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休業延長と玉井健二個展「UNDER WATER」開催のお知らせ

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緊急事態宣言延長により6/20(日)まで臨時休業となります。

また、6/21(月)より玉井健二個展「UNDER WATER」を開催します。

玉井健二個展「UNDER WATER」
2021年6月21日(月) - 7月19日(月祝)
時間未定 木曜休
ワンドリンクオーダー制

*感染症対策にご協力下さい。

museum as it is

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昨年10月、目白にあった古道具屋が47年の歴史に幕を閉じました。
古道具坂田。
村上隆も師と仰ぐ古道具界のレジェンド。
古道具という概念を作った人ですね。
骨董ではなく古道具。
それまで見向きもされてこなかった使い古され、朽ちてボロボロになったものたち。
それらに光を当てたのが店主の坂田和實さんです。
芸術新潮に連載されていた「ひとりよがりのものさし」は名著中の名著。
侘び茶の千利休、民藝の柳宗悦、古道具の坂田和實。
僕も古道具に興味を覚えた時に知り、目白のお店に足を運びました。
そんなレジェンドなので、かなり緊張して入ったのですが、とても物腰柔らかな方で驚きました。
結局その時は古道具は買わずに、2012年松濤美術館で開催された展覧会のカタログを買いました。
そんな坂田さんが1994年に開いたのがmuseum as it is。
設計は中村好文。
僕もいつか必ず行きたいと思いつつ、相当辺鄙なところなので足踏みしておりました。
そしたらなんと今年の9月に閉館のお知らせ。。。
これは行かねばということで、重い腰を上げて行ってまいりました。
車の運転も4年ぶりでしたが、田舎道ならということで、千葉県は茂原駅のレンタカーを借りて。
なんとか辿り着いたそこは想像を超えて山奥でしたw

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静かな環境の中ひっそり佇む建物。
全体的に角のないデザインで、坂田さんの人柄が顕れる建築。
最後の展示はほとんどものがなく、空間を見せるものでした。さすが。
最後にコーヒーもいただいて、とても豊かな時間を過ごせました。来られてよかった。。。
閉館日は9月26日。土日のみ開館。是非この環境で見て欲しい。こちら
閉館後は、なんと陶芸家の安藤雅信さんがやってる岐阜県多治見にあるギャルリももぐさに移築されるとのこと!
ももぐさも一度行ってみたい場所なので楽しみです。こちら


museum as it isから車で15分ぐらいのところにAPOLOGIAという古道具屋があります。
ここも前から行ってみたかったのですが、これまた場所が異常に辺鄙な上、開いてるのが稀!
なんかこのエリア難易度高すぎ笑
この日はやってたので行ってみました。
元米の倉庫を改装したというその建物は改装され美術館のようでした。
店主の田口雅啓さんは松濤にあるDOUGUYAの人だったんですね。こちら
なんでまたこんなところに。。。聞きたいことだらけでしたがやめときましたw

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あと関係ないけどせっかくなので。
先日福岡行った時に向かった宮若市のうつしき
ここも相当辺鄙だった。。。
現地の方に車出してもらってようやく行けた。。。
こういう古店全国に何軒かあるんだけど、マジで経営とかどうなってるのかしら。。。
そこで謎のインドのブリキのバイクのおもちゃ買いました。

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エントランス・ギャラリーvol.2 清水裕貴 @ 千葉市美術館

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リニューアル後の千葉市美術館初訪問。
お目当ては清水裕貴さんの展示。
新しくなった1階のショップ内の展示で、ノイズの多い空間ながら清水裕貴ワールド全開でした。
プロジェクターからは眠りに関する意味深な言葉たち。
奥の展示室では、アーサー・C・クラークの「2001年宇宙の旅」とJ・G・バラードの「沈んだ世界」の文庫本が並べられ、日常の写真とSFが交差する不思議な雰囲気を醸してました。

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また、7、8階ではタイガー立石展が開催中。
凄まじい規模で疲れました。。。
新しくできた5階の常設展示室も、銀座にあったサトウ画廊のコレクションが見応えありました。
清水裕貴展は終わってしまいましたが、タイガー立石展は7月4日までやってます。こちら

