Farewell 2022

いよいよ本日で2022年も最後。
思い返すと今年の初めも緊急事態宣言やらマンボウやらがあったんですね。
コロナ忘れそうになるけどまだまだコロナ禍。。。
ロシア・ウクライナの戦争もまだ続いてるし元首相の暗殺なんかもあってキナ臭い年でしたね。
エリザベス女王やゴルバチョフも亡くなり一つの時代が終わりを告げました。
先日タモリさんが「来年は新しい戦前」と仰ったそうだけど本当にそうなるのかも。。。
さらに今年は三宅一生に森英恵、一柳慧、青山真治、ゴダール、ピーター・ブルックに昨日の磯崎新、ヴィヴィアン・ウエストウッドと巨匠たちがこの世を去った年でもあります。
お店的にはイベントもいくつかやりました。おでんにとんちライブにあおいナイト。
あおいナイトは呑み過ぎて死んだ記憶w
先日は「聖夜孤児会」なんてふざけたイベントもやって楽しかったなぁ。
そして今村くん、大坂さん、内海さんと3つの展覧会を開催しました。
決してやりやすい環境ではない中素晴らしい展示にしてくださった作家さんたちには感謝しかないです。
来年も色々できるように無理せず頑張ります。
今村遼佑くんのこと。
契約更新しました。
A'holic、3歳になりました。
今村遼佑個展「ユビキタスと雨宿り」終了しました。
静岡おでんPARTY開催のお知らせ
大坂秩加個展「短冊にぎりしめて雨 2022」開催のお知らせ。
大坂秩加個展「短冊にぎりしめて雨 2022」終了しました。
イベントのお知らせ。
内海聖史個展「森に積もる」開催のお知らせ。
内海聖史個展「森に積もる」終了しました。
聖夜孤児会のお知らせ等。

毎年行った展覧会のチラシをまとめてるんだけど、今年のファイルはち切れんばかりなんだがどゆこと!?
ってことでブログに書いてる分だけでも数えたら192の展覧会に行ってた。。。
もしかしたら漏れあるかもなのでまあ約200。。。みんなどれぐらい行ってる?
その中でも良かったものランキング発表!
とりあえず美術館の展示のみ。10に絞れなかったのでベスト12。
1位と5位が意外や意外で現代美術じゃなかった。。。!
完璧な作品群と完璧なキュレーションだった西洋美術館の展示はダントツでした。
マネ好きにはたまらなかった練馬区美術館の展示は俺得過ぎた。
年末に滑り込んだ鴻池さんはマジで素晴らしかった!ここに来て2位!!
3, 4, 6-9位は作品が圧倒的過ぎた。
残念だったのはやっぱりリヒター。。。近美と豊田足して2で割りたい。
1. 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで @ 国立西洋美術館
2. みる誕生 鴻池朋子展 @ 静岡県立美術館
3. 池田亮司展 @ 弘前れんが倉庫美術館
4. ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる? @ ポーラ美術館
5. 日本の中のマネ ―出会い、120年のイメージ― @ 練馬区立美術館
6. ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで @ 東京都現代美術館
7. 川内倫子 M/E 球体の上、無限の連なり @ 東京オペラシティ アートギャラリー
8. Chim↑Pom展:ハッピースプリング @ 森美術館
9. 加藤泉一寄生するプラモデル @ ワタリウム美術館
10. ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策 @ アーティゾン美術館
11. 時を超えるイヴ・クラインの想像力 ―不確かさと非物質的なるもの @ 金沢21世紀美術館
12. ゲルハルト・リヒター展 @ 東京国立近代美術館
ギャラリーだとKEN NAKAHSHIの原田さんとエリック・クネーベルが印象的。
惑星ザムザで観た横手くんの個展と京都の松井さんの個展も良かった。
もはや若い人の作品知る機会も少ないのでこういう出会いは貴重。
そしてやはりうちで展示した大坂さん、内海さん(春/秋)と、来年展示予定の清水さん、池田さん、山本さん(夏/冬)の展示はどれも素晴らしかった。
カスヤの森現代美術館に行けたことも大収穫。
芸術祭はあいちと岡山行ったけどどちらも微妙だった。。。もしかしたらどちらも最後かも。
建築は森山邸とヒアシンスハウス、とこなめ陶の森研究所が素晴らしかった。
特に森山邸の森山さんには度肝抜かされました。。。
映画は三宅さんの「ケイコ」が圧倒的だった。
あとは河瀬さんの「東京2020」とアピチャッポンの「MEMORIA」。
ヒルマのドキュメンタリーも印象的だったし、観たかった濱口監督の「うたうひと」とタル・ベーラの初期作も素晴らしかった。
演劇はマームの「cocoon」が観られて本当に良かった。
劇チョコの怒涛の芸劇ジャックも凄かったし、地点も相変わらず良き。
とまあ、こんな感じでホリック街道相変わらず突っ走っております。
来年もたくさん観るぞ!!
個人的には青森旅行が楽しかったのでまた行きたい。
箱根は冬はもちろん夏も素晴らしかった。温泉毎日浸かりたい。
そして何故か参加したキャンプも楽しかった。
さらに初島原もすごい経験でした。。。
そういえばパーソナルジムも通ったんだった。。。結局続かず。。。
今年は海外行ってなかったので来年は行きたいなぁ。。。
ってことで何故か本日大晦日も営業しております。
お蕎麦と酒用意してお待ちしてまーす。

