18/40

こないだまでやってた某ドラマのタイトルではないんだけど、
本日このブログを始めてからなんと18年になりました!!!
そしてそして、私めもこの世に生を受けて40年になってしまいました。。。
ついに40代。。。全く実感がありません。
40代ってもっと大人だと思ってたのにこんな有様。
不惑、今後もホリック街道を突っ走って参る所存であります!!
皆様今後ともよろしくお願い致します。
上の写真は先日開催された「#よそじ男子しか勝たん」の様子。
本当にたくさんの方にお越し頂き感謝感謝でした泣
たこ焼きうまく焼けなくてごめんなさい。。。
1日スタッフを見事に務め上げてくれた同じくよそじ男子の榮一也くん(左)にも大感謝。
そんな榮くんのパフォーマンスが何と来月我がA'holicで開催されます!!!!
お店始まって以来のパフォーマンス公演。はてさてどうなることやら。
ご予約はメールかインスタのDMか店頭にて。
メールはinfo@aholic.tokyoまで。
当日は21時まで貸切、後通常営業となります。
以下詳細です。
榮一也パフォーマンス
< Blink of Perception>
ある本に記載された、ある劇作家の文脈からインスピレーションを受け、今を生きる事、を「ジェンダー」という言葉に関わる本来の意味合いや感性を刷り込ませ、不惑の節目となる肉体が創り上げるアートパフォーマンス。
2023年10月20日(金) Open 19:00 Start 20:00
10月21日(土) Open 19:00 Start 20:00
*ご予約のみ各回12名限定
*1ドリンクオーダー制+チャージ¥500
*パフォーマンスは投げ銭制。
(当日包み紙をお配りしますので、今後の活動支援としてお気持ち挟んで頂けると嬉しいです。)
*遅くても19:45にはドリンクの関係上、ご入場下さい。
お席はなく立ち見になります。
<会場>
Art Library Cafe & Bar 「 A'holic 」
東京都新宿区新宿3-11-1 高須ビル3階 *新宿3丁目駅C-6出口より徒歩1分
演出・構成・出演 榮一也
音楽 Mark Horrocks
映像 しずか
Special Thanks 森川穣 天野かおる
城太介 澤田誠也
[performer]
榮一也 KAZUYA SAKAE
1983年生まれ。舞踊家。
学生時はフィギュアスケート選手。
引退後、ダンスの道へ。
ジャズ、ストリート、バレエ、コンテンポラリー等様々なダンスを学ぶ。
インターナショナルダンス学院ストリートダンス科卒業。
近年はピラティスインストラクターとして活動する傍ら、不定期に身体を基本のメディアとしたパフォーマンスをしている。
アイデンティティやジェンダーに関する事を活動の核とし、コンセプチュアルな独自の身体表現を探求中。
主な作品に「薄暮の境界線」「月の瞼」「光の隙間」等。
[Music]
Mark Horrocks
composing electronic music for dance and performance artists for over 30 years.
He has performed his work at international dance festivals and electroacoustic music events both in Europe and America.
He studied Sonic Art at the University of Middlesex, London; and graduated with a PhD in Electroacoustic Soundscape Composition in 2005.

最後に、久々に辰巳のアブサンが入荷しました!!
入ると毎回一瞬でなくなってしまうのでご注文はお早めに。
次いつ入るかわかりません。
虎ノ門蒸溜所の3周年を記念したジンも入荷しました。
こちらは何と62種類ものボタニカルが配合されてるらしいです。
どちらも是非ご賞味くださいませ。

「Fortieth Anniversary 2023 #よそじ男子しか勝たん」開催のお知らせ。

2023年9月23日(土) 19時より
「Fortieth Anniversary 2023 #よそじ男子しか勝たん」
を開催します。
小生の40歳の誕生日をひたすら寿ぐゆるふわイベントです🎉
当日は店主自らたこ焼き焼いたりします。
またスペシャルゲストとして、同じく今月誕生日を迎えたもう1人のよそじ男子、榮一也氏もお手伝いしてくれます!
当日はチャージなしのキャッシュオンになります。
更に1983年度生まれのお客様はドリンク一杯無料!
お気軽にご参加ください。