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千葉は、市原湖畔美術館にも行きました。
前から行きたかった美術館で、本当は秋にやる戸谷成雄展に行きたかったのだけどタイミング合わず。
今は「Artists’ Breath―コロナ禍の中、アーティストはいま」という展示がやってるけどよくわからなかった。。。
美術館も元の建物を改修して、荒々しい感じになってたけど、あまり好きじゃなかった。。。
せっかく行ったので上げときます。こちら

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佐藤雅晴 尾行 存在の不在/不在の存在 @ 大分県立美術館

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この旅最大の目的、2019年に亡くなった佐藤雅晴さんの展覧会です。
水戸芸術館にも回ってくるんですが、磯崎新より坂茂の空間で観たかったし、大分は佐藤さんの故郷なので、距離とか考えてもどうしても大分県立美術館で観たかったのです。

入っていきなり彼の代表作でもある「東京尾行」(2015-16) からスタート。
冒頭からやられました。
2015年の原美術館での個展で発表され、今年になってその歴史に幕を下ろした原美術館の最後の展覧会にも出品されていました。
光ー呼吸 時をすくう5人 @ 原美術館
無人のピアノの奏でるドビュッシーの「月の光」が会場に響き渡ります。
12のモニターには一部だけがアニメーションになった東京の日常が映されています。
この展覧会のタイトルにもなってる、「存在」と「不在」がまっすぐ届く作品です。
それまでの佐藤さんの作品は、これ以降も出てきますが、ロトスコープという実写映像をトレースするという方法を用いて、全てアニメーション化されていました。
しかしこの作品では一部のみがアニメーション化されることによって、より「実在の不在化」を実現しています。
例えばアイスクリームをほうばる女性のアイスクリームの部分だけがアニメになることによって、それまで映っていたであろうアイスの触感や味覚はアニメのフラットさに変換されることにより消失します。
面白いのが、それが「生命を与える」という意味のanimateからくるアニメーションによって、生命感を奪っているのが印象的です。(さらに遡るとanimateの語源であるラテン語のanimaには生命や魂という意味があります)

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次の部屋ではドイツ時代の初期作品が並びます。
個人的にはフォトデジタルペインティングを用いた平面作品群は初めて観ました。
平面作品はシュールレアリズムが色濃く出ていて興味深かったです。

「Call」(2009) /「I touch Dream #1」(1999) /「Coffee」(2009)
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「Clearman」(2009) /「TRAUM」 (2004-7) / 「Hair」(2009)
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「Silent」(2010) / 「Reading」(2010) / 「Flower」(2010)
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続く「アバター11」(2009) は、11のモニターにそれぞれ人の顔が振り向くというだけのアニメーションがループで流れるんだけれど、これが非常に怖い。
首は昔から魂の在り処と考えられていて、武将が首をとるのは魂を奪うという意味もあったそうなのだけど、その魂の在り処である首だけが動いている映像群は魂があるのかないのか、実在と不在をこれまた行き来しているようで不気味でした。

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続く「バインド・ドライブ」(2010-2011) の車と体育館、「9 holes」(2012-13) のエレベーターが、代表作でもある「Calling」(2009-10/2014)にも出てくることが見られたのは面白かった。
佐藤さんの場合、活動期間が20年弱しかないので、こうして通して見た時に作品の発展が非常にわかりやすく見られて印象的でした。
そして改めて「Calling」はすごい作品だなぁと。
電話というのは、電話を取る人とかける人がいるわけだけれど、どちらも可視化されず、電話が鳴るところだけ見せられると、その不在に観客は想像力を掻き立てられる生理みたいなものを非常に巧みに作品化されてる。
それは後に続く「ダテマキ」(2013) もそうで、機械でダテマキが作られる7つの工程をアニメーション化されてるわけだけれど、周到に最後の人間の手がそれを巻く8つ目の工程は省かれていて、人間不在のまま機械だけがただただ動く様を、しかもアニメーションで見せられる。
充実ではなく不足がいかに想像力の着火点になりうるのかを思い知らされる作品たちです。
その究極が「東京尾行」の姉妹作品とも言える「福島尾行」(2018) で、人間は作業員以外ほとんど出てきません。
さらにそこに音の鳴らないピアノが奏でる「月の光」が加わることで、「非在」まで極まる。
この展覧会は冒頭の「東京尾行」の「月の光」から「バインド・ドライブ」の演歌「絆」など、所々で音が鳴り響いていて、会場中でその音が混ざるんですが、最後の最後にその音まで消えてしまうなんて。
最後は遺作となった初の絵画作品「死神先生」(2018) で展覧会が終わる。
最後の最後には、数字が剥がされ最早時を刻まない時計「now」(2018) が掲げられてエピローグ。
この流れは出来過ぎなぐらい美しかった。
ぜひ彼の故郷大分で観られる人は観て欲しいです。6月27日までなんと無休!こちら
大分まで行けない人は11月30日からの水戸芸術館で。こちら

