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ボイス+パレルモ @ 埼玉県立近代美術館

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昨年の延期からずっと楽しみにしてた展覧会。
延期になったことで、奇しくもボイス生誕100年の年に開催となりました。
とはいえボイス、やっぱり難しかった。。。
やっぱり彼の場合彼自身が作品だったので、今ある作品はその残余物にしか過ぎず、それらを見てもなぁ、という感じは否めません。
その代わり記録映像がせめてもの彼のアウラを伝えているのでは。
個人的には、映像よりさらに彼のアウラを顕していたのは、この展覧会の最後を飾る作品「ヤー、ヤー、ヤー、ヤー、ヤー、ネー、ネー、ネー、ネー、ネー」でした。
タイトルの通り、ボイス自身が唸ってる声の作品なんだけど、これ実は、1階から2階の会場に上がった時に最初に聞こえてくるんですよね。
最初、変なおじさんがいるんだと思ってやべーと思ってましたw
この作品は、どの作品よりも彼の気配を生々しく漂わせていたように思います。
しかも最後のエピローグが「声と息」と題されていて、ボイスを声、パレルモを息としていてめちゃくちゃ美しいラストなのです。

で、初っ端からエピローグまでいってしまいましたが、今回の展覧会のもう一人の主役パレルモです。
この展覧会の功績は、何と言ってもパレルモの作品をこれだけ日本で紹介したところでしょう。
僕も名前だけは聞いていたけど、これまで数点しか見たことがなかったので、これだけまとめて観られたのは最高でした。
初期の布絵画や、シェイプドキャンバスも素晴らしかったけれど、白眉は彼の壁画の作品群です。
もちろん実物はないんだけど、一点だけ青い三角を実際のステンシルで美術館の壁に転写してるのは素晴らしかった。
パレルモの壁画はこれまでに20点ほど手がけたそうなんだけど、残念ながらどれも残ってません。
資料だけ見るに、空間をかなり意識したものが多くて、めちゃくちゃ僕好み。
所謂壁画って感じではなく、線だけとか、微妙な操作で空間の質をガラリと変えてしまっている。
パレルモのこうした壁画だけをテーマに絞った展覧会も観てみたいなと思いました。
あと晩年の金属絵画も美しかった。

ここまで来たら、ボイスの教え子の代表格、イミ・クネーベルとイミ・ギーぜの展覧会も開いてほしい。
前者は知ってる人まあまあいるかもだけど、後者は中々知らないだろうなぁ。
クネーベルとギーぜは同じイミを名乗るぐらい仲よかったんだけど、ギーゼは32歳の若さで自殺しちゃうんですよね。
ギーゼの死後もクネーベルはイミを名乗り続けて今に至ってるわけです。
彼らがデュッセルドルフへボイスを訪ねて、初めての講評の際に、机に乗った二人の作品を全て無言で叩き落としていったという伝説のエピソードがあります笑
その時に使われていたのが19番教室という場所で、それがそのままタイトルになったクネーベルのインスタレーション「ルーム19」は彼の代表作となり、ディアビーコンで観られます。
クネーベルも日本の美術館ではまだ本格的に紹介されてないだろうから是非観てみたいですね。

埼玉近美のボイス+パレルモ展は9月5日まで。こちら
その後は大阪の国立国際美術館でも開催されます。できればこっちでも観たい。




宇佐美圭司 よみがえる画家 @ 東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館

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緊急事態宣言で、ひたすら学内のみに限られてて、やっと一般公開スタートと思ったらまた緊急事態宣言。。。
閉まる前に行っておかないと!と急いで行ってきました。
(結果的には8月29日まで一般公開は予約制で続けるとのこと)

正直宇佐美圭司自体は全く興味がないんです。
ただ、1977年から食堂にかかっていた彼の大型作品「きずな」を、2017年の改修工事時に廃棄処分してしまったというニュースは美術界に衝撃をもたらしましたし僕もよく覚えてます。
なんでそんなことが起こったんだ。。。
それを反省するべくこの企画が始まったことに興味を覚えました。

この展覧会には、宇佐美氏の作品はもちろんのこと、それだけでなく、この大学が手がけたデュシャンの「大ガラス」のレプリカも展示していたのはとても面白かった。
展覧会中にも「テセウスの船」の例えがありましたが、どこまでが「オリジナル」なのか、どこまで修復すれば「オリジナル」となりうるのか、という問題を提起していました。
そこでこの展覧会の白眉となるのが、「きずな」ではなく、1968年に発表した「Laser: Beam: Joint」の再現。
人型にくりぬかれたいくつかのアクリルの間をレーザー光線が走るというインスタレーションで、木金土のみ実際に再演されます。
発表された当時と違い、強いレーザーを使えないので、分割したり、スモークをドライアイスで焚いたりと、色々変更した上で行っており、僕は木曜に行ったので見れましたが、正直めっちゃしょぼかった。。。
これは多分、ほとんど「再現」できてないんじゃないかな、と思います。
ただし、使われてるアクリルはなんと「オリジナル」。
この展覧会は、宇佐美圭司という一人の個展だけではなく、「オリジナル」と「再現」の問題を考えるのにとても有意義な展覧会だと思います。
もちろん、宇佐美氏の作品も改めて見ると、ジャスパー・ジョーンズやラウシェンバーグの影響もあるのではとか思えて面白かった。

まあ、展覧会はこんなとこなんだけど、そんなことより駒場東大といえば、僕にとって900番教室!
1969年5月13日、三島由紀夫と東大全共党の伝説の討論会が繰り広げられた場所。
震えた。。。

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奇しくもボイスの黒板とかぶりますね。。。
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