山本恵展 @ Hase







































夏の大阪での展示からの冬の名古屋の展示へ。
前回は自然光がたっぷり入る空間での展示でしたが、今回は冬の柔らかな光の中での展示。
どちらも素晴らしかったけど、今回はより影が強調されていたように思います。
彼女の作品は見ても見ても見尽くせない歓びがあります。
どれも見ていて祝福されているような柔らかな気持ちになれます。
言葉では言い尽くせないのですが、多幸感に包まれる展示で素晴らしかった。
そんな彼女の作品が、来年A'holicでも展示予定です!乞うご期待!
一足先に作品がお店にやってきました!
一目惚れして買ってしまった「Tipi」という作品です。
是非ご覧くださいませ。

思えば昨年末も豊田から名古屋で今村くんの展示を観た流れだった。
今年も同じような流れで締めくくれて感無量。。。
明日は大晦日なので2022年の総括します!
みる誕生 鴻池朋子展 @ 静岡県立美術館






















































2022年ラスト遠征!
そしてこの展覧会が今年のラスト鑑賞になりました。
正直豊田市美のリヒター展(後述)の「ついでに」寄った感じだったんだけど物凄い展示だった。。。
ここに来て今年のベスト10に入る内容。来てよかった。。。
さて鴻池さん。近年再ブレイクを果たしている感があります。
「人新世」や「コロナ禍」を経て、彼女の作品のアクチュアリティが増してるのがその要因の一つでしょう。
彼女の作品は以前から人智では計り知れない領域に達していました。
特に2009年のオペラシティの個展「インタートラベラー」は未だに忘れられない展示です。
あの感動が忘れられず、それ以降も神奈川県民ホールの個展やアーティゾンでのJAMセッションなどを観てきましたが、個人的には全くピンとこない展示が続いて(実際ブログにも書いてない)、あのオペラシティは何だったんだろう?というのが積年の謎でした。
もう鴻池さんはいいかな。。。と思ってたんですが、夏の高松市美術館で開催された「みる誕生」というタイトルが妙に気になり、美術手帖でも特集が組まれていたので、豊田行くし途中だから静岡寄ってみるかと思い立ったのが大正解でした。
まずこの展覧会は、先述した通り夏の高松を経て静岡にやってきたわけですが、従来の「巡回展」と違い、出品作はほぼ同じでも館によって展示方法が全く異なるため「リレー展」と称してるのが特徴です。
実際展覧会カタログも各会場ごとに作られています。
静岡ではまず吹き抜けのエントランスの柱周りに置かれた立体作品が目につきます。
動物の毛皮が敷かれた上に置かれた津波。一体どういう造形センスしてるんだ。。。
そして壁やガラスケースには木下知威氏との往復書簡がびっしりと並びます。
木下さんはろうの学者で、僕も以前一度お会いしたことがあるのですが、彼との筆談はとても楽しかったのを覚えています。
それにしてもこの量のテキストはどう考えても読み切れる量じゃない。。。
さらにどうぶつの糞の模型。。。
この時点でこの展覧会が「みる」ことの臨界点を遥かに突破していました。
2階の会場に上がろうとすると先ほどの柱からロープが続いていることに気づきます。
このロープは会場中を渡っていて、視覚の弱い人もこのロープを辿ることで展覧会を回れるようになっています。
ここでも「みる」の領域がどんどん広がっていくのがわかります。
踊り場では「インタートラベラー」で観たでっかいミラーボール赤ちゃんや、会場入口でも昔のアニメーションが投影されててあの感動が蘇りました。
で、ようやくメイン会場なんですが、ここからがまたすごかった。。。
最初の展示室では鴻池さんの作品に加えて、館のコレクションと熊本にある国立療養所菊池恵楓園でのハンセン病患者たちで構成された絵画クラブ「金陽会」の作品群、さらに世界中の人々と手芸で綴る《物語るテーブルランナー》、そして再び「どうぶつの糞」模型が展示されています。。。
もはや、オーサーシップからも逃れるような展示でめちゃくちゃ感動しました。
クールベから始まったとされる個展という形式は、作者=絶対というとても近代的な思考ですが、未だにそれが常識になっています。
この近代的思考を軽々と超えてしまう展示ですごかった。。。
高松市美でもこの展示はやってたそうですが、コレクションが各館のものなので自ずと展示が変わらざるを得ないんですよね。
ちなみに石田徹也の作品が展示されてたけど、考えたらちゃんと彼の作品観たの今回が初だったかも。
そしてそれら巨匠のコレクションと等価に展示されている金陽会の作品群と手芸と糞。
金陽会の作品にはそれぞれちゃんと解説がついてて、それが愛に溢れててとてもよかった。
手芸作品は、鴻池さんが人々から集めた話を下絵に起こして、それをみんなで刺繍してテーブルマットにするというもの。
その下絵も最近は他の作家(弓指寛治)に任せたり、もはや鴻池さんが関与すらしてないケースもあって、誰が作者なのかという凄まじいプロジェクト。
そもそも手芸は、美術や工芸の下の下、陽の当たらないシャドーワークとしてしか評価されてきませんでした。
それらが美術館に堂々と展示されてるのは清々しさすらありました。
「みる」から「つくる」とは何か、という根源的な問いを投げかけらるような展示でした。
また、この美術館の展示室はひたすらガラスケースが並んでいて、現代美術を展示するのはかなり難しいとは思うんですが、このガラスケースの使い方もめちゃくちゃうまかった。
動物の皮で作った皮トンビやアニメーションのドローイングなどが展示されてたり、半透明ビニールが天井から吊り下げられたインスタレーションはとても幻想的だったし、どの展示とってもめちゃくちゃ自由で、鴻池さんの手にかかればその全てがプレイグラウンド。
いくつかは触ることもできて、手で「みる」ことも可能に。
動物の毛皮を優しく撫でたりして楽しみました。
さらに美術館を飛び出して「逃走ルート」を作って、マップを手掛かりに裏山に抜けるとさらに作品たちに出遭えたり、身体全体を使って「みる」展覧会で本当に充実した内容でした。
裏山の作品に至っては鑑賞者は森であり動物たちである可能性すらあるんですよね。。。
当日は雨上がりで竹やぶに霧がかってあの世に逝ってしまうのではないかと錯覚しました。
突然現れる皮トンビもすごかった。
いやはや本当に恐れ入りました。。。
2024年には青森県立美術館にバトンが渡されるそうですがそっちも凄そう。。。
特に青森県美は三代丸山遺跡が隣接してるので、縄文と鴻池朋子のコラボが見られそう。。。
なぜか1年空くけど、青森編もできたら観に行きたい。。。
本当に素晴らしい展覧会でした。2023年1月9日まで。こちら。
ところで静岡県美、2008年の「風景ルルル」、2014年の「グループ「幻触」と石子順造 1966-1971」以来3度目。
静岡駅からバスは1時間に一本だし、静鉄「県立美術館前」駅からも遠いのでめちゃくちゃ不便。。。
だけど来たら来たで満足感はあるんですよね。
ここには何と言ってもロダン館があります。この施設異常すぎ。
他にもジャコメッティの初期彫刻やブランクーシにムーア等も充実してます。
ちなみに静岡市美術館は駅前のビルの中にあってめっちゃ便利だけど見応えは薄いです。むずいね。







