池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて @ 府中市美術館
2022年初美術館詣では府中市美術館!
早速大雪で過酷な幕開け。。。
府中市美術館は2009年の青山悟さんの公開制作以来の訪問。
現在池内晶子展がやってるので久々に来ました。
もう少し先に行こうかとも思ってたんだけど、流行物がまた蔓延し始めたので行けるうちに行かねば、と。。。
池内さんの作品は、これまで各所で観てきましたが美術館での個展は初。
あの繊細な作品がどう展開していくのか楽しみでありました。
会場に入って最初の展示室からすごかった。
写真は撮れなかったんですが、とにかく展示室の使い方が大胆でしびれました。
大きな展示室の四方(東西南北らしい)から赤い糸が張られていて、その先には半円錐型の糸でできた筒が吊られていて、その周りをまた糸がぐるぐると取り巻いているという、言葉では説明しづらいんですが、とにかく美しいインスタレーション。この糸は全て繋がってて全長2万2千メートルとのこと!!!
展示室内の空気の流れで微かに揺れる様も繊細で池内ワールド全開。
次の部屋も、暗い中に一本の白い糸が垂れ下がってるんだけど、多分糸を幾重にも撚って作られていて、捩じれながら天井から床に向かってこれまた空気の流れで微かに揺れてる。
ここも中々大きな展示室なのにこの糸一本で成立してる。。。
そして次の大きな展示室もまた赤い糸が10cm感覚で東西の壁から緩く張られていて、微かにしか見えないんだけどその確かな存在感に酔いしれました。
ガラス展示室の中でも同じ方法で張られてるんだけど、コーナリングのところが見どころ。
その後はドローイングや小作品が展示してるんだけど、贅沢を言うならあと3点ぐらい大きなインスタレーションを観たかった。。。
インスタレーション作家のドローイングってなぜか大体面白くなくて、池内さんのも正直ピンと来ませんでした。
最後にインタビュー動画を観ていて、実はエントランスホールにも作品があることが判明したんだけど、どうしても見えずインフォメーションで聞いてしまったw
2階の展示室入口から出口まで一本の白い糸が張ってるらしいんだけど、本当によく見ないと見えないのでお見逃しなく!!
この展覧会は2月27日まで。こちら。
岩井優 ハウツー・クリーンアップ・ザ・ミュージアム @ 府中市美術館
同時開催で、岩井優が同美術館内で公開制作しています。
府中市美術館は開館当時から公開制作を続けていて、昨年出た本をちょうど今読んでるところです。こちら。
この試みは府中市美術館独自のもので、成果物を展示する展覧会と違って、本当に生の現場そのものを見せるのでどう転ぶかわからない分美術館にとってもとてもリスキーな試みだと思うんだけど、それを20年以上も続けてきたのは本当にすごい。
今回の岩井さんは前回のヨコトリで知って面白い作家だな、と思ってたので池内晶子展と併せて俺得だったのですが、この日は残念ながら公開制作はやってなくて途中経過がスタジオに掲示されてるって感じでした。
岩井さんの「お掃除」がこの美術館でも行われてるみたいで、公開日は今後1月16、22、29、30日と2月12、13、17、18日なので行ける人はぜひ合わせて行ってみてください。
雪の初美術館詣では中々大変だったけど、美術館から見る雪景色は美しくてこれはこれで良い幕開けになりました。
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