fc2ブログ

展示のお知らせ

IMG_9021_20190312230915810.jpg

昨年より約1年間携わってきた山口県宇部市のプロジェクトが完成しました。
本日12日より観覧可能です。
お近くの方は是非!

森川穣x宇部市内の中学生
「color field」於ときわ公園(山口県宇部市内)
2019年3月12日(火)から24日(日)


市内の中学生200人と何かやって欲しいという依頼で、紆余曲折ありつつ「カラフルな落ち葉の庭」を作ろうということになり、学生には落ち葉1万枚(!)に色をつけてもらいました。
「color field」ワークショップ@上宇部中学校
森川穣「color field」@ A'holic pop up cAfe

以下制作プロセス。

まずはロケーション。
前回1月に行った時に決めました。
公園内にある常磐神社の小道に面白い場所を見つけました。
こんもり盛り土された上に桜がそれぞれ植わってます。
IMG_8832.jpg

この桜を囲むようにゾーニング。
IMG_8842.jpg

職人さんが杭を打ち込んでいきます。
IMG_8837.jpg

IMG_8853.jpg

IMG_8867.jpg

その間に有志で集まってくれた常盤中学の美術部員に落ち葉を集めてもらいます。
この落ち葉は色を塗った落ち葉のさらに下に敷き詰める土台用。
IMG_8885.jpg

ちなみに色を塗った落ち葉はこんな感じ。
IMG_8905.jpg

中にはこんなのもw
IMG_8917.jpg

IMG_8932_2019031223215573d.jpg

そうこうしてるうちに全ての杭が打ち込まれました!さすが職人さん。早いです。
IMG_8937.jpg

さらに幕を張る。
IMG_8939.jpg

貼り終わったら子供達に落ち葉を敷き詰めてもらいます。僕は手を出しません。
IMG_8950.jpg

IMG_8955.jpg

ついに色の庭が完成!僕の作品史上最強にカラフルです笑
IMG_8965.jpg

IMG_8982.jpg

IMG_9019.jpg

ということでなんとか無事完成しました。
この後観客が中に入り、落ち葉はぐちゃぐちゃになっていきます。
最終日とかどうなってるんだろう。。。
残念ながらその過程は僕自身も見られないので学芸員さんに追って写真送ってもらいます。

マックス・リヒター《ブルー・ノートブック》《インフラ》 @ すみだトリフォニーホール



こんな日がやってくるなんて。。。
てことでマックス・リヒターのコンサートに行ってきました。
リヒターの音楽を初めて聞いたのは2年前に映画館でウェイン・マクレガー演出のロイヤル・バレエを観た時。
ヴァージニア・ウルフの生涯をテーマにしたその演目の音楽を担当していたのが彼でした。
ダンスももちろん素晴らしかったのだけど、もう音楽が凄すぎて泣きました。
これ、何回見ても泣ける。。。



その後調べたらマックス・リヒターという人物だということを知り、さらに調べると「Sleep」という9時間にも及ぶ「眠る時に流す音楽」を作っている狂人(褒め言葉)だということを知り益々虜に。。。
昨年香港行った時に、地下鉄の広告に香港でライブするというのを知り、めっちゃ羨ましい!!!と思ってたら3月に来日するよ、と知りテンション上がりまくりました。
15年ぶりの来日だそうですが、僕は出会ってこんなに早く生で彼の演奏が聴けるなんて強運すぎる。
しかも「インフラ」をやるだなんて!
「インフラ」はポップアップカフェやってた時期にも流してたぐらい好きな音楽。
そんな期待に胸膨らませつつ、心地よすぎて寝ちゃったらどうしよう、などの心配もしつつ行ってまいりました。錦糸町まあまあ遠かったな。。。スカイツリーのお膝元。

結果としては、物凄く緊張感のある演奏で、眠るどころか目見開きっぱなし。
リヒターのピアノと弦楽五重奏というシンプルな構成ながら、もの凄い音の洪水。
特にインフラのクライマックスの弦楽器のあたりで普通に涙が出ました。。。
あぁ、この音楽を使ったマクレガーの「インフラ」観たいすぎる。。。
ちなみに美術はジュリアン・オピー。最高すぎる。



「ブルー・ノートブック」はカフカが残したノートにインスパイアされて作られた楽曲。
序盤かなりゆったりしてるんですが、最後の最後がすごい。音圧!
全員が一気に熱を帯びて演奏して、最後パン!って終わるのが凄すぎる。



