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今村遼佑「雪は積もるか、消えるか」 @ アートラボあいち

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最終日ギリギリ、東京帰りに無理やりねじ込みました。今村くんの展示です。
ポーランドの滞在を経て、どんな作品を作るのかとても楽しみにしていました。
昨年末アートスペース虹での展示も見ましたが、やはり小さなスペースなので物足りなさが残ったというか。
今回はとても広いスペース。
アートラボあいちは長者町にあった時代は知ってましたが、今はとても立派な歴史建築物の中にあります。
行ったら最終日だったため、今村くんがちょうど撮影していて色々話も聞けました。

にしてもこの人はブレない。
ポーランドでの滞在での影響はどこかしらかにあるんだろうけど、昔から変わらずそれでいて新鮮。
その場所を慈しむように、さりげなくさりげなくそこに潜む作品たち。
作品はあるんだけど、それそのものを見るというより、それを触媒にしてその場所を楽しめてしまう。
今村くんの説明を聞いていても、ここにどんな光が入ってきて、どんな音があってという説明ばかり笑
実際この空間は大きな窓がたくさんあって、光がすごい勢いで変化して空間の質がどんどん変化するのです。
僕が行ったのは夕方前ぐらいだったので、驚くほどの変化を楽しめました。
これが夜とかだとまた面白いんだろうなぁと。
彼の作品は冬がよく似合う。
夏のギラギラした太陽の光ではなくて、ぼーっとした淡い光。
(実際以前「冬の日」ってタイトルの展覧会もあったな)
って、今村くんの作品の説明がほとんどないけど、実際そういう作品なんです。
具体的にはバケツの中に映像があったり、廃盤になったクレヨンで書かれたドローイングがあったり、ついたり消えたりする電球があったり、壁を叩く小さな音があったり、ポーランドで撮った映像なんかもあるとか色々言えちゃうんだろうけど、個々の作品をあげつらうのは彼の作品にふさわしくないように思います。
どうしようか迷ったけど、行って本当に良かった。
改めて僕はこの人の作品が心底好きなんだなぁと思えました。
終わっちゃったのでなんの宣伝にもなってませんが、今後も追い続けたい作家さんです。

<関連記事>
今村遼佑「ながめるとみつめるのあいだ」@studio90
今村遼佑 第5回shiseido art egg 「ひるのまをながめる」@資生堂ギャラリー
今村遼佑「ノックする」@site
今村遼佑「白色と雑音」@GALLERY301
今村遼佑展「畔を廻る」@PANTALOON



東京では他に恵比寿映像祭関連のALの展示とワタリウムのマイク・ケリーを見ました。
ALは秋山さやか、荒木悠、荒井美波の三人展。(全員Aから始まるのは偶然?)
中でも過去作ですが荒木さんの作品はよかった。オリーブを巡る誤認の話。
彼の作品は個展だとくどさがありますが、グループ展だといいスパイスになりますね。
マイク・ケリーは相変わらず意味不明笑
配られたチラシに映像に出てくる登場人物紹介が載ってるのが斬新でした笑

細川俊夫&サシャ・ヴァルツ「松風」@新国立劇場



塩田千春が美術を担当したオペラ「松風」を観てきました。
2011年の初演以来各国で上演の後にいよいよ初来日です。

ちなみに僕のオペラ経験はビル・ヴィオラが美術を担当した「トリスタンとイゾルデ」ピーター・ブルックの「魔笛」のみです。
前者は今でもトラウマ。。。後者はまだいい思い出。
今回は最安Z席のチケットが手に入ったので行くことにしました。S席なら辞めてた。
案の定4階の最後尾でしたがそこまでストレスはなく観られましたね。

さて、内容はオペラといえども元は能の演目。
旅の僧が須磨の浦を訪ねると、松に詩が吊るされているのを見る。
これは以前そこに住んでいた松風と村雨の姉妹に当てて在原行平が詠んだ詩。
行平を想いながらあの世に旅立った姉妹が僧の夢に出てきて魂の浄化を乞うというもの。

正直ビル・ヴィオラの時のようにちんぷんかんぷんになるのではないかとかなり案じていたのだけど、サシャ・ヴァルツの演出が素晴らしくて1時間半飽きることなく観られました。
オペラはオペラなんだけど、かなりダンス要素の強い作品で、ピナとか好きなら楽しめます。
彼女のことは知りませんでしたが、同じドイツ出身でポスト・ピナとも言われてるみたいですね。
以前映画館ですが、ウェイン・マクレガー演出のローヤル・バレエ「WOOLF WORKS」を観ましたが、それと似た感覚。ともに伝統の技を用いながらも全く新しい演出。(マクレガー演出・オラファー美術の「TREE OF CODES」日本でやらないかな。。。)
そこに塩田千春とピア・マイヤ=シリーヴァーの美術が加わります。
最初から舞台上は塩田さんの糸で張り巡らされてるの思いきや幕が開くと何もないのでびっくりしました。
え、どうやってあの蜘蛛の巣が登場するのかと思いきや、途中で一人の演者が大きな空間を紐を引っ張って持ってきます。
言葉ではうまく表現できないんだけど、めちゃくちゃ巨大な躯体に糸が巻きついたやつが登場したわけです。
彼女の彫刻知ってたらわかると思うんだけど、それが巨大化したみたいな。
それが見事に空間になってて、空間をモバイルしてる感じが新鮮でした。
にしても演者さん、糸にもたれたりよじ登ったり伸びないんだろうか?
いつもの毛糸ではないのかな?
以前一度お手伝いしただけに、普通の毛糸だとあんな重かけちゃうと巣が崩れちゃうと思います。
なんしかものすごくダークで幻想的。
その後その空間が上に消えて、今度は躯体だけのセットが降りてくる。(シリーヴァーの美術)
最後は松の枝を表す木の細い棒が落ちてくる様は圧巻。
どうかなと思ったけど観れてよかったです。
あと能をバックにしてるけど、変に日本的な演出がなかったのもよかった。
むしろたまに入る雅楽っぽい音もすごく自然でオーケストラに馴染んでたし、風鈴や水の音もよかった。
なかなか楽しい体験となりました。
サシャ・ヴァルツ演出の作品が来日したらまた観に行きたいです。

