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今思うこと 20181126

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昨日(11/25)で上京からちょうど半年が経ちました。
まだ半年。もう半年。
それなりの成果は挙げられてるのだろうか、と成果主義で考えると不安になるのでやめます。
むしろ、周囲の人に恵まれてちょっと幸運に恵まれすぎた感があります。
ポップアップカフェも全く繁盛してないけれど、とってもいい経験になってます。
まさか開店前にこんなことが出来るなんて上京前には夢にも思ってませんでした。
バー店主のSさんには永遠に足向けて寝れない。
また、来てすぐにバイトに誘ってくれたMさんにも頭が上がらない。
このバイトの経験もすんごく役に立ってます。心も強くなった気がする笑
そして友人家族にも、、、言うまでもなく感謝でいっぱい。
こんな歳になってこんな突拍子もない行動をとる人間を見捨てないでいてくれてありがとう。

で、ここまでは本当に他力本願でやってきました。
口開けてたら勝手にエサくれるみたいな過保護状態。
ここからはいよいよそのツケを払っていかないといけない。
なんかそのことを考え出すと夜寝付けなくなるし、不安も死ぬほどあります正直。
今、物件が決まりそうなところまで来てます。
まずその物件が決まらないと何も始まらないので不安。
決まってそこから改めて金策していかなきゃならないのも不安。
お店がちゃんと出来上がるのかも不安。
出来上がって誰も来てくれないんじゃないかと思って不安。
不安になり出したら止まらない。
でも、その為にやってきた東京です。やるっきゃない。
数字のこととかチンプンカンプンなので、まずは好きな内装の事とか考えてます。
内装、すんごくよくなる予感です。これは自信あります。
そういうポジティブなことを足がかりに色々不安を解消していきたいです。

それはそれとて東京。
「東京は慣れた?」とたまに聞かれるけど、自分でもよくわかりません。
友達も相変わらず少ないし、常連と言えるほどの店もそんなにない。
でも、住んでなかった時には見えなかった東京もたくさん知ることができてるし、何と言ってもここに居るのが楽しくて仕方なくて、恥ずかしいぐらいに東京が好き。
という点では多分慣れてないんだろうね。
「東京なんてつまんない」と言えるぐらいになってようやく一人前なんでしょう。
残念ながらそんな感情今の所一粒も芽生えません。
東京は冷たいなんて言うけれど、前述のように、沢山の親切に触れちゃってます。
と言うわけで都民半人前。

将来こんなこと思ってたなぁと読み返せるようにメモ。駄文失礼しました。
写真は上京初日に撮った新宿の夜景。

A'holic pop up cAfe vol.06 "bodytAlk"

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ポップアップカフェ企画第六段「空間孝」、無事終了しました。
寒くなったり暖かくなったり不安定な季節の中お越しいただきありがとうございました。
今週11月23日(金)からはvol.06「bodytAlk」が始まります。いよいよテーマもあと2つのみ!
身体に関わる本10冊と関連作品を展示します。
以下ステートメントです。

身体は心に従属するのか、はたまたその逆か。
身体。このどうにもならない物体を抱えて我々は日々を営んでいる。
自分でありながら自分でも制御不能な厄介者。
芸術家たちはその身体を使ってこの厄介者にアプローチを試みた。
或る者は自身の身体を直接使い、また或る者は絵筆やノミを使って身体をトレースした。
その先に見える地平に目を凝らし、身体が語る言葉に耳を澄ましながら。



まずは2011年に東京近美で開催された「ぬぐ絵画」のカタログ。
明治に西洋から入ってきた「ヌード」に日本人がどう向かい合ってきたか。
展覧会自体は見れてませんが、学芸員の蔵屋美香さんの論考がとてもとても刺激的!

