【オンライン配信】現代アートのたまり場 Vol.3のお知らせ

9月より毎月第一日曜に開催される「現代アートのたまり場」のvol.3が11/1に開催されます。
参加希望の方は以下のリンクからチケットをご購入の上ご参加ください。
https://peatix.com/event/1669330
◉現代アートのたまり場について
世界的に大ブームとなっている「現代アート」。
そのブームに合わせ、世の中には「現代アート」に親しむ為にアートを体系的に理解することが出来る様々なアートの入門書や講座等が開かれています。
そんな中で、この「現代アートのたまり場」は、美術家であり、新宿三丁目にあるアートライブラリーカフェバー「A'holic」の店主である森川穣さんによる、初心者からアート好きまで誰でも楽しむことが出来るアート史講座と、そこに集まった人たち同士でアートに纏わる事や世間話を気軽に行うことが出来るテーブルトークが合わさったイベントとなります!
これからアートを知りたい方々が楽しんで参加していただけるような、「現代アート入門」にもぴったりな内容となっておりますので是非お気軽にご参加ください。
さて、第三弾である今回のテーマは、「ニューヨークがアートの中心になった理由」です。
前回までは日本アート史を遡って来ましたが、ついにアメリカ編に突入します!
“アートといえばニューヨーク”そんなイメージを持っていませんか?
今やニューヨークと言うと、大型の彫刻作品やポップアート、巨大なアート市場等様々なアートの舞台となっているイメージですが、そもそも何故ニューヨークがアートの中心になったのか、という部分についてはあまり語られていないかもしれません。
それまでパリにあったアートの中心がいかにしてニューヨークへ移ったのか、歴史を紐解きながらその理由と変遷を探っていく事で、現代アートの文脈を理解していく1つのきっかけ作りになればと思います!
現代美術が気になっているけどとっつきにくいと思っていた方、とても良い機会となりますので、是非ご参加ください!
◉A'holicについて
2019年4月に新宿三丁目にオープンしたアートライブラリーカフェバー「A'holic」。現代美術のカタログや創刊号(1948年)からの美術手帖などアート関連書籍を中心に、建築やファッション、舞台などにまつわる書籍1,000冊に囲まれながら、珈琲やアルコールが楽しめる。
◎こんなヒトに来て欲しい
・現代美術が気になっているけどとっつきにくいという方
・ビジネスや暮らしのヒントのためにアートの世界に触れてみたい方
・現代アートに親しむきっかけを掴みたい方
・アート、カルチャーに興味、関心がある方
・これからの暮らしについて考えたい方
・A'holicが気になっていた方
◎イベント概要
【日時】
2020年11月1日(日)20:00~22:00
【定員】
20名
*定員に限りがございますので、お早めにご注文願います
【参加費】1000円
【申込方法】https://peatix.com/event/1669330
*peatixチケットサイトが支払い窓口*
【主催】
YADOKARI株式会社×A'holic
◎スケジュール
19:55 チェックイン
20:00 全員で自己紹介(テーブル分け)
20:30 アート史講座
21:30 質疑応答・テーブルトーク
22:00 完全終了
◎今回のスペシャルゲスト
森川穣
美術家/A'holic店主
1983年生まれ。美術作家。
京都精華大学卒業後渡英しロンドン大学チェルシーカレッジにて大学院資格過程修了。
帰国後京都にてアーティストランスペースstudio90を開設。
国内外で展覧会やキュレーションを行う。
主な展覧会に「確かなこと」於京都芸術センター(2010)、「das licht」於Galerie zur Matze(2015)等
2019年4月に、アートライブラリーカフェバー「A'holic」をオープン。
http://minorumorikawa.com
◉ファシリテーター
伊藤幹太
YADOKARI株式会社
1995年生まれ。中央大学総合政策学部卒。2019年よりYADOKARI にジョイン。プロデューサーとして、町田市「芹ヶ谷公園 芸術の杜プロジェクト」や「町田シバヒロ」プロジェクト等の他、様々な企画プロデュース・まちづくり支援などを行う。横浜にある自社施設Tinys Yokohama Hinodechoではフードとイベントのプロデュースを担当。様々なクリエーターや現代アーティストと共に、主に食やアートを通じたコラボ企画を多数実施。日ノ出町・黄金町のまちづくり・ブランディングに携わっている。
