加藤泉一寄生するプラモデル @ ワタリウム美術館
11月に行った首都圏美術館展示まとめ。
加藤泉一寄生するプラモデル @ ワタリウム美術館 (-2023/3/12)
期待はしてたけどここまでとは。。。
本人も仰ってますが、年々自由になってる加藤泉氏。
「生命の庭」の時点でおや?と思ってましたが、彫刻に現れ始めたプラモデルを前面に出した展覧会です。
もうとにかく観てて楽しいに尽きる!!
一歩間違えたらただのおふざけなんだけど、この展示はしっかりクリエーションになってるし、加藤さんにしか出来ない作品群で本当に最高でした。
特に4階の展示は最強!!
プラモデルを作っている神藤政勝さんとのコラボで作った石作品のプラモマジで欲しい。。。
立体作品だけでなく平面作品もしっかりプラモの箱のデザインみたいに落とし込んでるのも憎い。
それにしても昔のプラモマニアック過ぎて凄い。
ハーストもびっくりな牛の解体プラモなんかもありましたw
外の岩の彫刻もお見逃しなく。
会場限定のソフビ買ってしまった。。。
会期長いのでもう一回ぐらい行きたい。。。

































マン・レイと女性たち @ 神奈川県立近代美術館葉山館 (-2023/1/22)
内藤 礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している 2022 @ 神奈川県立近代美術館葉山館 (-2023/1/22)
今年初めて行った美術館だったけどアレック・ソスに続き2度目。
葉山の空気が無理すぎるので今回も直帰w
目的はマン・レイ、ではなくもちろん内藤礼。
2009年に在りし日の鎌倉館で開催された個展の2022年バージョン。
一体どういうことなんだろう。。。とはるばる葉山まで来たのですが、結果来た甲斐があった展示でした。
美術館の奥の部屋一室なんだけど、この部屋の天井高と海に向かって開いた窓を生かしつつ、当時の要素と新たな要素を組み合わせながら自然光のみの神聖な場を作り上げてました。
これはちょっと説明不可能なので内藤礼好きは必ず行って欲しいです。
ソファとかあったら丸一日いられそうな空間でした。。。
マン・レイに関しては、そこまで好きじゃないけど、今まで観てきたマン・レイ展の中でも彼の人生が直接入ってくる展示でした。
彼の人生には常に誰かしらの女性がいて、その女性を通して彼の人生を照射する構成で面白かったです。
語呂的に「マン・レイと女たち」にした方がかっこいいけど時節的に女性と呼ばざるをえないのかな。。。
展示としては最後のおまけみたいにあった「マン・レイと日本」が個人的にはツボでした。
瀧口や宮脇愛子との関係など、めちゃくちゃ興味深くて、無料で配られてる資料も貴重。
マン・レイ好きは川村記念美術館で1月15日まで開催中の「マン・レイのオブジェ」も行ったらどうでしょうか。

李禹煥展 @ 国立新美術館 (会期終了)
国立新美術館所蔵資料に見る1970年代の美術—— Do it! わたしの日常が美術になる @ 国立新美術館 (会期終了)
NACT View 01 玉山拓郎 Museum Static Lights @ 国立新美術館 (-12/26)
李禹煥・Do it!・玉山拓郎を合わせて行こうと思ったらギリギリになったけどなんとか行けました。
李禹煥、特に好きでもないけどまあ外せない作家ではあります。
2005年のも行ったし直島の李禹煥美術館も行きました。
「ありのまま」とか言ってる人基本信用できなくて、今回も粗探ししてやろうぐらいの気持ちで笑
案の定結構粗があって、立てかけてる系の作品はしっかり固定されてるとか。
小田原のどかさんも指摘してますが、書いてる素材が違うってのもありましたね。
あとは、メイキング映像見てたら、のっけから「現象と知覚B」という作品でガラスを割った岩と最終的に作品として置いてた岩が違うのに衝撃。。。
そして、最後のアクリル作品は初期の「点から」や「線から」と違って一筆ではないんだな、とか。
まあ、絵画に関しては、どんどんそういうストイシズムみたいなものから自由になってる感じがあってむしろ好印象ですが、前半の彫刻には色々思うところがありました。
とはいえ、神奈近が持ってる「サイレンス」という岩と鉄が対峙してる作品は凄まじい緊張感で、その間に立ったら失礼になっちゃうような凄い作品でした。
あとは石を観客が踏む作品とか音も作品に組み込まれてるようで楽しかった。
野外の作品は、ヴェルサイユのよりスケールダウンし過ぎてなんだかなぁという感じ。
ところで今回も図録が須山悠里さん。無双過ぎる。。。
リヒター展同様チラシもお任せすれば良かったのに。。。
Do it!は李禹煥に合わせてなのか70年代の資料を展示。
この美術館はコレクションをしないとのことだったけど、資料は集めてるんですね。
安斎さんの写真から貴重なDMに記録映像。
PLAYの映像くまなく観たかったけど結局時間がなかった。。。
玉山拓郎さんの作品、どこかで観たことあると思ったら愛知県美のコレクションで観たんだった。
あともしかしたらトヨタでも観たかもだけど覚えておらず。。。
この企画はエントランスロビーで展示するシリーズらしくその第一弾。
ノイズだらけのスペースなので中々難しそう。。。
今回の作品はゆるいアーチ状に赤い蛍光灯が並んでるもので、夜はもっと映えるのかもだけど昼間も美しかった。
単純だけど赤という色が熱を感じさせるのも良かった。
この展示だけまだやってます!














