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SLEEP マックス・リヒターからの招待状



「SLEEP」が映画になる!
半年ほど前に噂で聞いてびっくりしたのを覚えてます。
「SLEEP」とは、イギリスの作曲家マックス・リヒターが創り出した8時間にも及ぶ音楽。
眠りに着目し、眠りながら聴くという前代未聞の作品。
初めてスティーブ・ライヒの「Music for 18 musicians」を聴いた時もびっくりしましたがあれで1時間ですもんね。
まあ、ジョン・ケージの「As Slow As Possible」は639年ですがw こちら

さて、マックス・リヒターですが、「ポスト・クラシカル」と呼ばれてるそうです。
僕が初めて彼の音楽を聴いたのは、映画館でウェイン・マクレガー演出のロイヤル・バレエを観た時。
ヴァージニア・ウルフの生涯をテーマにしたその演目の音楽を担当していたのが彼でした。
ダンスももちろん素晴らしかったのだけど、もう音楽が凄すぎて泣きました。
クラシックっぽいのから電子音楽まで幅広い楽曲で、この音楽作ったの誰!?となりました。
そこから調べ始めると、「SLEEP」という音楽があることを知りました。
想像を遥かに超えた音楽家なんだとその時に知り、そこからウルフの「Three Worlds」、「Infra」「The Blue Notebooks」を買い集め、ついに「SLEEP」も買いました。
その日から眠る時にその音楽を流しながら寝ました。
もう心地よすぎて最高でした。

さて、その映画。
公開が楽しみすぎて初日に映画館へ。
初日にも関わらずガラガラ。。。まあ、マニアックすぎるよね。。。
映画が始まる前から劇場ではすでに「SLEEP」が流れていて、客席も暖かいし始まる前に寝てしまいそう。。。

8時間もある音楽をどうやって映画の尺に収めるんだ!?と思いながら観始めてびっくり。
「SLEEP」のライブ映像はもちろん、観客の声、マックスの半生とその妻ユリア・マールとの絆。
たった99分の中に、余すことなく情報が入っているんだけど、全く過多になってない!すごい!
監督はナタリー・ジョンズ。
恥ずかしながら存じ上げなかったのだけど、素晴らしいドキュメンタリーだった!!
楽しみにはしてたけど、ここまでいい映画だとは!DVDになったら絶対買う!

映画の中で、この曲が睡眠科学に則って緻密に作られてることを知りました。
低周波から覚醒に近づいていくにつれて高周波へ。
そんな構成知らずとも、この曲、本当に美しい曲なんですよ。
科学と美しさを両立させるなんて、やはり只者ではありません。

映画の白眉はなんといってもライブの映像。美しすぎて泣いた。
会場に各々が枕や寝袋を持って集まってくるのとか尋常じゃない。
会場にはそれぞれ席ではなくベッドが用意されてて、そこで各々が「8時間の子守唄」を聴きながら、寝るもよし歩き回るもよしの完全な自由を与えられる。
やがてステージにリヒターが現れ演奏がスタート。
観客は次々と眠りに落ちていく。
片や音楽家たちは1度始まると演奏を止めることができないので気が全く抜けない。
どういう集中力を持ち合わせてるんだろう。。。休憩があるとしても凄すぎる。。。
そして、この「SLEEP」は、音楽という概念を遥かに超えて、人々の連帯を創造しているのが、映像からありありと伝えられる。
見知らぬ同士がすぐそばにいるのに、この音楽によって無防備にその眠りを晒している。
これは本当にすごいこと。
特にメインとなってるLAのグランドパークで開催されてるライブ映像はすごい。
周囲はビルに囲まれて、夜風に吹かれながらの鑑賞。気持ち良さそうだなーーー!!
あとはシドニーのオペラハウスも外はすぐ海でしかも豪雨が降ってる!とか、アントワープの聖母大聖堂とか会場がいちいち素晴らしい。
ちなみにオペラハウスのライブはテレビで生中継されてて、その動画がアップされてます。消されるかもしれませんが一応リンク貼っておきます。こちら
実は日本でも一昨年のライブは当初「SLEEP」を演奏する予定だったらしい。。。!!!!
なのに主催者側が直前になってキャンセルしてしまったとか。。。
まあ、そのライブはライブで良かったのだけど、「SLEEP」やってほしかった。。。(その時の記事はこちら
パンフレットのインタビューで、リヒターが直島でやりたいと言っててマジで実現してほしい!!
コロナで実現は遠いけれどいつか。。。

映画を通して素晴らしい体験をお裾分けしてもらいました。
また「SLEEP」聴きながら眠ります。
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