高田冬彦『Cut Pieces』@ WAITINGROOM
最近観た都内の展示3つまとめて。
高田冬彦『Cut Pieces』@ WAITINGROOM (-10/8)
2021年以来のWAITINGROOMでの高田冬彦の新作展。
当時の記事読んでたら、やたらと「ネクストステージ」って言葉を使ってるんだけど、今回さらに高みに行ってしまってました。一体どこまで行っちゃうのかしら。
まずギャラリー入ってすぐに現れるのが昨年のマイアミで発表した「The Butterfly Dream」。
青年がウトウトと眠りに入ると蝶々が飛んできて、彼の服を切り刻んでしまうというもの。
前回の「The Princess and the Magic Birds」や「LOVE PHANTOM」でも眠りという要素は彼の作品で重要なんだけど、今回は「胡蝶の夢」がテーマ。
実際バタフライナイフならぬ、バタフライシザーが登場して、さらに実際に映像に使われてる「Butterfly Scissor」が展示されています。
初期作品では結構作品に使われた道具も展示されてたりしてたんだけど、近年はシンプルに映像だけを展示していたのですが、ここにきて映像インスタレーションと言うべきものに回帰しています。
それは隣の「Dangling Training」もそうで、テニスの練習をしている映像の周りにテニスボールが転がっています。
って、見所は赤い光越しに見える股間のシルエットなのですがw
これ、どういう仕組みで発光してるんだろう。。。今度聞いてみよう。
そしてこの個展の為に制作された新作が「Cut Suit」。
この新作が本当に素晴らしかった。高田くんの作品の中で一番好きかも。
スーツを着たフレッシュマンらしき6人の男たちが、お互いのスーツをハサミで切り刻み合うという内容なんだけど、背景のピンクや牧歌的な音楽も合間って、物凄く平和な映像に見えちゃう。
実際はとても暴力的な行為だと思うし、もちろんオノ・ヨーコの「Cut Piece」のオマージュだと思うんだけど、そういう説教臭さがほとんど感じられないんですよね。
(ちなみに展覧会タイトルの「Cut Pieces」は後者のオノ・ヨーコからの引用でしょうね。良いタイトル。)
「ホモソーシャルの解体」とかテーマとしては色々汲みとれるんだけど、ひたすら楽しそうにスーツを切り刻んでる彼らの姿が爽やかさすらあって後を引きます。
映像の周りには切り刻まれたスーツの残骸が山積みされてて、これもボルタンスキーとか一見したら悲惨なものに見えかねないのに、映像のピンクの光に照らされてなんとなくおかしい。
冒頭の「The Butterfly Dream」からのハサミ繋がりなのも素晴らしい。
さらに奥には今まであまり見せてこなかったアイデアノートのようなものも展示されてました。
明らかにまたまた「ネクストステージ」に昇った高田くんの個展。必見!
来年はアートバーゼル香港でミニ個展もあるらしいので出来たら観に行きたいと思ってます。














AKI INOMATA - 昨日の空を思い出す @ MAHO KUBOTA GALLERY (-9/16)
AKI INOMATAの新作展。
従来の動物とのコラボレーションと違って、今回は「グラスの中の液体に別の液体を3Dプリントする技術の開発を経て実現した水を湛えたグラスの中に前日の空模様を再現する作品」。
外に設置された観測機のようなもので雲を記録し、実際会場でその雲が水の中に「プリント」される様が見られます。
さらに出来上がった成果物や空と撮った写真や映像が展示されてます。
そしてこのプリントされた雲、飲めるんです。
実際作品購入という形で飲めるのかな?だとしたらめっちゃ興味深いですね。
所有ではなく体内に摂取するという形で作品を購入する。
彼女の展示はいつも見せ方が上手いなぁと思うし、コンセプトの立て方も本当にお上手。
さらにそれを実現させる実現力も凄いなぁと思います。
結構説明しないとわかってもらえない作品が多い中、どこまで説明するかはとても難しそう。
今回は彼女にとっても新展開と言える作品。
これまでよりか若干地味ではあるけど今後の展開が楽しみ。








ナラッキー Na-Lucky ChimPom from Smappa!Group @ 王城ビル (-10/1)
いつも隣の神座でラーメンを食ってて、目にはしてたけどあまり気にすることのなかった王城ビル。
今回そこが ChimPom from Smappa!Groupのプレイグラウンドとして生まれ変わりました。
前回の能舞台といい、近いのに知らない場所がたくさんあるなぁ。。。
「奈落」をテーマに、歌舞伎や弁財天などを引用しつつビル全体と歌舞伎町を巻き込んでてさすが。
ただ、このビルの飛び道具感が凄すぎて、作品一点一点ちゃんと入ってこないのも事実。。。
4階のカラオケルームでは男女が「丸の内サディスティック」歌っててカオスだった。
ってかそこは「歌舞伎町の女王」やろw
今後もこのビル活用されるんだろうか?
入場料2000円するけど、中々ない機会なので廃墟好きもどうぞ。




