生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙 @ 東京都庭園美術館






















庭園美術館で始まった「生命の庭」展に行ってきました。
好きな作家ばかりでかなり期待してましたが、それをさらに上回る内容でした。
ここで観た展覧会でベストだったかも。
何がよかったって、どの作家も見事にこのアール・デコ建築に寄り添いながら、空間と見事なコラボレーションを果たしていて、作家同士も邪魔することなく混ざり合いながら一つの調和を完成させてました。
作品数もかなり多いのにも関わらず全くストレスがなく観られます。
前からブログで言ってますが、僕は一人の作家が突出してしまうグループ展は失敗だと思ってて、作品同士がまるでバトンを渡しあうように一つの連関を成す展示が理想で、まさにこの展覧会は後者。
最後の最後に浅井さん、小林さん、加藤さんのコラボが観られるのも最高でした。
それにしても加藤泉さん、どんどん自由になっててすごすぎる。
写真撮ってないけど、入り口にあった虫のおもちゃが引っ付いたやつとか、飛行機くっついてたりとか。。。
3年に一回ぐらいしか開くことのないと言われた金庫にあったのも最高だった。
そして小林正人さんの作品も最高すぎた。
こんな不調和な形をした絵画を美しいと思わせてくれる絶妙なバランス感覚。
青木美歌さんのガラスの展示も素敵だったし、今年に若くして亡くなってしまった康夏奈さんの作品も初見でしたが素晴らしかった。
ご縁あって、最近康さんと親しかった方と最近知り合う機会があり、余計見入ってしまいました。
ものすごくいい展覧会だったので会期中もう一度行きたい!来年1/12まで。こちら。
カフェでは、各作家の作品をイメージしたケーキも出てます。僕は志村さんのケーキを頂きました。うまかー!
次回は違うケーキ食べたいし、カタログも欲しい!!
ケリス・ウィン・エヴァンス展 @ ポーラ美術館





GoTo使って箱根の高級旅館に泊まってきました!!!GoTo一生やってくれ。。。
それはともかく、初めてポーラ美術館と彫刻の森も行ってきました。
ポーラではケリス・ウィン・エヴァンス(名前覚えられない...)の展示がやってたんですが、ほとんどの人は「モネとマティス -もうひとつの楽園」が目的で、ケリス展は自分にしか見えてないんじゃないかというぐらいスルーされてました笑
とはいえ「モネとマティス」展やはり素晴らしかった。。。
マティスはもちろんのこと、モネの狂ってるとしか思えない水面の作品とかも良き。
それに比べてケレス展はそりゃスルーされるよってぐらい作品が難解。。。
カルダーのようなモビールからかすかに音が鳴ってたり、マラルメの詩の一部を切り取って裏返しに額装してたり、デュシャンの「独身者」の一部を蛍光灯で表現して見せたり、森の中に光の速度をこれまた蛍光灯で書いてみせたり。。。
僕的にはその森にあったスーザン・フィリップスのサウンドインスタレーションが白眉でした。
生憎の雨模様でしたが、より神秘的に響いて最高でした。
昨年、音をテーマにした「シンコペーション」展の時に購入した作品だそうですが、11月いっぱいで撤去されちゃうそう。勿体無い。。。こちら。
ところで先日ポーラはリヒターの作品を30億円で購入したことが話題になりましたが、公開されたらまた来たいかも。。。コロナ禍で各美術館予算減ってるというのにすごいですよね。。。こちら。
ちなみに彫刻の森は特に感動もなく。。。でした。。。
他に最近観た展示>>
石元泰博 @ 東京オペラシティアートギャラリー
生誕100周年 石元泰博写真展 @ 東京都写真美術館
オノデラユキ「TO Where」@ Yumiko Chiba Associates
オノデラユキ「TO Where」@ Yumiko Chiba Associates
シャルロット・デュマ「ベゾアール(結石)」@ 銀座メゾンエルメス フォーラム
松下まり子「居住不可能として追放された土地」@ KEN NAKAHASHI
加藤翼「Superstring Secrets」@ 無人島プロダクション
石元泰博、オペラシティが2フロア使って相当すごい展示なので、写美の展示がしょぼく思えて残念。。。オペラシティだけでよかったんじゃん。
写美は桂の写真を新旧並べてたのは唯一よかった。