「バインド・ドライブ」(2010-2011)
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「Calling」(ドイツ編 2009-10 / 日本編 2014)
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「ダテマキ」(2013)
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「福島尾行」(2018)
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「死神先生」(2018)
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「now」(2018)
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大分県立美術館(OPAM) by 坂茂

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旅の最大の目的。
現時点で坂茂の国内最大建築(多分)。
先日泊まった山形県鶴岡のスイデンテラスが最高過ぎたのでかなり期待して行ったらそこまでの感動はなかった。。。
何だろう、もう少し暴れて欲しかったな、という印象。
美術館という特質上、あくまで展示がメインなので、一歩引くという姿勢は素晴らしいのだけど、それにしても綺麗に収まり過ぎてはしないか。。。
坂さんお馴染みの紙管のレストランや木組み、折り畳みガラスウォール等も顕在なんだけど何だか物足りなかった。。。

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アートプラザ(旧大分県立大分図書館) by 磯崎新

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まさかこのブログで磯崎新を単独で取り上げる日が来るなんて。。。
正直個人的にほとんど興味のない建築家です。。。
彼の建築の何がいいのか全くわからない。。。
むしろ彼は論客としては非常に優れています。僕が今更言うまでもないですが。
彼の書いた「建築の解体」なんかは非常に重要な書物だし、そこから「アンビルト」と言う言葉を生み出し、ザハを見出し、せんだいメディアテークで伊東豊雄を選んだのも彼。
彼の審美眼や論は素晴らしいのだけれど実作がどれも微妙。
昔おすぎが水野晴郎のことを暗にほのめかしつつ「映画批評家が映画撮っちゃダメ」と言ってたけど、批評できたら創作できるかっていうとそうでもないんですよね。
まあ、冒頭からこき下ろしてますが、ほとんど期待もなく、まあ彼の地元の代表作だしってことで見てきたんだけど案外良かった(上から)
磯崎新初期作に表れる謎の筒やら色々過多ではあるけど、半世紀以上(1966年竣工)経った今見ると遺跡っぽくて神々しさすらありました。
ちょうど、というかずっとやってるのかわからないけど磯崎新展もやってました。

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ついでに市内にあるもう一つの初期作岩田学園(1964)も見てきました。
まだ現役で使われてる学校で、行ったら生徒たちがわんさかいたので怪しまれないようにさっさと撮影w
これも遺跡のような佇まい。

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あと、全然関係ないんだけど、福岡で泊まったホテル・イル・パラッツォが磯崎新と同年のアルド・ロッシが手がけたってことで無理矢理ここに載せときます。
1989年竣工のデザイナーズホテルの先駆けと言われていて、当時は倉俣史朗やエットレ・ソットサスが手がけたバーなんかもあったらしいけど今はありません。
部屋の内装も当時とは違うみたいだけど、もうラブホみがすごいw
全体的にバブリーですが、値段はデザイナーズホテルにしては安いです。
場所も中洲に近いし博多で泊まるならオススメ。こちら

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House N by 藤本壮介

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大分へ。
まずは藤本壮介の代表作。
個人邸なので住所非公開ですが、気合いで探しました。google mapで!
再春館のこともあるので、ほぼ歩みを止めることなくささっと撮ってきました。
まあ、そもそも行くなよって話なんですが。。。
で、さらにあんまりだったっていうね。
伊東さんも行ってたけど、藤本さんの建築って1/1模型なんだよなぁ。
なんか実物みてもそのダイナミクスが伝わらないというか、ふーんって思っちゃう。
結構無茶やってるのに不思議なんだけど。という感想でした。

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再春館レディース・レジデンス by 妹島和世

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妹島和世の初期の代表作!
この建物で一躍注目を浴びましたね。
西沢さんの最新作と妹島さんの初期作が同時に見られるなんてすごい場所だよ熊本!

