、その時初めて「主観主義写真」と言う言葉を知りました。
この運動は瀧口修造がリーダーとなって、戦後登場した写真運動で、当時は土門拳が掲げる「リアリズム写真」が写真界を席巻していました。
いわば、そのカウンターとして登場したのが「主観主義写真」でした。
さらに、そのオリジンはドイツでオットー・シュタイネルトが立ち上げた「SUBJEKTIVE PHOTOGRAPHY」。
この展覧会は3回ほど続きましたが、10年ほどで終わってしまった運動でした。
他の国ではどうだかわらかないんだけど、特に日本でこのSUBJEKTIVE PHOTOGRAPHYは主観主義写真として受け入れられて静かなムーブメントを起こしていたのです。
そしてこのドイツの本家の展覧会に出していたのが原本だったのです。
今回その貴重な「SUBJEKTIVE PHOTOGRAPHY」の全3回のカタログと、オリジナル作品から複製した写真が展示されているんですが、本当に独特で引き込まれました。
もはやオリジナルのネガから焼き直したってこのプリントは本人以外無理ではと思われるザラザラした質感はまるで版画のよう。
原本のフェティッシュがビシビシ伝わる作品群で素晴らしかったです。
特に何点かはシュールレアリスムを思わせる作品で、興味深いのが、原本は広島の原爆で被爆し原爆症を患いながらこれらの写真を撮ったと言う事実。
逆に50年代になるまで広島を訪れたこともなかった土門拳がリアリズムの手法で広島を撮っていたのとは全く逆のアプローチなんですよね。
多分原爆というものが現実というものを超えたシュールレアリスム的光景だったのではと想像します。
そうなってくるとリアルとは何なのか、土門と原本を比較することで色々考えさせられます。
そうそう見ることのできない作品なので是非!2月18日まで。
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