ゲルハルト・リヒター展 @ 豊田市美術館

























2022ラスト遠征のメイン、のはずだった展覧会。
東近美からの巡回展で、東近美はリヒター本人が監修し、豊田は最新作が追加。
はいはいどっちも行ったらいいんでしょ、ってことで行ってきました。
「あいち2022」とセットで行こうとしたら閉幕の5日後スタートっていう鬼っぷり。
豊田市美でリヒターなんて、絶対いいに決まってるやん!って期待に胸膨らませて行ったんですが、まさかの東近美の展示の方がよかったかも。。。という衝撃的な結果でした。。。
まず1階の初期作品の展示がまずすぎた。
東近美ではギチギチだったとはいえ、ストーリーがなんとなくあったのに対して、豊田の展示はただ制作年順に並んでるだけ。。。
もしこっちを先に観てたらそこまで違和感なかったかもだったんだけど、あの展示を観た者としてはどうしても比べてしまって全然集中できなかった。。。
さらに最後のビルケナウの展示はあり得なかった。。。
この作品、リヒターのキャリアの中でも本当に大切な作品なのに、突然ぽんって置かれたみたいな展示のされ方で、え?って声が出てしまうほど「軽い」展示になり下がってた。。。悲しい。。。
自然光が降り注ぐ展示室にこの作品が合うわけないだろ。。。なんで。。。なんで。。。
これだったら3階の最後の天井低い部屋にすればよかったのに。マジで謎。怒りすら覚えます。
唯一「8枚のガラス」と「ストリップ」「カラーチャート」の展示は大成功でした。これは素晴らしい。
2階、3階の展示もさすが。
ドローイングは東近美、WAKOを経てさらに最新作が展示されてあった。。。
そして初めて観た「ムード」というシリーズは最新作が今年の10月。。。おそるべし。。。
とまあ、よかった部分ももちろんあったんだけど、やっぱり1階の展示が解せなすぎる。。。
期待してただけにショックも大きかったです。しゅん。
東近美の前半と豊田の後半を合体すればちょうどいい塩梅だったなぁ。
豊田の展示は2023年1月29日まで。未見の方は是非。国内でこれだけまとめてリヒター観られる機会はもう数十年後だと思うので。。。
コレクション展はリヒター展に合わせて「反射と反転」。さすがでした。








