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「うたかたと瓦礫:平成の美術1989–2019」 @ 京都市京セラ美術館

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自分が物心ついて初めて覚えてる社会的ニュースは「ベルリンの壁崩壊」。
テレビ(木目調のブラウン管でチャンネルをひねって変えるタイプ)の画面の中で大人たちが楽しそうに壁を壊している映像を不思議な気持ちで観ていました。
それは日本における平成元年の11月9日。
流石に昭和天皇崩御は覚えていないけれど、その年の3月に母方の祖父が亡くなり、10月には父方の祖母が亡くなりと、その時の記憶も幼心に鮮明に焼き付いています。
僕の記憶はそんな平成元年から始まり、ほぼ僕の人生が詰まってるのが平成という時代。
そんな平成を美術の観点から回顧する展覧会が京都で開催されています。
キュレーションは「アノーマリー」や「日本ゼロ年」を企画した椹木野衣。
1998年には著書「日本・現代・美術」において、日本を「悪い場所」と位置づけ、その後も多くの著書を連ねた椹木さんが、どう「平成」を切り取るのか、とても楽しみにしていました。
僕はてっきりその「アノーマリー」や「日本ゼロ年」にも出ていた村上隆やヤノベケンジ、中原浩大や奈良美智、会田誠、山口晃などの作家が名を連ねるものだと思っていたら、発表された内容は今でいう「コレクティブ」を集めた展覧会になったのは意外でした。

今回関西に帰る用事があったので実際観てまいりました。
まず入ってすぐの「平成の壁」が圧巻。
改めて平成30年間で本当にいろんなことがあったなぁ、と。
特に1995年は本当にメルクマールだった。
阪神大震災に始まり地下鉄サリン事件、古橋悌二が亡くなりエヴァンゲリオンが放送開始。Windows95も。
まさか令和になってもダムタイプが新作を発表しエヴァが終わってなかっただなんて誰が想像したのか。
その後展覧会へと続くわけなんだけれど、正直展示は観れたもんじゃなかった。
まあ、敢えてそうしてるんだろうけれど、会場はカオスで、作品というかもはや瓦礫に見える。
キュレーション的には平成を三つの時代(「うたかたの時代」(1989-2001)、「うたかたから瓦礫へ」(2001-2011)、「瓦礫の時代」(2011-2019))で分けてるんだけれど、その時代区分もバラバラに展示されてるので、整理された展示では決してなく、一つ一つの作品に向き合うという展示構成では全くありません。
もうほとんど周遊するって感じで見るともなしに見てました。
椹木さん的には展示会場をも「悪い場所」へと変換したかったのかもしれません。知らんけど。

この展覧会は、一つの歴史観を示す意味ではとても重要だとは思います。
ただ、この展示で観る限り、圧倒的に芸術の敗北を感じざるを得ません。
芸術は時代を映す鏡、とも言われますが、時代がそれを遥かに凌駕してる。
それは今回の展示の中で最も圧巻なのが冒頭の「平成の壁」なのが皮肉に表してます。
イデオロギーの崩壊、バブルの崩壊、災害による崩壊、、、、
平成というのは崩壊を幾度となく繰り返した30年だったのかもしれません。
そしてその崩壊をほとんど映せてない芸術の無力。
芸術が無力であるのはある意味自明であり、その無力さ故に人の心を打つことができるのだけれど、そんな美辞麗句では済まなかったのが2011年の東日本大震災。
今回のコロナではまだその無力さが役立ってるのを感じますが。
それにしても平成って本当にこんな暗い時代だったんだっけ?
僕の青春が全て詰まった時代なのでそう思うと悲しい。
決して「平らかに成」らなかったけれど、それでも明るいこともあったよね?

ただ、展示はともかくやはり椹木さんの平成史観は面白いと言わざるを得ません。
今回のカタログを読んでも本当に面白い。
椹木さんも仰る通り、こんな極東の島国でしか通用しない「元号」で美術を切り取ることの滑稽さもありつつ、だからと言って80年代、90年代、00年代のように10年ごとに切ることの違和感も確かに納得をせざるを得ません。
平成を「傷ついた時間」とし、日本最初の災害文学といわれる「方丈記」からのうたかたと、磯崎新の著書「瓦礫の未来」から副題をとってるのも面白いし、さらに元来の「巨匠」と呼ばれる一人の天才を崇めることをやめ、離合集散する密なるコレクティブを集めたのも興味深い。
ただ3つの時代のうち、最初の「うたかたの時代」の出品作は、古くなりすぎて見れたものじゃないし、最後の「瓦礫の時代」はここまで作者性が消えたものにどう反応して良いのかわからず、真ん中の「うたかたから瓦礫へ」がちょうどいい距離感で観られたのは面白かった。
展覧会は4月11日まで。こちら
4月6日以降に行けば、正面の京都近美で始まる「ピピロッティ・リスト」展も観られてお得。

ところで最後の展示でDOMMUNEによるカオスラのインタビュー映像が流れてたけど、流石に黒田氏が映るの抵抗があった。。。
あと、「平成美術」にもパープルームとして出品してる梅津庸一「平成の気分」展が同じ京都の現代美術 艸居で開催されてます。
一応行きましたが彼の良さがやっぱりわかんない。。。3月27日まで。こちら




あとは関西では大阪のルイ・ヴィトンにできたエスパス・ルイ・ヴィトンへ。
こけら落としはコレクションからジョアン・ミッチェルとカール・アンドレの二人展。渋すぎ笑
ジョアン・ミッチェルはあまり観たことがなかったので、改めてすごい画面でした。
アンドレも相変わらず素っ気ないのだけど、これは歩かせる為の装置だと気づいて楽しかった。
7月2日まで。こちら
今後の展示も楽しみです。

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アートではないんだけど、思いつきで京都の河井寛次郎記念館と大阪の東洋陶磁美術館へ。
どちらも初訪問だったんだけど、めちゃくちゃ良かった。
河井寛次郎の暮らし方本当に素敵すぎた。。。
東洋陶磁美術館では黒田泰蔵展がやってて、前から来たかったこともあって行ってみたのだけど、コレクションが最高すぎた。
初っ端の鼻煙壺(びえんこ/嗅ぎタバコを携帯する為のもの)コレクションからやられた…。欲しい。
その後の韓国の青磁も最高。欲しい。
黒田さんの白磁も素晴らしかった。欲しい。
川に沿った空間も美。
ちなみに隣は新たに出来た安藤忠雄のこども図書館だったけどスルー。

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ちなみに今回の関西旅では今後お店でやるイベントの打ち合わせもいくつかしてきました!
遊んできただけじゃないんです笑
お楽しみに!

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