加藤泉一寄生するプラモデル @ ワタリウム美術館 (-2023/3/12)
期待はしてたけどここまでとは。。。
本人も仰ってますが、年々自由になってる加藤泉氏。
「生命の庭」の時点でおや?と思ってましたが、彫刻に現れ始めたプラモデルを前面に出した展覧会です。
もうとにかく観てて楽しいに尽きる!!
一歩間違えたらただのおふざけなんだけど、この展示はしっかりクリエーションになってるし、加藤さんにしか出来ない作品群で本当に最高でした。
特に4階の展示は最強!!
プラモデルを作っている神藤政勝さんとのコラボで作った石作品のプラモマジで欲しい。。。
立体作品だけでなく平面作品もしっかりプラモの箱のデザインみたいに落とし込んでるのも憎い。
それにしても昔のプラモマニアック過ぎて凄い。
ハーストもびっくりな牛の解体プラモなんかもありましたw
外の岩の彫刻もお見逃しなく。
会場限定のソフビ買ってしまった。。。
会期長いのでもう一回ぐらい行きたい。。。

































マン・レイと女性たち @ 神奈川県立近代美術館葉山館 (-2023/1/22)
内藤 礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している 2022 @ 神奈川県立近代美術館葉山館 (-2023/1/22)
今年初めて行った美術館だったけどアレック・ソスに続き2度目。
葉山の空気が無理すぎるので今回も直帰w
目的はマン・レイ、ではなくもちろん内藤礼。
2009年に在りし日の鎌倉館で開催された個展の2022年バージョン。
一体どういうことなんだろう。。。とはるばる葉山まで来たのですが、結果来た甲斐があった展示でした。
美術館の奥の部屋一室なんだけど、この部屋の天井高と海に向かって開いた窓を生かしつつ、当時の要素と新たな要素を組み合わせながら自然光のみの神聖な場を作り上げてました。
これはちょっと説明不可能なので内藤礼好きは必ず行って欲しいです。
ソファとかあったら丸一日いられそうな空間でした。。。
マン・レイに関しては、そこまで好きじゃないけど、今まで観てきたマン・レイ展の中でも彼の人生が直接入ってくる展示でした。
彼の人生には常に誰かしらの女性がいて、その女性を通して彼の人生を照射する構成で面白かったです。
語呂的に「マン・レイと女たち」にした方がかっこいいけど時節的に女性と呼ばざるをえないのかな。。。
展示としては最後のおまけみたいにあった「マン・レイと日本」が個人的にはツボでした。
瀧口や宮脇愛子との関係など、めちゃくちゃ興味深くて、無料で配られてる資料も貴重。
マン・レイ好きは川村記念美術館で1月15日まで開催中の「マン・レイのオブジェ」も行ったらどうでしょうか。

李禹煥展 @ 国立新美術館 (会期終了)
国立新美術館所蔵資料に見る1970年代の美術—— Do it! わたしの日常が美術になる @ 国立新美術館 (会期終了)
NACT View 01 玉山拓郎 Museum Static Lights @ 国立新美術館 (-12/26)
李禹煥・Do it!・玉山拓郎を合わせて行こうと思ったらギリギリになったけどなんとか行けました。
李禹煥、特に好きでもないけどまあ外せない作家ではあります。
2005年のも行ったし直島の李禹煥美術館も行きました。
「ありのまま」とか言ってる人基本信用できなくて、今回も粗探ししてやろうぐらいの気持ちで笑
案の定結構粗があって、立てかけてる系の作品はしっかり固定されてるとか。
小田原のどかさんも指摘してますが、書いてる素材が違うってのもありましたね。
あとは、メイキング映像見てたら、のっけから「現象と知覚B」という作品でガラスを割った岩と最終的に作品として置いてた岩が違うのに衝撃。。。
そして、最後のアクリル作品は初期の「点から」や「線から」と違って一筆ではないんだな、とか。
まあ、絵画に関しては、どんどんそういうストイシズムみたいなものから自由になってる感じがあってむしろ好印象ですが、前半の彫刻には色々思うところがありました。
とはいえ、神奈近が持ってる「サイレンス」という岩と鉄が対峙してる作品は凄まじい緊張感で、その間に立ったら失礼になっちゃうような凄い作品でした。
あとは石を観客が踏む作品とか音も作品に組み込まれてるようで楽しかった。
野外の作品は、ヴェルサイユのよりスケールダウンし過ぎてなんだかなぁという感じ。
ところで今回も図録が須山悠里さん。無双過ぎる。。。
リヒター展同様チラシもお任せすれば良かったのに。。。
Do it!は李禹煥に合わせてなのか70年代の資料を展示。
この美術館はコレクションをしないとのことだったけど、資料は集めてるんですね。
安斎さんの写真から貴重なDMに記録映像。
PLAYの映像くまなく観たかったけど結局時間がなかった。。。
玉山拓郎さんの作品、どこかで観たことあると思ったら愛知県美のコレクションで観たんだった。
あともしかしたらトヨタでも観たかもだけど覚えておらず。。。
この企画はエントランスロビーで展示するシリーズらしくその第一弾。
ノイズだらけのスペースなので中々難しそう。。。
今回の作品はゆるいアーチ状に赤い蛍光灯が並んでるもので、夜はもっと映えるのかもだけど昼間も美しかった。
単純だけど赤という色が熱を感じさせるのも良かった。
この展示だけまだやってます!















イミ・クネーベル、エリック・スワーズ @ KEN NAKAHASHI
11月に行った都内ギャラリー展示まとめ。
今月はアートウィーク東京なるイベントもあり東京も盛り上がってました。
イミ・クネーベル、エリック・スワーズ @ KEN NAKAHASHI (会期終了)
中橋君から聞いた時点から待ちに待ってた展示!
まさか新宿でクネーベルが見られるなんて感謝しかない。。。
実際会場を訪れると息をのむほど美しい展示。。。
今回はライプツィヒにあるGalerie Jochen Hempelとの共同企画で、KEN NAKAHASHIの所属作家でもあるエリック・スワーズが展示のキュレーションを担当してます。
1940年生まれのクネーベルと1988年生まれのエリック。
48歳差の2人ですが、そんな年若の作家に展示を任せるクネーベルの器の広さ。
そしてそれに応えるように目線より少し高い位置に架けられた2人の作品はとても神々しかった。
特にここの自然光の入る空間では、刻々と光が変わるので、観ている間にもどんどん印象が変わっていっていつまでも見飽きない展示でした。
エリックの作品も光を鈍く反射していて美しくて、どの作品も見尽くせいない魅力があります。
クネーベルは流石過ぎて言葉も出ない。。。
雲みたいなアルミの作品は、観たときの軽やかな印象とは裏腹にめっちゃ分厚くて実際めっちゃ重いらしい。。。
このアルミの塊にこんな色をこんな塗り方で塗るなんて。。。センス凄過ぎ。
他の小品もどれも良すぎる。。。欲しいけど買える値段ではないのだけは知ってます。
今回中橋君はこんな巨匠の作品預かるのめっちゃ心労あっただろうけど、本当に素晴らしかったです。改めて感謝。
いつか日本の美術館でも是非観たい!!













