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地点「グッド・バイ」@吉祥寺シアター



年内最後の記事でございます。
最後は地点で!
タイトルは「グッド・バイ」。
平成最後の年末に相応しすぎるタイトルで御座います。
原作は太宰治の遺作。これまたタイトルがすごい。
どうせ完膚なきまでに崩してくるので原作は読まず。
席につくとステージにはお酒の並ぶ長いバーカウンターとカウンター椅子。
開演と共にメンバー7人が横一列に座り、その上で空間現代が音を鳴らす。
その様がめちゃくちゃかっこよくて早速痺れるのです。
こういう横一列って今までありそうでなかったかも。
横一列に並ぶことでメンバー一人一人の個性が浮き立って良い。
そして相変わらずの言葉の応酬。
ですが、今回はいつもより音楽的だったように思います
空間現代の音に合わせて「グッ」「ド」「バイ」と3組に分かれて発話するとことか。
いつもは途切れる音楽も、終始演奏しっぱなし。しかもメロディアス。
このあたりはパンフレットにも書いていたけれど、とても難しいバランスだったと思います。
せっかく生演奏なのに、ただのBGMになってしまうのは勿体無い。
その辺のバランスが絶妙で、しっかり演者の一部になりながら音楽してました。
本当空間現代だけでも格好いいのに、地点がそれに呼応していくのが滅茶苦茶格好いい。
演者の台詞は、タイトルの「グッド・バイ」だけではなく、太宰の作品から色々散りばめられていて、益々どうやって作られてるのか謎。
最後の方の田中さんの太宰ゆかりの地をマイクで叫ぶシーンが特にグッと来た。
2018年最後にこんなもの観られて本当に幸せ。
グッド・バイ!


その前にはマームとジプシーの「BOOTS」を。
結局色々観ては、地点とマームばっかり観てしまう。。。
これは夏の「BEACH」に引き続きドイツのシューブランドtrippenとのコラボ。
こうやって演劇におけるタイアップをしっかりとクリエイティブに結ぶ姿勢が面白いですよね。
スポンサーとクリエイターの関係ってお金だけの関係だとやっぱり寂しいと思います。
しっかりとスポンサーの商材を使いながら、自分たちの世界に取り込むってのは本当に創造的。
「BEACH」もしっかりマームだったけど、今回はより深度が深かった気がします。
マーム独特のリフレインも健全で、特に今回は最初のシーンと最後のシーンが同じなのがツボ。
両シーンで、台詞の発し方が全然違うのが素晴らしすぎて、マジで泣きそうになりました。
なので、最初はいつもそうなんだけど、中盤まで来ないと関係性やらストーリーラインが掴めなくて、中々いじいじしてしまうけれど、中盤から後半にかけての畳み掛けがすごすぎてやっぱり癖になる。
先日ETVのSWITCHインタビューで柳楽優弥と藤田くんが対談してたけど、なんと来年は柳楽主演で作品が上演されるそう!楽しみです!


地点とマーム以外の舞台は以下3つ

「豊饒の海」@ 紀伊国屋サザンシアター
劇団チョコレートケーキ「遺産」@ すみだパークスタジオ倉
ジエン社「ボードゲームと種の起源」@ アーツ千代田3331


劇団チョコレートケーキはたまに行くバーの演劇好きのマスターが面白いと仰ってたので行くことに。
そしたら本当に良かった。
劇団名とは裏腹に、内容はめちゃくちゃ重い。
今回は戦時中に生体実験を繰り返した731部隊がテーマ。
本当に人はどこまでも残酷になれる。
観ていてとんでもなく辛い気持ちになった。
最後に囚われた女性が踊るシーンが今でも忘れられない。
テーマはもちろん、彼らの演技がものすごく良かった。
舞台って身体的か映像的に寄るかだと思っていて、大体中途半端なものが多い中、チョコレートケーキは映像的に舵を切ってたように思う。おかげで終始映画を観てる感覚に陥ったし、演者の演技が演劇特有の無理が無くてとても好感が持てた。
こういうストーリーがしっかりした演劇って基本的には苦手なんだけど、演者の卓越した演技のおかげでなんの違和感もなく目を見開いて観てしまいました。
観たのはもう2月ぐらい前の話だけどちょっと今だにこの舞台の余韻が消えません。

