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清水裕貴「コールドスリープ」@ 千葉市中央コミュニティセンター2階 店舗跡地

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自分の店を始めて、沢山の素敵な出会いがありましたが、清水裕貴さんとの出会いもその一つ。
恥ずかしながらそれまで存知上げなくて、初めて観たのは2年前のPGIの個展
その時は、なんだか不思議な作品を作る人だなぁという感想だったのだけど、その後展示がある度に拝見させて頂き、段々彼女の世界にはまっていきました。

彼女の作品の凄いのは、作品だけで完結していないところ。
もちろん彼女の場合、テキストとセットになっているので、そちらの世界もあわせてってのもあるんだけれど、展示場所がどれだけノイジーな場所でも世界観が全く揺らがない、どころか強化される側面があるのです。これはマジで凄いこと。
そもそも写真やる人って、本来なら白い壁があって成立するもんだけれど、清水さんの場合は壁をほとんど必要としません。
今回の展示はまさにそうでした。

前記事CHIBA FOTOの一環なんだけど、これはもう完全に個展です。ずば抜けてました。これだけでも観に行く価値あります。詳細こちら
行く前に是非小説を読んでいってみてほしいです。pdfで無料で読めるし、会場では冊子が配られてます。こちら
会場はモノレールの「市役所前」から直結の千葉市中央コミュニティセンターにある、昨年廃業したレトロでバブリーな喫茶店。
会場では元看板があったところにタイトル。既に格好いい。。。
受付で消毒と検温を済ませいざ中へ。
小説では、市役所の職員と戦争で亡くなったと思われる女の幽霊が登場します。
ところどころ千葉の場所や歴史を織り込みながら展開していきます。
そして最も印象的なのが後半に登場する「海底熟成ワイン」。
温度が一定にできるのでセラー代わりに海底に埋めて熟成させるという実際にある熟成の仕方らしいのだけど、千葉では本当はやってません。
主人公の男性はそれを管理するという部署でこれも架空。
清水さん自身今めちゃくちゃワインにハマってるのもあるのだけど、しっかり作品に絡めてくるのがさすが。
その海底に埋められたようなワインボトル(実際に触れる)やワイングラスなども展示されてて、写真だけではない世界観が本当にすごい。
写真も、物語に関係しているのかしていないのか微妙なラインの現在の千葉を写していて、これがまた不思議なことに、場所も時間も喪失するような不思議な写真なんですよね。
しかもそれが様々な額に入れられてたり、鏡に貼ってあったり、キャンバスに印刷されて吊るされていたり、毎度よくぞここまでのバリエーションが思いつくなと感心させられます。
清水さんの物語にはよく水と幽霊が登場するんだけど、これは写真というメディアにも通底するテーマなのかもしれないとふと思いました。
写真は元来感光させた印画紙を液体につける事によって現像するものだし、そのプロセスもなんだか幽霊のような朧げな感覚があるんですよね。
昔の人が写真に撮られると魂が持っていかれるとか、心霊写真とか、彼岸を感じさせるメディアだと思います。
清水さんの写真にはそういったあちら側の世界が写ってるように思います。
この雑多な廃墟と化した喫茶店との親和性が高すぎて唸りました。
本当に素晴らしい展示でした。


そしてもう一箇所、千葉駅前のそごうでも清水さんの展示があります。
こちらはなんと3基あるエレベーターに展示されてます。
このエレベーターがまたバブルの残り香を感じられていい感じなんですよね。
しかも、円形で、ガラス張り。天井は鏡。
登り降りする景色と共に写真とテキストを眺められるめちゃくちゃ面白い展示。
内容は、千葉市美の展示の時のワークショップで、参加者の夢を写真にするというもの。
結構怖い夢が多いんだけど、写真がまた怖い笑
特に歯が抜け落ちる夢と歯の写真は本当に怖い!
こんな写真どうやって撮るの。。。
これらの写真は前述の喫茶店の入口にも展示されてます。こちらも是非。9月12日まで。

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<関連記事>
清水裕貴さんと山元彩香さんのこと。
千葉ゆかりの作家展 清水裕貴・山崎雄策 写真展 @千葉市民ギャラリー・いなげ
エントランス・ギャラリーvol.2 清水裕貴 @ 千葉市美術館



山城知佳子 リフレーミング @ 東京都写真美術館
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ほとんど時間がなくて駆け足で観ちゃったのですが、彼女の初期の代表作「あなたの声は私の喉を通った」が観られたのはよかった。
この人の作品は以前国立新美術館でやってた「話しているのは誰?」で初めて観て、苦手だなぁと思ってたんだけど、長編はほとんど観てないけどやっぱり苦手かも。。。
「創造の発端」のような、映像インスタレーションは結構観られるんだけど。
初期のような方向性行ってたらなぁと勝手に思ってしまいました。
あと、胎内巡りのような会場構成は素晴らしかったです。10月10日まで。
同時開催中の「リバーシブルな未来」も観たけどよくわからなかった。
オーストラリアと日本の写真を並べただけって感じでキュレーションも何も感じられず。
日本からは石内都や畠山直哉も出してたけど、もう少し若手を出せばいいのにと思ったり。
こちらは10月31日まで。都写美ってやってる展覧会微妙にズラすのなんなんだろう。
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