RIP CHIRSTO

クリストが5/31にニューヨークの自宅で亡くなられました。享年84歳。
彼は僕のヒーローでした。
学生の時、いろいろ悩んでた時期にたまたま見た日曜美術館。
そこに映っていたのは色鮮やかなサフラン色の布が風に翻るセントラルパーク。
2005年の冬に決行された「The Gate」プロジェクトです。
何より感動したのが、このプロジェクトに関わった市井の人々の誇り高い表情でした。
この時に使っていた布の端切れを、NYに行ってた友達がくれました。
これは今でも僕の宝物で、当時の新聞記事と共にとってあります。

クリストは、どんなに作品が大きくなっても決してスポンサーをつけないし、ボランティアも拒否。
自身のドローイング等を売ったお金をそのまま投資する。
それは作品が絶対的に自由であるため。
スポンサーをつけると彼らの言い分が出てくる。
ボランティアもタダ働きだとどこかで緩んでしまう。
時には数十年かかるプロジェクトも決して屈せずに、自身の方針を曲げない。
トランプが大統領になった時、そのプロテストとして25年間準備してきた「Over the River」プロジェクトをキャンセルしました。
この時のことは僕も衝撃でブログにも書きました。こちら。
このプロジェクトは、コロラド州を流れるアルカンザス川の上空に銀色の布を走らせるというもので、その総距離は9.5kmという壮大なものでした。
実に25年の間、そこに住む住人を説得し、地主と交渉し、いくつもの法の制限をクリアしてきました。
5千万ドル(50億円超)の個人資産を注いできましたが、断念。
これがもしスポンサーつけていたらこうはいかない。
僕は完成したら行く気満々だったので、めちゃくちゃショックだったけど、これが自由であることなのかと納得しました。
今年の秋に決行する予定だったパリの凱旋門を包むプロジェクトも、当初春に開催予定でした。
秋に延期された理由は、新型コロナではなく春に凱旋門に巣を作る鳥がいるので邪魔したくないという理由!
これに合わせてポンピドゥーセンターもクリストの回顧展を開催予定だったのに。。。笑
結果的に新型コロナの影響で来秋まで延期されちゃったけど。。。
クリストはいなくなっちゃったけど、このプロジェクトは彼不在のまま決行されるようです。
これは観に行こうかな。。。と思ってますがどうか。
今までたくさんの夢や希望を見せてくれてありがとう。そしてお疲れ様。
天国のジャンヌと安らかに。。。いや、きっとあっちでも忙しなく動いてそう笑
講演会で握ってくれた手の感触を一生忘れません。さようなら。
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