<関連記事>
ゲルハルト・リヒター展 @ 東京国立近代美術館
ゲルハルト・リヒター Drawings 2018-2022 and Elbe 1957 @ WAKO WORKS OF ART
ゲルハルト・リヒター「Abstrakt」 @ エスパス ルイ・ヴィトン大阪
モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に @ ポーラ美術館
自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで @ 国立西洋美術館
ゲルハルト・リヒター展@川村記念美術館
リヒター@金沢21世紀美術館
ところで、豊田市美行く度に気になってた途中にある鰻屋「満福支店」さんに思い立って入ってみました。
サクッとフワッとしててめっちゃうまかったー!!
今度からここでランチして豊田市美のコースにしよう。

ドリーム/ランド @ 神奈川県民ホールギャラリー
今月首都圏で観た展示まとめ。
正直展覧会としてはどれも微妙だったけど個々で面白い作品といくつか出会えたので良き。
ドリーム/ランド @ 神奈川県民ホールギャラリー (-2023/1/28)

前記事の地点を観に行った日がたまたま初日で観られた展覧会。
何故かここは日曜日が初日なんですよね。
Reborn-Art Festivalで発表された笹岡さんの「パンジー」が観たかったので観られてめちゃくちゃ嬉しかった!
相変わらず狂ってて好きです。
GYREで観た青山さんの作品もしっかり一部屋使ってインスタレーションされてて素敵。
ヨシダさんのディストピア的なチリの映像から始まる本展は、最後林さんのユートピア的な世界で締めくくられてた。
この吹き抜け空間を最も有効に使ってた展示かも。素晴らしかった。。。
平日行く方は水曜休みなのでご注意を!
シンゴ・ヨシダ

青山悟




笹岡由梨子



山嵜雷蔵

角文平


林勇気






DOMANI・明日展 2022–23 百年まえから、百年あとへ @ 国立新美術館 (-2023/1/29)

文化庁の海外派遣プログラム参加作家を紹介する恒例のDOMANI。
女性作家1人しかいなかったけどジェンダーバランス大丈夫か?
紹介展なのでなんとなくまとまりはないけど、敢えてテーマを見出すとしたら「未成」というところかな?
大崎さんや小金沢さんの絵の生成そのものを作品にしてる感じとか、圧巻の丸山さんの展示とか。
カバーになってる石塚さんも写真を使って実験してたり、北川さんも石の小品を並べてみたり。
他の作品も「完成」と「未完成」の間をついてるような作品が多かった気がする。
ここも休館日が月曜でなく火曜なので平日組はお気をつけください。
石塚元太良



丸山 直文




大﨑のぶゆき


伊藤誠

北川太郎

黒田大スケ

谷中佑輔


小金沢健人



六本木クロッシング2022展:往来オーライ! @ 森美術館 (-2023/3/26)

3年おき(?)に開催されてる六本木クロッシングの7回目。
ダジャレみたいなタイトルやめてほしい。。。
案の定まとまりがない。折元さんとか石内さんとかが参加してるの謎。
その中でもSIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUADは流石すぎた。
彼らの街中をジャックする感覚めちゃくちゃ気持ちいい。
こういう展示空間でもちゃんと観せられるのもめちゃくちゃ力ありますね。
最後の青木野枝は圧巻だった。
前まであんまり好きな作家じゃなかったのに最近の作品めちゃくちゃいい。
このキャリアでさらに進化してるのは本当に凄いことです。
青木さん越しのINOMATAさんも格好良かった。
O JUN

青木千絵

金川晋吾

キュンチョメ

折元立身

玉山拓郎

石内都

潘逸舟

SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD





竹内公太

青木野枝





AKI INOMATA


MAMコレクション016:自然を瞑想する―久門剛史、ポー・ポー、梅津庸一 @ 森美術館
ひたすら久門さん素晴らしい。。。
昔アピチャッポンとコラボしてた作品だったけど、こうして環境変えてみても良い。




MAMスクリーン017:ナンシー・ホルト、ロバート・スミッソン @ 森美術館
スミッソンのドキュメンタリーは以前近美で観てたのでホルトのドキュメンタリー観たかったのに途中で止まってしまった。。。悲しい。。。


ナンシー・ホルト @ TARO NASU (会期終了)
森美に合わせてかこちらもホルト。
1974年にニューヨークのクロック・タワーギャラリーで開催された彼女の個展で発表された、かなりサイト・スペシフィックな作品なんだけど、それを場所も時代も全く違うところに置くという展示。
あの時代のサイト・スペシフィシティを解体するような面白い試みだけど分かりにくさは否めず。。。



鷹野隆大・山城知佳子 二人展「距離の洞窟」@ Yumiko Chiba Associates (会期終了)
新宿から六本木に移っての第一弾。
通勤途中にあった貴重なギャラリーだったので寂しい。。。
それはともかくこの展覧会は鷹野さんキュレーションで「距離」をテーマにしていて、鷹野さんは影撮ったシリーズ「Photo-Graph」を、山城さんは鍾乳洞で撮った身体を撮った「黙認のからだ」を展示しています。
それぞれ比喩的に身体を扱ってるけど展示としてはやや分かりにくかったかな。。。
ギャラリーなので作品数も少ないし、もう少し広いスペースで展開したら面白いかも。




ANB Studio Program グループ展「Platform 29.8」@ ANB Tokyo (会期終了)