無理だったのが「豊饒の海」とジエン社。
「豊饒の海」は元々舞台化は無茶だろうとは思ってたけど案の定。。。
この壮大な4部作をまとめた構成は中々良かったけど、演出がダサすぎ。。。
そして演者達の演技の貧困さ。。。東出くん。。。
ジエン社に関しては全く相性が合わなかった。好みの問題。
僕がいつも読んでるブログで絶賛されてて、気になって調べたらその日に新作やってるってことで勢いでチケット取って観に行ったんだけど、もう舞台見た瞬間にダメだと思いました。
やっぱね、舞台って総合芸術だと思うんですよ。
いくら演者が素晴らしくて内容も素晴らしくても、美術がダメだとダメ。
まあ今回は美術だけではないけど、美術があまりにも。。。
てことで入口から入っていけず、内容も入っていけず、演技も入っていけず。。。
好きな人がいたら申し訳ないけど、二度と観に行くことはないですね。


そんな2018年舞台鑑賞でした。
東京来てから圧倒的に観る数が増えてしまった。。。幸!

小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家vol.15 @ 東京都写真美術館

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写美へ。(TOP MUSEUMなんて死んでも言わない)
いつも写美は並行して2つ3つ展示をやってますが、今回は珍しくどれも気になる展示。

まずは3Fの「建築x写真 ここのみに在る光」
ダゲレオタイプに始まり、アジェ、石元泰博の「桂」、宮本隆司の「九龍城砦」、細江英公の「ガウディの宇宙」、柴田敏雄、 二川幸夫、奈良原一高、、、と、これでもかという著名建築写真のオンパレード。これはすごい。ベストアルバム的な内容で酔いしれました。そうそうベッヒャー夫妻まであったんだった。これに杉本博司があれば完璧だったけどそこまで言うまいという素晴らしい内容でした。

お目当ては2Fの「小さいながらもたしかなこと」
この企画は2002年から毎年日本の新進作家を紹介する企画。
今回の担当学芸員の伊藤貴弘さんは1986年生まれとお若い方。
選ばれた5人に共通して言えるのは、写真の物質感だと思います。
特に前述の3Fの展示を見た後だとその差異が特に際立ちます。
ただプリントした写真を展示するのではなくて、今やこれだけインスタだので画像が氾濫してる中で、敢えて作品として提示する意味を意識して作られてるな、という印象。
ファインアートとして写真を撮る現在の作家は特にそのことを意識していないと本当にまずいと思う。
今回この5人は見事にそれを意識されていて見ていてとても気持ちが良かった。
少し脱線ですが、最近ティルマンスがオペラの美術を担当しました。こちら
こういう舞台美術って大体がインスタレーション作家や彫刻家など、もともと空間を扱う作家が手がけることが多いですが、彼は写真というメディアを使ってこれまでも空間を作ってきたからこそ成せる技なんでしょうね。
さらに脱線というかこの流れで地下のマイケル・ケンナの写真は本当に悪例だと思う。
見ていて全然時代についていってないというか、これならインスタでよくない?ってなりました。
ひたすら並べられるただただ美しい白黒写真に辟易してしまった。。。絵葉書でした。
というわけで戻って2F。
もう一つ面白いのは、5人の中にヘテロ男性がいないこと。
別にジェンダーで気にしてみる必要はないんだけれど、特に出品してる男性2人はゲイで、あとは女性。
これって笠原美智子さんの影響なのかな、と勘ぐってみたりしそうになるんだけど、その笠原さんが1968年展やアジアに目覚めたら展に女性の出品があまりにも少ないと仰ってたこととは真逆の事態が起こっていて、これも時代なのかな、と思うとちょっと面白かったり。
で、内容ですが、全体を通して素晴らしかったと思います。
特に森栄喜さんとミヤギフトシさんにはやられました。
森さんは血のつながりや家族をテーマに作品を作られていますが、今ちょうど新宿3丁目にあるKEN NAKAHASHIでも展示をされていて、その「Letter to My Son」という新作が素晴らしいんですよ。
美術館では寒冷紗みたいな布に投影されてますが、写真の本質をついてる気がする。
というのも、一人の青年を撮ってる映像なんですが、一つのシーンにつき長くとも5秒も満たないようなシークエンスが続くんだけど、その眼差しみたいなものがぐんぐん流れ込んできて泣きそうになる。
写真って基本的に近しい人を撮るものだと思うんだけど、写真に撮る対象に向ける眼差しって基本的に愛おしさみたいなものが含まれていて、写真は瞬間を切り取るものではなくて、その愛おしさの時間みたいなものが詰め込まれてるものだと思う。
撮るよ撮るよー、もうちょっと右、ハイ、チーズっていう流れも写真に入ってると思うんです。
その感覚が見事に映像になってて、会ったこともない青年が愛おしくなってしまう。
家族を演じた「Family Regained」シリーズも愛おしいんだけど、「Letter to My Son」はさらに愛おしさの濃度が濃い。それはタイトルにもあるようにまるで自分の息子に宛てた手紙のように、本当に大事な出来事なんだな、と思います。
そしてミヤギさん。
展示がかっこよすぎる。なんなんですかあれ。
暗闇の中に浮かぶ薄暗い男たちの肖像写真。
さらに奥へ行くと写真と同じ配置で浮かぶ写真を撮ってる時の映像。
この作品は、対象となる男性の部屋に行って、夜、暗い中で窓から入る光だけで撮るというもの。
暗い中で撮るので、シャッター時間を長めに取らないと撮れなくて、その間対象は動いてはいけない。
その沈黙が鑑賞空間に染み込んでいて、物凄く心地がいい。
沈黙を共有するってすごい親密な時間だと思う。
ミヤギさんの作品は前から好きですが、改めてすごい作家だと思いました。
写美の展示は3つとも来年の1月27日まで。