もう30年前の建物なので、SANAA建築あるあるの朽ちて汚くなってるのではという心配はありましたが、多少の劣化はあるものの思っていたより綺麗でした。
岐阜のIAMASがあまりにひどかったので。。。
メンテナンスが行き届いてるのかもしれません。
「美」を売ってる会社の寮が汚かったら説得力ないですもんねw

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異素材の組み合わせが面白かったです。
あとびっくりなのが、「くまもとアートポリス」の一環ということもあってキャプションが付いてた!
建築にキャプションが付いてるのすごい。
これ全有名建築につけてほしい笑

ところで、興奮して写真撮りまくってたら、コンビニから出てきた人に話しかけられました。。。

「あのぉ、ここの住民なんですが何かありましたか?」

ただの建築フリークなんですごめんなさいと謝り倒しました。。。
中が見たいとこんなことしてたらそりゃ警戒しますよね。。。
女子寮だということをすっかり忘れておりました。。。ごめんなさい。。。
ちなみに話しかけてきた方はどえらいお美しい方でした。。。!

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熊本駅東口駅前広場 by 西沢立衛

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九州へ行ってまいりました。百合子様に怒られちゃいますね。。。
福岡、熊本、大分と回ってきたのですが、福岡は3年ぶり、熊本は16年ぶり、大分に至っては小学生の家族旅行以来となりました。
まずは熊本。
16年前、このブログを始めた頃に行ったのですね。こちら。若い!

最初の目的は熊本駅東口を出てすぐにある西沢立衛による屋根!
ちょっと前までは「しゃもじ」と呼ばれていた屋根があったのですが何故か撤去され、つい先日新しい屋根が完成したそうです。こちら
撤去理由は、「2017年の熊本地震の教訓から広場のレイアウトを見直す必要性が生じた」とのことですが、新たに駅をデザインした安藤忠雄が撤去させたのではと勝手に妄想してますw
そう、新しい駅は安藤忠雄なんですが、こちらは特にノーコメント。
新屋根は「羽衣」のように宙をたゆたうようで、2009年のサーペンタインを思い出します。こちら
先日訪れた庄銀タクトも屋根が特徴的ですが、すごく重い印象。
対してこちらは本当に屋根だけなので、純粋にデザインできてる感じがします。
上から見ると無骨な感じですが、真価は屋根の下に入ってみるとわかります。

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うーん、いいですねぇ。反射が美しい。
この日は雨だったので普通に助かりましたw

ちなみにこれは伊東豊雄さんがコミッショナーを務める「くまもとアートポリス」の一環だそう。
パートナーの妹島さんはこの後紹介する「再春館製薬女子寮」を1991年に同事業により建ててます。
コミッショナーの伊東さんは1991年に八代市立博物館を建ててます。
本当はそれも観に行きたかったんだけどコロナにより休館してた。。。
そんなとこ誰も来ねえだろうが!!とは口が裂けても言えない。
現代美術館も休館で、現代美術なんて誰も観ねえだろうが!とは(略)


ところで先日うちの店の近くの新宿5丁目にコスメの店ができて、何故か1階が西沢立衛デザインらしい。
コスメなので中は入れなかったけれど、外から。詳しくはこちら

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休業延長します。

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緊急事態宣言延長に伴い、引き続き5/31(月)まで休業延長します。

OGATAYAMA

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一昨年ぐらいにお客さんから聞いてずっと気になってた建築がありました。

「OGATAYAMA」

個人邸らしいのだけど、見学ができて、なんだったらご飯も頼めて、一日過ごせるらしい。。。
そのお客さんは実際一日そこで過ごしたらしい。
仙台の郊外、というか山奥にあるらしいと聞いていて、いつか!と思ってました。
そしてそのいつかが来ました!