「ぬぐ絵画 ー日本のヌード 1880-1945」(2011)
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今回個人的に最もプッシュしたいのが矢頭保。
彼は知る人ぞ知るメールヌードの第一人者。
彼の作品を初めて見た時の衝撃は忘れられません。
これほどに美しく、これほどに艶かしい男の裸を撮る人を後にも先にも他に知りません。
特に今回出す「裸祭り」は秀逸。
タイトル通り全国の裸祭りを撮ってるのですが、祭りの熱気がそのままあふれています。
冒頭には三島由紀夫の文章も寄せられていて、矢頭の撮った三島も本当に素晴らしいんですよね。
若くして亡くなったので写真集が3冊しか出てなくて、もっともっと見たかったなぁ。

矢頭保「裸祭り」(1995)
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続いて二人の作家のぶつかり合いが見られる刺激的な3冊。
好きなんですよね、こういうの。
O JUN x 棚田康司「鬩(せめぐ)」展も入れるか悩みましたが今回は泣く泣く脱落。。。

「Egon Schiele - Jenny Saville」(2014) 展覧会レポートはこちら
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「Bacon - Freud: Expressions」(1995)
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「石内都 フリーダ 愛と痛み」(2016)

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身体と聞いてパッと浮かぶのは僕の中でこの3方。

Antony Gormley 「Blind Light」(2007) 展覧会レポートはこちら
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加藤泉作品集「絵と彫刻」(2011)
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マリーナ・アブラモヴィッチ「The Star」(2004)
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アート外からはフセイン・チャラヤンとピナ・バウシュ。
ピナの「コンタクトホフ」は何とダンサー全員65歳以上で踊るという企画!

「フセイン・チャラヤン ファッションにはじまり、そしてファッションへ戻る旅」(2010)
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Pina Bausch 'Kontakthof, avec des dames et messieurs au-dessus de 65 ans' (2007)

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書籍は以上10冊。
そして作品ですが、少し問題作です笑
韓国のペク・ジョンギ「Untitled: Vaseline Helmet #3」。

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えっと、モデル、私です笑
確か23歳の時。。。若い!!
どうでもいい話、最近になってようやく自分がタレ目なのに気づいたんですが、この写真見ると昔からめっちゃタレ目やん!なぜかずっとつり目だと思い込んでたんだけど。。。

それはさておき、ジョンギはロンドン時代の同級生で、ロンドンで出会った中でも最も仲が良く、作家としても大尊敬してる人です。
卒業後も彼の作品を観に韓国だってニューヨークだって行ったもんです。
この作品は、当時鎧や武器を彫刻にしてた彼が辿り着いた局地とも言える作品で、自身の身体を守るだけでなく癒す機能までついた鎧。傷ついた壁もワセリンで埋めたりしてたなぁ。
その後彼は場所の記憶につながる作品に転化していくけど、僕はこの頃の作品が好きだったなぁ。
23歳。。。もう一回りしてしまいました。。。

今回はニューヨークの個展の際に出した彼の作品集も一緒に置いておきます。
本当に素晴らしい作家なのでぜひご高覧ください。

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ところで本の紹介などをまとめたinstagramを新たに開設しました。こちら
よかったらフォローお願いします!
tumblrは誰も見てないのでやめました笑

ということで新企画「bodytAlk」もお願いします!

A'holic pop up cAfe
東京都新宿区新宿5-10-5 プログレス新宿5階
http://aholic.tokyo
13:00-18:00(l.o.17:30)

1968年 激動の時代の芸術 @ 千葉市美術館

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千葉・・・馴れない京成線に乗ったら乗り過ごしたりして行き帰り右往左往しつつ到着。
そこまでして観に来たのが「1968年激動の時代の芸術」展。
いっそこの後の巡回先の静岡で観ようかとも思いましたが、やはり観れる時に観ておこうと。

1968年。
パリの五月革命、プラハの春、ベトナム戦争。。。
この年は枚挙に遑がないほど世界中で事件が勃発していました。
戦後、皆が復興し理想郷に向けて走り出したはいいものの、理想郷のメッキが剥がれ始めたのがこの辺りなのでしょう。いわばパラダイムシフトの時期がこの1968年に当たります。
日本では全共闘が大学をバリ封したり、新宿騒乱もこの年にあったり荒れ狂った時代なのです。
この「熱狂」を知らない僕にとって、少し憧れの年でもあります。
もちろん当時にいたらいたで辟易した可能性大だけど、それでも少しは味わってみたかった。
そんな時代の「味見」をさせてもらえるのがこの展覧会です。
実際想像以上にボリューミーで大満足の展覧会でした!!
ちなみに内容的には1968年のみならず、1966年から1970年までの芸術の流れを示しています。