もう大満足で大いに拍手してたらなんとアンコール!こんなのあるんだ!
しかも僕が初めて聞いた彼の楽曲!泣けた。。。
本当に素晴らしい体験でした。全アルバム欲しい。
クラシックってあんまり聞かないんだけど、彼の作品はクラシックとコンテンポラリーが絶妙なバランスで配合されてるので、聴きやすいです。知らない人は是非お試しあれ。


あと2月は大好きな空間現代を聞きに横浜へ。
聞き逃してた1時間に及ぶ楽曲「オルガン」。
これが正直かなりイマイチで、ほとんど記憶にないです。。。
昨年の落合でのライブが素晴らしすぎた。
4月のニューアルバムはかなり期待してます。

それとNibrollの舞台。名前は聞いてたけど行ったことがなかったので。
もう忘れたいぐらい好みじゃなかった。。。無理。。。
演劇で発せられる台詞が台詞になってる舞台って本当に見てて辛い。
台詞が言葉まで還元されてないと聞く気にならない。残念。

「ソフィ カル ─ 限局性激痛」 @ 原美術館

IMG_7005_20190310074946ee9.jpg

気づけば1月半ほど更新せず野放しになってました。。。月日が早い。
この間も色々見てました。
中でも2月はソフィ・カル月間かというほどにソフィ・カルが東京を席巻。
原美術館に小柳、ペロタン、そして渋谷の街頭ビジョン。
まずは原美術館。

1999年の展示の再現ってことで、どうなんかな、と思いつつ行ってきました。
当時の展示は観てないので、まあ僕にとっては新作。
これがまた素晴らしかった。
彼女が1984年に奨学金を得て初来日した時の日々と、その後の失恋という彼女お得意の私的ドキュメントなんだけど、まあ見せ方がうまい。うますぎる。
1階では日本に来ることになった経緯からスタート。
なんでも当時「最も行きたくなかった国」だそうで笑
詳しくはインタビューに載ってます。こちら
行きたくないのでなんとか遠回りして飛行機ではなくシベリア鉄道で日本へ。
この電車の中の出来事も1日1日綴られます。
壁には写真とテキストが入った額が交互に並べられていて、額の大きさはバラバラなんだけど、底辺が揃えられているので展示としてものすごく美しい。
全部で90日以上あるんだけど、どれも見逃せないぐらいの説得力。
写真には「--DAYS TO UNHAPPINESS(不幸まであと--日)というスタンプが押されていて、その後に起きる悲劇を予感させつつ、順に見ていくとその日々が迫ってくる感じもすごい。
最後は0日になり、それは恋人との別れで幕を閉じるのだけれど、ここからどう展開していくのだろうと思いつつ2階へ。
最初の小部屋では、その悲劇の元となった電話を受け取るホテルの部屋が再現されてて、次の部屋へ行くと、彼女の悲劇と他人の悲劇が交互に展示されている。
どうやら「自分が悲劇を語ること」と「他人の悲劇を聞くこと」によって、傷がどんどん癒されていく様が現れているようで、これって本当に人間の本質だな、と思う。
他人の悲劇で自分を癒すなんてとても卑しいとは思うけれど、そういうことってある。
24時間テレビが「感動ポルノ」なんて言われるのに似てる。
中にはうわぁ、っていう辛いのもあったりする。
面白いのが、自分の悲劇も他人に話すことによってどんどん変化していって、最後は「語るまでもない瑣末なこと」になってるので笑った。
これまたうまいなぁ、と思うのが、テキストが全部刺繍で書かれていて、後半にいくにつれて、カルのテキストが最初黒地に白(銀?)糸だったのが、黒地に黒になって読むのも困難になっていくやり方。うまい。
こうして悲劇は瑣末な出来事になりました、ちゃんちゃんで本当に見事だった。
ところで原美術館、今年で閉館と思い込んでる人が多いみたいだけど、来年末だからね。
この展示も読む展示なので、混みすぎるとかなり辛いものになる。。。
行った時は最初のところで渋滞は起こってたけど、そこまでじゃなかった。3/28まで。会期終了間際はまた混みそうなのでご注意を。こちら