丸山直文 水を蹴る @ ShugoArts (会期終了)
石田尚志 「庭の外」@ Taka Ishii Gallery (会期終了)
池田亮司「data.gram」@ TARO NASU (会期終了)
六本木アート界隈。
森の冨樫義博展ついでに寄ったけど素晴らしい内容。
丸山さん、入った瞬間からため息の出る美しさ。。。
水で水を描いてる。
僕は絵画の縁を見るのが好きなんです。
絵画の生成の痕跡がそこに残ってるから。
ただ、丸山さんの場合、以外にもほとんど縁には染み込んでおらず不思議すぎた。
謎のメジャーのような印が付いてたけどどういう制作過程なのか余計気になった。
石田さんはこれまで絵画のプロセスを映像化してたけど、今回は彫刻でアプローチ。
こちらの方が現実の展示空間にもその彫刻が展示できるのでいいですね。
絵画だとどんどん画面の上で消えていってほとんど残るものないので。
映像と現実がリンクしていくのが気持ちいい。
それにしても気の遠くなるような仕事量。。。
池田さんは青森でも観たので、まあこんなもんかって感じだけど、それでもやっぱり素晴らしい。
これディスプレイごと売ってるのかな??
スタッフルームにかけられてた作品気になったけど作品リストにすら載ってなかった。。。
SCAIのメアリー・コースはよくわからなかった。。。

















飯山由貴「あなたの本当の家を探しにいく」@ 東京都人権プラザ (-11/30)
森美の「ウェルビーイング」展に京都の「DAZZLER」と、近年その名前をよく聞く作家の1人が飯山由貴です。
僕は前回のヨコトリで初めて観ましたが、その時の精神疾患を持った妹の映像作品はとても印象に残っています。
実際今回もその作品が展示されてて、改めていい作品だな、と思うと同時に「この家はわたしの本当の家ではない」とか「幸せになることはできない」と言われて、家族としてはどんな思いなんだろう、と想像するととても辛い気持ちになります。
また、初見だった「hidden names」で扱われていた戦前の精神病院「王子脳病院」を扱った映像を観るにつけ、本当にこれは他人事ではないよな、と思うしかなかった。
誰しも少し状況が変わっただけで彼方と此方が入れ替わることなんて容易にあり得ます。
例えば90年までWHOは同性愛を精神疾患の1つとしていました。
当時の同性愛者は家族に精神病院に無理やり連れて行かれて電気ショックを与えられて「強制」させられて、そのまま自殺を遂げた人が何人もいます。
今では考えられませんが、それがたった30年前の出来事だと思うと全く他人事には思えないのです。
この映像を観ながらそのことを考えざるをえませんでした。
そして今回もまた検閲問題が発生しました。
「人権センター」で飯山さんやる時点で覚悟しとけよと思うのですが。。。経緯はこちら。
この展覧会、行けない方はインタビュー映像があるのでぜひ。こちら。






サイモン・フジワラ「Who the Bær」@ プラダ青山店 (-2023/1/30)
謎の展開過ぎてついて行けず。。。可愛いけど。
ベアーはどこにでもいて誰でもない偏在性のニューアイコンとして、社会や歴史を含ませる展示だったけどちょっと下手過ぎでは。。。
金沢でもやってるけどこっちは無料なので観るならこっちがオススメ。









とうとうたらりたらりらたらりあがりららりとう @ 新宿歌舞伎町能舞台他 (会期終了)
最後にギャラリーではないけど。。。
作家の渡辺志桜里が能の演目「翁」を起点にキュレーションした展覧会。
そもそも歌舞伎町に能舞台があるなんて知らなかった。。。
第二会場も歌舞伎町にある閉店したクラブなんだけど、屋上から見下ろしたゴールデン街も凄い景色だった。。。
内容は「翁」を知ってればもっと面白かったんだけど残念ながら不勉強で分からず。
参加作家にピエール・ユイグがいてびびった。2時間強の作品でまともに観られなかったけど。。。
今回初めて知った小宮りさ麻吏奈は面白かった。
能舞台の向かいのラブホで自身の細胞を培養したり、花屋やってみたり面白過ぎ。
街頭ビジョンに培養中の細胞を映し出すのもすごかった。
ユニカビジョンのは毎時50分で放映されるんだけど、歌舞伎町のは15分毎と25分毎ってので待ってられずパス。
クラブの方の飴屋法水らの翁の足拍子をテーマにしたインスタレーションも怖過ぎた。。。
総じてSmappa!グループ凄すぎってのに尽きる。


























今月はアートウィーク東京なるイベントもあり東京も盛り上がってました。
イミ・クネーベル、エリック・スワーズ @ KEN NAKAHASHI (会期終了)
中橋君から聞いた時点から待ちに待ってた展示!
まさか新宿でクネーベルが見られるなんて感謝しかない。。。
実際会場を訪れると息をのむほど美しい展示。。。
今回はライプツィヒにあるGalerie Jochen Hempelとの共同企画で、KEN NAKAHASHIの所属作家でもあるエリック・スワーズが展示のキュレーションを担当してます。
1940年生まれのクネーベルと1988年生まれのエリック。
48歳差の2人ですが、そんな年若の作家に展示を任せるクネーベルの器の広さ。
そしてそれに応えるように目線より少し高い位置に架けられた2人の作品はとても神々しかった。
特にここの自然光の入る空間では、刻々と光が変わるので、観ている間にもどんどん印象が変わっていっていつまでも見飽きない展示でした。
エリックの作品も光を鈍く反射していて美しくて、どの作品も見尽くせいない魅力があります。
クネーベルは流石過ぎて言葉も出ない。。。
雲みたいなアルミの作品は、観たときの軽やかな印象とは裏腹にめっちゃ分厚くて実際めっちゃ重いらしい。。。
このアルミの塊にこんな色をこんな塗り方で塗るなんて。。。センス凄過ぎ。
他の小品もどれも良すぎる。。。欲しいけど買える値段ではないのだけは知ってます。
今回中橋君はこんな巨匠の作品預かるのめっちゃ心労あっただろうけど、本当に素晴らしかったです。改めて感謝。
いつか日本の美術館でも是非観たい!!













