Farewell 2021

今年も残りあと少し。。。毎年言ってるけど早い。。。
今年はお店4ヶ月くらいしか開けてないんじゃないかしら。。。
来年からはお店しっかりやります。コロナ次第ですが。。。
そんな少ない営業日数ではありましたが展覧会を3つやったのが成果。
あと2周年も無理矢理やったんだよな。
まともに周年できてないので来年こそは。。。!
とんちさんのライブもまたやりたい!
内海聖史「dual」@ A'holicのお知らせ
内海聖史「dual」@ A'holic 終了しました。
A'holic Selection12-3 "この人を見よ" 開催のお知らせ。
静岡おでんPARTY開催のお知らせ
A'holic、2歳になりました。
2周年記念グッズ
玉井健二個展「UNDER WATER」開催のお知らせ
玉井健二個展「UNDER WATER」終了しました。
田中真吾個展「た れ そ か れ」開催のお知らせ
田中真吾個展「た れ そ か れ」終了しました。
お店を閉めてる間旅をしまくった1年でした。百合子様に怒られちゃう。
数えたら国内2府19県と海外1国。。。狂ってる。。。
ブログの更新もここ数年でダントツに多かったです。123投稿!!!
個人的にはやっぱりフランスはでかかった。パンデミック下の海外旅行は貴重なものとなりました。
普段読んでない人も仏蘭西日記だけは読んでてくれたみたいです笑
仏蘭西日記2021 DAY1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 番外編
今年観たもので良かったものランキングベスト20。(10では収まらなかった)
やっぱりクリストはダントツでした。
1. Christo and Jeanne-Claude "L'Arc de Triomphe, Wrapped"
2. 「ドライブ・マイ・カー」by 濱口竜介
3. Anni et Josef Albers @ Musée d'Art Moderne de Paris
4. ホー・ツーニェン《ヴォイス・オブ・ヴォイド—虚無の声》
5. スイデンテラス by 坂茂
6. マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在 @ 東京都現代美術館
7. アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話 @ 世田谷美術館
8. 清水裕貴「コールドスリープ」@ 千葉市中央コミュニティセンター2階 店舗跡地
9. Anne Imhof "Natures Mortes" @ Palais de Tokyo
10. 目[mé]「まさゆめ」|「ただの世界」@ 代々木公園 | SCAI THE BATHHOUSE
11. 水尾之路
12. ホー・ツーニェン 百鬼夜行 @ 豊田市美術館
13. クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]@ 東京都現代美術館
14. 佐藤雅晴 尾行 存在の不在/不在の存在 @ 大分県立美術館
15. 石上純也「木陰雲」@ 九段ハウス
16. 千葉ゆかりの作家展 清水裕貴・山崎雄策 写真展 @千葉市民ギャラリー・いなげ
17. 美男におわす @ 埼玉県立近代美術館
18. 内海聖史「highball paintings」@ 殻々工房
19. 「エキシビジョン・カッティングス」 @ 銀座メゾンエルメス フォーラム
20. 「東京自転車節」by 青柳拓
お陰様で今年も充実した一年になりました。
来年もまたよろしくお願いします!
さて、明日は蕎麦を出しますよ!

今村遼佑 | ねじれの位置と、木漏れ日 @ See Saw gallery+hibit




















名古屋市内にあるSee Saw galleryにて今村くんの展示。
「五月のそよ風をゼリーにして持つて来て下さい」という詩人の立原道造が病床で云った言葉を元に制作されたペインティングや木漏れ日の光に合わせて光る小さなライト、古い時計がゼンマイ時計の時を刻む音に、木や石などのファウンドオブジェが壁を打つ幽けき音、さらに猫たちの寝息。。。
日差しが差し込む空間にとてもとてもやさしい時間が流れていました。
この展示は終了してしまいましたが、来月にはA'holicで展示が始まります!
やさしい時間を是非体験しに来て下さい。
今村遼佑個展「ユビキタスと雨宿り」於A'holic
2022.01.20-02.13 水曜休み