まず初っ端の東松照明や森山大道の白黒写真からやられた。
これは1968年10月21日に勃発した新宿騒乱を捉えた粒子の荒い写真たち。
この時代の新宿は本当に熱かった。
西口には西口広場があり、東口にはグリーンハウス。
花園神社では唐十郎の状況劇場、風月堂は文化人の坩堝。
あぁ、新宿。
今ではすっかり変わってしまったけれど、そんな地霊の息づく新宿が大好きだし、お店をこの地に出したいと思ったのもこれが理由。
歌舞伎町、ゴールデン街、新宿二丁目、紀伊国屋書店。
今だって十分カオスなんだけどね。
ちなみにこの展覧会にはなぜか出てませんでしたが、当時の新宿を知る資料として大島渚の「新宿泥棒日記」(1969) があります。映画としてはどうなのって感じですが、冒頭から唐十郎が出てきたり、主演が横尾忠則だったり(!)、状況劇場や新宿騒乱の様子、当時の紀伊国屋などかつての新宿がたくさん登場します。



それから1969年に公開された松本俊夫の「薔薇の葬列」。
ピーターのデビュー作でも知られますが、何気にゼロ次元や粟津潔も出てきます。




あと脱線だけど、最近三橋順子さんが出した「新宿 「性なる街」の歴史地理」が最高に面白かった!
江戸時代の内藤新宿の様子から新宿遊郭、赤線、新宿二丁目へと移り変わる流れが緻密な調査により浮かび上がってくる名著。新宿好きにはたまらない一冊です!
ちなみに前述の「薔薇の葬列」に出てくるバーの名前が「ジュネ」で、三橋先生が昔働いておられたお店もジュネなんだけどたまたまかな?

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閑話休題。

それにしてもこの時代の日本のカルチャーは凄まじい。
美術にはハイレッドセンターがいたし、デザインには粟津潔に横尾忠則、演劇には唐十郎に寺山修司、文学には三島由紀夫に安部公房がいて、建築は磯崎新らメタボリズム運動真っ只中。
美術批評も瀧口修造もいれば御三家(中原佑介、針生一郎、東野芳明)がいて、石子順造や宮川淳まで。
さらにこれらの人たちがジャンルを横断しながらコラボしまくっていた時代。
椹木野衣は各ジャンルの未熟さ(悪い場所)故というけれど、とは言えこの交配は刺激的。
「空間から環境へ」(1966)、「トリックス・アンド・ヴィジョン」(1968)、「人間と物質」(1970)等伝説的展覧会も開催。
他にも読売アンデパンダン、千円札裁判に美共闘など、国家(社会)と美術が繋がっていた時代。(好む好まざる関わらず)
本当にこの時代に生まれてなかったのが悔やまれる。
とは言え、こうして後から客観的に見ることでまとまってるけど実際はもっとカオスだったんだろうなぁ。
このカオスは1970年の万博で終わってしまいます。
前衛を葬り去った万博。
しかしこの万博さえも、やはりこの「熱狂」の頂点として今から見れば美しいのです。
実際この万博は言わずもがな国家総動員で練り上げた壮大な祭であり、そこには岡本太郎に丹下健三、実験工房に具体他一流の芸術家までも動員され、この時代の極点として相応しい祭典となりました。行きたかったなぁ。。。
そんな中、前衛外に現れたのが「もの派」。
1968年の10月、神戸須磨離宮公園現代彫刻展で、関根伸夫が「位相ー大地」を発表したことをきっかけに、ものそのもの、手の否定を主軸にした作品が増殖します。
これらが万博後も隆盛を極めたのは、皮肉なことに美術というジャンル内に留まったことが大きいのかもしれません。
「前衛」は、その言葉通り、社会や国家に対してのカウンターたる使命を帯びているのに対して、もの派にはそういう十字架がないのです。
ここから美術は、他ジャンルとあまり交わることなく独立化していくのですが、やっぱり刺激が足りない。。。
こうして展覧会を一望していて思うのが二人の人物の絶大なる存在感。
赤瀬川原平と高松次郎です。
最初から最後まで必ず登場する二人はやっぱり他の作家とは一線を画しているように思います。
赤瀬川さんは一人インターメディアやっちゃってるのでまさに「前衛」を体現するような人ですが、高松さんはずーーっと美術をやってるのがすごい。ハイレッドセンターは確かに赤瀬川色が強いけれど、読売アンデパンダンから影の絵画まで、ひたすら「虚」と向かい合って制作してる姿がかっこよすぎる。長生きしてたらどうなってんたんだろうと想像せずにはいられません。展覧会途中に出てくる自身が壁画を担当した新宿二丁目にあった「サパークラブ・カッサドール」でグラス片手にソファーに腰掛ける高松さんがイケメンすぎます!