常連の横村さんが参加していた六本木のど真ん中のスタジオプログラム。
こんな一等地で24時間、かなり多くの作家に無料で貸し出してて一体どういうこと。。。
という感じなんだけど、残念ながら2年で活動が終了。
その最後を締めくくるグループ展が開催されてたので行ってきました。
展示されてたのはスタジオプログラムに参加した作家の一部なんだけど、2フロアで結構見ごたえがありました。
この5月の惑星ザムザやParcelの個展ですっかりファンになってしまった横手さんも参加してて、相変わらず素晴らしかった。
まだ24歳。。。おそるべし。。。
他にも塚本さんと加藤さんの作品が良かった。3人とも動く作品w
加藤さんの作品、マジで本人そっくりでビビる。。。
そしてボレマンスを思わせる絵画もなんと壁から動くんです。。。
新たに壁立ててその裏で磁石で手動で動かしてるんだとかw
横村さん、店でずっと話聞いてたので改めて成果を観られて感慨深かった。
布の作品も新展開で画像で見るより良かったし、この場所を活かして描いた大きな作品2点も全くブレがなくこれまで通りの横村さんで凄い。。。
最後のパーティーめっちゃギラついてたけど六本木みがあって新鮮でしたw
横手太紀





塚本亮太



加藤立





横村葵






「Met“y”averse ~メチャバース、それはあなたの世界~」@ 藝大アートプラザ
藝大美術館行くとき毎回通り過ぎてたスペースで大坂さんの展示がやってたので行ってきました。
すげぇダセェタイトルなんだけど、まあ、大坂さんの新作が観られてほくほくでした。
2015年のクリスマス・イヴから端を発するいくつかの物語が一枚の絵で展開されてます。
相変わらずの描写力で凄いです。。。
そして7年後のいくつかの未来日記のほとんどが切なすぎて泣きそうw
独特の毒のある世界観。滅茶バースでした。








正直展覧会としてはどれも微妙だったけど個々で面白い作品といくつか出会えたので良き。
ドリーム/ランド @ 神奈川県民ホールギャラリー (-2023/1/28)

前記事の地点を観に行った日がたまたま初日で観られた展覧会。
何故かここは日曜日が初日なんですよね。
Reborn-Art Festivalで発表された笹岡さんの「パンジー」が観たかったので観られてめちゃくちゃ嬉しかった!
相変わらず狂ってて好きです。
GYREで観た青山さんの作品もしっかり一部屋使ってインスタレーションされてて素敵。
ヨシダさんのディストピア的なチリの映像から始まる本展は、最後林さんのユートピア的な世界で締めくくられてた。
この吹き抜け空間を最も有効に使ってた展示かも。素晴らしかった。。。
平日行く方は水曜休みなのでご注意を!
シンゴ・ヨシダ

青山悟




笹岡由梨子



山嵜雷蔵

角文平


林勇気






DOMANI・明日展 2022–23 百年まえから、百年あとへ @ 国立新美術館 (-2023/1/29)

文化庁の海外派遣プログラム参加作家を紹介する恒例のDOMANI。
女性作家1人しかいなかったけどジェンダーバランス大丈夫か?
紹介展なのでなんとなくまとまりはないけど、敢えてテーマを見出すとしたら「未成」というところかな?
大崎さんや小金沢さんの絵の生成そのものを作品にしてる感じとか、圧巻の丸山さんの展示とか。
カバーになってる石塚さんも写真を使って実験してたり、北川さんも石の小品を並べてみたり。
他の作品も「完成」と「未完成」の間をついてるような作品が多かった気がする。
ここも休館日が月曜でなく火曜なので平日組はお気をつけください。
石塚元太良



丸山 直文




大﨑のぶゆき


伊藤誠

北川太郎

黒田大スケ

谷中佑輔


小金沢健人



六本木クロッシング2022展:往来オーライ! @ 森美術館 (-2023/3/26)

3年おき(?)に開催されてる六本木クロッシングの7回目。
ダジャレみたいなタイトルやめてほしい。。。
案の定まとまりがない。折元さんとか石内さんとかが参加してるの謎。
その中でもSIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUADは流石すぎた。
彼らの街中をジャックする感覚めちゃくちゃ気持ちいい。
こういう展示空間でもちゃんと観せられるのもめちゃくちゃ力ありますね。
最後の青木野枝は圧巻だった。
前まであんまり好きな作家じゃなかったのに最近の作品めちゃくちゃいい。
このキャリアでさらに進化してるのは本当に凄いことです。
青木さん越しのINOMATAさんも格好良かった。
O JUN

青木千絵

金川晋吾

キュンチョメ

折元立身

玉山拓郎

石内都

潘逸舟

SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD





竹内公太

青木野枝





AKI INOMATA


MAMコレクション016:自然を瞑想する―久門剛史、ポー・ポー、梅津庸一 @ 森美術館
ひたすら久門さん素晴らしい。。。
昔アピチャッポンとコラボしてた作品だったけど、こうして環境変えてみても良い。




MAMスクリーン017:ナンシー・ホルト、ロバート・スミッソン @ 森美術館
スミッソンのドキュメンタリーは以前近美で観てたのでホルトのドキュメンタリー観たかったのに途中で止まってしまった。。。悲しい。。。