高田冬彦『Cut Pieces』@ WAITINGROOM (-10/8)
2021年以来のWAITINGROOMでの高田冬彦の新作展。
当時の記事読んでたら、やたらと「ネクストステージ」って言葉を使ってるんだけど、今回さらに高みに行ってしまってました。一体どこまで行っちゃうのかしら。
まずギャラリー入ってすぐに現れるのが昨年のマイアミで発表した「The Butterfly Dream」。
青年がウトウトと眠りに入ると蝶々が飛んできて、彼の服を切り刻んでしまうというもの。
前回の「The Princess and the Magic Birds」や「LOVE PHANTOM」でも眠りという要素は彼の作品で重要なんだけど、今回は「胡蝶の夢」がテーマ。
実際バタフライナイフならぬ、バタフライシザーが登場して、さらに実際に映像に使われてる「Butterfly Scissor」が展示されています。
初期作品では結構作品に使われた道具も展示されてたりしてたんだけど、近年はシンプルに映像だけを展示していたのですが、ここにきて映像インスタレーションと言うべきものに回帰しています。
それは隣の「Dangling Training」もそうで、テニスの練習をしている映像の周りにテニスボールが転がっています。
って、見所は赤い光越しに見える股間のシルエットなのですがw
これ、どういう仕組みで発光してるんだろう。。。今度聞いてみよう。
そしてこの個展の為に制作された新作が「Cut Suit」。
この新作が本当に素晴らしかった。高田くんの作品の中で一番好きかも。
スーツを着たフレッシュマンらしき6人の男たちが、お互いのスーツをハサミで切り刻み合うという内容なんだけど、背景のピンクや牧歌的な音楽も合間って、物凄く平和な映像に見えちゃう。
実際はとても暴力的な行為だと思うし、もちろんオノ・ヨーコの「Cut Piece」のオマージュだと思うんだけど、そういう説教臭さがほとんど感じられないんですよね。
(ちなみに展覧会タイトルの「Cut Pieces」は後者のオノ・ヨーコからの引用でしょうね。良いタイトル。)
「ホモソーシャルの解体」とかテーマとしては色々汲みとれるんだけど、ひたすら楽しそうにスーツを切り刻んでる彼らの姿が爽やかさすらあって後を引きます。
映像の周りには切り刻まれたスーツの残骸が山積みされてて、これもボルタンスキーとか一見したら悲惨なものに見えかねないのに、映像のピンクの光に照らされてなんとなくおかしい。
冒頭の「The Butterfly Dream」からのハサミ繋がりなのも素晴らしい。
さらに奥には今まであまり見せてこなかったアイデアノートのようなものも展示されてました。
明らかにまたまた「ネクストステージ」に昇った高田くんの個展。必見!
来年はアートバーゼル香港でミニ個展もあるらしいので出来たら観に行きたいと思ってます。














AKI INOMATA - 昨日の空を思い出す @ MAHO KUBOTA GALLERY (-9/16)
AKI INOMATAの新作展。
従来の動物とのコラボレーションと違って、今回は「グラスの中の液体に別の液体を3Dプリントする技術の開発を経て実現した水を湛えたグラスの中に前日の空模様を再現する作品」。
外に設置された観測機のようなもので雲を記録し、実際会場でその雲が水の中に「プリント」される様が見られます。
さらに出来上がった成果物や空と撮った写真や映像が展示されてます。
そしてこのプリントされた雲、飲めるんです。
実際作品購入という形で飲めるのかな?だとしたらめっちゃ興味深いですね。
所有ではなく体内に摂取するという形で作品を購入する。
彼女の展示はいつも見せ方が上手いなぁと思うし、コンセプトの立て方も本当にお上手。
さらにそれを実現させる実現力も凄いなぁと思います。
結構説明しないとわかってもらえない作品が多い中、どこまで説明するかはとても難しそう。
今回は彼女にとっても新展開と言える作品。
これまでよりか若干地味ではあるけど今後の展開が楽しみ。