そんなこんなで本当に素晴らしい展覧会でした。
千葉市美術館での展示は終わってしまいましたが、今後北九州市美術館(2018.12.01-2019.01.27)と静岡県立美術館(2019.02.10-03.24)に巡回するのでまだの方は是非!
ちなみに静岡では来年1月5日から「起点としての80年代」展も静岡市美術館でやるのでセットで観るのがいいかと。僕は年明けにこっちだけでも観に行けたらなという感じ。
カタログも2000円で凄まじいボリューム。資料的価値はもちろん冒頭の水沼啓和氏の文章や、ゼロ次元やハイレッドセンターの記録写真でも知られる羽永光利氏のご子息羽永太郎さんの文章もグッときます。
惜しむらくは英語訳がないこと。。。英語はやっぱり必要です。

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ところで、この展示でもキーパーソンになってた赤瀬川原平の未発表作品が国分寺にある丘の上APT/兒嶋画廊というところで12月9日まで開催中です。
ここ、よく知らなかったんですが、元々洋画家の児島善三郎氏のアトリエ跡地に建てられたそうで、建築家は赤瀬川さんとも所縁の深い藤森照信氏。
住宅地の中に突然現れる様子のおかしい建物笑
展覧会の内容は、1971年に限定200部だけ出版した本「あいまいな海」の原画が展示されてます。
赤瀬川さんってすごく不思議で、彼の作るものってどこかオリジナリティを避けてる感があって、実際作品見てもピンとこないんですよね。
そもそも「千円札」の頃からも、「模型作り」と言っていたように、トマソンにせよカメラのデッサンにせよ、ひたすら何かを模してる印象。
今回の原画も、1968年展に出てた漫画もどこかで見たことあるようなタッチ。
内容としては確かに赤瀬川原平なんだけど、パッと見て赤瀬川さんと言えるタッチって中々ない気がする。
とはいえ場所としてもとても気持ちいいしオススメです。こちら

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その他の展示。
「田根剛 未来の記憶」@ オペラシティギャラリー
今最も注目されてる建築家といっても過言ではないけれど、どうも好きになれない建築家…前半にあるエストニア博物館の藤井光による映像見てたらわかるけど、内部が綺麗すぎる。考古学といいながら、それが反映されてるのはせいぜい外部のみで内部に及んでいない。

主観主義写真における後藤敬一郎 @ スタジオ35分
この写真ギャラリーは隣にバーも併設されててとっても好きな場所。特に主観主義写真の再発見に力を入れてて、今回もその一環。主観主義写真は主に50年代に起こった写真の動きなんだけど、あまり顧みられることもなくきてしまっていて、実際当時のフィルムがなくなってたりして、再評価されるのは急務。今後美術館での展示やまとまった写真集の出版など動きが気になるところです。

川辺ナホ『Save for the Noon / 昼のために』 @ WAITINGROOM
元々川辺さんの作品って政治的だったっけ?って思うほど今回は政治的。
ベルリンの壁の崩壊以前の東西ドイツの話が背景にあるみたい。
とはいえ見た目がポップなので見ただけではわからないかも。その背景必要なのかな?