丸山直文 水を蹴る @ ShugoArts (会期終了)
石田尚志 「庭の外」@ Taka Ishii Gallery (会期終了)
池田亮司「data.gram」@ TARO NASU (会期終了)
六本木アート界隈。
森の冨樫義博展ついでに寄ったけど素晴らしい内容。
丸山さん、入った瞬間からため息の出る美しさ。。。
水で水を描いてる。
僕は絵画の縁を見るのが好きなんです。
絵画の生成の痕跡がそこに残ってるから。
ただ、丸山さんの場合、以外にもほとんど縁には染み込んでおらず不思議すぎた。
謎のメジャーのような印が付いてたけどどういう制作過程なのか余計気になった。
石田さんはこれまで絵画のプロセスを映像化してたけど、今回は彫刻でアプローチ。
こちらの方が現実の展示空間にもその彫刻が展示できるのでいいですね。
絵画だとどんどん画面の上で消えていってほとんど残るものないので。
映像と現実がリンクしていくのが気持ちいい。
それにしても気の遠くなるような仕事量。。。
池田さんは青森でも観たので、まあこんなもんかって感じだけど、それでもやっぱり素晴らしい。
これディスプレイごと売ってるのかな??
スタッフルームにかけられてた作品気になったけど作品リストにすら載ってなかった。。。
SCAIのメアリー・コースはよくわからなかった。。。

















飯山由貴「あなたの本当の家を探しにいく」@ 東京都人権プラザ (-11/30)
森美の「ウェルビーイング」展に京都の「DAZZLER」と、近年その名前をよく聞く作家の1人が飯山由貴です。
僕は前回のヨコトリで初めて観ましたが、その時の精神疾患を持った妹の映像作品はとても印象に残っています。
実際今回もその作品が展示されてて、改めていい作品だな、と思うと同時に「この家はわたしの本当の家ではない」とか「幸せになることはできない」と言われて、家族としてはどんな思いなんだろう、と想像するととても辛い気持ちになります。
また、初見だった「hidden names」で扱われていた戦前の精神病院「王子脳病院」を扱った映像を観るにつけ、本当にこれは他人事ではないよな、と思うしかなかった。
誰しも少し状況が変わっただけで彼方と此方が入れ替わることなんて容易にあり得ます。
例えば90年までWHOは同性愛を精神疾患の1つとしていました。
当時の同性愛者は家族に精神病院に無理やり連れて行かれて電気ショックを与えられて「強制」させられて、そのまま自殺を遂げた人が何人もいます。
今では考えられませんが、それがたった30年前の出来事だと思うと全く他人事には思えないのです。
この映像を観ながらそのことを考えざるをえませんでした。
そして今回もまた検閲問題が発生しました。
「人権センター」で飯山さんやる時点で覚悟しとけよと思うのですが。。。経緯はこちら。
この展覧会、行けない方はインタビュー映像があるのでぜひ。こちら。






サイモン・フジワラ「Who the Bær」@ プラダ青山店 (-2023/1/30)
謎の展開過ぎてついて行けず。。。可愛いけど。
ベアーはどこにでもいて誰でもない偏在性のニューアイコンとして、社会や歴史を含ませる展示だったけどちょっと下手過ぎでは。。。
金沢でもやってるけどこっちは無料なので観るならこっちがオススメ。









とうとうたらりたらりらたらりあがりららりとう @ 新宿歌舞伎町能舞台他 (会期終了)
最後にギャラリーではないけど。。。
作家の渡辺志桜里が能の演目「翁」を起点にキュレーションした展覧会。
そもそも歌舞伎町に能舞台があるなんて知らなかった。。。
第二会場も歌舞伎町にある閉店したクラブなんだけど、屋上から見下ろしたゴールデン街も凄い景色だった。。。
内容は「翁」を知ってればもっと面白かったんだけど残念ながら不勉強で分からず。
参加作家にピエール・ユイグがいてびびった。2時間強の作品でまともに観られなかったけど。。。
今回初めて知った小宮りさ麻吏奈は面白かった。
能舞台の向かいのラブホで自身の細胞を培養したり、花屋やってみたり面白過ぎ。
街頭ビジョンに培養中の細胞を映し出すのもすごかった。
ユニカビジョンのは毎時50分で放映されるんだけど、歌舞伎町のは15分毎と25分毎ってので待ってられずパス。
クラブの方の飴屋法水らの翁の足拍子をテーマにしたインスタレーションも怖過ぎた。。。
総じてSmappa!グループ凄すぎってのに尽きる。


























松井照太「 宙をゆく。」@ haku kyoto
関西で観た展示まとめ。
京都行ったの月曜でほとんど閉まってるかと思いきや思いの外開いてて忙しく回りました。
この週はArt Collaboration Kyotoもあったので盛り上がってました。
松井照太「 宙をゆく。」@ haku kyoto (-11/28)
スペースとして気になって行ってみたギャラリーでやってた知らない作家さんだったけどめちゃくちゃ良かった!!
作家はまだ20代の若手さんで、子供の頃から石や岩が好きで、それらを使った立体作品で、構造がとてもシンプルなんだけど見ていてとても気持ちいい作品。
思いがけず一点買ってしまいました。。。
見た目も美しいし、重力のことを考えさせてくれる作品で、実際作品の値段もグラム単位制!
グラム単価はキャリアを経ていくと高くなっていくのかな。おもろ!
最近若い作家さん全然わからないので、こういう出会いはとても嬉しい。
このスペースは上に美容室があって、京都市役所の近くにkokyuというスペースもあるそうなので次回行ってみたい。
















