高田冬彦「LOVE PHANTOM 2」@ WAITINGROOM



気づけばもう2月半ば。。。今年最初の展覧記事です。
一昨年の森美以来となる友人高田冬彦の待望の個展!
世間的にもあの展示で知った人は多そうだし中々注目されてる展示なのではないでしょうか。
会場では、まず森美で発表された「新しい性器のためのエクササイズ」3点が並ぶ。
森美の時と違って、各々ヘッドフォンをつけて一人で対峙するので、改めてこの映像群の歪みが際立つ。
特に「#3 しぼんでいくボール」がエロいw
また「#1 ホタル」からの新作「1001 seconds」の流れはうまいな、と思う。
どちらも肛門括約筋(初めて書いたw)を使った作品で、新作では水面と星空というロマンチックなモチーフと裏腹な結末はさすが。
ちなみにこの映像を作ってる時に僕はインタビューをしてたので、この星空見ながら感慨深い思いでした笑
さらに奥では新作が二点。
どちらも鳥がモチーフで、一つは自分の肋の中で赤い鳥が閉じ込められてる「Self-portrait as a Red Bird」。
アブラモビッチを思わせる捨て身っぷり笑
何と言っても今回の白眉はもう一つの新作「The Princess and the Magic Birds」。
17分35秒というこれまでの作品より長い大作というのも去ることながら、明らかにネクストステージに行ってる。
内容は月光に照らされた少年と青年の間の男子が眠る部屋に小鳥が2羽現れて、その耳元で卑猥な話をするという、まあ高田くんらしい内容ではあるんだけれど、カメラワークとかエフェクトとかがこれまでよりも凝りまくってる。
これまで敢えて素人っぽい撮り方をしてたと思うんだけれど、今回は映像作品としての見応えがめちゃくちゃあった!
そして、その小鳥が物語るストーリーの饒舌さが、その映像の長さを忘れさせるぐらい滑らか。
見てたらあっという間に終わってしまった。
やっぱりギャラリーや美術館で観る映像作品って最初の10秒で心掴まないと離れちゃうけど、この映像は特に刺激的な場面はないものの、ぬるりと足を止めさせる力がある。
これまでどっちかというと高田くんの映像はインパクトで足を止めさせるところがあったけれど(それもすごいんだけど)、今回は映像の美しさやストーリーで引き込んでて、そういう意味でネクストステージ。
今後さらにどうなっちゃうのか期待してしまいます。
ちなみに昨年高田くんはずっと住んでた家が取り壊しで出て行かざるをえず、この作品が初めて新居で撮ったものだったそうなんだけど、そういう意味でもネクストステージ。名作期待してます!
この展覧会は3月7日まで。是非!こちら。
高田くんとのインタビューはこちら。
関連記事>>高田冬彦くんのこと。
千葉正也 @ 東京オペラシティアートギャラリー







以前αMで観た時もそうだったけど、やっぱりよくわからない作家さん。
もう会場がカオス過ぎた。。。
まず入口の絵は今回が展覧会のポスターになってて、絵の中に会期等の情報が全部書き込まれてる。
チケットもそのまま絵になってたり、ホットカーペットにスタッフの肖像画描いてたり。
そんなことより会場を亀がのそのそ歩いてるのがシュールすぎる!
絵を使ったインスタレーション作家、と捉えたらいいのかな。。。
その亀の監視カメラの映像はずっと公開されてるみたいです笑
ちなみに長いこと千葉正也さんと千葉雅也さんを混同してたのはここだけの話。
3月21日まで。
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