ナラッキー Na-Lucky ChimPom from Smappa!Group @ 王城ビル (-10/1)
いつも隣の神座でラーメンを食ってて、目にはしてたけどあまり気にすることのなかった王城ビル。
今回そこが ChimPom from Smappa!Groupのプレイグラウンドとして生まれ変わりました。
前回の能舞台といい、近いのに知らない場所がたくさんあるなぁ。。。
「奈落」をテーマに、歌舞伎や弁財天などを引用しつつビル全体と歌舞伎町を巻き込んでてさすが。
ただ、このビルの飛び道具感が凄すぎて、作品一点一点ちゃんと入ってこないのも事実。。。
4階のカラオケルームでは男女が「丸の内サディスティック」歌っててカオスだった。
ってかそこは「歌舞伎町の女王」やろw
今後もこのビル活用されるんだろうか?
入場料2000円するけど、中々ない機会なので廃墟好きもどうぞ。




























ゲルハルト・リヒター「14枚のガラス/豊島」@ 豊島

国内に数ある辺境アートスポットの中でも最強クラスに行きづらいスポット。
それが瀬戸内海に浮かぶ無人島、豊島です。
トリエンナーレで有名な豊島(てしま)ではありません。
こちらは「とよしま」と呼びます。
さらにややこしいことに広島の呉市にも同じ読みの豊島があるのですが、こちらは愛媛県になります。
実際この辺の島出身の知り合いに聞いても知りませんでした。。。
そんな島に何があるのか。
なんとゲルハルト・リヒターの恒久作品が設置されているのです。
しかも最後のガラス作品と言われていて、パビリオンの設計もリヒター本人が行なったとのこと。
なんでそんなものがこんな無人島に。。。
さらにこの作品に辿り着くのを難しくさせてるのがその公開期間。
なんと1年のうち9月の土日祝日しかオープンしないのです。。。!!!
こんなに難しいなら逆に行くしかないッ!!
というわけでホリック代表として行ってまいりました。。。
僕は尾道からバスで因島の土生港まで行き、そこからフェリー。
このフェリーも、豊島に寄るのは1日2本しかありません。こちら。
8時発か15:35発の便で僕は後者に乗りました。
そもそも無人島なのでフェリーが寄るのも不思議。。。
行先に豊島の文字はなく、弓削港か魚島港行きとしかなかったので焦りました。
とにかく「ニューうおしま」と書かれたフェリーに乗りましょう。
土生港から豊島までは約30分強。片道590円でした。


到着。本当に何もない。。。
そんな中意外にも何人か降りてて怖!ってなりました。(お前もな)
数えたら11人。金田一よろしく事件が起こりそうな予感。。。


港から見えてますが、受付の建物があり、そこで身分証明書の提示と、氏名、住所、電話番号の記入があります。
受付にも一点作品がありました。

受付を済ませるといよいよパビリオンに移動です。
竹藪の中を登っていくと徐々に見えてきます。






ついにご対面!!!!!













いやはや、冒険の末にたどり着いた感がすごくて感慨もひとしお。。。
入口から入ると、14枚のガラスがそれぞれ微妙な角度をつけながらお出迎え。
奥から観ると、島の海景がガラスに映り込んで、複雑な像を描きます。
ガラスに映り込んだ像たちで、入口側が全く見えなくなるの凄い。
しばし堪能してからまた受付へ。
するとなぜか受付の奥に通されてレストランみたいな場所でドリンクが用意されてました。。。
全部無料なのにどゆこと???
よくわからないまま、海を見ながらしばしチル。
資料があったので、色々見てたら、どうも奥にヴィラがあって宿泊できるらしい。
ただし、ふるさと納税で50万円以上が対象。なんということでしょう。
そもそも、この施設は現代アートプラットフォームが運営してるみたいなんだけど、HP見ても謎すぎ。こちら。


船が来るまでまだ時間があったのでもう一度観に行く。
なんと自分1人でかなりの時間を独り占めできました。贅沢の極み!
さっきより日が暮れかかった夕景を映し出す14枚のガラスたち。素晴らしい。。。
しかし、途中で船が自分を置いて行ってしまったのではと不安になり港行ったら皆さんいたので一安心。
しばし海を眺めながら、無事来てくれた船に乗って尾道へ。
さよなら、豊島!さよならリヒター!