青柳龍太「関西で展示をします。」@ 個人宅 (-11/27)
一度お店に来ていただいたご縁でメールを頂き、今回特別に見せていただきました。
青柳さんの作品は以前池尻のCAPSULEで拝見したことはあるのだけれど、イマイチ消化しきれずモヤモヤしておりました。
今回アトリエでの展示ということでどうなんだろうと思って観に行ったけどやっぱりモヤモヤ。。。
展示されていたのは1階では青柳さんのアートや骨董のコレクション、2階では「2020」という2020年に集めたゴミ(あべのマスクとか)から骨董までを並べたインスタレーションと、以前の展示で発表したインストラクションや手紙が展示されてました。
インストラクションはまだわかるとして、やはり問題は「2020」。
それらがニュートラルなものならまだ作品としてわかるんだけど、青柳作品の場合、それら1つ1つに背景があるので、それらがどう「青柳龍太の作品」になる定義が僕にはわかりづらいんですよね。
デュシャン以降、作家が「選ぶ」という行為によって作品が生成されるというのは常套手段ではあるのだけれど、展示されてるものにあまりにストーリーがあり過ぎて混線してる感覚がすごい。
彼が敬愛している坂田和實さんは作家でないから面白いと僕は思っていて、それをアートにしてしまったら。。。
もう少し僕の中で整理が必要な作品でした。
あと、町家の空間が凄い。ここは青柳さんの住空間でもあります。
あまりに青柳龍太が充満してるので、確かに外の空間で観たらまた印象がかわるかも。
同時開催の大阪の古今ここんでの展示を観れなかったので、また別の機会で観て考えたいです。









連続するプロジェクト/インスタレーションを所有する (-2023/5/7)
インスタレーションを所有するとはどういうことか、というのを考えさせてくれる展示。
実際のインスタレーション展示と、それらの作品を購入する際の契約書や指示書も展示されてて面白かった。
日本ではまだまだインスタレーションを所有するというのは難しいけど、ACKもあるしいい試みだと思います。







Flowers of Time @ 本願寺伝道院 (-会期終了)
ACK関連企画。
トレスや中川幸夫など、参加作家が豪華で気になって観に行きました。
まず会場が凄過ぎ。こんな場所あったなんて知らなかった。
展示作品は、正直ふーんって感じだった。。。
以前都現美で体験できなかったユージンスタジオの暗闇の作品は案の定しょぼ過ぎた。。。

DAZZLER @ 京都芸術センター (-12/10)
ACKの浮かれ気分に冷や水を浴びせるような展示w
芸術センター相変わらず尖ってて好き。
出品作家でもある林修平のキュレーションで、統治の歴史に置ける「目眩し(dazzler)」をテーマにした展覧会。
ハンセン病(癩病)をテーマにした飯山由貴と吉田裕亮、管理社会をモチーフにした林修平、身元不明者のモンタージュを制作した木原結花に加えて、一見政治的に見えない五月女哲平が入っているのが面白かった。
五月女の作品はほとんど差異がないように見えて淵から滲み出る下地の色など、少しずつ差異が存在していて、それらが一列に並ぶ様は、今回の「dazzler」というテーマにもしかしたら最も当てはまる作品なのかもと思いました。
戦争に用いられる迷彩とオプアートの関係は岡崎乾二郎の「抽象の力」にも詳しいですが、この展示を観て改めて再読したくなりました。
ちなみに芸術センターにある前田珈琲は金氏徹平の作品が溢れていて楽しいのでオススメ。











金サジ「山に歩む舟」@ PURPLE (会期終了)
今や写真集業界でトップといっても過言ではない赤々舎のギャラリー。
ここ10年の重要な写真集は大体赤々舎から出てます。
前から行きたいと思っていて今回初訪問。
展示中の金サジさんの作品は正直得意ではなかったけど、赤々舎からこれまで出版された絶版になってるものも含めた写真集が観られて至福。
最近出た牛腸茂雄の写真集は本当に素晴らしかった。。。
トイレには清水さんのクラファンで製作された銭湯の広告がありましたw





イセキアヤコ 山下陽子 Even After 100 Years @ Kit (会期終了)
ここも移転後初訪問。
基本雑貨屋さんなんだけど、新たにギャラリーができてた。
行った時はジュエリー作家のイセキさんと作家の山下さんのコラボ作品が展示販売されてました。
山下さんの作品初めて観たけど、コーネルにも通じるポエティックなコラージュで最高だった。
そこにイセキさんのヴィンテージダイヤモンドが付いててめっちゃ豪華。
店の方がジャスミンティー出してくれて、本当に至福の時間でした。。。

すべて未知の世界へ―GUTAI 分化と統合 @ 大阪中之島美術館・国立国際美術館 (-2023/1/9)
初の両館共同企画。
友人が「具体も所詮画壇」という感想を漏らしてたけど僕もほぼ同意見。
当時の集団のムーヴメントって、瞬間の爆発的な力はあるけど永続性がないんですよね。
今こうして並べられて観てみたらあまりのアクチュアリティのなさに唖然とします。
以前アンフォルメル展やもの派展を観た時も同じような感想でした。
グループ展に数点あるぐらいならまだ観られるんですが、こうして一同に会されるとどうにも。。。
あと、これ観る前に金沢で美しすぎる具体の展示を観てしまってたのもあって大阪での感動はかなり薄まりました。
ただ、今回初めて知った坪内晃幸の作品は、どことなく重い具体の作品群の中で、猪熊弦一郎を思わせるような軽さがあってとても良かった。
あと、国立国際のコレクション展がマーク・マンダース一点なのまじで凄過ぎた。。。












おまけ、というか実は今回の関西行きのメインの1つ。(もう1つはCoccoのライブ。最前列で泣いた。)
新宿の方々のお招きで京都の島原へ。
ここは日本最古の遊郭。
祇園や先斗町は知ってても島原は知らない人多いんじゃないかな。
京都住んでてもほぼ行くことのない場所。僕も初めて行きました。
この地で唯一現役で営業を続けてらっしゃる輪違屋さんのお座敷に行ってまいりました!!!
まさか人生で京都のお座敷に上がらせてもらう日が来るとは夢にも思ってませんでしたよ。。。
もちろん一見お断りどす。入口には「観覧謝絶」の文字。。。
総勢12名で、現役の太夫、如月太夫のお席を堪能しました。
そもそもこの輪違屋の建物自体が重要文化財で、遊郭で重要文化財指定されてるのは日本でも島原のみ。
近藤勇の直筆の和歌なんかもありました。。。ヒエェ。。。
太夫というのも最も高い位で、天皇にも謁見できる程の身分。
吉原の花魁は島原の太夫を模したものだけど、格が全然違います。
そもそも太夫は遊女ですらなく、絶対に客と寝ません。
和歌や踊りなど、芸にも通じてなくてはならず、上流階級の器量の良い娘さんしかなれないのです。
そんな格式高すぎる空間で、ガチガチに緊張しながら道中や「かしの式」と呼ばれる儀式を息を呑みながら拝見。
蝋燭の灯りのみの空間は谷崎の世界そのまま。。。泣
緊張しながら宴の時間になりましたが、太夫の話術と、10代目当主の話が面白過ぎてなんと0時過ぎまで飲んで話してました。
初のお座敷は本当に素晴らしかった。。。
お誘いくださったKくん、そして企画してくださったS様本当にありがとうございました。
また機会があれば是非伺いたいです!!












