オラファー・エリアソン ときに川は橋となる @ 東京都現代美術館

待ちに待った、本当に待ちまくったオラファー展へ。。。
日本の美術館では金沢以来10年ぶりの大規模個展。
延期が決まって本当に良かった。もしや観られないまま閉幕するのではとすら思ってた。。。
ということで再開した週の平日朝イチで行ってまいりました都現美!
もう第二波が来て再閉館なんてなったらシャレにならないのでさっさと行かねば!
一緒に行った友人なんて気合い入りすぎてまさかの前入り!都内在住なのに笑
入場には少し並んだけれど、流石に平日だけあってそこまで混雑もなく。
休日は入場規制などがあるそうなので行かれる方は平日オススメ。
入るとまず検温があって、アルコール除菌です。
チケット買っていざ。。。
まずはドローイングシリーズから。
グリーンランドの氷河を使って描いたものや、運搬の際の「揺れ」を利用したオートドローイング。
ここでも溶けゆく氷河や飛行機を使わないなど、近年の彼の関心の中心であるサステイナビリティが表されてます。
「クリティカルゾーンの記憶(ドイツーポーランドーロシアー中国ー日本) no.1-12」(2020)

そして次の部屋ではこれぞオラファー!というべき作品が。
偏光グラスで作られた多面体オブジェが、部屋中に極彩色を放っています。
よく見ると中のライトが回ってるんですが、これは後に登場する中庭にあるソーラーパネルからの太陽エネルギーで動いています。
「太陽の中心への探査」(2017)



次の部屋には溶け行く氷の映像。
ちょっと啓蒙的過ぎて個人的にはあんまり。
それよか次の部屋。空間には色とりどりのハロゲンランプのみ。
金沢でも見せてた色とりどりの影。
こうやって展示空間を物量で埋めるのではないやり方はさすが。
観客そのものが作品と化し、人が増えれば増えるほど楽しい作品。
「あなたに今起きていること、起きたこと、これから起こること」(2020)

続く部屋ではラボのような実験空間。
最近こういうの多いけどフーンとしか思えない。ごめんね。
次の部屋も、オラファーが力を入れてるサンライトを使って観客がその光の残像で映像を作るみたいな参加型なんだけど、すでに整理券が数時間後ということでパス。
さらにその次の部屋から怒涛のオラファー光マジック。やっぱこういうのが好き。
「人間を超えたレゾネーター」(2019)

「おそれてる?」(2004)

「ときに川は橋となる」(2020)

「ビューティー」(1993)


後半はもうどれもこれも素晴らし過ぎて一日中鑑賞したかった。
特に表題になってる「ときに川は橋となる」はこの展覧会のために作られた完全新作で、都現美のアトリウムをフルに使って、揺れる水面に反射する12の光の円をもう惚れ惚れと眺めていました。
もうここにベッド置いて泊まりたい!
せめてクッションとか置いて寝ながら鑑賞とかできたら最高なのにな。。。
まあ、そうするとマジで一生いそうな人が続出でしょうが。
これがこの約3ヶ月誰にも見られることなく存在してたかと思うとエモい。。。
映像や写真では見てましたが、やはり生で体験するのは最高でした。
敢えて言うと、水の揺れは自動ではなく、金沢で観客が入るたびに足元のスイッチによって揺れるようなインタラクティブの方が素敵だったと思いました。
あとビューティー、看板が胡散臭過ぎ笑
レインボーパレードかよw
そして最後の部屋の過去のプロジェクトを紹介するコーナーの1997年の「侵食」って作品がやば過ぎて笑った。
川から水を道路に引き上げて冠水させると言う、それってもはや犯罪なのでは。。。と言うプロジェクトw
「ときに道も川にする」
いやはや本当に素晴らしかった。
やっぱり美術館はいいなぁ。本当にしみじみ思いました。
オラファー展は9/27まで。予約不要ですが、できたら平日がオススメ!こちら。
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Serpentine Pavilion 2007
「ドローイングの可能性」@ 東京都現代美術館

今都現美はオラファー展も含めて3つ展覧会が開催中です。
そのうちの一つ「ドローイングの可能性」だけなぜか会期が異常に短く6/21まで。
そしてこれがめちゃくちゃいい展覧会だっただけに短いのは残念すぎる。
まず最初の石川九楊の作品が楽し過ぎた。
文章を抽象化した書なんだけど、まあ読めない。。。
一応原文もあるんだけどマジで読めない。
それはともかく普通にドローイングとして美しい。
さらに続いて一部屋丸々マティス!これはやられた。。。
マティス大好きなのでこれは至福の空間でした。
そして戸谷成雄の作夏シューゴアーツで見た小さな木片が壁に所狭しと張り付いてるインスタレーションは改めて見ても感動的。
その周りのドローイングなのかオブジェなのか判断しかねる作品も良かった。
そして、僕は知らなかった作家さんで盛圭太さんも素晴らしかった。
糸でドローイングしてるんだけど、空間を大きく使ったのも紙に細々したのも良かった。
「もつれるものたち」@ 東京都現代美術館


こちらはカディスト・ファウンデーションという社会と美術をつなぐみたいな組織との協働。
正直無理矢理な作品も多くて結構辟易した。。。
上記の「ドローイングの可能性」でも磯辺行久が出てて、こういう被ってるのって何なんだろう。
最後の藤井光はさすがだった。
福島にある資料館から借りてきた民芸資料を映像と共に展示しているのだけど、どれにも紙が添付されてて、よく見たら放射線線量が書かれていてギョッとする。
これらのものたちは福島第一原発の事故で被爆したものと知れる。
それらの独特の存在感がとても不気味でざわざわした。
この展覧会はオラファーと同じく9/27まで。
あとコレクション展は、ダムタイプ 展の時に観たのとほぼ一緒だった。。。
唯一ホンマタカシのコーナーが松江泰治の写真になってたぐらい。
まあ、松江泰治の写真と映像素晴らしいからいいんだけど、それを変更しただけで新しいコレクション展みたいな宣伝の仕方はどうかと思った。。。
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