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アンサンブル・スタジオ展 @ TOTOギャラリー・間

昨年のコロナ延期から1年の時を経てようやく開催に漕ぎ着いた「アンサンブル・スタジオ展」。
それも当初6月8日からだったのが24日からに。
緊急事態宣言を受けてのことかと思いきや「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う世界的なコンテナ不足とスエズ運河座礁による海上輸送の混乱の影響」とのこと。なんかすげえや。。。
とにかく楽しみにしていた展覧会でした。
と、ここで告白しなければならないのが、開催直前までてっきりターナー賞を受賞したグループだと思い込んでたらそっちはアセンブルでしたwwwww
アンサンブル・スタジオとは、アントン・ガルシア=アブリルとデボラ・メサ率いるスペインの建築集団。
一言に「建築」と言っても彼らのそれは一味も二味も違います。
とりあえず会場風景。

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えっと、、、これは、、、一体、、、???

戸惑いを隠せなかったのですが、これが彼らの「建築」。
展覧会の副題に「大地の建築」と付されてるように、彼らの建築は人智と自然が融合したダイナミクスを孕んだオブジェです。
それを「プリミティブ」という言葉で片付けてしまうには余りある作品群。
特に上の階で映像展示されてた、彼らの出世作でもある「トリュフ」と近作の「カン・テラ」は凄すぎる。
前者は一見岩の塊に見えて、ちゃんと家の機能が備わったコンクリートの塊。
その工法が異常で、土で型枠を作り、さらに内部には干し草を敷き詰め、鉄筋を入れずに土と干し草の間にコンクリートを少しずつ流し込み、固まったらまず外の土を除け、中の干し草はなんと子牛のバウリーナが食べることで内部のボイドが出来上がるという仕組み。。。!!!(バウリーナは300kgの立派な成牛になったとかw)
ちょっと何言ってるのかわからない、という方のために映像がありました!



カン・テラは、置き去られたかつての採石場をそのまま住居にするというプロジェクトで、彼らがやったのは光を入れるために穴を開けたり、扉をつけたりと最小限の操作。まるでカタコンベ。
これが物凄い広さなんだけど、誰が住んでるんだろう。。。
こちらも映像がありました。




とまあ、こんな感じで彼らのプロジェクトは大地と切っても切り離せない関係にあります。
そもそも建築は大地の上に建ってるからそれはそうなんだけど。
今回の模型も発泡スチロールに土をまぶしてたりして、本当に独特。
会期は9月12日まで。要予約。こちら
今回の展覧会では紹介されてない、まだわかりやすい建築もあるので公式HPもチェックで笑
https://www.ensamble.info


最近観た建築>>

House NA by 藤本壮介
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羽根木の森 by 坂茂
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どちらも個人邸なのであまりジロジロ見られず。。。
前者はマジで偶然通りかかって見つけた。
後者は木に囲まれすぎてよくわからなかったけど、はなれは坂さんらしいな、と。
あと、まだ開館前だけど早稲田大学内の隈研吾による村上春樹ライブラリーが酷すぎた。。。
ここに載せるのも嫌なのでTwitterみてください。。。こちら
結構注目されてる建物でよくこんなゴミみたいな仕事するよね。。。
これ見てますます東近美で始まる隈研吾は死んでも行かないと固く決意しました。

「10 Mame Kurogouchi」 @ 長野県立美術館

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Mameの展示を観にこの4月に開館したばかりの長野県立美術館へ。
なんで長野やねん、と思ったらデザイナーの黒河内真衣子が長野出身だったんですね。
そしてこの美術館のスタッフユニフォームも手掛けてます。(隠し撮り御免)

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展覧会は規模はそこまで大きくないものの、Mameの10年がたっぷり詰まった内容でした。
コレクションはもちろん、そのソースや創作ノートまで展示されてます。
最近のデザイナーでここまで絵を描く人って珍しいな、と思いながら見てました。
ソースも民藝から現代アートまで幅広くて素敵。
残念ながらMameはウィメンズしかないので僕は着れませんが。。。
東京のお店も行ってみたいけど男一人では入れない。。。
展覧会で堪能しました。美しかった!