京都行ったの月曜でほとんど閉まってるかと思いきや思いの外開いてて忙しく回りました。
この週はArt Collaboration Kyotoもあったので盛り上がってました。
松井照太「 宙をゆく。」@ haku kyoto (-11/28)
スペースとして気になって行ってみたギャラリーでやってた知らない作家さんだったけどめちゃくちゃ良かった!!
作家はまだ20代の若手さんで、子供の頃から石や岩が好きで、それらを使った立体作品で、構造がとてもシンプルなんだけど見ていてとても気持ちいい作品。
思いがけず一点買ってしまいました。。。
見た目も美しいし、重力のことを考えさせてくれる作品で、実際作品の値段もグラム単位制!
グラム単価はキャリアを経ていくと高くなっていくのかな。おもろ!
最近若い作家さん全然わからないので、こういう出会いはとても嬉しい。
このスペースは上に美容室があって、京都市役所の近くにkokyuというスペースもあるそうなので次回行ってみたい。
















青柳龍太「関西で展示をします。」@ 個人宅 (-11/27)
一度お店に来ていただいたご縁でメールを頂き、今回特別に見せていただきました。
青柳さんの作品は以前池尻のCAPSULEで拝見したことはあるのだけれど、イマイチ消化しきれずモヤモヤしておりました。
今回アトリエでの展示ということでどうなんだろうと思って観に行ったけどやっぱりモヤモヤ。。。
展示されていたのは1階では青柳さんのアートや骨董のコレクション、2階では「2020」という2020年に集めたゴミ(あべのマスクとか)から骨董までを並べたインスタレーションと、以前の展示で発表したインストラクションや手紙が展示されてました。
インストラクションはまだわかるとして、やはり問題は「2020」。
それらがニュートラルなものならまだ作品としてわかるんだけど、青柳作品の場合、それら1つ1つに背景があるので、それらがどう「青柳龍太の作品」になる定義が僕にはわかりづらいんですよね。
デュシャン以降、作家が「選ぶ」という行為によって作品が生成されるというのは常套手段ではあるのだけれど、展示されてるものにあまりにストーリーがあり過ぎて混線してる感覚がすごい。
彼が敬愛している坂田和實さんは作家でないから面白いと僕は思っていて、それをアートにしてしまったら。。。
もう少し僕の中で整理が必要な作品でした。
あと、町家の空間が凄い。ここは青柳さんの住空間でもあります。
あまりに青柳龍太が充満してるので、確かに外の空間で観たらまた印象がかわるかも。
同時開催の大阪の古今ここんでの展示を観れなかったので、また別の機会で観て考えたいです。









連続するプロジェクト/インスタレーションを所有する (-2023/5/7)
インスタレーションを所有するとはどういうことか、というのを考えさせてくれる展示。
実際のインスタレーション展示と、それらの作品を購入する際の契約書や指示書も展示されてて面白かった。
日本ではまだまだインスタレーションを所有するというのは難しいけど、ACKもあるしいい試みだと思います。







Flowers of Time @ 本願寺伝道院 (-会期終了)
ACK関連企画。
トレスや中川幸夫など、参加作家が豪華で気になって観に行きました。
まず会場が凄過ぎ。こんな場所あったなんて知らなかった。
展示作品は、正直ふーんって感じだった。。。
以前都現美で体験できなかったユージンスタジオの暗闇の作品は案の定しょぼ過ぎた。。。

DAZZLER @ 京都芸術センター (-12/10)
ACKの浮かれ気分に冷や水を浴びせるような展示w
芸術センター相変わらず尖ってて好き。
出品作家でもある林修平のキュレーションで、統治の歴史に置ける「目眩し(dazzler)」をテーマにした展覧会。
ハンセン病(癩病)をテーマにした飯山由貴と吉田裕亮、管理社会をモチーフにした林修平、身元不明者のモンタージュを制作した木原結花に加えて、一見政治的に見えない五月女哲平が入っているのが面白かった。
五月女の作品はほとんど差異がないように見えて淵から滲み出る下地の色など、少しずつ差異が存在していて、それらが一列に並ぶ様は、今回の「dazzler」というテーマにもしかしたら最も当てはまる作品なのかもと思いました。
戦争に用いられる迷彩とオプアートの関係は岡崎乾二郎の「抽象の力」にも詳しいですが、この展示を観て改めて再読したくなりました。
ちなみに芸術センターにある前田珈琲は金氏徹平の作品が溢れていて楽しいのでオススメ。











金サジ「山に歩む舟」@ PURPLE (会期終了)
今や写真集業界でトップといっても過言ではない赤々舎のギャラリー。
ここ10年の重要な写真集は大体赤々舎から出てます。
前から行きたいと思っていて今回初訪問。
展示中の金サジさんの作品は正直得意ではなかったけど、赤々舎からこれまで出版された絶版になってるものも含めた写真集が観られて至福。
最近出た牛腸茂雄の写真集は本当に素晴らしかった。。。
トイレには清水さんのクラファンで製作された銭湯の広告がありましたw





イセキアヤコ 山下陽子 Even After 100 Years @ Kit (会期終了)
ここも移転後初訪問。
基本雑貨屋さんなんだけど、新たにギャラリーができてた。
行った時はジュエリー作家のイセキさんと作家の山下さんのコラボ作品が展示販売されてました。
山下さんの作品初めて観たけど、コーネルにも通じるポエティックなコラージュで最高だった。
そこにイセキさんのヴィンテージダイヤモンドが付いててめっちゃ豪華。
店の方がジャスミンティー出してくれて、本当に至福の時間でした。。。