あと年表に桂離宮撮るために一ヶ月京都の俵屋に泊まって、その請求書を父親に送って勘当されたってさらっと書いてて狂ってたw
俵屋って一泊10万くらいするから300万ぐらいか。。。GoToで一泊でも泊まりたかった。。。
加藤翼はシュレッターにかけた「告白」を綱にするまではよかったけど、それで綱引きするだのもう一味欲しかったかなぁ。。。
地点「君の庭」@ KAAT
地点の新作「君の庭」。
松原俊太郎戯曲では4作目。
「ファッツァー」を下敷きにした「正面に気をつけろ」はともかく、KAATで発表した「忘れる日本人」、「山山」は僕的にイマイチだったので、正直不安だったのですが、今回は松原戯曲で最高傑作だったと思います。
ずっと「日本人」を根底に描いてきた松原さんですが、ここにきて「天皇」。
地点も「近未来語」等で、このテーマにかすることはありましたが、ここまで真正面に、しかもこのコロナ禍も含めて現在の日本に向き合うとは。
実際ひやっとする部分も多くて、中々スリリングな内容でした。
個人的には今回、何と言っても彼らの新しい挑戦に感動しました。
「発語すること」にここまで重きを置いた劇団を僕は知りません。
言葉を発することがここまで重いことなんだと地点の舞台を観る度に思い知らされます。
ですが、今回は内容も含めて、特に「発語」の重さがすごいです。
まず、「天皇」の「発語」は全て「御言葉」になってしまうという重さ。
そしてさらに何と言ってもセリフの半分ぐらいが録音ということ。
このコロナ禍の中で、演劇に置いて最も難しいのが、台詞を発する際の飛沫です。
ここを封じられてしまっては、これまでの地点が重きを置いてきた「発語」が成立しません。
そこで出たのが録音放送というアイディアだと勝手に想像。
これがめちゃくちゃ面白い効果を産んでました。
考えたら「玉音放送」も究極の録音放送ですしね。
当初、全部録音で所々口パクとかにしちゃうってアイディアもあったそうです。
しかしそこからが地点の本領発揮。
この録音放送、口パクに加えて同調、ズラし等々、どんどん声の複雑さが増していきます。
同調は録音と同じ台詞を演者が生で発すること。
ズラしは録音から微妙にずれて発語すること。
さらに、別人の声に被らせるとか、エフェクトかけるとか、とにかく声のポリフォニーが特に後半やばい。
いつも出演している窪田さんも声しか出演してなかったり、声がここまで響くのは流石の演出。
そして、同心円上にただただ回る雛壇。
一応石田さんが押してるんだけど、あんな綺麗に円状に回らないと思うので多分機械操作。多分。
最後の最後に日の丸が出てくるのもかっこいいし、衣装についた丸いライトも、天井から上下するライトもかっこよすぎる。。。
前半はえ、これだけ?ってぐらいシンプルなセットなので心配になったけど、延々と見続けてたらどんどんハマっていく感じがすごかった。
今回はオンライン版も用意されてて、こちらには台詞が字幕でついてるので、実際の戯曲に書かれたテキストと今回方言やら英語やら織り交ぜて相当複雑なテキストになってるのが本当によくわかって、改めて俳優陣の台詞覚えのすごさに驚嘆してしまう。。。
こちらは10/18まで見られるので是非ご覧くださいませ。こちら。
次の地点の新作が1月の青森なんだけど、行こうか結構本気で悩み中。。。
ドストエフスキーなんだよなぁ。。。観たい。。。悩む。。。
<関連記事>
地点「罪と罰」@ 神奈川県立青少年センター
地点「三人姉妹」「シベリアへ!シベリアへ!シベリアへ!」 @ KAAT
「やっぱり悲劇だった」by 三浦基
地点「だれか、来る」@ アンダースロー
地点「グッド・バイ」@吉祥寺シアター
地点「正面に気をつけろ」@ アンダースロー
地点「汝、気にすることなかれ」@アンダースロー
地点「ロミオとジュリエット」@ 早稲田大学大隈講堂
地点「みちゆき」 @愛知県芸術劇場
地点「スポーツ劇」@ロームシアター京都
地点「光のない。」
地点「悪霊」@ KAAT
地点「CHITENの近未来語」@アンダースロー
地点「かもめ」@ Cafe Montage
地点「コリオレイナス」@京都府立府民ホールアルティ
地点「――ところでアルトーさん、」@京都芸術センター
ところでここに来て演劇を立て続けに見ました。
一つは同じKAATでやってた市原佐都子の「バッコスの信女 − ホルスタインの雌」。
もう一つはマームとジプシーの「てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。そのなかに、つまっている、いくつもの。ことなった、世界。および、ひかりについて。」(長)。