本当に遠かったけど行けて本当に良かった。
こうなったら先日軽井沢にできたRichter Raumにも絶対行きたい!
尾道に戻って、以前行けなかったkadoさんでディナー。
ここにはうちで買ってくれた玉井さんの舟もあるのです。
そして宿は以前もお世話になった水尾之路さん。最高。こちら。
今回はランチとタルトもいただきました。
次の日、商店街歩いてたら置物と化した猫様とも遭遇して尾道満喫!










第11回ヒロシマ賞受賞記念 アルフレド・ジャー展 @ 広島市現代美術館

リニューアル後の広島現美へ。
広島現美は2020年から今年の3月まで大規模な改修工事が行われてました。
見事にコロナと被っててラッキーといえばラッキーな期間。
休館期間中も「どこかで?ゲンビ」と称して、広島市内の各所で展示をやってて面白い活動だな、と思っていました。
館内にはリニューアル以前のサインやらが展示されてて面白かった。


とはいえ今回のヒロシマ賞受賞記念展も本当は2020年に開催予定だったのが持ち越されてようやく開幕。
本来ヒロシマ賞は3年に一度なんですが、6年越しの開催となってしまいました。
ヒロシマ賞とは、美術の分野で人類の平和に貢献した作家の業績を顕彰し、世界の恒久平和を希求する「ヒロシマの心」を現代美術を通して広く世界へとアピールすることを目的として、広島市が1989年に創設したものです。
日本にもいくつか現代美術の賞はありますが、これほど意義深いものはないと思います。
そして日本ではあまり紹介されない作家が選ばれるのもあってとても貴重。
過去にはクシュトフ・ウディチコやドリス・サルセドが受賞していて、僕も受賞記念展は結構行ってます。
第7回ヒロシマ賞受賞記念 蔡國強展@広島市現代美術館
第8回ヒロシマ賞受賞記念 オノ・ヨーコ展「希望の路」@広島市現代美術館
第9回ヒロシマ賞受賞記念 ドリス・サルセド展@広島市現代美術館
第10回のモナ・ハトゥムはその直前にテートモダンの個展見ちゃったんでパスしました。
今回も、以前フィンランドのKIASMAで回顧展観てたのでいいかとも思ったんだけどやっぱり気になって行ってしまいました。
随分久々に来たな、とは思ったけど、ブログ見たら2014年のドリス・サルセド以来だった!!
もう10年近く来てなかったのか。。。
一時期は年に何度か行ってたんだけど、いつの間にか行かなくなってた。
やっぱり以前の学芸担当課長だった神谷幸江さんがいなくなったのはでかい。
彼女がいた時は本当にマニアックな展覧会がバンバンやってて、マーティン・クリードとかサイモン・スターリングとか、尖った企画にしびれました。
特にサイモン・スターリングの展覧会は、奇しくも震災の前日に観てて、しかも内容がヘンリー・ムーアと核について扱ってて、その後に起きた原発のことと重なって一生忘れられない展覧会になってしまいました。
前置きが例のごとく長くなってしまいましたが、アルフレッド・ジャー。
彼はハッセルブラッド国際写真賞も受賞するなど、写真を主なメディアとしていますが、様々なメディアを横断しながら社会的な作品を作ることで知られています。
今回もまず入口前に登場するのは「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」というネオン管。
日本語版と英語版がありますが、この言葉は詩人W.H.オーデンの英語の詩句の一節を翻訳した、小説家・大江健三郎による短編集の表題から。
1995年に同館で開催された、被爆50周年記念展「ヒロシマ以後」でこの作品を発表していて、2015年にこの作品からコレクション展のタイトルになっています。こちら。
今回前半はヒロシマ賞の為に作られた新作がほとんどで、迷ったけど来てよかったです。
但し、正直ちょっと安易じゃない?って作品が多かったのも事実。
広島長崎福島の原爆投下、地震発生時の時刻で止まった時計とか、原爆ドームの映像から暴風が吹き付けてくるやら。。。
むしろ後半の過去作の方が、よっぽどヒロシマ賞に合った作品が多かったように思います。
特に「音楽(私の知るすべてを、私は息子が生まれた日に学んだ)」は、広島市内の病院で生まれた子供たちの産声がその子たちの出生時刻に鳴り出すサウンドインスタレーション。
コロナ禍の3年で集められた産声なだけに、命というものをより考えさせられます。
また、ケビン・カーターの半生を扱った「サウンド・オブ・サイレンス」も以前も観たことあるけど、このヒロシマ賞で観ると非常に意義深い作品。
きっと多くの人が見たことのある、ハゲワシが飢餓の少女を襲おうとしている写真でピューリッツァー賞を受賞し、その後「なんで少女を救わなかったんだ」と非難を浴びた末に自殺したケビン・カーター。
そんな彼の人生を見せながら、最後強いフラッシュが焚かれます。
このフラッシュがどうしても原爆の「ピカ」を連想してしまいました。
また、最後に展示されてた「シャドウズ」も、オランダの写真家のコーエン・ウェッシングが撮影した、ひとりの農夫の殺害事件後の一連の写真を中心に構成されていて、最後はその死を嘆き悲しむふたりの娘のシルエットが強い光に変わって、しばらくそのシルエットが網膜に焼き付きます。
これも広島の原爆で影になった人のことを思い出させます。
別に広島の為に作ったわけではないのに、広島のことを想起させる作品たち。
それはひとえにそれらの作品が普遍性を帯びている結果だと思います。
改めてこの広島でこれらの作品が観られてよかったです。
この展示は10月15日まで。こちら。
3年後のヒロシマ賞も今から楽しみ。ケントリッジか坂茂あたりかなぁ。



