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そしてもう一つのお目当の中谷芙二子の霧の作品。
彼女の作品を常設するってどういうこと??と思ってたら外の人工池で一時間に一回霧が発生。
これが想像より凄すぎて笑った。
マジで目の前がホワイトアウトします!!

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そしてお隣の東山魁夷館。谷口吉生建築はやはり美しい。
昔観に来たんだけどまさかの閉館してた。。。
外から悲しく眺めた記憶があります。。。
まあ、中の東山魁夷はどうだっていいんだけど。
どうせなら新館も谷口さんにして欲しかった!!
新館は動線が酷すぎた。。。善光寺を眺める屋上テラスはまあ良かったけど。

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Mame展は8月15日まで。こちら
来年は松澤宥展やるからまた来なくては。。。


あと、余談ですが、この日本当は日帰りする予定だったんだけど、長野行く途中で友達から「今松本にいる」との連絡を受け、急遽松本泊w
前から泊まりたかったホテル花月さんが素晴らしかったのでついでにシェア。
松本民藝やステンドグラス等、たまらなく素敵でした。オススメ。こちら

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たまけんさんのこと。

大阪は枚方市星ヶ丘にあるsewing table coffee
元洋裁学校の横にある吹きさらしの小屋。
ここで玉井さんは日々珈琲と舟を作っています。

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2008年。落ちていた廃材で何気なく作り出した舟は、いつしか日課となり、一日一艘作っていると、一年経つ頃には365艘の舟が出来上がっていました。

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2009年。玉井さんは隣の元洋裁学校ではじめての個展を開催。
それはとなり、2010年、僕はiTohenというカフェギャラリーで発見、一目惚れ。

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2012年。横浜某所で展覧会をしようと仲間達と画策。
その展覧会には美術作家だけではなく、広く色んな人を巻き込もうとしていて、そこで思いついたのが玉井さんでした。

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5月、玉井さんに連絡すると、出品を快諾して頂いたにも関わらず横浜展は頓挫。
しかし、なぜかモスクワのキュレーターからお声がかかり、進路は急遽モスクワへ。

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11月。急遽モスクワに舟を連れて行くという怪しさ満載の話を持って、sewing table coffee初訪問。
どこからかウクレレの音色。それを弾いてたのが玉井さん。衝撃の出会い。

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モスクワの話をすると「ええよ」と二つ返事。
さらに「そこにいっぱいあるからどれでも持っていき」と言われ、そこには箱いっぱいの舟が!

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2013年。100艘程の舟と一路モスクワへ。
案の定税関で止められるがなんとかスルー。
ロシア近代史博物館にて展示室のあらゆる場所に無事停泊。現地でも大好評でした。

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2021年。それから玉井さんの舟はあらゆる場所を旅していて、カフェにあった廃材から流木を使った舟に進化。
そんな舟たちがA’holicに航行します!

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6月21日(月)18時より営業再開します。
展覧会期中は木曜のみ休みです。

入店前手指消毒、検温、マスク着用等の感染症対策にご協力ください。
また席数減、換気徹底等もご理解下さい。お一人様優先です。予約可(DM/TEL)
発熱等ある場合はご来店お断りします。

ご不便おかけしますが宜しくお願いします。

オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所 @ 武蔵野美術大学 美術館・図書館

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武蔵美の美術館で開催されてる「オムニスカルプチャーズ」展へ。
いやぁ、遠かった。。。
同じ東京とは思えない。。。多摩美よりかマシだけど。
この展覧会は本来昨年開催される予定がコロナで延期。
この4月に始まったもののまた緊急事態宣言でしばらく学内の人しか観られなくなっていました。
6月に入り、なんとか週末のみ予約制で学外にも開放されました。

この展覧会の特色はまず何と言っても出品作家の豪華さ。
出品作家のラインナップは、戸谷成雄、舟越桂、伊藤誠、青木野枝、三沢厚彦、西尾康之、棚田康司、須田悦弘、小谷元彦、金氏徹平、長谷川さちの計11名。
さらに会場構成が杉戸洋!
こんなメンツの展覧会なかなか観られないよ!
ということで、遠くても行くしかないのです泣