ナンシー・ホルト @ TARO NASU (会期終了)
森美に合わせてかこちらもホルト。
1974年にニューヨークのクロック・タワーギャラリーで開催された彼女の個展で発表された、かなりサイト・スペシフィックな作品なんだけど、それを場所も時代も全く違うところに置くという展示。
あの時代のサイト・スペシフィシティを解体するような面白い試みだけど分かりにくさは否めず。。。



鷹野隆大・山城知佳子 二人展「距離の洞窟」@ Yumiko Chiba Associates (会期終了)
新宿から六本木に移っての第一弾。
通勤途中にあった貴重なギャラリーだったので寂しい。。。
それはともかくこの展覧会は鷹野さんキュレーションで「距離」をテーマにしていて、鷹野さんは影撮ったシリーズ「Photo-Graph」を、山城さんは鍾乳洞で撮った身体を撮った「黙認のからだ」を展示しています。
それぞれ比喩的に身体を扱ってるけど展示としてはやや分かりにくかったかな。。。
ギャラリーなので作品数も少ないし、もう少し広いスペースで展開したら面白いかも。




ANB Studio Program グループ展「Platform 29.8」@ ANB Tokyo (会期終了)

常連の横村さんが参加していた六本木のど真ん中のスタジオプログラム。
こんな一等地で24時間、かなり多くの作家に無料で貸し出してて一体どういうこと。。。
という感じなんだけど、残念ながら2年で活動が終了。
その最後を締めくくるグループ展が開催されてたので行ってきました。
展示されてたのはスタジオプログラムに参加した作家の一部なんだけど、2フロアで結構見ごたえがありました。
この5月の惑星ザムザやParcelの個展ですっかりファンになってしまった横手さんも参加してて、相変わらず素晴らしかった。
まだ24歳。。。おそるべし。。。
他にも塚本さんと加藤さんの作品が良かった。3人とも動く作品w
加藤さんの作品、マジで本人そっくりでビビる。。。
そしてボレマンスを思わせる絵画もなんと壁から動くんです。。。
新たに壁立ててその裏で磁石で手動で動かしてるんだとかw
横村さん、店でずっと話聞いてたので改めて成果を観られて感慨深かった。
布の作品も新展開で画像で見るより良かったし、この場所を活かして描いた大きな作品2点も全くブレがなくこれまで通りの横村さんで凄い。。。
最後のパーティーめっちゃギラついてたけど六本木みがあって新鮮でしたw
横手太紀





塚本亮太



加藤立





横村葵






「Met“y”averse ~メチャバース、それはあなたの世界~」@ 藝大アートプラザ
藝大美術館行くとき毎回通り過ぎてたスペースで大坂さんの展示がやってたので行ってきました。
すげぇダセェタイトルなんだけど、まあ、大坂さんの新作が観られてほくほくでした。
2015年のクリスマス・イヴから端を発するいくつかの物語が一枚の絵で展開されてます。
相変わらずの描写力で凄いです。。。
そして7年後のいくつかの未来日記のほとんどが切なすぎて泣きそうw
独特の毒のある世界観。滅茶バースでした。