ホー・ツーニェン 百鬼夜行 @ 豊田市美術館

「100の妖怪」










「36の妖怪」






今年最後の遠征は楽しみにしていた豊田市美のホー・ツーニェン展!
期待に違わぬ圧巻の展示でした。
というか、僕は幼少期から水木しげるの大ファンなので、妖怪好きには堪らない展示になってます。。。
特に最初の「100の妖怪」は映像音楽共に最高すぎた!
壁には大きく百鬼夜行のアニメーション、手前のスクリーンには眠る人の姿。
妖怪は黄昏(逢魔時)から寝静まる間に現れるものなので、この眠る人はそういうことなのでしょう。
百鬼夜行の中には銃刀を持った軍人の姿もあって、この行進は戦争のメタファーとしても仄めかされてます。
圧巻だったのは美術館中に鳴り響くこのインスタレーションの音です。
恥ずかしながら存じ上げなかったのだけど、この音楽を担当した灰野敬二さんって有名な方なんですね!
美術館のどこにいても聞こえるぐらい凄い音で、圧倒されました。
これらの全妖怪の説明がハンドアウトに全部載ってて最高!トレーディングカードとか作れそうw
ちなみに載ってる妖怪99しかないんだけど、100匹目は人間ってことなのかしら?
そして次の「36の妖怪」では、各妖怪の説明映像なんだけど、そこには「マレーの虎」と呼ばれた山下奉文と谷豊や、ぬらりひょんとして登場する鈴木大拙など、具体的な人物が妖怪として表されてることがわかります。「粘菌」としての南方熊楠なんかも。
あと、「国体」はAKIRAから、「目玉のおやじ」はジョジョから取られたようなキャラクターなんかもあったりして目が離せないのです。
さらに次の「1人もしくは2人のスパイ」では、1938年に開校したスパイを育成する「陸軍中野学校」に纏わるアニメーション。
人物たちは全員のっぺらぼうとして描かれ、この後南方の秘密工作機関として編成される通称「F機関」について触れられます。
「F機関」の他にも前述の「マレーの虎」の谷豊が関わった「ハリマオ作戦」や「ビルマの竪琴」のモデルになった人物の話など、なんとなく聞き知ってはいたもののはっきりと知らなかった南方作戦の事実がこれらのアニメによって紡がれます。
最後の「1人もしくは2人の虎」では、「マレーの虎」の2人についてのアニメーション。
日本人も知らないような太平洋戦争のことを、ここまでリサーチして作品に落とし込むのは本当に凄い。。。
全部見ると余裕で1時間以上になります。最高に見応えありました!
展覧会は来年1月23日までなので是非!こちら。
さらに豊田市美はコレクション展も素晴らしいのです。
今回は「絶対時間」と題して、河原温をメインに据えての展示。
河原温が「デイト・ペインティング」を開始した1971年の5月の1ヶ月分全日揃っててビビった!凄すぎ!
来年のあいトリもこの愛知出身の作家がテーマですもんね。
その他にも杉本博司の「The First Seven Days」とか李禹煥の作品群とか素晴らしかった。
さらにクリムト、シーレ、ココシュカのドローイングや速水御舟の鯉も良かった。
松澤宥もさすがだったし、ちゃっかり妖怪の作品もコレクション展に入れてるのも小憎い演出。





















最後はレストランにてこのホー・ツーニェン展に合わせたデザート「おまえの目玉」で〆。
食べかけグロすぎwwww


さらに12月4日から、前回のあいトリでも話題になった喜楽亭の「旅館アポリア」が再展示されてます!!
1回観たし時間かかるしやめとこうかとも思ったけどやっぱり観に行っちゃいました。
豊田市美の展示や、京都芸術センターでやってた「ヴォイス・オブ・ヴォイド—虚無の声」を観てからこの作品を改めて観るとさらに面白かったのでまた観られて良かった!
全部通して見ると1時間半もあるけど、ここでしか観られない展示なので時間ある方は是非。こちらも来年1月23日まで。

