A'holic Selection02 "American Abstract Attitudes" 開催のお知らせ。

7月1日よりA'holic Selection#02を開催します。
第二回は「American Abstract Attitudes」と題して、ポロックからミニマルアートまでの戦後アメリカ美術がテーマ。
展示予定書籍は以下。
ハロルド ・ ローゼンバーグ 「新しいものの伝統」 (1965)
紀伊国屋書店 「グリーンバーグ批評選集」 (2005) 勁草書房
「モダニズムのハード ・ コア」 (1995) 太田出版
ロザリンド ・ クラウス 「オリジナリティと反復」 (1994) リブロポート
ジョン ・ ケージ 「サイレンス」 (1996) 水声社
平芳幸浩 「マルセル ・ デュシャンとアメリカ」 (2016) ナカニシヤ出版
マーク ・ ロスコ 「芸術家のリアリティ」 (2009) みすず書房
多木浩二 「神話なき世界の芸術家」 (1994) 岩波書店
藤枝晃雄 「新版ジャクソン ・ ポロック」 (2007) 東信堂
“Jackson Pollock” (1998) MoMA
“BARNET NEWMAN The Late Works, 1965-1970” (2015) Menil Yale
“ROTHKO THE COLOR FIELD PAINTINGS” (2017) CHRONICLE BOOKS
“Clyfford Still” (2012) Skira
“Robert Ryman” (2017) PHAIDON
“FRANK STELLA” (2017) PHAIDON
“Dan Flavin: Corners, Barriers and Corridors” (2015) David Zwirner Books
“Fred Sandback | Vertical Constructions” (2016) David Zwirner Books
“Minimal Art” (2004) TASCHEN
是非お越しください!
A'holic (エー・ホリック)
東京都新宿区新宿3-11-1 高須ビル3階
*新宿3丁目駅C-6出口より徒歩1分
tel & fax 03-6273-0132
mail info@aholic.com
web http://aholic.tokyo
IG @aholic_artlibrarycafebar
twitter @Aholic_tokyo
17:00-25:00 (月-木) 17:00-27:00 (金・土) 日休 7月15日(月祝)休
*急な変更はtwitterをご確認ください。
私ごとですが、急性肝炎になってしまい、お店を1週間以上閉めてしまいました。。。
開業準備からの疲れと睡眠不足、遊びすぎが祟りました。。。
体調管理も仕事の一つだと猛省しております。
今後こんなことのないよう、しっかり休んで無理せずにやって参りたいと思う所存です。
ということで、今後ともよろしくお願い致します。
「ジャコメッティと I」 @ 国立国際美術館

家族の用事で関西に帰ってました。
本当は体調最悪だったのだけど、折角なので京都大阪。
東京帰ってきて病院行ったらえらいことになってたけどまあ行って良かったです。
何と言ってもよかったのが表題の「ジャコメッティと I」。
企画展ではなくコレクション展なのだけど、企画展と言っちゃっていい内容だった。
ジャコメッティの盟友矢内原伊作の彫像を国内で初めて収蔵した記念の展示。
矢内原の彫像が日本になかったなんて意外だったけど、そもそも完成した作品が2体で、鋳造合わせても世界に7体のみだそう!
矢内原の書いた「ジャコメッティ」を読んだけど、作っては潰しての繰り返し。モデルを前に叫ぶしもうほんと際どい笑
わざわざ日本から矢内原を呼んでモデルをさせても結局完成しないとかもう大変。。。
そんな貴重な矢内原の彫像がついに日本へ!
国立の美術館は何年に一回か特別予算というものが付くそうです。
これは本来の収蔵予算とは別に、「未来の日本に有効となる作品」の為の収蔵予算、だそう。正しい言い方は忘れた。
今回はこの作品が選ばれました。
お値段は聞きましたが公開していいのかわからないので気になる方はお店に来てください笑
さて、展示の内容は前半はジャコメッティと同時期の作家の作品や、身体にまつわる作品をコレクションから。
正直この辺は無理矢理感がありましたが、後半がえげつなかったのです。
ついに矢内原の彫像の部屋へ。
まず冒頭、ジャコメッティのお言葉が素晴らしい。
「確かに私は絵画と彫刻をやっている。そしてそれは初めから、私が絵を描き出した最初から、現実を捉えるため、自らを守るため、自らを養うため、大きくなるためだ。大きくなるのは一層よく自らを守るため、一層よく攻撃するため、掴むため、あらゆる面であらゆる方向に可能の限り前進するため、飢餓に抗し寒さに抗し死に抗して自らを守るため、可能の限り最も自由になるためだ。可能の限り最も自由になるのはー今日の私に最も適当な手段でー一層よく見んがため、周囲のものを一層よく理解せんがため、一層自由になるために一層よく理解せんがためだ。可能の限り大きくなるのは使い果たすため、仕事の中で可能の限り自分を使い果たすため、私の冒険を敢行するため、新しい世界を発見するため、私の戦いを戦うためだ。戦いの悦びのため?戦いの歓喜のため?勝ちまた敗れる悦びのためだ。」
アルベルト・ジャコメッティ(訳:矢内原伊作)
ピエール・ヴォルドゥーのアンケート「各個人における現実」への回答
『XX siècle』第9号、1957年6月、35頁
なんだこの格好良い文章は。。。
矢内原もジャコメッティは文章もうまいと書いていたけれど本当に惚れ惚れする。
「勝ちまた敗れる悦び」。素敵です。
そして肝心要の作品がこちらです。