今月見た他の展示一覧。

松江泰治「gazetteer」@ TARO NASU
絵と、  vol.4 千葉正也 @ gallery αM
細江英公「芸術家たちの肖像」@ Galerie LIBRAIRIE6
民藝 MINGEI -Another Kind of Art @ 21_21 DESIGN SIGHT
桑山忠明 @ Taka Ishii Gallery
小野祐次 Vice Versa ‒ Les Tableaux 逆も真なり−絵画頌 @ Shugo Arts
冨井大裕「線を借りる」@ void+
終わりのむこうへ : 廃墟の美術史 @ 松濤美術館

なんとなく写真多め。
松江さんの細密な写真にも驚愕したけど、何と言っても細江英公。
大変失礼なんだけど、まだご存命だって知らなかった。。。
オールスターの肖像がこれでもかってぐらい写ってて笑った。
恵比寿にあるギャラリーで、写美ついでに寄ったんだけど、こちらもまた知らなくて、シュルレアリズムを中心に結構マニアックな本も売ってたり中々面白いので恵比寿来たらまた寄りたい。
冨井さんの作品もまた面白くて、服のパターンを使って彫刻を作るという方法の可視化も面白いし、展示方法も展示代にアンバランスに載ってて、多分アンソニー・カロを意識してるんだろうなぁと読めるのもいい。
廃墟展は期待ハズレ。。。廃墟っていうか遺跡。。。

ギャラリーじゃないけど、六本木のギャラリー群を見る前に立ち寄った、青山ブックセンター六本木の跡地にできた「文喫」が面白かった。
「本と出会うための本屋。」を謳っていて、入場料が1500円かかるんだけど、コーヒーとお茶は飲み放題で、滞在制限時間もなくて、売ってる本を自由に閲覧できることができる本屋、というか施設。
本屋で本が売れなくなった時代の新たな形だと思いました。
つまり、買ってもらったらラッキーだけど、その前に手堅く入場料で稼ごうと。
そこにカレーやらケーキなんかもあるのでついでに飲食でもお金落としてもらおうと。
客としても、ここで実際に本をとって中身を見られるので、正直ここで見てネットでポチるのもあり。
特に洋書はネットだと半額近い値段で買えるのでそうならざるを得ないと思う。
ネットだと実際には見られないので、相互補完的な利用ができるなら1500円は高くないかと。
キャッチフレーズに全く嘘がないのが気持ちいいと思います。
僕もブックカフェ的なものをやろうとしてるので、中々参考になりました。
すでに人気で入場規制までかかってるみたいなので、その辺のオペレーションをうまくしないと問題だろうけど、六本木に用事があるなら寄ってみて損はない場所だと思います。

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A'holic pop up cAfe 終了しました。

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8月より間借り営業させて頂いていたポップアップカフェは本日12月23日で最後となりました。
お越し頂いた皆様誠にありがとうございました。
この経験を糧に来年自身のお店を開けるようがんばります!
友人の大久保雄介くんに店内の様子を撮っていただきました。ありがたい!

