内海聖史「squid」@ ART FRONT GALLERY

内海さんの個展に行って来ました。
個展としては昨年3月の上野の森以来ですね。
この個展の話は結構前から知っていて、かなり変わったものになることもなんとなくご本人から聞いていました。
そしてDMを頂くとそこには「squid」というタイトル。。。イカ!?
ワクワクしながら代官山へ。
アートフロントギャラリーは大通りに向かってショーウインドウがあるのが特徴的。
そこには大きな作品が斜めにかけられていて、青い画面がまず目に飛び込んできます。
その横には台形の作品が4枚円を描くように掛けられていて、明らかに欠けた八角形。

これは何かあるな、と思って中から改めてギャラリーに入ると、青い大きな画面が再び現れます。
ちなみにショーウインドウから見える空間と中の空間は普段一つの空間なんだけど、この作品のために斜め壁を立てて真っ二つに区切られています。
完全に閉じられてるので行き来は不可能。

そしてこの中の青い作品はなんと横に細かく分かれていて、外で見た画面構成とは違う、けれどイメージはその続き。。。
さらに中にはやはり外の欠けた部分を補うように八角形の残りの4枚が。
さらにさらに、斜めに切られた作品が3枚あり、それは全部合わせて長方形になるようになってて、明らかに1ピース足りない。
あれ、こんなのあったっけ??と思って外へ行って確認。
やはりそんな1ピースない。。。
と思ったらなんと手前の壁に。。。!!!
どんなアングルから見ても画面が見えない!!

今回、特に「見切れない」というのがかなり大きな鍵になっています。
例えば柱に巻きつくようにかかっているこの作品もそう。
一気に全ての作品を見ることは不可能。。。
他にも裏にも別の作品がくっついてる作品とかもあったり。

近年の内海さんは絵画の問題(色、形、マチエル等)から、さらに「見る」という行為への追求が著しいです。
一昨年のギャラリエアンドゥで開催された「あらゆる時間」に展示されてた作品も、アクリルボックスに入って完全に見えないとかもあったし。。。
今回はそこにさらに「記憶」というキーワードも入って来てるような気がします。
欠けたピースを頭の中で補完して初めて完成する作品たち。
実際切られた作品は全部で一つの作品だったりするのです。
そしてさらにこの展示は夜(16時半以降)になるとまた別の様相を呈します。
なんと照明の色が変化するのです。
もはや作品の色まで破壊にかかっている。。。
実際見てたら前の通りを走る車のランプで元の色が垣間見えたりするのも面白い。
この展開は「あらゆる時間」の作品を空間化したような展開で非常に興奮しました。



展覧会の度にラディカルさを増していく内海さん。
また次の展開が楽しみすぎます!
この展覧会は12/27まで。こちら。
オーソドックスな絵画もちゃんとあります笑
16時半以降は照明の色が変わって閉廊していても見られるので夜も是非。
撤収が年明けらしいのでそれまでも見られます!
<関連記事>
内海聖史さんのこと。
内海聖史「あらゆる時間」@ GALLERIE ANDO
「panorama すべてを見ながら、見えていない私たちへ」@京都芸術センター
内海聖史「ボイジャー」@eN arts
風景ルルル@静岡県立美術館
あと、9月にオープンした豊洲の三井ガーデンホテル豊洲ベイサイドクロスのフロントに内海さんの大きな作品が展示されています。泊まらなくても見られますがGoToで是非!眺望がすごいです。

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