ああ、もうなんて素晴らしいんだろう。
似てるとか通り越して矢内原伊作の塊。
これ一作でものすごい説得力。
やっぱモデルとの関係性をある程度知ってると違いますよね。
上の二人の写真とか最高です。
さらに奥の部屋には矢内原を書いたドローイング、というか落書きとかまで。
ほとんどが神奈川近美でびっくり。こんな持ってたんですね。
さらに奥では、ジャコメッティとの日々を矢内原が綴った手帳やジャコメッティが矢内原に送った手紙、二人の写真など、もうこれ見てたら泣けて来て仕方なかった。。。
いつだったか、国立新美術館でジャコメッティ展観た時はほとんど感動なんてなかったのに、圧倒的に規模の小さいこの展示は、その何倍もの感動。
やっぱりね、展示への愛のかけ方が違う。
所詮国立新美術館のは海外からの巡回ですよ。
コレクション展でここまでしっかりした展示を見られるとは思っても見なかったので本当にびっくりでした。
展示室の使い方もゆったりとしていてとても良かった。
この展示は8月4日からで、なんと「I」があるからには「II」もあります。こちらは8月27日から。これも行きたいなぁ。。。
ちなみに下の企画展「抽象世界」も想像よりは良かったけど、あまりぱっとした印象がない。。。
仕切り壁がゼロで広場みたいな感覚は楽しかったけど。
なんか80年代といい大味の展示増えてきてないか?国立国際。
ジャコメッティみたいな展示ができるポテンシャルがあるんだからもっと頑張ってほしい。
ところでなぜか過去の美術館報が無料配布されてた。
キリがないので持って帰らなかったけど。。。

「セレブレーション-日本ポーランド現代美術展-」 @ 京都芸術センター

日本とポーランド国交樹立100周年ということで企画された展覧会。
本当は京都市内でいくつか分散してるのだけど、僕が見たのは芸術センターのみ。
それにしてもなんでタイトル「セレブレーション」なんだろう。
全部観てないからなんとも言えないんだけど、芸術センターに関しては「気持ちの悪い」作品が多くてびっくり。
特にギャラリー北と南。まさかどっちとも日本人だったとは。実際見てください。
しかし何と言っても見たかったのは今村くん。
やっぱりどこでやってもブレない。
そしてライトがさらに小さくなって進化してる!
新しい展開も見え隠れしててこれからさらにまた楽しみになる。



あとちょうど友人の堤加奈恵が制作室を借りてたので覗きに行きました。
フィンランドから帰国したばかりで現地で作ってた作品も見れたし久々に再会できて良かった!
帰国してから色々考えることもあるだろうけど、迷いながら色々作って欲しい。楽しみです。