「偶然と想像」by 濱口竜介
前作「ドライブ・マイ・カー」が今も上映中ですが、濱口竜介監督の新作が公開されました。
と言っても、制作されたのは多分こっちが先。
7月に「ドライブ・マイ・カー」がカンヌで4冠に輝きましたが、その前にこの映画はベルリンで銀熊賞を受賞しています。
昨年脚本で関わった黒沢清監督の「スパイの妻」もヴェネツィアで受賞しているし、濱口監督今ノリにノッてます。
この映画は短編3本を集めたオムニバスという少し変わった形式です。
初期濱口監督作品に出ていた河井青葉さん、占部房子さん、渋川清彦さん、そして「天国はまだ遠い」に出演していた玄理さんが出ていて、少し原点回帰を図っているのかな、とも想像します。
何れにせよ公開がものすごく楽しみだった映画でした。
「ドライブ・マイ・カー」と違って所謂商業映画ではないし、上述のお馴染みな面子も揃ってるので、どうせいいだろうと見はじめて、結果やっぱりものすごく良かったとなりました。
ここからはネタバレも含むので読みたい人だけ。
と言ってもそんなに含まないかも。
三作通して「偶然」がテーマになってるんだけど、それをフィクションに取り込むのって物凄くリスキーだと思います。
フィクションに取り込んでる時点でそれは「偶然」じゃないので。
そこを見事に3作ともわざとらしくない形で描いていて流石だなぁと舌を巻きました。
ありそうでない、いや、やっぱりありそう、っていう綱渡りみたいなラインを繊細に描き出してます。
ちなみに僕のことを知ってる人はわかると思うんだけど、人より明らかに偶然が多く起きます笑
話し出したらキリがないぐらい偶然のオンパレードな人生なんです。
さらに、今バーという仕事をしていたら「そんなことある!?」みたいな話をお客さんからもよく聞きます。
偶然って意外と溢れていて、それでも毎回驚いてしまう素敵なファンタジーですよね。
そういう意味で、この映画は僕にとってとても親しみやすかったし、3作とも愛おしくてたまらなかった。
なんか「ハッピーアワー」の時の感覚を思い出しました。ピアノ曲を使ってるのもあるかも。
そして3作とも1対1の場面が物凄い緊張感で痺れました。
1作目の「魔法(よりもっと不確か)」の芽衣子とカズ、2作目の「扉は開けたままで」の奈緒と瀬川、3作目の「もう一度」の夏子とあや。
それぞれ2人の対峙するシーンはどれも息を飲んだし、途中で小津安二郎みたいな正面ショットもニヤッとさせられるし素晴らしかった。渋川さんも指摘してたけど、やっぱり濱口監督にとって小津は大事な存在なんでしょうね。
「魔法(よりもっと不確か)」の芽衣子とつぐみがタクシーの中で話す恋バナも会話のテンポがすごいリアリティあって、車中のシーンが「ドライブ・マイ・カー」とかぶってとても良かった。
あと渋谷でこの映画観てたので、映画の中のシーンとかぶってエモかった。
「扉は開けたままで」の奈緒と瀬川のシーンは、まるで濱口組がリハーサルでやってる棒読みみたいな台詞回しだったのも興味深かった。
渋川さん久々に見たけどこんな演技ができるんだ!ってびっくりしました。
「もう一度」の2人がエスカレーターの上りと下りで出くわすシーンは僕もやったことあります笑
この2人が映画の中でさらに別人に演じてるメタ的なシーンはとても感動的ですね。
そういえば3作とも映画の中で「演じる」という行為をしてることに気づきました。
芽衣子はつぐみに何も知らないフリをしてるし、奈緒も瀬川を陥れようと演じている。
この映画は何度見ても発見がありそうです。
実はこの短編7作あるそうなので、今後また映画化が楽しみすぎる。
7作揃ったら是非小説でも読んでみたい。
改めて濱口監督素晴らしかったです!
以下最近観た映画。
「皮膚を売った男」
「東京画」
「逆光」
「夜空に星があるように」
「世界で一番美しい少年」
「皮膚を売った男」はそんな期待してなかったんだけど案外良かったです。
こういうアートを絡めた映画ってアート知ってる人間からしたらありえん!ってことが多いんだけど、この映画には現代アートにおける倫理観とか、昨今のバイオアート的な話とか、結構リアルな作りになってて楽しめました。
シリアの難民問題の描き方がサラッとしすぎてどうかとは思ったけどまあまあ良かった。
「東京画」はヴィム・ヴェンダースの中でも昔から観たかった映画で、今回の特集上映で観られるのが嬉しかった。
小津の「東京物語」を起点に、ヴェンダースが来日して日本を撮ったドキュメンタリー。
「東京物語」のオープニングで始まりエンディングで終わるのは素晴らしい構成。
そして東京のシーンが僕の生まれた年(1983年)に撮影されたもので、同じ東京とは思えないぐらい異国感なんだけど、ここに映ってる子供達は僕より少し年上の今やおじさんたちで、映ってるおじさんたちは自分の父親ぐらいなんだろうなぁと思って観るとエモすぎて泣けてきました。
笠智衆のインタビューと小津のお墓参りするシーンは泣きそうになりました。年一つしか変わらないのびっくりした。
撮影監督のインタビューでも、あの「小津ショット」の秘密を垣間見れて最高でした。
本当に素晴らしい映画でした。思わずDVDボックス買っちゃった。。。
「逆光」は友達が「久々にこんな酷いゲイを描いた映画を観た」と聞いて逆に興味があって観たけど本当に酷かったw
マジョリティ側がマイノリティ撮るとこうなるよなぁの典型。お洒落なだけの映画でした。
「夜空に星があるように」はケン・ローチのデビュー作。ちょっと荒すぎて無理だった。。。
「世界で一番美しい少年」は、ルキノ・ビスコンティ監督の「ベニスに死す」で少年タジオ役を演じたビョルン・アンドレセンの50年間に迫ったドキュメンタリー、ということで観始めたんだけど、思ってたより壮絶でびっくりしました。
そして何と言っても冒頭で、ビスコンティの前にビョルンが初めて現れる瞬間を収めた映像があってゾクッとしました。
ビスコンティがこの子だ!!!って全身で反応してるのとかすごい。
何と言っても当時のビョルンが美しすぎて。。。
あの影のある美しさには、その過去にも未来にも悲劇が付きまとい過ぎて辛い。。。
「美人薄命」と言いますが、ビョルンの場合は今もまた違った美しさを纏いながら生き続けてるのが凄いですね。
映画としても、ドキュメンタリーなんだけど映像が美し過ぎて酔いしれました。
「ミッド・サマー」も未見なので観たくなりました。
年末年始
「転移のすがた」アーティスト・レジデンシー10周年記念展 @ 銀座メゾンエルメスフォーラム