続いてコレクション展。
ほとんど写真撮れなかったけど、ANBで知り合った加藤立さんの作品がよかった。
同館のコレクションから横尾忠則の「Y字路」をチョイスして、その模写したキャンバスを背負ってクールベよろしく比治山を散歩してる映像と写真と実際の模写。
他は巨匠の作品が並ぶベタな展示だったので流し見。
今回後半のメインとなってるコレクション・リレーションズ[村上友重+黒田大スケ:広島を視る]という企画も意欲的。
特に黒田の「広島の平和記念公園周辺などに設置される彫刻を題材とし、その作者や制作の背景に関する調査をすすめます。こうして得られた情報をもとに、それら彫刻家達に成り代わり、ユーモラスに心情を吐露する演技を映像におさめ」た映像は流石でした。
これらは前述した休館中の「どこかで?ゲンビ」でも展開していて、その延長線上の展示。
休館中も動きを止めなかったこの美術館の底力を感じました。
それ故に先日発表されたヒスロムの展覧会の中止は本当に悲しい。。。こちら。







最後外に出たらここにも新宮さんの作品あった。。。凄すぎ。。。

ライアン・ガンダー アイムジャストレスティングマイアイズ(ちょっと目を休ませてるだけなんだ) @ 福岡醬油ギャラリー

なんと今ライアン・ガンダーがやってるってんで岡山は福岡醤油ギャラリーへ。
去年来た時はチームラボの施設みたいになってたんだけど元に戻ってよかった。
タイトルはガンダーのお父さんがよく言う台詞だそうで、実際作品にもなってました。
1階と地下があって、地下の展示は、以前オペラシティのコレクション展をキュレーションした時と同じく暗い中を懐中電灯を持って観客自身が作品に光を当てて鑑賞するスタイル。
まあ、作品はいつも通りだけど、地下と懐中電灯ってのが親和性良すぎて楽しかったです。
展覧会は11月26日まで。こちら。
作品や展覧会の解説はこちらが詳しいです。
ガンダーの作品、楽しいんだけど語れることがないんだよな。。。

















次岡山来たら絶対行こうと思ってたのがキャッスルという喫茶店。
店内にはなんと水槽が埋め込まれててめちゃくちゃ素敵空間!!!
椅子もゲーム台も電灯も全てが完璧過ぎて大興奮。
さぞ大人気だろうと思って行ったらしばらく客僕1人でした笑
お店の人も新聞読んでてゆるい雰囲気がこれまた最高。
モーニングはなんと珈琲込みで500円ぽっきり。
もう全てが最高なので岡山来たら絶対行くべし!!!