僕が行く日はポップアップショップがやってて、普段の建築ツアーがなかったのだけど、まあそっちの方が気楽かな、とも思い申し込みました。
仙台駅から南北線の終点「泉中央」まで行き、そこから「泉岳自然ふれあい行」のバスに乗り、フリー乗降システム(言ったところで降ろしてくれる!)で「カフェモンタナ前で」と運転手さんに告げ、半信半疑のままバスに揺られること40分。本当にカフェモンタナの前で降ろしてくれました。
そこから車で迎えに来てくれるということなんだけど、これがその風景。不安しかない。

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やーーー、この感覚!!
ズントー巡りとかしてる時のホンマかいなっていう感覚久々に味わいました。
日本でこれが味わえるとは!刺激的!
とりあえず待ち合わせの時間まで待ってみるも車は来ず。。。
そこから10分して歩こうかと思い立ったところに来てくださいました!
車でこんな道!?ってとこ通り抜けながら10分弱。
ようやくたどり着きました!!!
ご覧ください!!
これが「OGATAYAMA」です!!!

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お分りいただけるでしょうか、このすごさ。。。
遺跡!?のような感覚というか。
ポップアップの方にこの建築の主である尾形さんがいらっしゃったのでお話を聞くと、建ったのは3年ほど前で、最初はミースのファンズワース邸のようなガラスの矩形で考えてたけど、段々この自然に合わせるように洞窟のようなものになっていったのだとか。
この尾形さんというのは家具や内装を中心にデザインされてる方で、実際この家の奥には工房もあったります。
その尾形さんが自らデザインされたのがこの「OGATAYAMA」だそう。
最近になって新建築でも取り上げられたけど、それは誤情報だそう。
新建築には「House O 設計:アトリエ海」となってるんだけど、実際の設計は尾形さん自身らしい。

それにしてもこのセルフビルド感すごい。。。
このコンクリの表面が異常なんですよね。
なんでも、工法的には盛り土でドームを形成してそこにコンクリを流すのがシンプルなんだけど、これだけの土を運び込むのが場所的に大変なので、足場を組んで、その上に土を持って、さらにその上に布やらアルミ板やら土囊袋を被せてコンクリートを流し込んだためにこんなテクスチャーになったらしい。
最終的にその布とか剥がすの超大変だったらしい笑
土囊袋の印刷まで転写されててその大変さはなんとなく分ります笑
ちなみにこの工法、石上純也や西沢立衛にも伝授したそうです。。。

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やー、本当にすごかった。。。行けてよかった。。。
普段は建築ツアーもやってくれるみたいです。
現在コロナで1日1組の予約のみです。こちら
仙台からかなり遠いけれど建築好きはぜひ行くべし!
ちなみにバスが相当ないので車があればベター。
帰りは歩いてモンタナまで行って時間を潰して帰りました。。。
それにしてもモンタナもシュールだったなぁ。。。

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ところで仙台では聖地せんだいメディアテークへ。
残念ながらまん防により閉まってましたがファサードだけ拝ませていただきました。
今年でちょうど20年なんですね。感慨深い。。。

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東北旅は以上!
来年は青森行かねば!

土門拳記念館 by 谷口吉生

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以前から行きたかった酒田にある土門拳記念館。
写真の講義をやってたこともあり、行くタイミングとしてはバッチリでした。
しかもちょうど亀倉雄策との二人展が始まってて最高でした!
二人は戦前日本工房で一緒だったんですよね。
その辺の詳しいことは僕の講義聞いてください笑 こちら
亀倉の代表作であるオリンピックや広島のポスターも観られて、土門の「筑豊のこどもたち」などの代表作も観られてラッキーすぎた。

そして、この建築。
1983年開館で、僕と同い年なんですよね。
谷口建築のすごいところは、年月を経ても全然汚くならないんですよ。
しかもこんな雪国なのに。。。アラフォーでこの美しさは異常。どうなってるんだ???
SANAAの90年代の建物とか見れたもんじゃないんだけど。。。
直線のみの神殿のような造りですが、嫌なモダニズムを感じさせないのもすごい。
そして写真に撮るといちいちきまるんですよね。
谷口吉生。本当に異常な建築家だな、と改めて思いました。。。