展覧会の発案者は同大学の教授もやってる三沢厚彦。
タイトルになってる「オムニスカルプチャーズ」とは三沢さんの造語。
オムニとはオムニバスのオムニで、「すべて」とか「全方位の」という意味の接頭語です。
1989年に発表された細野晴臣の「omni Sight Seeing」から発想したんだとか。
展覧会としては、80年代以降のポストもの派以降の世代で構成されています。
60年代後半から70年代初頭にかけて、世界同時多発的に、彫刻を基本とする大きな運動が起こりました。
日本では「もの派」、アメリカでは「ミニマリズム」、イタリアでは「アルテ・ポーヴェラ」。
これらの運動は芸術の究極を追求するあまり、やがて芸術の消失にまで至るような危うさを孕んでいました。
案の定その後に続くコンセプチュアリズムで、作品の消失を謳う松澤宥のような作家まで登場し、芸術の行き詰まりが叫ばれ、その究極が1970年に日本で開催された中原佑介キュレーションによる「人間と物質」展でした。
その展覧会を観た当時学生だった戸谷成雄はこれからどんな表現をすればいいのかと途方に暮れたそうです。
そんな荒野からスタートした戸谷を起点として、1982年生まれの長谷川まで、まさに「全方位」の世代と、素材も形態も異なる様々な彫刻表現を紹介する内容です。
しかし「オムニ(すべて)」と言っちゃうと、やっぱり無理があって、どうしてこの人が出てないの?ってのはお決まりのパターン。
三沢が感銘を受けたと言われる88年のヴェネツィア・ビエンナーレ日本館に戸谷と舟越と並んで展示されていた植松奎二や今村源、あと名和晃平に冨井大裕あたりは出品してないのが違和感しかなかった。
特に冨井さんは武蔵美で教えてるわけだし、彼ほど彫刻の概念を広げてる作家も近年珍しいと思う。
と思ってたら、美術館の前の芝生で出してたカフェが冨井さん関連だと後で知りました。
そして冨井さん自身もこの1作家によるバイアスのかかりまくった彫刻展に疑問を持って、関連トークイベントもやってたみたいです。こちら
とまあ、多少不満はあれど、とはいえ1点1点の完成度が高い満足度の高い展覧会でした。

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展覧会の中でも特に青木野枝の螺旋を描く彫刻は今回の展覧会の意図を最も汲んだ作品だったと思います。
その螺旋という形はまさに正面性のない「オムニ=全方位」型の彫刻。
惜しむらくは、スロープに置かれてるから全方位からは眺められなかったこと。残念。
そもそも彫刻というのは絵画と違って全方位から観られるもの。
その彫刻の特性も含めて「オムニ」という言葉を使ってるのだとしたら言い得て妙だな、と。
あと、僕はよく存じ上げなかったけれど、伊藤誠の作品が物凄く良かった。
それぞれがとても「弱い」存在ながら、ものすごい存在感を放ってました。
須田さんは今回割とわかりやすかった笑
あと彫刻といえば、昨年末に東京芸大美術館(こちらも大学美術館)で開催された「PUBILIC DEVEICE」が記憶に新しく、彫刻というのは色んな問題を孕んでいて改めておもしろいなと思います。
ちなみにその展覧会のカタログが最近出て、第3段ぐらいまでやりたいと小谷さんも言っていました。
今回「PUBLIC DEVICE」にも出ていたダヴィデ像みたいな像がまた出品されてたり展覧会同士の流れも感じますね。
最後にこの展覧会の図録が凝りまくってて2000円という破格だったので思わず買いました。
順番を自分で変えられるようになってて、実際学生たちがランダムに組んでるので全部違う構成だったりするまさに彫刻的な図録。
6/20日まで。学外は土日のみ要予約。こちら

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同時に開催されてる「片山利弘 領域を超える造形の世界」と「膠を旅する」も面白かったです。
前者は特に後期の絵画が物凄く好みでした。
後者では一度観たかったアイヌの鮭の皮で出来た靴を見ることができて感無量。。。

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帰りに久々に立ち寄ったファーレ立川も「野外彫刻」の問題を孕んでて面白かった。