加納俊輔「ピンク・シャドウ」@ Maki Fine Arts
単調な展示。それを目指してるとは思うけどもう数シリーズ欲しかった。

齋木克裕|朝食の前に夢を語るように @ Sprout Curation
すいません、何のこっちゃわからず感想すら出ません。。。

安喜万佐子展 暁の石/沈黙の水鏡 @ アートコンプレックスセンター東京・B1ホール

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昨日(11/1)より四ツ谷にあるアートコンプレックスセンターで安喜万佐子展が始まりました。
この施設、住宅街の中に突然現れるお城みたいな建物でビビります笑
その地下に巨大空間(約100坪!) があります。
そんじょそこらの作家じゃ埋められない空間。。。
安喜さんは4年ほど前にも展示されてて、その時も広いな、と思いましたが、今回は搬入のお手伝いをさせていただいたので、まだ何も展示されてない空間を見た時の絶望感たるや笑
最終的には二日でなんと60点近い作品を展示しました!

安喜さんは僕の大学の先輩にあたりますが、卒業後に展覧会をご一緒させていただいたりして、語りつくせぬ程お世話になっており、今回展示のお手伝いさせて頂けるのはとてもありがたかったです。
展示に関していえば、今回照明がすごいです。
美術館でもたくさんお仕事されてる竹下誠司さんが担当されていて、プロってすごい!と改めて。。。
とっても勉強になりました。
今後美術館でも照明もっと気にして見てみたいなと思います。

さて、展覧会。
本当に盛りだくさんで、語りつくせないんですが。。。
まず入ってすぐの映像作家前田真二郎さんとのプロジェクションマッピングコラボがものすごいです。
金箔の松林図に波や雪が投射されてるんですが、無限の奥行きを感じる。
椅子が置いてあって、本当にいつまででも眺められます。
寒い日に窓から雪が降ってる冬の海を見ているような。
この「風景」や「窓」の関係は、安喜さんが数年来取り組んでらっしゃる主題です。
彼女の描く絵画はそのほとんどが所謂「風景画」です。
テンペラや岩絵具といった和洋の古典技法を用いながら、あらゆる「風景」を画面に落とし込みます。
しかしそれは果たして一言で「風景」と言えるような代物ではなく、むしろ「光景」といった方がしっくりくるのかもしれません。
彼女の作品はしっかり画面と対峙しないと見えてきません。
まるで明るいところから暗いところに入った時の暗順応に近いものがあります。
それは、彼女が対象そのものを描いていないからだと思います。
対象を光として細分化して、一つ一つ丁寧に色彩を置いていくのです。
金箔の絵画に関しても、描かれる対象は「空」(void)として残されます。
図と地の関係が反転していて、例えば松林図だと本来画題にもなってる松林はキャンバス地のまま残され、背景が金箔で覆われていることで松林が「白い影」として顕れるのですが、さらに先のプロジェクションマッピングの松林図に関しては、途中で急に描かれた松もあったり、金箔ではなく銀箔が貼られていたりして、何がなんやらわからなくなってしまうのです。
奥の部屋の大画面もすごい「光景」群。
本当に光に覆われるような感覚に襲われます。
そんな彼女が最近になって発表し始めた作品に「影の絵」というシリーズがあります。
刺繍枠に絹本を貼って、そこに描画して、最終的にそこに光を当てることで壁に絵画の影が投影されます。
僕はこれまで安喜さんの作品を見てきて、ついにここまで来たのか!と驚愕しました。
一人の作家をずっと追って見てるとたまにこういうことが起こります。
人生を懸けてものごとを突き詰めていくと辿り着ける境地みたいなのが垣間見えるんです。
物故作家だとカタログを時系列に見ながらなるほどなるほど、とその進化をたどれますが、今を生きてる作家さんはその途上をリアルタイムで見られるんです。これほどエキサイティングなことはありません。
ゴームリーが霧の作品を作った時や、石内都がフリーダ・カーロを撮った時もそうでした。
それが今回体験できました。
もちろんこの「影の絵」は発展途上だと思います。
まだまだできることがたくさんありそう。
もうそのことを勝手に想像するだけでワクワクします。
展覧会は11月18日まで。ぜひ!こちら
明日11月3日にはオープニングパーティーもあるみたいなので興味ある方は行ってみてください。僕も行きます!


さて、そんな安喜さん。
本日より僕のカフェで始まる「空間孝」で彼女の作品を展示させていただきます!
前田真二郎さんとのコラボレーションの映像作品です。合わせてどうぞ!
2011年に開催された僕も参加した「風景の逆照射」展の冊子もお配りします。

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