パリで知り合った作家の小平篤乃生さんにご招待されて、なんと銀座エルメスの展覧会のレセプションにお呼ばれしてきました!!
この展覧会は、過去10年でエルメス財団が行ってきたアーティスト・レジデンシ―プログラムの成果を発表するもので、今回はプログラムに参加した作家とその推薦者(メンター)の作品を一緒に展示することで、お互いがどう共鳴しその思考を「転移」させてきたかを見せるものでした。
空間が3つに分けられて、3組の展示が見られます。
その展示の仕方も、どこからどこまでが作家の作品なのかメンターの作品なのか敢えて分かりにくく溶け合うように展示されてて面白かったです。
ガラスを使った小平さんの作品はポエティックでエルメスのガラスのファサードと相まって素晴らしい空間になってたし、それにメンターのペノーネの作品が加わって本当に詩的なシンフォニーが繰り広げられてました。
他の作家も正直全然知らなかったんだけど、本当にどこからどこまでが誰の作品なのか本当にわからない。
そんな作家性の溶け合いを楽しみながら、会場を周遊していくのがとても楽しい体験でした。
展覧会は来年の4月3日までなので銀座行く際は是非!こちら。
小平篤乃生&ジュゼッペ・ペノーネ













エンツォ・ミアネス&ミシェル・ブラジー









クロエ・ケナム&イザベル・コルナロ





いやぁ、エルメスのレセプション華やかで最高でした。
小平さんとユウリ君にもパリ以来に再開できて嬉しかった!
誘われた時はエルメスのレセプションなんて何着ていけばいいの!?ってなって、急遽人生2着目のスーツを買って臨んだけど案外皆さんカジュアルだった笑 (エルメスのスーツは買えなかったのでドルガバで)
小平さん、お誘い頂き本当にありがとうございました!!



ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話 @ アーティゾン美術館






















アーティゾンのコレクションと現代作家を組み合わせるシリーズ「ジャム・セッション」。
昨今の美術館において、コレクションをどう生かすかは重要な鍵になってる中とてもいい企画だと思います。
鴻池朋子に次いで選ばれたのは森村泰昌。
森村が選んだアーティゾンのコレクションは青木繁の「海の幸」。
この美術館、青木繁の代表作ほとんど持っててビビります。さすがの選択。
前半は青木の実際の作品と森村のオマージュ作品、言葉などが並びます。
そして問題の「海の幸」。
これ本当に不思議な作品ですよね。
日本における油絵のあり方をその主題に置いた青木。
ヨーロッパに倣って日本の神話を元に作品を制作していきますが、そんな中で「海の幸」は異色の作品。
この絵は神話ではなく市井の人々を描いてるんですよね。
しかも全員裸の「絵にならない」身体。
そして半分下絵なんじゃないの?と思わせる筆致。
見れば見るほど不思議な絵です。
それを森村はどう料理するのか。
というか、実はこの前にも森村は「海の幸」を題材に2010年に「海の幸・戦場の頂上の旗」という映像作品を制作しています。こちら。
これは2010年に京都近美で開催された青木繁展に合わせて出展されてました。
これから11年後の現在、またこの続きのようなものが出てくるのかと勝手に予想してたのですが全く違いました。
青木のコーナーが終わると、この展覧会のために制作された作品の資料やらジオラマやらドローイングやらが所狭しと並んでいます。
そして真ん中の部屋でメインとなる写真作品が並んでるのですが、もうぶっ飛び過ぎてた笑
最初はおなじみの「海の幸」になりきった写真作品だけど、どんどん時代が進んでいって、大正、戦争、東京オリンピック(1964)、万博、学生運動、バブル、コロナと現代にまで至ります。
そして最後は謎の土偶人間。。。
独創的すぎてついていけない笑
もはや途中「海の幸」ほとんど関係なくて、戦争の作品なんて青木繁ですらなく藤田嗣治を引用してるっていう。。。
学生運動の作品だけ「海の幸」の構図でした。全部この構図でやればもう少しわかりやすかったんだろうけど。。。
とはいえもうこれだけの発想の飛躍力には舌を巻きます。
惜しむらくは絶筆の「朝日」が出てなかったことですね。
この作品はアーティゾンのコレクションではなくなぜか佐賀県が持っているという。。。
映像作品はさらに独創的すぎ。。。実際に見てください。1月10日まで。こちら。
下の印象派やコレクションはあまり引っかかるものもなくでした。
次の「ジャムセッション」は柴田敏雄×鈴木理策とセザンヌということでまた楽しみです。
第15回 shiseido art egg 中島伽耶子展「Hedgehogs ハリネズミたち」 @ SHISEIDO GALLERY








後輩の中島の展示。
このシセイドウアートエッグは、僕と仲間でやってたアーティスト・ラン・スペースのstudio90でその存在を知ったらしくて、そこから10年経ってここまで辿り着いたのは素晴らしい。
期待を持っていきましたが、ちょっと色々不満。。。
まず「ハリネズミたち」というタイトルの割に、壁に刺さったアクリルに刺々しさがなくて、アクリルの先を鋭角にしたらもっとその印象になったのではという点。
そして、スタッフさんに扉の向こうに行けませんと最初に言われるんだけど、行こうと思えば行けそうな展示になってること。
ここにアクリルを刺しまくって構造的にドアを開けられない風にした方が説得力があったのでは。
展示室ももう少しくらい方がアクリルを通した光が綺麗に映えたんだろうな、と。
あと、壁の向こうのベルも、人がいないと鳴らないし。。。
展示構成は中々面白い分残念な箇所が目立ちました。。。
と、不満タラタラと書いちゃいましたがこの展示は12月19日まで。是非観にいってあげてください!
大垣美穂子「UZU」@ KEN NAKAHASHI







ドイツ時代のドローイングと新作の彫刻を並べた展示。
時の流れがわからないほど作品が一貫しててとても説得力がありました。
ドローイングはもう狂気を感じる細い線の集積ですごい。。。
色鉛筆をピンピンに尖らせて描いてるので凄まじい作業量です。。。
こういう瞑想的な作品は大垣さんの真骨頂ですね。
しかもこの作品もっと大きかったらしくてどんだけ時間がかかったんだろう。。。
彫刻もドローイングの線を思わせるストロークで面白かった。12月24日まで。
最近観た他の展示。
奈良原一高 写真展「宇宙への郷愁」@ 写大ギャラリー
三田村光土里 「365 Encyclopedia」@ SYP Gallery
冨井大裕「線を重ねる」@ Yumiko Chiba Associates
塩田千春展 @ KENJI TAKI GALLERY
クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]@ 東京都現代美術館