ところで、今回岡山の宿どうしようかと思って、石川財団がやってるアートホテルも見たんだけど高過ぎて無理で、他も楽しい宿ないしなぁと思ってたらエアビーを思い出して探してみたら凄い宿を発見。
下の写真見てください。
完全に親戚の家www
民泊にしても民が過ぎるwwww
途中で誰か帰ってくるんじゃなくてドキドキしました。。。
駅からめっちゃ近くて5000円以下で泊まれます。
かなりネタですがよかったら。。。こちら。







絵画:想起のかたち 佐川晃司×安喜万佐子展 @ 奈義町現代美術館

以前から行きたかった奈義町現代美術館へ!!!
兎に角遠いので、いい企画展がやってたら行こう行こうと思い続けて早十数年。
この度僕の恩師である佐川さんと安喜さんの2人展がやるってんで、まさにこれを逃すわけにはいかない!ということで遥々行ってまいりました。こちら。
実際行ってみてもまあ遠い。。。
とりあえず津山まで行って、そこからバスで40分ちょっと。
やっと辿り着いた先には大阪でも観た新宮さんの作品が。
新宮さんの作品どこでもありすぎて凄い。

早速企画展示室へ。
佐川さんと安喜さんの作品が一緒に並べられてるのがレア過ぎて最初部屋に入った時思考が完全にストップしてしまいました。
全く違うスタイルの絵なのに、一つの空間の中で見事に調和している。
安喜さんの作品はここ数年でも観てきたけど、佐川さんの作品はこれだけの数に出会うのは久々で、改めていい絵だなぁと見惚れてしまいました。
近くで見ると多層的に色が重ねられていて、一見単純な像なのに、目が追いつけないほどの情報量を持ってる絵画たち。
それはもちろん安喜さんも同様で、2人の作品をこれだけ浴びるように観ていると網膜がどうにかなりそう笑
奥の小さな部屋に展示されてた佐川さんの菱形のドローイングが物凄く格好よかった。。。
最後、部屋を出ようと思ったら、部屋の出入り口も一枚の絵画のようになってて美しい光景でした。
さらに受付の隣では安喜さんの小品と近くの那岐山で行ったフロッタージュが絵巻になって展示されてました。



















さて、奈義町現代美術館の見所といえば、3人の作家によるコミッションワーク。
今でこそ地中美術館や金沢21美、十和田現美等、建築と作品が一体となった美術館って2000年以降いくつかできたけど、この美術館の開館は1994年。
磯崎新設計で、宮脇愛子、岡崎和郎、荒川修作+マドリン・ギンズの3人のための空間がそれぞれ用意されています。
確かに宮脇愛子の作品が今までで一番美しい空間でした。
岡崎和郎の空間はちょっとやり過ぎ感が。
荒川マドリンのはむしろやり過ぎが過ぎててよかったw
今年軽井沢でドローイング観たばかりだったけど、どうして建築と絡むとこんなゴテゴテになるんだろう笑

























来年は岡山北エリアで長谷川祐子ディレクションで「森の芸術祭」が開催されます。こちら。
多分この美術館も会場になると思うので、めちゃくちゃ遠いですがいい機会だと思うので是非。
僕は来るか悩み中w
作家のラインナップ次第ですね。
めちゃくちゃ周りにくそうですが。。。

ところで津山にはまた別に行きたい場所がありました。
つやま自然のふしぎ館。
2021年2月号の美術手帖で特集されてていつか行きたいと思っていました。
ここは津山屈指の豪商で知られた錦屋の三男坊森本慶三によって1963年に開館した私設博物館。
3階建ての建物の中に、びっしりと古今東西の動物の剥製や昆虫の標本、鉱物、化石など、2万点以上の展示物が迷路のような展示室の中にひしめきあってるとんでもスポット。
期待に違わず最高すぎました。
なんでも森本が20代の頃にキリスト教思想家の内村鑑三に弟子入りし、その後妻を失った森本に内村が説いた「悲痛の撲滅剤として最も有力なるは、他人の為にする活動に有之候」という言葉から1億円以上もの私財を投げ打って地元に博物館を建てたとのこと。
博物館開館の翌年森本は亡くなり、なんと自身の臓器をこの博物館に寄贈されていて実際に今も展示されてます。
いやはや日本広しと言えど、本当に稀有な施設でした。
津山にお越しの際は是非行ってみてください。




