「ケイコ 目を澄ませて」by 三宅唱 / 地点「ノー・ライト」 @ KAAT
前作「きみの鳥はうたえる」が最高だったので新作を待ち望んでいたらまさかのボクシング映画でちょっと怯んだんだけど、実際観てみたらボクシングは一側面でしかなくて、本当に素晴らしい映画でした。。。今年一番だったかも。
まず主演の岸井ゆきのがすご過ぎた。。。
「愛がなんだ」で良いな、と思っていた女優さんだったけど、ここまでとは。。。
ろうの役もそうなんだけど、それに加えてボクサーなのでミット打ちの場面や試合の場面凄すぎ。。。
ほとんどノーメイクなのも女優魂魅せてくれてます。
「マイノリティの役は当事者に」というのが映画界で近年議論になってますが、当事者であることと演じることは別だと思うんですよね。役者は何にでもなれてこそだと思うので、僕としては必ずしも当事者が演じなくてはならないとは決して思いません。
その点で今回の岸井ゆきのは本当に役者だなぁと感心しきりでした。
今ドラマの「silent」見てるのもあって、手話の扱い方の違いが顕著すぎて素晴らしかった。
手話を特別なものとして描いていないと言うか、特に浅草での女子会の場面は字幕すらなかったの衝撃だった。
でもなんとなく彼女達が手相見ながら結婚の話で盛り上がってるのが分かっちゃう。
あと弟との手話会話がラフな感じでめちゃくちゃ良かった。
弟との会話がサブタイトルではなくインタータイトルなのもサイレント映画のようで三宅監督のフェティッシュが感じられて良かった。
弟役の佐藤緋美くんってどこかで見たことあるなと思ったら、藤田貴大の「書を捨てよ町へ出よう」の主演やってたんだと後で知りました。ちなみに彼はCHARAと浅野忠信の息子さんです。
三浦友和もさすがとしか言いようがなかった。
三浦友和ってほとんど演技の幅ないんだけど、ぴったりと役にハマっちゃうから凄い。
俳優の名演技を彩る演出はさすが三宅唱。
何と言っても余計なBGMがほとんどないのが良い。
冒頭のケイコが日記を書くペンの走る音や氷を噛む音、ジムの練習する音など、音が鮮明に入ってきます。
エンディングも街の環境音のみで思わず最後まで見入ってしまった。。。
ろう者を主人公にしながら音から始まり音で終わる映画というのも興味深いです。
ここに関して監督もインタビューに答えています。
環境音については、聴者の観客が、普段は当たり前に感じている"音が聞こえる"ということを改めて意識し、またケイコにはこの音が聞こえていないということを意識するような音の設計を考えました。
前提として、聴者の僕には、音のない世界を「想像し直し続ける」ことはできるかもしれないけれど「わかる」なんてことは決してあり得ないと思っています。なので、たとえば、主観ショットで音を消すなどの、いわば観客が追体験するような表現もあり得たかもしれませんが、それではなんだか「わかった気になる」だけのような気がし、選択しませんでした。聴者の僕にできることは、自分の周囲の多くが聴者であることを何度も自覚すること、そうでない人がいることを意識す続けること、そんな点から一つずつ進める必要があるだろうと考えていました。
「わかった気になる」というのは本当に危険。
「人は分かり合えない」を前提に置いて考えることはとても真摯な態度だと思います。
唯一音楽が入る場面、ケイコと弟とその彼女がシャドウボクシングしたり踊ったりしてる場面で何故か涙がこぼれました。。。
さらにこの映画の特徴として上げるとすればロングショットの多さです。
主人公を追うというより、主人公を取り巻く環境ごと撮っているというか。
この物語は実際のろうのボクサーである小笠原恵子さんの実話を元にしているものの、話としては10年ほど前で、もちろん今のコロナの状況はないわけですが、映画内は2020年からスタートしてまさにコロナ禍の日本を描いています。
「きみの鳥はうたえる」でも小説とは違う時代背景で描いていました。
三宅監督は「今」を描くことにとてもこだわりがあるのだろうな、と想像します。
その「今」も将来見たら「昔」になってしまうわけだし、普遍性を考えるととてもリスキーな気もするんですが、三宅監督はあえて「今」を選択するんですよね。
特にコロナ禍のニューノーマルをちゃんと描いてる映画は珍しいし、将来見た時時代が特定されてしまうので忌避する作品がほとんどだと思います。
今回の場合特にニューノーマルが効いていたのは、皆マスクをしてるので、唇を読めないケイコが戸惑うシーン。
聴者では気づけない困難さに何度もハッとさせられました。
映画内でのマスク問題はかなり繊細だと思いますが、この映画ではとても成功していたように思います。
とはいえ、前述のサイレント映画の手法を取り入れたり、そもそも16mmフィルムで撮られていたり、荒川沿いの昭和感漂う場所がメインになっていたりと、「今」を取りつつ普遍的な要素も大事にしているのは三宅監督ならでは。
最後の終わり方も完璧すぎた。
「Life goes on」という終わらせない終わらせ方。
観終わった後も余韻が凄すぎて暫く街を歩き回ってしまいました。。。
本当に素晴らしい映画でした。もう一回観るかも。
他最近観た映画。
「背 吉増剛造x空間現代」
「夜明けまでバス停で」
「岡本太郎の沖縄 完全版」
「ある男」
「はだかのゆめ」
「夜、鳥たちが啼く」
「ホワイト・ノイズ」
「そばかす」
「岡本太郎の沖縄」は、昔のドキュメンタリーかと思ったら2019年の作品の再構成版。
岡本太郎展やってるけどそっちは観ずにこちらを鑑賞。
僕は芸術家としての顔より民俗学の顔の岡本太郎に興味があります。
そんな太郎が切り開いた沖縄への賛美。
当時撮影禁止だった久高島の「イザイホー」の映像や、現在も伝わる芭蕉布の製造場面など貴重なシーンが多くて岡本太郎関係なく見入ってしまいました。
「夜、鳥が啼く」は、前述の「きみの鳥はうたえる」に続く佐藤泰志原作の映画化。
佐藤泰志の映画シリーズは全部好きなので期待してたけどまあ期待通り良かった。
山田裕貴、あまり関心なかったけどめちゃくちゃうまい。
女優が今回あんまりしっくりきてなかったのは残念でした。。。
「そばかす」は「ドライブ・マイ・カー」ですっかりファンになってしまった三浦透子が出てるから観たけどとても良かった。
映画内で言葉としては出てないけど所謂アセクシャルを扱った内容。
決して重くはないんだけど、確かに「恋愛」とか「結婚」とかって避けられない話題すぎてしんどいんだろうなぁと改めて思いました。
三浦透子のぶっきらぼうな感じがめちゃくちゃ役にフィットしてた。
最後北村匠海の役、謎すぎて蛇足だった気がする。。。
「ケイコ 目を澄ませて」と同じくメ〜テレの製作。素晴らしい!
あとはほぼノーコメント。
地点「ノー・ライト」 @ KAAT