すべて未知の世界へ―GUTAI 分化と統合 @ 大阪中之島美術館・国立国際美術館 (-2023/1/9)
初の両館共同企画。
友人が「具体も所詮画壇」という感想を漏らしてたけど僕もほぼ同意見。
当時の集団のムーヴメントって、瞬間の爆発的な力はあるけど永続性がないんですよね。
今こうして並べられて観てみたらあまりのアクチュアリティのなさに唖然とします。
以前アンフォルメル展やもの派展を観た時も同じような感想でした。
グループ展に数点あるぐらいならまだ観られるんですが、こうして一同に会されるとどうにも。。。
あと、これ観る前に金沢で美しすぎる具体の展示を観てしまってたのもあって大阪での感動はかなり薄まりました。
ただ、今回初めて知った坪内晃幸の作品は、どことなく重い具体の作品群の中で、猪熊弦一郎を思わせるような軽さがあってとても良かった。
あと、国立国際のコレクション展がマーク・マンダース一点なのまじで凄過ぎた。。。












おまけ、というか実は今回の関西行きのメインの1つ。(もう1つはCoccoのライブ。最前列で泣いた。)
新宿の方々のお招きで京都の島原へ。
ここは日本最古の遊郭。
祇園や先斗町は知ってても島原は知らない人多いんじゃないかな。
京都住んでてもほぼ行くことのない場所。僕も初めて行きました。
この地で唯一現役で営業を続けてらっしゃる輪違屋さんのお座敷に行ってまいりました!!!
まさか人生で京都のお座敷に上がらせてもらう日が来るとは夢にも思ってませんでしたよ。。。
もちろん一見お断りどす。入口には「観覧謝絶」の文字。。。
総勢12名で、現役の太夫、如月太夫のお席を堪能しました。
そもそもこの輪違屋の建物自体が重要文化財で、遊郭で重要文化財指定されてるのは日本でも島原のみ。
近藤勇の直筆の和歌なんかもありました。。。ヒエェ。。。
太夫というのも最も高い位で、天皇にも謁見できる程の身分。
吉原の花魁は島原の太夫を模したものだけど、格が全然違います。
そもそも太夫は遊女ですらなく、絶対に客と寝ません。
和歌や踊りなど、芸にも通じてなくてはならず、上流階級の器量の良い娘さんしかなれないのです。
そんな格式高すぎる空間で、ガチガチに緊張しながら道中や「かしの式」と呼ばれる儀式を息を呑みながら拝見。
蝋燭の灯りのみの空間は谷崎の世界そのまま。。。泣
緊張しながら宴の時間になりましたが、太夫の話術と、10代目当主の話が面白過ぎてなんと0時過ぎまで飲んで話してました。
初のお座敷は本当に素晴らしかった。。。
お誘いくださったKくん、そして企画してくださったS様本当にありがとうございました。
また機会があれば是非伺いたいです!!












岡山芸術交流2022「DO WE DREAM UNDER THE SAME SKY」@ 岡山市内

3度目の岡山芸術交流へ。
他の芸術祭と違って、全くと言っていいほど観客に媚を売らない態度が好きで初回から全部来てます。
が、今回総合プロデューサー石川康晴氏のセクハラ問題もあり、開催も危惧されましたが決行されました。
その辺りの動向はこちらで。
「岡山芸術交流2022」への市民からの陳情・要望について、実行委員会への質問と回答
「岡山芸術交流 2022」レポート。その"交流"が排除するのは誰か。
その辺りは未だにモヤモヤしていますが、今回はアーティスティックディレクターとしてリクリット・ティラヴァーニャを迎え、「DO WE DREAM UNDER THE SAME SKY」というテーマの元、岡山市内に13か国から28組の作家の作品が展示されてます。
正直なところ、今回は上記の問題を置いておいても、前2回と比べてかなり面白みの欠ける展示でした。。。
3度目となってくると、場所の新鮮味もほとんどないし。。。
今回初めて後楽園に行けたのとティラヴァーニャのカレーが美味しかったのが良かったぐらい。
あとオリエント美術館の円空と都市生活をテーマにした展示も素晴らしかった。
唯一岡山城での池田亮司は流石すぎた。16時からってのが難点でしたが。
もう日がないですが、行かれる方は下の順番で回るのが一番スマートな気がします。
11/27まで。こちら。
2024年からは長谷川祐子をディレクターに迎える「森の芸術祭 晴れの国・岡山」なるものが岡山県北部で開催されるようなので、もしかしたら岡山芸術交流はこれが最後なのかな、、、とも思います。
サイモン・フジワラあたりがディレクターになるならまた行きたい。
とはいえ石川さんには岡山現代美術館を建ててほしいな、と思ったり。
森の芸術祭はまだ未知数ですが、奈義町現代美術館も未訪問なのでこれを機に行きたいところ。
<関連記事>
岡山芸術交流2016「開発」@ 岡山市内
岡山芸術交流2019「もし蛇が」@ 岡山市内
天満屋


林原美術館



旧内山下小学校



















石山公園

岡山市立オリエント美術館








岡山神社





岡山県天神山文化プラザ







後楽園



岡山城 中の段





第十二回 I氏賞受賞作家展 @ 岡山県立美術館
岡山芸術交流の会場であるオリエント美術館や岡山神社から至近なのに、県としては一切関わりありませんという態度を毎回取り続けている岡山県立美術館。
今回は「I氏賞」展がやってたので覗いてみました。
I氏賞というのは「岡山県高梁市(旧成羽町)出身の伊藤謙介氏から「岡山県にゆかりのある若手美術家のために役立ててもらいたい」と寄せられた寄附金を基に県が設置した基金により運営しているもので、岡山県にゆかりのある新進気鋭の美術作家に賞を贈呈するとともに発表の場を提供するなど創作活動を支援し、次代を担う美術家を育成することにより、文化の振興、発展に寄与するもの」だそう。こちら。
過去には大西伸明(第2回)や、松井えり菜(第3回)、下道基行(第6回)などが受賞しています。
今回は第11回と12回の受賞者4名の展示。
柳楽晃太郎の作品は面白かったけど、あとはちょっとよくわかりませんでした。。。