前者は昨年のあいちトリエンナーレで発表されて、第64回岸田國士戯曲賞を受賞した作品で、友人が絶賛していたので気になってたのですが、今回政府からの規制緩和があり、売り切れていたチケットの追加分を買えたので急遽観ることができました。
内容は「一見ふつうの主婦、人工授精によって生まれた獣人、去勢された犬、雌ホルスタインの霊魂たちによる合唱隊(コロス)が歌い上げる音楽劇」という結構ぶっ飛んだ内容でした笑
生殖や受精とは何なのかを問う内容でしたが、僕の好みではなかったかなぁ。。。
刺激的な内容に演出が付いていけてない感がありましたね、正直。
演劇としての新しさもさほどなかったし。。。
後者のマームも過去作ってのはあったけれど、特に真新しさもなかった。
9.11とかも唐突すぎるし、色々荒さが見えてしまいました。
本当は夏に再演するはずだった「coccon」が観たかった。。。泣
ちなみにKAATでは今ヨコトリでも出てる飯川雄大の映像が流されてます。
完全に窃視感でヤバすぎ笑

そしてヨコトリといえば、会期終了間際になって映像作品を一部オンライン解禁しました。
これは素晴らしい試みだけど、もっと早くやってくれ。。。
例えばチケット購入者のみ観られる仕組みとかにすればとか。。。
とはいえ、もう15分越す映像作品は展覧会会場で観るのは無茶。
こうやってどんどんオンラインにしちゃうべきだと思う。
もちろん現地ではインスタレーションとしての楽しみ方もあるんだし、損なわれることもないかと。
あと、90分超えるのは家でも無茶なので劇場でやってほしい。。。
今回のオンラインでもレヌ・サヴァントの「ミリャでの数ヶ月」なんて231分ですよ。。。無理。
とはいえ、会場で気になりつつスルーせざるを得なかった作品がちゃんと観られたのは本当にありがたい。
新井卓の映像も長くはないけど、最後まで見てなかったので、最後の終わり方びっくり。
パク・チャンキョンの「遅れてきた菩薩」やアントン・ヴィトクルの「宇宙市民」も面白い。
ナイーム・モハイエメンの「溺れぬ者たちへ」は映像美にため息。
等々、ほぼ1日仕事になったけど、楽しく観られました。
ヨコトリも11日に無事閉幕して本当に良かった。
カタログ、歴史の記録として期待して待ってます!
関連記事>>ヨコハマトリエンナーレ2020 @ 横浜美術館、プロット48

ついでに、ヨコトリ関連でBankARTの川俣正と黄金町バザールも見ました。
川俣正は模型相変わらずかっこいいものの実際のインスタレーションは時代を感じて残念。。。
黄金町バザールはちょっと学生のノリみたいでついていけませんでした。。。




あとは映画ですね。観たい映画が多すぎて追いついてません汗
中でもアート好きが注目してたのはゲルハルト・リヒターの半生を描いた「ある画家の数奇な運命」。
邦題が死ぬほどダサいのが辛い。。。
英題は「Never Look Away (目をそらさないで)」。映画中にリヒターの叔母が言う台詞ですね。
原題は「WERK OHNE AUTOR (作者なき作品)」。映画の最後、リヒターの作品の特徴を言い表す語。
とにかくリヒターの半生です。
23区内だと日比谷シャンテしかやってなくて、しかも3時間。。。ハードル高し。
何とか見終えたけど、やはり何となく物足りなさが。。。
そもそもどこまでが本当の話なんでしょうか?
前半の叔母がナチスに殺されて、その死のきっかけを作ったのが養父ってのは?
あと、ベルリンの壁が建設される直前に東から西に移るの結構あっさりだったけど?
後半のデュッセルドルフの光景はアートファンならニヤッとするかも。
ボイスが出てきたり、ポルケやユッカーも。ポテトの作品作ってたのは誰だろう?
あと、監督のインタビューでめちゃびっくりしたのが、今回リヒターのフォトペインティングを実際に描いてもらったのがアンドレアス・シェーンと言う人で、この人当時実際にリヒターの絵を描いてた人らしく、映画で使われた絵はある意味「オリジナル」と言うこと。
どう言うことかと言うと、一時期リヒターはウォーホルの「ファクトリー」に憧れてて(意外すぎる)、アンドレアス・シェーンを安い時給で雇ってフォトペインティングをひたすら描かせてたとか。。。
その時期のリヒター作品には有名なロウソクの絵(確か川村記念美術館での個展のポスターにもなってた)とかはアンドレアス・シェーンの作だとか。。。ヒエェ。。。
映画の中には冒頭の「退廃芸術展」等、色んな絵が登場するのも見どころ。
リヒター好きは観ておいてもいいとは思いますね。