期待していたクリスチャン・マークレー展は期待以上に最高な展示でした!
まず最初の「リサイクル工場のためのプロジェクト」(2006)から最高。
工場のけたたましい音と、工場の映像がそこで生産されてる生産物(コンピューター)に映し出されてる。
構造が潔いぐらいシンプルで良い。
しかしショップにあった作品の折りたたみ携帯もそうだけど、当時のハードを使った作品は維持が大変だろうなぁ。。。と。
壁の文字は音楽のレビューらしい。
「すべての芸術は音楽の状態にあこがれる」とはショーペンハウアーやニーチェがの言葉ですが、それを地で行くのがマークレー。
70年代末からの長いキャリアでこれだけの展開は本当にすごい。
ナム・ジュン・パイクのようなメディアアートの系譜からサブカルチャーまで、現代美術史の文脈もしっかり受け継ぎながら常にヴィヴィッドであり続けるマークレー。素晴らしいです。








廊下の初期の映像作品やレコード作品を眺めつつ次のお部屋の入口にあった平面作品がまた最高。
なぜか作品解説に載ってないんだけど確か「サイレンス」って作品だったと思う。
パッと見真っ白の紙で、ああジョン・ケージの4分33秒的なアレねって感じで通り過ぎようとしたんだけど、よーーく見たら「しーーーん」って日本語でエンボス加工されててやられた!!ってなった。
後半にもこの黒バージョンが登場します。写真で撮ってもほとんど写らず。。。地味だけどとても好きな作品。
こういうオノマトペはマークレーの作品群にしばしば登場します。
巻物状になった「マンガ・スクロール」(2010)もそれを繋げた作品で素敵。
そしてその最高潮が「サラウンド・サウンズ」(2014-2015) 。
マンガに出てくる擬音に囲まれる映像インスタレーションで永遠に居られる。。。
これニューヨーク行った時にちょうど観れたんだよなぁ。また観られて嬉しい。こちら。
この作品のジョジョバージョンをぜひ作ってほしいですw







日本でマークレーを知った人の多くは2011年のヨコトリで展示された「The Clock」ではないでしょうか?
僕もその1人で、映画の時計が映るシーンを延々とコラージュしてリアルタイムの時間と同じにするっていう気の遠くなるような24時間の映像作品。
同年のヴェネツィア・ビエンナーレの金獅子賞も受賞するなどめちゃくちゃ話題になりました。
残念ながらこの作品は今回出品されてませんが、その前身となるような作品が今回出品されてる「ビデオ・カルテット」(2002)でしょう。
古今東西の映画の音に纏わるシーンをひたすら繋ぎ合わせて4つの映像を作って、さらにそれらがアンサンブルを奏でることでカルテットになるという、これまた膨大な作業量による映像作品。
これも永遠に観て(聴いて)られるなぁ。。。

他にも写真やコラージュと様々なメディアを横断しながら一貫して「音」をテーマに展開していくマークレーワールド。
来年2月23日までなので是非!こちら。







ちなみに現在ギャラリー小柳でもマークレーの個展を開催中。
コロナ禍で制作された最新作が展示されてます。来年2月26日まで。併せて是非。こちら。



さて、これだけでは終わらないのが都現美。
遠いけどまあ来る価値はあります。
今回常設展は前回に引き続き「Journals2 日々、記す」。
前半まったく変わってなったんだけど、途中同時開催中の久保田成子展に併せてかフルクサスの展示が導入されてました。
(久保展は国立国際で観たのでパス)
三島喜美代と郭徳俊の展示も良かった。


この常設の白眉はこの後に続く康夏奈の展示。
昨年44歳という若さで亡くなった作家を偲ぶように、ほとんど個展のようにして展示された彼女の作品群。
どれも本当に美しく、特に小豆島で制作された逆円錐状に天井から吊るされた「花寿波島の秘密」は圧巻。
山を描いた「No dimensional limit anymore」のインスタレーションも美しかった。。。










他にも太田三郎にサム・テイラー=ジョン ソン、マルレネ・デュマス、小林正人、アピチャッポン・ウィー ラセタクンに今年亡くなったボルタンスキー等、常設展だけでお腹いっぱい。。。






さらにもういっちょユージン・スタジオ展。
アトリウムに海作っちゃったことで話題になってるけど、僕はどうもこの人たちの作品好きになれない。。。映画のセットじゃんって思っちゃう。床を改めて造ってたのは良かった。
一応写真撮ったので載せときますね(投げやり)




どれも2月23日まで。
美術館出る頃にはヘロヘロ。。。久保田展も観てたら死んでた。。。
次回はどれも興味がないので今度来るのは夏以降かな。。。