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森川穣「color field」@ A'holic pop up cAfe

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今週金曜(12/14)から始まるポップアップカフェ企画の展示に私森川穣の新作を発表します。
新作といってもまだ途中経過報告みたいな感じになるのですが。
実作としては、来年3月に山口県宇部市にあるときわ公園内にて発表します。
国内の作品発表は実に5年ぶり。。。しっかり作品作るのもスイス以来。。。
さらにこの作品、自分の作品と言ってもいいのかと言う複雑さもあります。

事の経緯はこの4月に来たメール。
2011年に彫刻展に出品した時の担当学芸員の方からでした。
最初は中学生達とできるワークショップのアイデアがないかとのご相談だったのが、いつの間にか僕の作品として子供達と作れないかということに。
正直これから上京だし、お店を作っていこうというところだったので、スケジュール的にどうかな、という段階だったのですが、「子供達と作品を作る」というのがあまりに魅力的すぎてえい!と思い切って乗っかってみました。
スイスでも子供達と作品を作りましたが、本当に素晴らしい体験だったんです。
お恥ずかしながら、完成した自分の作品を見て泣いたのは初めてでした。
僕の場合、自分の作品だと俯瞰で見ちゃって完成しちゃうと没入できないんですよね。
そこに他人の手、しかも子供達の手が介入することによって他人の作品のように没入できちゃったんです。
この体験もあり、もう一人で作る作品作りというものから興味がなくなってしまってました。
そこに今回のお話。
正直「森川さんの作品を作ってください」というオファーだったらお断りしてました。
そこに「子供達と」というファクターがくっつくことで是非!ということになりました。
しかし蓋を開けてみると、「200人で半年かけて」という壮大なものでした笑

とりあえず6月に現地に行って現場を拝見。7年ぶりの宇部!!
担当学芸員さんとも久々の再会を果たしたり。
中学校も見学に行ったりして、とても新鮮な体験でした。
なんとなくプランは持って行ってたものの、実際現場でやってみると何か違う。。。
とりあえず宿題という形で改めて東京帰ってから練り直し。
スイスでは小学生だったのですが今回は中学生。
結構いろんなことが出来るし、出来るなら彼らの思い出になるようなものを作りたい。
せっかく200人もいるし時間もあるので人海戦術も可能。
あれやこれやと考えた末に出たプランは「落ち葉の花見」でした。
エリアを花見の幕のようなもので囲み、そこに色とりどりの落ち葉を敷き詰める。
発表は3月なので、桜の開花直前。
まだ花もなく、葉も落ちきった枯れ木の下で、上を見上げるのではなく、下を見下ろす「お花見」。
正確には「お葉見」ですが。
目標は1万枚!と掲げて中学生達に枯れ葉に色をつけてもらうことにしました。

そうと決まると、あとは彼らにコンセプトを伝えるためのビデオレター作り。
しかしこのプランで難しいのが、せっかく塗った落ち葉が踏まれるということ。
これには色々考えましたが、やっぱりお客さんに入ってもらうのが重要なんですよね。
囲って外から見るのは絶対違う。
考えた挙句、「混ざる」というのをキーワードに説明することにしました。
中学生の頃の自分を思い出すと、結構人が介入してくるのが嫌だったなぁという思いがあります。
でも、社会に出ると嫌が応にも人と接しないといけない。
とはいえ、大人になる事の最大の利点って、自分が関わりたい人をある程度選べるという事。
子供の時代はそれが選べない。
その出会いの一つ一つが宝になるし、自分だけで自分は形成できないことを知られる。
今回のこの葉っぱ一枚一枚は塗った生徒個人個人の個性だけれど、踏まれることで、他の葉っぱの色と混ざり合うことになって、最後には思いも寄らない彩の風景になると思います。
「個性は自分一人では作れない」ということを伝えることにしました。
まあ、こじつけっちゃこじつけなんですが笑
最近年なのか、下の世代に何を託せるかってことを考えることがあります。まだ青二才で生意気ながら。
とはいえ、もう前のことしか、や、前のことすら見えなくてがむしゃらに走ってきた10代20代と今では全く見えてる景色が違って、見えないのは見えないんだけど少し心に余裕持って走れるようになってきた感もあり、自分が今まで与えられてきたものを恩返ししたいと思えるようになってきました。
そこでのバーであり今回の作品です。美しい。