ローザス「A Love Supreme ~至上の愛」「我ら人生のただ中にあって/バッハ無伴奏チェロ組曲」 @ 東京芸術劇場

早くも6月。今年も半分が過ぎてしまいました。。。早い。。。
お店も開店から2ヶ月が経ちました。
そして5月末には上京から1年が経ちました。
お陰様でとっっっても内容の濃い1年でした。これからは恩返ししなくちゃ。
さて、5月に観に行ったもの。最早記憶が遠い。。。
まずはなんといってもROSAS!しかも2演目!
大体2年に一度は来日してくれますね。ありがたい。
2演目の中でも特に「A LOVE SUPREME」には震えました。。。
ジョン・コルトレーンの同題の曲に合わせて4人の男性ダンサーたちが踊るんですが、素晴らしいのなんの、、、。
「神への捧げもの」として作られた楽曲と解説に書いてたけど、この踊りも含めて捧げものになってた。
昔は芸事というのは神への供物になってて、踊りのような形のないものも捧げてました。
まさにそういう神々しさがこの演目にはありました。
と同時に、一緒に踊りたくなるような躍動感もあり、体がムズムズ。
ところどころに空手のような所作もあり、東洋的な動きがあったのも印象的。
あっという間の50分でした。CD思わず購入w
そしてもう一演目「MITTEN WIR IM LEBEN SIND/BACH6CELLOSUITEN」はバッハのチェロの為の曲。
ジャン=ギアン・ケラスによる生演奏と、ROSASの長、アンヌ自ら踊るというのもあって、立ち見も出るほど。
「A LOVE SUPREME」ほどの躍動感はないものの、後半からの畳み掛けがすごかった。
前半は正直心地よ過ぎて寝ました死
後半でアンヌが暗闇の中で見えるか見えないかの中踊ってる様が焼き付いてます。
そして最後の終わり方がすごかった。見事。
5章に分かれてるんだけど、その度アンヌが手で何章か示すのがたまらなく可愛らしかった。
ピナのような柔らかさはないんだけど、また別のチャームがありますね、この人は。
また2年後来日してくれたら嬉しい!
<関連記事>
ローザス 「ファーズ―FASE/時の渦―Vortex Temporum」 @ 東京芸術劇場
Rosas 'Golden Hours (As you like it)' @ Les Théâtres de la Ville de Luxembourg
Anne Teresa De Keermaeker 'Work/Travail/Arbeid' @ WIELS
藤田貴大「CITY」@ 彩の国さいたま芸術劇場大ホール
柳楽優弥を主演に迎えたマームの最新作。
めちゃくちゃ期待してただけに、観劇後のがっかり感が半端なかった。。。
今まで観てきたマームの中で最もひどかった。。。
まさかのヒーローもの。。。なんで。。。
相変わらずのリフレインといつもにも増してダイナミックな部隊移動はよかったけど。
ちょっと冒険し過ぎたかな。。。つらたん。
そもそも東京を舞台にしてるのに埼玉や兵庫でやってる時点で違うでしょ。
なんか突っ込みだしたらキリのない舞台でした。。。
次回作に期待。
イキウメ「獣の柱」@ シアタートラム
初めて観るカンパニーだったけど、周りで評価が高いので行ってきました。
チケット取ろうと思ったらすでにほとんど完売で、追加公演でようやく取れた。すごい人気。
実際観に行った日も平日だったにも関わらず立ち見も出てたし。
「散歩する侵略者」って作品が映画化されたのもあるのかな。
全く無知識で観に行ったんだけど、SFもの。
とってもよくできてるんだけど、なんだろう、ほとんど入れなかった。。。
やっぱり僕はドラマツルギーが苦手。それなら映画でやってくれって思っちゃう。
今回のもまさに映画的で、映画でやったらもっと面白いと思う。
身体が見たい。躍動感を感じたい。もっと抽象的なものが欲しい。
それを満たしてくれるのはやっぱり地点なんだよなー・・・。
ということで、この間観た地点の新作が最高すぎたんだけど、それはまた次回。
5月は映画もほとんど観てなくて、展覧会も周りに促されて行った都現美ぐらい。
リニューアル記念と言いつつそこまで大きくは変わってなかった。2年ぐらい閉まってたのに。
まあ、こういう美術館のリニューアルってのはほとんど配管とかそういう部分なんだろうけど。
見える変化は漆器がスキーマの設計になってたり、ロッカーが手前に来たぐらい。
展示室は変わってないとは思う。
展示は企画展の「百年の網み手たち」とコレクション展示。
企画展では、岸田劉生の見たことのない作品が見られたり、戦前の牧野虎雄という作家を初見だったのだけど物凄く良かった。何者??
あと柏原えつとむ氏とウォーホルのマリリンが対峙してる展示室かっこよ過ぎた。
コレクション展はマーク・マンダース(多分あいちトリエンナーレで展示してたやつ)が収蔵されてて嬉しかった。
とまあ、そんなとこだけど、見ても損はないぐらいでしょうか。
やっぱり11月のダムタイプ展と3月のオラファーに期待しちゃいます。