続いてペロタンの展示。これがまたうまかった。びっくり。
母親、父親、猫の死についてのドキュメントで、いつもの写真とテキストなんだけど、最初の「C ki」から度肝抜かれました。。。
額の中にはWifiのマークと父親の写真、そして吹出しに「C ki」の文字。
これはショートメッセージの画面を表してて、父親が送った謎のメッセージ(誤送信?)みたい。
額の中であのスマホ画面をこれほど美しく表すなんて。。。すごい。
奥の部屋の猫の死を悼んだ作品も素晴らしかった。
彼女の十八番でもあるコラボレーションで音楽家たちに猫のための曲を作ってもらってレコードにしてるのは流石にやり過ぎかとは思いましたが笑
この展示の中で最もすごいと思ったのが柱に展示されてる2点。
この柱の使い方が絶妙で、特にガラスの壁面側の方は素晴らしい。
この2点に関してはライトボックスになってて、テキストしかないのかと思いきや、一瞬だけボックスが光って中の写真が浮かび上がるんだけど、それ以外は黒地が鏡面になって、鑑賞者がテキスト上に映ることになる。さらにバックがガラスの壁面なので外の風景とかも写り込んでとても複雑な表情になってしまう。これはうまかった。
小柳の方はちょっとどうかな、っていう展示だった。
写真に全部布がかけられてて、鑑賞者が自分でめくるという、やり方は面白いのだけど、その先の写真とテキストに対してそのやり方が合ってるのかは大分疑問でした。

最後に本当に素晴らしかったのが渋谷での街頭ビジョン。
2/3から9までの一週間の深夜0時から1時までソフィ・カルの代表作でもある「海を見る」がジャックしました。
こんなクソ寒い時期の深夜って嫌がらせかよ、と思いつつ見に行っちゃいました。こんなことが出来るのも東京に住んでるおかげ。ありがたや。
「海を見る」は海に囲まれながら海をまだ見たことのないトルコの人を海に連れていって生まれて初めて海を見た瞬間を捉えるという映像。
4つの街頭ビジョンに1人ずつ映し出されていて、深夜の渋谷の喧騒の中に潮騒が響き渡る様はもう言葉にならないぐらい美しかった。。。寒かったけどひたすら見てられました。
ソフィ・カルなんて知らない人が大半だったとは思うけど、明らかにいつもと違う映像にたくさんの人が見入っていて、もうその光景も美しかった。
美術館とか目的持って観に来てる人たちじゃなくて、たまたまそこに居合わせた人たちが同じ映像を観てるってのがなんだかものすごいいい体験でした。行ってよかった。。。

IMG_6764.jpg

IMG_6755.jpg

IMG_6763.jpg

IMG_6773.jpg

街灯ビジジョンと言えば、昔池田亮司がNYのタイムズスクエアでやってたやつが凄すぎました。観てみたい!




六本木クロッシング2019展:つないでみる @ 森美術館
IMG_8796.jpg

六本木クロッシングは2010年の「芸術は可能か?」が素晴らしすぎて、あとはキュレーションと言えるのか曖昧だし、日本人しか出ないし、なんだかなぁと思いつつ観に行きました。
ここ数年足が遠のき気味なのもあるけど、本当に知らない作家がいっぱいいるんだなぁと思いました。
とはいえ、知らない作家でわ!ってなる展示ってやっぱりほとんどなくて、わ!ってなるのは知ってる作家ばかり。。。保守的になってきているのか。。。
以下わ!ってなった作品たち。

青野文昭:前から知ってるけど、何度見てもすごい。
IMG_8799.jpg

花岡伸宏:マーク・マンダースっぽくなってきた。昔はもっとぶっ飛んでたけど今の方が好き。
IMG_8806.jpg

川久保ジョイ:為替のグラフはともかく、壁を削る行為が面白い。
IMG_8813.jpg

佐藤雅晴:先日KEN NAKAHASHIで見たばかり。彼の作品はどこか「怖さ」がある。
IMG_8817.jpg

土屋信子・ヒスロム:安定感。
IMG_8819.jpg

5/26まで。次の塩田千春展が楽しみ!