このプランを考えながら、今の自分は「場所」を作りたいんだなぁというのも思いました。
作品、特に僕はインスタレーションを作ってたので、どうしても「空間」という意識がありました。
空間=spaceというのは、抽象的でハイブリットでそこに人がいなくても成立するもの。
場所=siteは人がいて、歴史が積み重なってレイヤーになっていく血の通ったもの。
僕が今作りたいものは圧倒的に後者です。その為にお店を作るということになりました。
今回の作品もそこに人が入って寛げる「場所」です。
このタイミングでこういう作品作りができるってのは思いも寄らないことでしたが、むしろこのタイミングだからこそなんだろうな、とも思います。
一度やってみたかった、自分の手が全く介入しない作品作りが実現します。
行ったら作品ができてるってなんだかすごい笑
今回お声がけしてくださった学芸員の方々には本当に感謝です。
7年も経って覚えててくれるのも嬉しい。
来月は完成前最後の下見に行ってまいります。またご報告します。
とりあえず経過報告、ぜひポップアップカフェまで観に来てください!

A'holic pop up cAfe
vol.07 「生きる」
12/14,15,16,21,22,23
東京都新宿区新宿5-10-5 プログレス新宿5階
http://aholic.tokyo
13:00-18:00(l.o.17:30)



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A'holic pop up cAfe vol.07 "生きる"

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ポップアップカフェ企画第七段「bodytAlk」、無事終了しました。
お越しいただきありがとうございました。
今週12月14日(金)からいよいよラストテーマ「生きる」がスタートします。
タイトルは壮大ですが、日常に溢れる「生きる」を取り上げます。
12月14,15,16,21,22,23の6日間のみ!
以下ステートメントです。

愛し、欺き、遊び、与え、歩き、憤り、慈しみ、祈り、飢え、動き、失い、歌い、疑い、敬い、恨み、選び、老い、踊り、驚き、変わり、悲しみ、考え、聞き、悔やみ、比べ、苦しみ、汚れ、壊し、裁き、信じ、進み、染まり、育て、食べ、闘い、黙り、頼り、誓い、作り、伝え、問い、閉ざし、止まり、整え、弔い、泣き、悩み、逃げ、憎み、眠り、願い、残し、望み、働き、恥じ、走り、開き、触れ、欲し、交わり、待ち、学び、守り、満たし、認め、結び、病み、揺れ、許し、喜び、別れ、忘れ、笑って、生きる。

念仏のようで気に入ってます笑

さて、まずは2006年に水戸芸術館で開催された展覧会図録。
出展作品はもちろんですが、途中で挟まれる言葉の数々にすっかりやられました。
特にビル・ヴィオラとマグダレーナ・アバカノヴィッチの展示間にある谷川俊太郎で泣きました。
そしてその先にはここのために作られたんじゃないかと思うぐらい神々しいスー・ドーホーの落下傘。
展示を観て涙が流れたのはこの展覧会が初めてでした。
当時の担当の逢坂さんが横浜美術館の館長になられて、お会いできた時にはこの時の感動を伝えました。
今でも忘れられない展覧会の一つです。

「人間の未来へ-ダークサイドからの逃走」(2006) 展覧会レポートはこちら
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生きてることそのものが作品になったお二人。

"ON KAWARA -Silence" (2015)
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"BEUYS BOOK" (2012)
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続いて日常に溢れる生。
川内さんの「CUI CUI」は本当に日常を丹念に写した写真集で、途中でおじいさんが亡くなられるんだけど、残されたおばあさんの凜とした姿が目に焼き付いてます。これもロンドンで見て泣いた。。。
そして長島さんの「not six」は本屋で立ち読みしてドキドキした。恋人から夫、そして父へ。最も近い他人をここまで赤裸々に写し取ったものを初めて見てしまった。ちなみにタイトルの意味は「ろくでなし」。その後離婚されたと知って、真っ赤な他人なのにショックでした。。。

川内倫子「CUI CUI」(2005) 展覧会レポートはこちら
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長島有里枝「not six」(2004) 展覧会レポートはこちら
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次からは死を扱ったものになります。。。
死と生は薄皮一枚で繋がってます。
死によって逆照射される生はきっと美しいものだと信じたい。

