Anni et Josef Albers @ Musée d'Art Moderne de Paris

























パリ近代美術館でやってるアニとジョセフ・アルバース展へ。
こちらも地下鉄広告で見つけた展覧会。
もうね、この展覧会本当に最高だった。
今回パリで観た展覧会の中ではダントツでトップ。
来年の1月9日までやってるからみんなパリ行って観た方がいい。
というのは無茶にしてもそれぐらい良かった。泣いた。ありがとう地下鉄広告。
日本に巡回しないかな。。。
とまあ、ちょっとのっけからあれなんですが、本当に良かったんです。
近年巨匠の影に隠れてしまっていた妻の存在にスポット当てる展覧会が増えてきましたが、その最もいいサンプルの一つ。
先日世田谷美術館で開催されてた「アイノとアルヴァ」展も最高だった。
昨日の記事でも2人展について触れたけど、ここまでしないと観客は納得しません!
で、肝心の内容なんですが、まずのっけから2人の作品が並置されてて、はっきりとお互いがお互いに影響しあってる様を見せつけられます。
もうこの時点でこの展覧会ヤバイ。。。ってなりました。
そこからバウハウス時代の2人の作品の紹介。
この辺の作品はあまり紹介されることもないと思うのですごいレアな感じがする。
ジョセフがステンドグラスや家具を作ってたの知らなかった。
そこにアニのテキスタイルがやってくるんですが、もう作品が似すぎ!!
絵画とテキスタイルという違いはあれど、観ていくうちにどっちがどっちの作品かわからなくなっていきます。
こういうの僕大好きなんですよ。
オリジナリティって所詮は砂上の楼閣で、実際は人と人が影響しあった積み重ねが作品であって、こうやって比較していくことで見えてくる差異に本当に感動してしまうのです。
特に組紐のドローイングは、どっちも同時期に取り組んでるのとかめっちゃエモい!!!
あと展示がめちゃくちゃかっこいいんです。
アニの作品を少し斜めに浮かせてるのとかすごい。
さらに、この展覧会の素晴らしいところは、彼ら自身の創造だけではなく、教育者としての2人もしっかりカバーしているところです。
2人ともバウハウスの教師であり、その後アメリカに渡った後も伝説のブラック・マウンテン・カレッジで生徒たちを教えています。
この辺の内容は、ART TERACE PRESS 03に詳しいので是非読んでほしい。
その課題の内容や、実際の生徒の作品まで展示してあってとても興味深かった!
最後はジョセフの代名詞である正方形が重なってるペインティングがずらっと並んでる様は圧巻だし、アニが教会に頼まれて制作したコミッションワークとかも初めて観た。
そして最後の最後は、冒頭の展示と同様、ジョセフとアニの同色の作品が並置されて終わってて、最後の最後まで手の込んだ展示に最強に感動しました。
これ企画したキュレーターJulia Garimorthにめちゃくちゃ感謝したい。ありがとう。
さて、パリ近代美術館、実は初めて来ました。
昔初めてパリに来た時に、お隣のパレ・ド・トーキョーには行ったんだけど、夜に行ったので近代美術館は閉まってて(パレ・ド・トーキョーはなんと0時までやってる)、当時やってた企画展も興味なかったのでスルーしてたのです。
そしてその時は夜だったのでよくわからなかったのだけど、今回昼間初めて行ってみて、その神殿のようなとんでもないでかさの建物にびっくり。
これ何の建物だったんだろう?と思って調べたら、1937年のパリ万博の時に実際近代美術館として建てられたんだって。
現在は東翼に近代美術館、西翼にパレ・ド・トーキョーが入ってるんだけど、当時はどっちも近代美術館!どんだけー!
1977年にポンピドゥー・センターが開館すると、当時の近代美術館に収蔵していた現代美術がそっちに行ったことで西翼が空に。
そこから紆余曲折あり、2002年に現代美術センター「パレ・ド・トーキョー」が開館したとのこと。
ちなみにセーヌ川沿いのニューヨーク通りから入ると、川越しにエッフェル塔が見えて素敵ですが、そっちの広場は格好のスケボー練習場になってて通るのめっちゃ危険笑
入口はプレジダン・ウィルソン通りにあるのでそっちから行きましょう。
ちなみに美術館の前の広場はなぜか「Place de Tokyo」と言います。
で、パリ近美。
ここのコレクションの凄まじさにたまげました。
特にマティス室!!この作品ここにあったのか!!!!!
ずっと生で観たかったんです。。。また泣きました。。。
この作品はアメリカの大コレクター・バーンズが、自身のコレクションを展示する美術館を建設するにあたり、その壁を飾るため依頼されたもの。
そこでマティスは「ダンス」を描き始めたんですが、なんと制作途中でマティスが寸法を間違ってしまって美術館のサイズに合わないことが発覚!!
結局一から別に作り直したんだけど、その間違っちゃった作品をパリが買い取ったわけです。
マティス室にはその下書きと実作が展示されてるんだけど、下書きめちゃくちゃいい!!!
しかも同じ部屋にビュレンの大作まであってお腹いっぱい!
最高でした。。。




あとはデュフィ室もとんでもないし、バゼリッツの大作部屋もすごい。。。作家から譲り受けたんだとか。
あとはナビ派とかフォンタナの謎のライト作品とか、ヘンリー・ダーガーもめっちゃあって意外でした。
ここはちゃんと観ようと思ったら半日かかるかも。。。最高かよ!






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