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他に最近観た展示たち>>
I Care Because You Do @ The Mass
スクリプカリウ落合安奈「journey」@ AKIO NAGASAWA GALLERY AOYAMA
康夏奈 作品展「100 miles climbing 」@ 六本木蔦屋書店
ジェフ・ゲイス @ TARO NASU
AKI INOMATA『彫刻のつくりかた』@ 公益財団法人現代芸術振興財団 事務局
荒川修作「BOTTOMLESS—60年代絵画と現存する2本の映画」@ SCAI PIRAMIDE
ヴィヴィアン・スプリングフォード @ Taka Ishii Gallery
小野祐次 Luminescence @ ShugoArts
菅木志雄 集められた〈中間〉@ TOMIO KOYAMA GALLERY
菅木志雄 集められた〈中間〉@ スパイラルガーデン

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どうでもいいけど、先週上野でもそうだったんだけど、武蔵美でも知り合いに遭遇。。。
東京って村なの?

「エキシビジョン・カッティングス」 @ 銀座メゾンエルメス フォーラム

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イギリスのキュレーター、マチュウ・コプランによる展覧会。
誰か特定の個展でもなく、はたまたグループ展とも違う。
展覧会そのものを見せるということで、どんなもんかしらと思って行ってみたらとても良かった。
会場は2つのセクションに分かれていて、エレベーターを降りて右の広い展示室では、フィル・ニブロックによる音楽が流れていて、これがものすごくいいのです。人によっては気が狂ってしまうかもしれませんが笑
是非配信してほしいなぁ。。。
中央には、自然農法を提唱した福岡正信の自然農園から届けられた甘夏の苗が植えられており、その周りを囲んで西原尚による椅子が並べられています。
展覧会を「Cutting=接ぎ木」と捉え、「育まれる展覧会」をテーマにした会場構成。
コンセプト云々より、ここの居心地がめちゃくちゃいいのです。一生いられる。
レンゾ・ピアノによる建築越しに差し込む光と木々と音楽が絶妙なハーモニーを奏でています。
椅子も一つ一つ違っていて面白い。

そしてもう一つの展示室では、フィリップ・デクローザの絵画で始まり、奥ではコプランが以前手がけた展覧会を「Cutting=編集」した「THE ANTI-MUSEUM: AN ANTI-DOCUMENTARY」という映像が流されています。
この映像では主に彼が2016年に手がけた「A Retrospective of Closed Exhibitions」と2009年に手がけた「Voids, A Retrospective」をベースに作られているのですが、この二つの展覧会は、このパンデミックにおいてとても示唆的な展覧会だったことを示しています。
まず前者では、アーティストたちが展覧会をクローズしてきた歴史を取り上げているのですが、一番最初にそれをやったのが1964年東京の眼科画廊で開催したハイレッド・センターによる「大パノラマ展」だったのです。
そこから松澤宥、ダニエル・ビュレン、マウリッツォ・カテラン、そしてサンティエゴ・シエラへと続いていきます。
そしてこの状況はまさにパンデミックの最中にアーティストの介入なしに起こっています。
実際この展覧会も一時クローズされましたし、昨年からいくつもの展覧会がクローズに追い込まれました。
さらに後者の展覧会では、1957年にイヴ・クラインが展示物の存在しない展覧会を開催したことから、コプランはポンピドゥーセンターを空白で埋め尽くしたのです。
これ、2012年にロンドンのヘイワードギャラリーで「Invisible: Art about the Unseen 1957-2012」という展覧会がやってて、昔知った時に革命的な展覧会だ!と思ってたらそれより前にコプランがやってたんですね。。。
それはさておき、この状況もパンデミックと重なります。
こうして、アーティストたちが起こしてきた革命に現実が追いついてしまったという皮肉が綴られるのです。
この映像30分ありますが、是非全部見ることをお勧めします。
最初の展示室も一生いられるわけだし、時間の余裕を持って行ってください。
僕はエルメス滞在時間最長記録樹立しました。今のところ予約不要です。
7月18日まで。こちら
こちらの映像もぜひ。