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ちなみに酒田は鶴岡から電車で30分ほど。
さらに土門拳記念館は酒田駅からバスで20分ぐらいのところにあります。こちら

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ところで酒田にはケルンというバーがあって、井山さんという90歳を超えるバーテンダーの方が作る「雪国」というカクテルを飲みたかったのです。
映画になる程世界的に有名なスタンダードカクテル。
ご存命のうちにどうしても飲みたかったのですが、行ったら閉まってた号泣
コロナだし、仕方ないですね。。。
あぁ、のみたかったよーーー

スイデンテラス by 坂茂

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鶴岡最大の目的は坂茂設計のホテル、スイデンテラスです!
名前の通り水田の上に建つホテル。
鴨もいます。

とりあえず周囲をぐるっと。
周囲は本当に何もなくて、よくこんなところに建てようと思ったな、と。
実際駅から歩くと30分弱かかります。。。
ドームは温泉。
遠くには雪をかぶった月山が見えます。美しい庄内平野。

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全体の構成はこんな感じ。
メインの共用棟があり、ここにフロントやライブラリー、ショップにレストランがあります。
そこから渡り廊下で宿泊部屋のあるG棟、H棟、Y棟へ。(何でABCじゃないのか謎)
G棟には図書室やバーがあり、温泉に繋がってます。

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中へ。坂茂ワールド全開!!!
受付の鍵ボックスが紙管でかわいい!!!

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一寸の隙もなくデザインされてる。。。
素泊まりだったのでレストランは外から笑

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ショップとライブラリー、からのテラス。

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お宿はH棟。共用棟から渡り廊下で。

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お部屋。入った途端に声が出ました笑 最高!!!
ねえ、これで素泊まりとはいえ7560円って安すぎません????

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この値段で温泉も付いてます。水田越しの夜風に吹かれながらの露天風呂最高でした。
てことで温泉のあるG棟へ。こちらには図書室やバーもあります。
図書室の選書も素敵。
バーはセルフ式なので少し残念でした。。。

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夜。美しすぎる。。。。。

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本当に最高でした!!!
駅から少し遠いのが難点ですが、それを差し引いても最高。
そもそもデザインホテルでこの値段はすごい。。。
また泊まりたいホテルです。オススメ!こちら
建築も素晴らしかった。
スイスにできたSWATCHの本社ビルとか豊田にできる博物館とか最近の坂さんノリにノってますね。
富士宮にある静岡県富士山世界遺産センターも行ってみたい。
今月は大分県立美術館に行くので楽しみです。

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庄銀タクト鶴岡 by SANAA

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突然思い立って先月山形に行って来ました。初山形!
それも山形市はスルーで日本海側の町、鶴岡と酒田です。
鶴岡での最初の目的はSANAAによるこの会館です。
この10年ぐらいSANAAは屋根の造形に力を入れてる感がありますが、その極め付けな感じがします。
ぱっと見ゲーリーに見えなくもない造形です。
でも正直イマイチでした。。。
ゲーリーやOMAのような突き抜け感が足りないんですよね。。。
後、SANAAの時折見せるプレハブ感が好きじゃないです。
屋根の裏側の感じとか、中のように木で連続させられなかったのか。
無理矢理ひねってる感がすごくて、エレガンスに欠けるというか。。。
まあ、見られてよかったですが。
ちょっと最近のSANAAは今ひとつピンと来ないですね。

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SLEEP マックス・リヒターからの招待状



「SLEEP」が映画になる!
半年ほど前に噂で聞いてびっくりしたのを覚えてます。
「SLEEP」とは、イギリスの作曲家マックス・リヒターが創り出した8時間にも及ぶ音楽。
眠りに着目し、眠りながら聴くという前代未聞の作品。
初めてスティーブ・ライヒの「Music for 18 musicians」を聴いた時もびっくりしましたがあれで1時間ですもんね。
まあ、ジョン・ケージの「As Slow As Possible」は639年ですがw こちら