2012年、2014年に続くノーベル賞作家、エルフリーデ・イェリネクの「光のない。」の再再演。
とは言っても今回は一味も二味も違う。
なんと演者達がそれぞれ日本語以外の言語で演じるマルチリンガル版!!
ただでも台詞多いのに(特に安倍さん)、それを他の言語でやるなんて狂気過ぎる。。。
それぞれの演者さんがYouTubeでマルチリンガルについて語ってます。
安部聡子×ドイツ語 1 2 3 4
小林洋平×韓国語 1 2 3 4
窪田史恵×ロシア語 1 2 3
石田大×スペイン語 1 2
田中祐気×英語 1 2
小河原康二×沈黙 1 2 3
加えて久々の出演の河野早紀さんはフランス語。
田中さんは今回この演目初出演です。
いやはや本当に途方もない企画だ。。。
さて、マルチリンガル公演というのは「ドライブ・マイ・カー」にも出てきました。
あの映画内演劇と今回の「ノー・ライト」の大きな違いは、演者が母語を演じていないという点です。
地点の演者はもちろん日本語を母語とする日本人。
そんな彼れが別の言語で演じることにどういう意味があるのか興味津々でした。
冒頭は前回同様「わたし」「あなた」「わたしたっち」といった人称代名詞だけは日本語で発語されるのだけど、どんどん台詞が多言語になっていく展開。
幕が開くと木津潤平さんによる舞台装置が現れ、足しか見えてないコーラス隊が三輪眞弘による声楽が奏でられる演出は前回同様で感動が蘇ります。
進んでいく演目を見聞きしながら思ったのは、これまで地点がやってきた「ミス/ディスコミュニケーション」の究極の形かもしれないということでした。
彼らはこれまでも日本語を操りながらも、独特のイントネーションや膨大な台詞量、あるいは外部からの妨害によって遮られる台詞など、あの手この手で言語を無力化してきました。
今回は、それを地でやってるというか、もはや「バベルの塔」。
それぞれの対話を言語という壁によって遮断されています。
そもそも向かい合って対話する場面もなく、ただ皆が各々発語している状態。
観客達はその膨大な仕事量なのに何も伝わらないというディスコミュニケーションを体で感じながら、それでも何かを思わずにはいられないイェリネクのテキストを浴びるという経験をする他ない状況に。
これまでの地点のやってきたことが改めて突きつけられた感覚を得ました。
ただ、1つこれまでと違った点を挙げるとすると声の出し方でした。
興味深いことに、韓国語を発語していた小林さん以外が、なんだかいつもと違う感じがしたのです。
特に安倍さんのドイツ語は明らかにこれまでの日本語の発語とはっきりと違いました。
よくバイリンガルの人が日本語を話す時と例えば英語を話す時で声の高さが変わったりしますが、安倍さんはそれとは違う形で何かが決定的に違ったのです。
次に窪田さんのロシア語もなんだか違った。
構造の似ている韓国語はほとんど違和感なく聞けたのは興味深かったです。
今回はヨーロッパ言語がほとんどでしたが、中国語やアジアの言語が入るとどんな感じなんだろう、と想像しました。
まあ、言うが易しですがw
いやはやそれにしても安倍さんのドイツ語の量がエグすぎてよくこんなことが可能だな、と驚嘆の嵐でした。
田中さんの英語も途中途中で日本語挟まってて可笑しかった。
最後に石田さんがソロでスペイン語のスピーチしてたけど毎回誰かがやってたのかな?
石田さんに関しては本編よりセリフ多かったのではw
これを経て次回作はイェリネクの新作でまさにコロナを題材にした「騒音。見ているのに見えない。見えなくても見ている!」 。
地点が今後どういう変化を起こしてくるのか、本当に楽しみでなりません。
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聖夜孤児会のお知らせ等。
年末年始のお知らせ。
カスヤの森現代美術館

カスヤの森現代美術館
この場所のことは学生時代からなんとなく耳にしていて、いつか行ってみたいと思いながら遠いのもあり行けてなくて、いつか神奈川近美葉山館とセットで行こうと思ってたら20年くらい経ってしまった。。。
そしてついに初訪問してきたんだけど、マジで凄いところだった。。。
場所は横須賀の住宅地。
本当にこんなところにあるのか??と半信半疑で進んでいくとありました。
中に入るとそこにはデュシャンにボイス、ナム・ジュン・パイクに李禹煥。。。
日本の宮脇愛子、河口龍夫、植松奎二と大御所の作品が連続します。。。
本館と新館、さらに謎の森があり、カフェにはこれまでの展示アーカイブがあります。
行った日はアブラハム・デイヴィッド・クリスチャンと言う作家の個展もやってましたが、あまりよくわからなかった。
作家の若江漢字氏が1994年に建てた私設美術館で、彼の交友から生まれた凄まじい美術館です。
ここは近代美術がお好きな方なら絶対行っておくべき場所ですね。今更僕が言うまでもないだろうけど。
近々松澤宥の部屋もできるらしいので、それできたらまた行ってみたい。
まだまだ凄いところはあるものですね。ごちそうさまでした。





