津山、ふしぎな町でした。



Parallel Lives 平行人生 — 新宮晋+レンゾ・ピアノ展 @ 大阪中之島美術館

大阪に行ってきました。
大阪行くと必ずと言っていいほど向かうのが中之島の2つの美術館。
しかしどこからも遠いので行きにくいんですよね。。。
特に夏は歩くのも命がけ。
で、今回大阪駅から75番のバスに乗ればめちゃ近くの田蓑橋まで行けることに今更気づきました。
1時間に2本しかないけど、中之島美術館の目の前に着いてめちゃ便利!
ということで2つの美術館でやってた展覧会のレポです。
Parallel Lives 平行人生 — 新宮晋+レンゾ・ピアノ展 @ 大阪中之島美術館 (-9/14)
民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある @ 大阪中之島美術館 (-9/18)
まずは大阪中之島美術館。
やってたのは新宮晋+レンゾ・ピアノ展と民藝展。
今回の来阪の最大の目的は前者の展覧会。
新宮さん、実は僕が美術の道に向かうきっかけになった人なんですよね。
高校3年の秋に、同じ母校の卒業生として新宮さんが講演されて、それ聞いて美大に行こうと志したのでありました。
なのでこの展覧会は見逃すわけには行かなかったのです。巡回もないし。
この2人は各地でコラボレーションしていて、その始まりが1994年にオープンした関西国際空港。
建築をピアノが、中で風を孕んで動く彫刻を新宮が制作しました。
以前イタリアに留学していた新宮さんはイタリア語ができて、同い年というのもあってイタリア人のピアノと意気投合。
その後もいくつものプロジェクトを共にしています。
東京だと銀座のエルメスが有名ですね。
会場には2人の年表があって、2人とも1937年生まれ。
この展覧会は新宮さんの誕生日の7月13日に始まり、ピアノの誕生日の9月14日に終わるという粋な計らいが。
2人とも86歳になるのにバリバリ仕事しててすごい。。。
「平行人生」というタイトルが年表で見事に描かれていました。
初のコラボレーションは1994年ですが、実はその遥か前、2人の人生は1970年に交差しています。場所はこれまた大阪。
そう、大阪万博で、ピアノはイタリア産業館を手がけ、新宮は彫刻を手がけていました。
会場には2人の作品がとても贅沢に展示されていて、建築展によくある説明的な展示ではなく、新宮さんの作品も相まって体で感じる感覚がとても気持ちよかったです。
新宮さんの彫刻が床に落とす影が美しくて床ばかり撮ってました。
ピアノの最新プロジェクトでもある、丸の内にできる東京海上の新社屋も展示されていました。
年齢関係なく、のびのびと歩んでる2人の姿に改めて感動。素晴らしい展覧会でした。
そしてもういっちょ民藝展。
ちょっと前に東近美の民藝展あったしいいか、とも思ったんだけどせっかくなので。
案の定というか、そこまでの感動はなかったけど、江戸時代の燭台が最高にかっこよすぎて痺れた。
あと、第III章の柳の没後に世界に広がっていった民藝と、現在も受け継がれる民藝の紹介のコーナーはよかった。
小鹿田焼の里、日田の皿山にはいつか行きたい。。。
ちなみに両展見ると4000円オーバーです。高い。。。






















ホーム・スイート・ホーム @ 国立国際美術館 (-9/10)
コレクション1 80/90/00/10 @ 国立国際美術館 (-9/10)
続いて国立国際美術館。
企画の「ホーム・スイート・ホーム」展に関しては特に言うことなし汗
コロナ以降のホームというコンセプトはとてもいいのに展示がとても散漫。。。
クレジットには8名の作家がクレジットされてるもののそのうち2人は展示ではなく期間限定のスクリーニングでほとんど観られないし。
一番見ごたえがあったのは鎌田友介だったけど、わざわざ日本家屋を展示空間内に再現しちゃうのは違和感が。
潘逸舟は確かにこのテーマにぴったりの作家だとは思うけど、出品されてた作品が微妙すぎた。。。
それよか今回の目玉はコレクション展。
何と言っても最近購入した村上隆の「727 FATMAN LITTLE BOY」がデデンと正面に展示されてて圧巻。
他にも奈良美智、会田誠、中原浩大、ヤノベケンジ、西山美なコ、森村泰昌、やなぎみわ、束芋、小沢剛と、80年以降の代表作がこれでもかと展示されてて見所がたくさん。
マーク・マンダースがもはや置き場所ないから置かれてる感があって面白いw
なぜかこの展示終わったら来年まで展示ないみたいなんだけど改修でもするのかな?









































ところで大阪中之島美術館と中之島美術館をつなぐ渡り廊下がいつまで経っても通れず東西分裂感があるんだけど、バリアフリーやらでかなり大規模な工事がさらにいるらしく繋がるのはまだ先のことらしい。
もはや地上から行ってもそんな変わらないからいいっちゃいいんだけど色々大変ですね。。。