さて、マックス・リヒターですが、「ポスト・クラシカル」と呼ばれてるそうです。
僕が初めて彼の音楽を聴いたのは、映画館でウェイン・マクレガー演出のロイヤル・バレエを観た時。
ヴァージニア・ウルフの生涯をテーマにしたその演目の音楽を担当していたのが彼でした。
ダンスももちろん素晴らしかったのだけど、もう音楽が凄すぎて泣きました。
クラシックっぽいのから電子音楽まで幅広い楽曲で、この音楽作ったの誰!?となりました。
そこから調べ始めると、「SLEEP」という音楽があることを知りました。
想像を遥かに超えた音楽家なんだとその時に知り、そこからウルフの「Three Worlds」、「Infra」「The Blue Notebooks」を買い集め、ついに「SLEEP」も買いました。
その日から眠る時にその音楽を流しながら寝ました。
もう心地よすぎて最高でした。

さて、その映画。
公開が楽しみすぎて初日に映画館へ。
初日にも関わらずガラガラ。。。まあ、マニアックすぎるよね。。。
映画が始まる前から劇場ではすでに「SLEEP」が流れていて、客席も暖かいし始まる前に寝てしまいそう。。。

8時間もある音楽をどうやって映画の尺に収めるんだ!?と思いながら観始めてびっくり。
「SLEEP」のライブ映像はもちろん、観客の声、マックスの半生とその妻ユリア・マールとの絆。
たった99分の中に、余すことなく情報が入っているんだけど、全く過多になってない!すごい!
監督はナタリー・ジョンズ。
恥ずかしながら存じ上げなかったのだけど、素晴らしいドキュメンタリーだった!!
楽しみにはしてたけど、ここまでいい映画だとは!DVDになったら絶対買う!

映画の中で、この曲が睡眠科学に則って緻密に作られてることを知りました。
低周波から覚醒に近づいていくにつれて高周波へ。
そんな構成知らずとも、この曲、本当に美しい曲なんですよ。
科学と美しさを両立させるなんて、やはり只者ではありません。

映画の白眉はなんといってもライブの映像。美しすぎて泣いた。
会場に各々が枕や寝袋を持って集まってくるのとか尋常じゃない。
会場にはそれぞれ席ではなくベッドが用意されてて、そこで各々が「8時間の子守唄」を聴きながら、寝るもよし歩き回るもよしの完全な自由を与えられる。
やがてステージにリヒターが現れ演奏がスタート。
観客は次々と眠りに落ちていく。
片や音楽家たちは1度始まると演奏を止めることができないので気が全く抜けない。
どういう集中力を持ち合わせてるんだろう。。。休憩があるとしても凄すぎる。。。
そして、この「SLEEP」は、音楽という概念を遥かに超えて、人々の連帯を創造しているのが、映像からありありと伝えられる。
見知らぬ同士がすぐそばにいるのに、この音楽によって無防備にその眠りを晒している。
これは本当にすごいこと。
特にメインとなってるLAのグランドパークで開催されてるライブ映像はすごい。
周囲はビルに囲まれて、夜風に吹かれながらの鑑賞。気持ち良さそうだなーーー!!
あとはシドニーのオペラハウスも外はすぐ海でしかも豪雨が降ってる!とか、アントワープの聖母大聖堂とか会場がいちいち素晴らしい。
ちなみにオペラハウスのライブはテレビで生中継されてて、その動画がアップされてます。消されるかもしれませんが一応リンク貼っておきます。こちら
実は日本でも一昨年のライブは当初「SLEEP」を演奏する予定だったらしい。。。!!!!
なのに主催者側が直前になってキャンセルしてしまったとか。。。
まあ、そのライブはライブで良かったのだけど、「SLEEP」やってほしかった。。。(その時の記事はこちら
パンフレットのインタビューで、リヒターが直島でやりたいと言っててマジで実現してほしい!!
コロナで実現は遠いけれどいつか。。。

映画を通して素晴らしい体験をお裾分けしてもらいました。
また「SLEEP」聴きながら眠ります。
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