おまけ。
前から行きたかったカフェモヤウへ。
ここはうちの近所にある某読書カフェの店主が以前働いていたところ。
このモヤウさんも会話厳禁の読書部屋があり、池田亮司まで時間があったのでここで読書をさせてもらいました。
後楽園の対岸で川沿いにあってとても落ち着いた空間。オススメ。
ちなみにここの近くで、以前の芸術交流の会場にもなってた福岡醤油ギャラリーにTeamlabが。。。
近くのMaison Kitsuneのカフェはオシャンでオススメです。




時を超えるイヴ・クラインの想像力 ―不確かさと非物質的なるもの @ 金沢21世紀美術館

久々の金沢へ!
行きたいところ多すぎて1日で回るの大変だった。。。
メインはお馴染み21世紀美術館。長谷川祐子氏が館長になってからは初。
今回はその長谷川館長とピノー・コレクションのCEO、エマ・ラヴィーニュとの共同企画。
なぜ今イヴ・クライン?と思ったけど、単純に好きだし21美の空間でどう見えるのか興味津々で行ってきました。
結果、只々眼福なめちゃくちゃいい展示だった。。。
展示として意外だったのは、イヴ・クラインと同時代の具体とゼロを取り上げてるところ。
確かに同時代の運動だったけど、あまりイヴ・クラインと一緒に考えることはなかったのでとても興味深かったし、思いの外共鳴していて展示として最高に美しかった。
特に天井高のある展示室11に元永定正の代表作である、ビニールに色とりどりのインクが入ってる吊り構造の「作品<水>」と、これまた色とりどりのイヴ・クラインのモノクローム作品群、そしてフォンタナの作品が並ぶ様は息を呑むほど美しい光景だった。。。
直前まで店で内海さんの色とりどりの世界にいただけに、その続きのようで個人的にとてもエモい展示でした。
他にも今まであまり美しいと思ったことがない白髪一雄の作品も青い大作が高い位置にかけられてる様や、無地の金屏風とイヴ・クラインという工芸的美しさの類似など、様々な角度で作品を俯瞰できて本当に良かった。
光庭のインターナショナル・クライン・ブルーが敷かれた展示も本当に最高。
火の作品の制作風景の映像もギャグ過ぎて好きw
あと、作家になる前の日本での柔道シーンとかも貴重。
期待はしていましたが、イヴ・クラインの世界を隅々まで堪能できて大満足な展示でした。
欲を言えば、現代作家の展示が4人しかなかったのが残念。
トマス・サラセーノのバレエは実際観てみたい。
キム・スージャは昔ヴェネツィア・ビエンナーレで観たけどこれは一体何なんだろうか。。。
布施琳太郎とハルーン・ミルザは意味わからないけどとても良かった。
これだけ広がりのある作家なので、コレクション展も使ってイヴ・クラインの世界観を広げられそうだったなぁと。
ちなみにコレクション展は、島をテーマに沖縄から南洋の作家を扱っていました。
のっけからミヤギフトシの映像で、観客がそこで溜まってしまうのでもっと中盤でも良かったのでは、と思ったけど、確かに中盤だと長い映像見るだけの集中力ないよね、とも思い順番って難しいなと思ったり。
これらの展示は3月5日まで。オススメ!こちら。


















サイモン・フジワラ『Once Upon a who?』@ KAMU SsRg
今月オープンしたばかりのKAMU SsRgへ。
KAMUはこれで8つ目のスペースだけど、単館のチケットがなくてセット券しかないのがなぁ。。。
ここだけ行きたかったので渋々1日券買ったけどコスパ悪すぎる。。。
せせらぎ通りにある今回の新スペースはサイモン・フジワラプロデュース。
最近お気に入りのクマのキャクターのアニメ「Once Upon a Who?」を上映してます。
正直プラダ青山でも観たので新鮮味なかった。。。
KAMU最終的にいくつできるんだろうか。。。





ダーン・ファンゴールデン Art is the Opposite of Nature @ keijiban (会期終了)
KAMU SsRgの先、ひらみぱんの近くの道具屋niguramuの前にkeijibanという、その名の通り掲示板を利用した展示があります。
Casaの記事を読んで気になってて、今回初訪問。
今回の展示自体は正直よくわからなかったけど、まず掲示板を利用して24時間見せられるスペースとして、そしてそこで展示されてる作品をエディションものとして販売してるというムーブがとても面白いと思います。
金沢来たら必ず訪れたい場所がまた1つ増えました。
今回閉まってて行けなかったけど近くのIACKや彗星倶楽部も次回行きたいところ。


横村葵「この場所に」@ LINNAS Kanazawa
最後に、今回のお宿は近江市場からちょっと行ったLINNASさん。
ここに、うちの常連の葵ちゃんの作品が展示されてるのです。
昨年12月にこのホテルで開催されたアーティストインレジデンスで描かれたもので、10日間そこに滞在して作品を残していくという面白い試み。
葵ちゃんの絵が展示されてるのは「ダブルルーム(共用バスルーム)」という部屋。
予約後メールでその部屋に泊まりたいという旨を伝えて泊まることができました。
ただ確約ではないのでそこは難しいところですね。
安いし快適でした。
ちなみにここの近くの風和利というご飯屋さんがめちゃくちゃ美味しいのでオススメ。



おまけ。
片町の飲み屋街を酔っ払って歩いてたらやたら森山大道の看板があって幻想的でした。
酔っ払ってたので場所はよくわかりませんが。。。



再開のお知らせ。
内海聖史個展「森に積もる」終了しました。

内海聖史個展「森に積もる」無事終了しました。
お越し頂けた方々、また作品ご購入頂いた方々、誠にありがとうございました。
「内海聖史さんのこと。」でも書きましたが、僕が内海さんを初めて知ったのはもう17年前の話。
実際にお会いしたのは2009年でそれでももう13年。
お店が開店してすぐ来てくれて、「いつか何か一緒にやりましょう」と言ってくれました。
僕からは恐れ多過ぎてなかなか声を掛けあぐねていましたが、内海さんからそう言ってくれて本当に嬉しかった。
そこからこんな大作が僕の店に展示されるなんて。。。夢のような日々でした。
内海さん、今後ともどうぞよろしくお願いします。
これからも影ながら全力で応援させていただきます!
次の展示は来年2月を予定してます。お楽しみに!
お店は搬出作業のため11月16日(水)までお休みです。
17日(木)からは水曜と日曜がお休みになります。よしなに!


















Photo by Ken KATO