「インポッシブル・アーキテクチャー もうひとつの建築史」@ 埼玉県立近代美術館

IMG_6298_201903100845239b8.jpg

埼玉かぁ、と思いつつ調べたらそこまで遠くなかったので行ってきました。
五十嵐太郎監修の建築展なので、まあハズレではないだろうとの見立て。
結果的には建築展としてはかなりいい展覧会だったと思います。
当時「アンビルト」という一つのジャンルにすらなった建築がありました。
磯崎新(プリツカーおめでとう!)が昔「建築の解体」という本で紹介していたアーキグラムやハンス・ホライン、セドリック・プライス、そしてその後のザハやリベスキンドなど、建てられない建築。
そんなものにどんな価値があるのかと問われそうですが、これらの建築は明らかに建築の可能性を広げてきたと思います。彼らの夢想がなければ建築はここまで面白くなっただろうか、と。
実際展覧会冒頭のタトリンが掲げた理想の建物「第三インターナショナル」は、もう冒頭にふさわしすぎるアンビルトの極北。これが最初に目に入った時点でいい展覧会だと確信しました。
その後もマレーヴィッチの建築や、アーキグラム、メタボリズムなど、戦前戦後のスター建築ムーブメントのオンパレードで楽しすぎました。
しかし今や建築技術は飛躍的に進歩し、もはやほとんどのものが建ってしまう時代。
ザハなんかはむしろ建てられなかった時代の方が面白かったんじゃないかという気がしてきます。
最後に五十嵐さんの熱が伝わるほどにザハの廃案になった国立競技場の展示がありましたが、僕はあれが廃案になってとことんホッとしてる人です。あんなの恥ずかしくて後世に残せないですよ。とは言え隈研吾のやつもどうかと思いますが。。。SANAAで通って欲しかった。。。
ザハは個人的には最初の方のヴィトラの消防ステーションあたりが極地であとは下り坂でしかなかったように思います。
リベスキンドやコープ・ヒンメルブラウなんかも実際に見てもほとんど感動がないです。
そんな「可能な世界」で、どんな建築が「可能」なのか。
そこで登場するのがOMAでありSANAAであり石上純也なのかもしれません。
彼らの建築は、形だけでなく、しっかりの人の本能に向き合って作ってる人たち。
建築ってアートとかと違って衣食住に入ってるし、服につぐ第三の皮膚と言われるぐらいだから、もっと人にコミットしていかないといけないんだと思います。
これからの建築も楽しみにさせてくれる展覧会でした。
最後の方の会田誠と山口晃による都庁と日本橋の案も面白かった。埼玉は3/24までで、その後新潟、広島、大阪と回ります。

ところでここの美術館、謎に名作椅子が多くて楽しかった。
常設展も独特で、特に瑛九愛が強すぎて、一部屋明かりを観客が調光できる謎の部屋とかあって笑った。
「可能」だった黒川紀章の建築がゴミすぎて展覧会のアイロニーになってたのは偶然か。
そういや巡回先の広島も黒川紀章だし、国立国際もシーザー・ペリのゴミ建築。。。

IMG_6299.jpg

IMG_6300.jpg

アルヴァ・アアルト もうひとつの自然 @ 東京ステーションギャラリー
IMG_7597_20190310091404d01.jpg

ダメな建築展の典型みたいだった。。。
もうほとんど覚えてないけど、やはり実物が見られる家具の展示は素晴らしかった。
アンティークになったstool60が9つスタッキングされてるのとかめっちゃ欲しかった。4/14まで。
カレンダー
02 | 2019/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新記事
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
プロフィール

もりかわみのる

森川穣
現代美術作家。
森川穣 website
A'holicオーナー
A'holic website
instagram

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理者用
カウンター
To See List
・2023.09.16-11.12
杉本博司 本歌取り 東下り @ 渋谷区立松濤美術館

・2023.09.20-12.11
イヴ・サンローラン展 @ 国立新美術館

・2023.10.03-2024.01.28
パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ @ 国立西洋美術館

・2023.09.23-11.19
福田美蘭ー美術って、なに? @ 名古屋市美術館

・2023.10.06-11.27
生誕120年 安井仲治 @ 愛知県美術館

・2023.10.07-12.10
さいたま国際芸術祭2023 @ 旧市民会館おおみや等

・2023.10.13-12.24
石川真生展 @ 東京オペラシティアートギャラリー

・2023.11.01-12.25
大巻伸嗣―真空のゆらぎ @ 国立新美術館

・2023.11.03-2024.01.28
「今村源 遅れるものの行方」展 @ 水戸芸術館

・2023.11.18-2024.01.28
倉俣史朗のデザイン――記憶のなかの小宇宙 @ 世田谷美術館

・2023.12.02-2024.02.04
「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄 @ 渋谷区立松濤美術館

・2023.11.09-2024.03.31
第14回上海ビエンナーレ @ 上海当代芸術博物館

・2024.01.11-03.10
フランク・ロイド・ライト世界を結ぶ建築 @ パナソニック汐留美術館

・2024.02.06-04.07
中平卓馬展 @ 東京国立近代美術館

・2024.02.14-05.27
「マティス 自由なフォルム」@ 国立新美術館

・2024.03.15-06.09
横浜トリエンナーレ2023 @ 横浜美術館ほか

・2024.03.30-07.07
ブランクーシ 本質を象る @ アーティゾン美術館

・2024.04.24-09.01
シアスター・ゲイツ展 @ 森美術館

・2024.04.27-08.29
デ・キリコ展 @ 東京都美術館

・2024.09.25-2025.01.19
ルイーズ・ブルジョワ展 @ 森美術館

・2024.11.02-2025.02.09
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子 ―ピュシスについて @ アーティゾン美術館

QRコード
QR