まずは石内さんの「ひろしま」。
カタカナでも漢字でもないところにホッとします。
広島の原爆で焼け残った遺留品を撮影した写真集で、当時のものって継ぎ接ぎで大事に使われてたので、いわば全てがオートクチュール。そこに体がなくても誰のものかが判定できるとのこと。驚くほど綺麗な刺繍や模様があしらわれてたりして、被害者としてではなく、一人の人間像が浮かび上がります。

石内都「ひろしま」(2008) 展覧会レポートはこちら
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「死に至る病」であったAIDSに苦しみながら、生の美しさを体現してくれたアーティスト達の作品集を取り上げます。
まずはロバート・メイプルソープ。
若かりし頃の溌剌とした彼のセルフポートレートが表紙です。
僕はまだ10代だった頃にこの展示を観て衝撃を受けました。
こんなに美しい写真を撮る人がいたんだ!
当時あまり現代作家に詳しくありませんでしたが、現代作家で初めて買ったカタログだった気がします。

「ロバート・メイプルソープ回顧展」(2002)
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そして90年代以降、最も他のアーティストに影響を与えたであろうフェリックス・ゴンザレス=トレス。
彼もエイズによって亡くなりました。
しかし彼の作品には一切悲壮感がなくて、詩的な美しさに息を飲みます。
同じくエイズで亡くなった彼氏との体重分のキャンディーを敷き詰め、観客がそれを食べる。
作品に触れること自体禁忌だったアート界の中、まさか観客の体内に侵入するなんて!!!
彼らの体重は少しずつ観客の体内に息づくのです。
そして「Perfect Lovers」では、二つの同じ時間をさす時計がただ並んでるだけの作品ですが、これがいつかどちらかの電池の減りが早かったりして時間が合わなくなるかもしれない。タイトルと相反するそのありようを想像するだけでドキドキします。
挙げていけばキリがないほど魅力的な作家。活動歴はなんと10年ほどなんですが大きすぎる足跡を残していきました。日本でもぜひ回顧展やってほしい。

「FELIX GONZALEZ-TORRES」(2006)
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数年前に自身がHIVの陽性者だと明かしたティルマンス。
今の時代すでにHIVは「死に至る病」ではないんです。
上の二人も少し遅くに生まれてたら。。。とも思いますが、そうなると作品がどうなってたのかと思うと複雑な気持ちです。
この写真集は97年にエイズで亡くなった彼氏の思い出がたくさん詰まってます。
特に最後の方、彼が息をひきとる直前に撮られたという繋いだ手を写した写真は見ていて苦しくなります。
僕は彼の抽象写真が好きなんですが、それも彼の死以降現実を直視できなかったことによるという話を聞いて見方が変わりました。このブログに詳しく書かれています。

Wolfgang Tillmans "Burg" (1998)
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そして、最後は何と言っても古橋悌二です。彼もエイズにより35歳の若さで亡くなりました。僕の今の年齢と同じです。
彼の残したダムタイプによる「S/N」は今や伝説となっています。
この舞台に登場する言葉にいくつか印象的な言葉があります。
「私はあなたの愛に依存しない。あなたとの愛を発明するのだ。」
「私は夢見る、私の性別が消えることを/私は夢見る、私の国籍が消えることを/私は夢見る、私の血が消えることを/私は夢見る、私の権利が消えることを/私は夢見る、私の価値が消えることを/私は夢見る、私の偏見が消えることを/私は夢見る、私の人種が消えることを/私は夢見る、私の財産が消えることを/私は夢見る、私の様式が消えることを/私は夢見る、私の恐怖が消えることを/私は夢見る、私の義務が消えることを/私は夢見る、私の権威が消えることを/私は夢見る、私の権力が消えることを」

ICCで開催されたダムタイプ展のカタログと共に、2007年に京都で開催された「S/N」を巡るエイズとの関わり方に関しての講演記録も出します。こちらはカフェのお客様にいただいたもので、当時古橋さんの周辺にいた人の証言などは、読んでいて苦しくなりますが、とても感じ入るものがあります。

「ダムタイプ:ヴォヤージュ」(2002)
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「エイズと「私」をつなぐリアリティ」(2007)
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最後におまけで「死を想え。」と題した太陽。
内容結構衝撃的なので、こっそり置いときます笑

「太陽1992年9月号」(1992)
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以上10冊+αです。
作品は後日!

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