「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」@ 資生堂ギャラリー
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お近くの資生堂ギャラリーでは椿会展が開催中です。
3年毎にメンバーを替えながら続いていて、8次のメンバーは杉戸洋、中村竜治、Nerhol、ミヤギフトシ、宮永愛子、目と僕が好きな作家揃い!
初年のテーマは「触発」で、これまでの椿会の作品を各作家が選んで自身の作品とコラボレーションするというものでした。
これは、このパンデミックにおいて再考されてるコレクションを資生堂ギャラリーにおいてもこの椿会で再考していこうというもので、これまでの椿会で発表されてた作品をコレクションしていたんですね。知りませんでした。
今回の6名の作家が選んだのは、伊藤存(ミヤギ)、三輪美津子、内藤礼(中村)、畠山直哉(杉戸、宮永、Nerhol)、青木野枝(宮永)、赤瀬川原平(目)という感じで、会場は錚々たるメンバーのグループ展と化してます。
ちょっと雑多な印象も否めないのですが、今回目が入ってるせいで、どれもこれも目の仕業なんじゃないかと勘ぐってしまいました笑
そして案の定目の作品は口外無用で、監視のおじさんに色々教えて頂かなければ気づかなかったことも多々。。。
辛抱強く見続けてみてください、としか言えない笑
こちらも予約不要です。8月29日まで。


他に最近観た展示たち>>
海老原靖「Garden -隙間をうめること」@ KEN NAKAHASHI
Koji Honda | Shohei Yoshida “Trans-Siberian Railway” @ (PLACE) by method
「Try the Video-Drawing」@ TAV GALLERY
「北井一夫 / 柳沢信」@ Yumiko Chiba Associates
居場所はどこにある? @ 東京藝術大学大学美術館 陳列館
still life 静物 @ Gallery Koyanagi

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KARMAN STUDIO

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ロンドン時代からの友人で建築家の中畑昌之君が自身の事務所を改組しました。
それに際して、恐れ多くもウェブサイト制作に携わらせていただきました。
ぜひ覗いてみてください。

http://karmanstudio.net


そして、去る3月には、浜松へ彼が手がけた渾身の自邸にお邪魔してきました。

浜松駅から車で10分ほど走っていると、国道沿いに明らかに異質なコンクリートの塊!
近づいてみると、様々な仕上げがしてあって、ラフな部分とスムーズな部分、そして上のスタッコ仕上げのような部分があります。

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中に入るとびっくり。
外からの閉じられた印象とは真逆の開放感。
この開放感は何と言っても天井のアーチ越しに入ってくる天窓の光。
このアーチは5つあって、どれも高さが微妙に違っています。
中はほぼワンルームですが、その差異によって微妙に空間の領域が分けられています。

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壁に取り付けられた扉の裏側に色が塗られており、その色が外の光で漏れる様も美しい。
これはマティスの教会をイメージしたのだそう。
ロンシャンの教会も彷彿とさせますね。

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思わず教会という言葉が出ましたが、この建物には教会の持つ威圧感は全くありません。
不思議とこの中にいると落ち着くんですよね。
まるで海中にいるような気分になります。
敷地も国道沿いにあって、結構忙しなく車の往来があるのですが、音もほとんど気になりません。
この建物は「空蝉の家」と名付けられています。
この建物の中にいると、「空間」というより「環境」という言葉がしっくり来ます。
それはいい意味で空っぽ(=空蝉)に作られているからなのでしょう。
今後、この建物は、子供が出て行くなどの変化もあるだろうけれど、その変化も柔らかく捉えながら普遍的にこの場所にある気がしてなりません。

中畑君とは出会ってもう15年にもなりますが、一緒にコンペに挑んだりと戦友のような気がしています。
そんな彼が自邸を建て、節目のウェブサイトに関わらせてもらえてなんだか感慨深いです。
彼の作った「KARMAN STUDIO」のKARMANとは、大気と宇宙の間にあるKármán lineという言葉から来ているそうです。
彼の建築は、意匠云々以前に、現象のような感覚を以前から覚えていました。
そんな彼の事務所の名前を初めて聞いた時、とてもらしい名前だな、と感心しました。
今後も期待しています。

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