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安喜万佐子展 暁の石/沈黙の水鏡 @ アートコンプレックスセンター東京・B1ホール

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昨日(11/1)より四ツ谷にあるアートコンプレックスセンターで安喜万佐子展が始まりました。
この施設、住宅街の中に突然現れるお城みたいな建物でビビります笑
その地下に巨大空間(約100坪!) があります。
そんじょそこらの作家じゃ埋められない空間。。。
安喜さんは4年ほど前にも展示されてて、その時も広いな、と思いましたが、今回は搬入のお手伝いをさせていただいたので、まだ何も展示されてない空間を見た時の絶望感たるや笑
最終的には二日でなんと60点近い作品を展示しました!

安喜さんは僕の大学の先輩にあたりますが、卒業後に展覧会をご一緒させていただいたりして、語りつくせぬ程お世話になっており、今回展示のお手伝いさせて頂けるのはとてもありがたかったです。
展示に関していえば、今回照明がすごいです。
美術館でもたくさんお仕事されてる竹下誠司さんが担当されていて、プロってすごい!と改めて。。。
とっても勉強になりました。
今後美術館でも照明もっと気にして見てみたいなと思います。

さて、展覧会。
本当に盛りだくさんで、語りつくせないんですが。。。
まず入ってすぐの映像作家前田真二郎さんとのプロジェクションマッピングコラボがものすごいです。
金箔の松林図に波や雪が投射されてるんですが、無限の奥行きを感じる。
椅子が置いてあって、本当にいつまででも眺められます。
寒い日に窓から雪が降ってる冬の海を見ているような。
この「風景」や「窓」の関係は、安喜さんが数年来取り組んでらっしゃる主題です。
彼女の描く絵画はそのほとんどが所謂「風景画」です。
テンペラや岩絵具といった和洋の古典技法を用いながら、あらゆる「風景」を画面に落とし込みます。
しかしそれは果たして一言で「風景」と言えるような代物ではなく、むしろ「光景」といった方がしっくりくるのかもしれません。
彼女の作品はしっかり画面と対峙しないと見えてきません。
まるで明るいところから暗いところに入った時の暗順応に近いものがあります。
それは、彼女が対象そのものを描いていないからだと思います。
対象を光として細分化して、一つ一つ丁寧に色彩を置いていくのです。
金箔の絵画に関しても、描かれる対象は「空」(void)として残されます。
図と地の関係が反転していて、例えば松林図だと本来画題にもなってる松林はキャンバス地のまま残され、背景が金箔で覆われていることで松林が「白い影」として顕れるのですが、さらに先のプロジェクションマッピングの松林図に関しては、途中で急に描かれた松もあったり、金箔ではなく銀箔が貼られていたりして、何がなんやらわからなくなってしまうのです。
奥の部屋の大画面もすごい「光景」群。
本当に光に覆われるような感覚に襲われます。
そんな彼女が最近になって発表し始めた作品に「影の絵」というシリーズがあります。
刺繍枠に絹本を貼って、そこに描画して、最終的にそこに光を当てることで壁に絵画の影が投影されます。
僕はこれまで安喜さんの作品を見てきて、ついにここまで来たのか!と驚愕しました。
一人の作家をずっと追って見てるとたまにこういうことが起こります。
人生を懸けてものごとを突き詰めていくと辿り着ける境地みたいなのが垣間見えるんです。
物故作家だとカタログを時系列に見ながらなるほどなるほど、とその進化をたどれますが、今を生きてる作家さんはその途上をリアルタイムで見られるんです。これほどエキサイティングなことはありません。
ゴームリーが霧の作品を作った時や、石内都がフリーダ・カーロを撮った時もそうでした。
それが今回体験できました。
もちろんこの「影の絵」は発展途上だと思います。
まだまだできることがたくさんありそう。
もうそのことを勝手に想像するだけでワクワクします。
展覧会は11月18日まで。ぜひ!こちら
明日11月3日にはオープニングパーティーもあるみたいなので興味ある方は行ってみてください。僕も行きます!


さて、そんな安喜さん。
本日より僕のカフェで始まる「空間孝」で彼女の作品を展示させていただきます!
前田真二郎さんとのコラボレーションの映像作品です。合わせてどうぞ!
2011年に開催された僕も参加した「風景の逆照射」展の冊子もお配りします。

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