ところで近くのケンジタキギャラリーでは塩田さんの個展がやってます。
毛のない櫛というモチーフは面白かった。
京都でやってた白い糸のベッドの作品はイマイチだっただけに。。。
個展は3月10日まで。


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村上友晴@ART OFFICE OZASA

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気づけば3ヶ月ぶりの更新。。。生きてます。

以前から気になってた京都のギャラリー、ART OFFICE OZASAさん。
いつも渋い展覧会をやってらっしゃいます。
如何せんアクセスが良くないので中々行けなかったけど、村上友晴展がやると聞きついに来訪。
が、痛恨の休廊日に訪ねてしまった。。。
迷子になりつつたどり着いただけに、ドアノブを握って鍵がかかってた瞬間呆然としました。。。
立ち直れずしばらく立ちすくんでると中から鍵が開く。
幸運にもその日客人があったのでたまたまオーナーのオザサさんがいらっしゃった模様。
特別に開けていただけました。本当に感謝です。

で、村上友晴展。
関西で彼の名前を知ってる人はあまりいないかもしれません。
今年で80歳になられて、今も制作を続けてらっしゃる大御所。
団体には所属せず、以前は西の村岡三郎、東の村上友晴と言われたとか。
そんな村岡さんも2013年に亡くなられ、この年代の作家で現役な稀有な存在。
美術館ではコレクションで数点見られたことのある人もいると思います。
実際先日の国立国際美術館のコレクション展にも一点出ていました。
しかし、彼の個展となると中々ないんですよね。
展覧会年表見ても、関西だと2011年の精華大学での展示以来。
美術館規模の個展となると1999年の名古屋市美術館での展示以来。
もっと取り上げられる作家だと切に思います。こんな若造が言うまでもないだろうけど。
と言うことで、彼の個展を見られるのはかなり貴重なのです。

僕が初めて見たのは学生の頃広島現美のコレクションだったと思います。
遠くから見るとただの黒い画面にしか見えないんだけど、近づいて見るとそれが黒い絵の具の集積だとわかります。
聞く話によれば一点にかける時間はなんと2年。
もはや「業」とも言える作業。
それからギャラリエアンドウの個展なども観に行きました。
今回久々にまとめて観て改めてすごい作品だなと思いました。

何がすごいって、まず今回の展示では、最新作と30年前の過去作が並んで展示されてるんだけど、全く違いがわからない笑
違いといえばキャンバスの張り方ぐらい。
画面は本当に違いがわからないのです。
一本の太い軸の通った作品に震えました。
そして何と言っても、画面の強さです。
いつまでも視線を外せない強さ。
それは画面の大きさなんかも全然関係がなくて、小作品も展示されてましたが、とにかく強い。
そして、今回初めて観ましたが、版画(?)の作品も同じ。
版画って言っちゃダメなんだけど、技法がオリジナルすぎてオザサさんも説明に困ってました笑
6点組の赤黒い作品で、画面は本当に小さい。
でもその極小の面積に込められた強さ。
作品数としては多くはなかったものの完全に打ちのめされてしまいました。
久々に作品を見て魂が震えた。
なんかこう言う強さって最近の作品にないなぁと。
リレーショナルアートとかネオコンセプチュアリズムとかリサーチ系とか、思考ゲームとしては楽しいんだけど、作品の強さはあまりないんですよね。。。
本当に行けてよかった。オザサさんありがとうございました。


更新してなかった間も色々見てたんですが。。。
せっかくなのでその間に観てきた展示を徒然に。(関西のみ)

キュレトリアル・スタディズ12: 泉/Fountain 1917-2017 @ 京都国立近代美術館
『見立てと想像力 ━ 千利休とマルセ ル・デュシャンへのオマージュ』展 @ 元淳風小学校
福岡道雄 つくらない彫刻家 @ 国立国際美術館
態度が形になるとき ―安齊重男による日本の70年代美術― @ 国立国際美術館
開館 40 周年記念展 「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」 @ 国立国際美術館
ヤマガミユキヒロ:air scape / location hunting 2017 @ GALLERY PARC
今村遼佑「くちなしとジャスミンのあいだに」 @ ART SPACE NIJI
小枝繁昭‘Rika Syounen no Yume 2' @ アートゾーン神楽岡
BACK AND FORTH 柏原えつとむ展・想図「Sの迷宮」 @ galerie16
荻野夕奈+田中加織+チェ・ユンジョン FLOATING @ HRD FINE ART
tamaken / Emiko Tamai / odo 『星が運ぶ舟』 @ stardust



まず「泉」誕生100年記念の京都近美のシリーズと「見立てと想像力」
前者は5回に分かれててなんとか全部見ました。
それぞれ中々面白かったけど、コレクション展示の隅っこでやってるような小規模展示だったので、これまとめて一つの大きな展覧会にすれば面白かったのになぁと。
何部屋かに分かれて企画者がそれぞれ違うとか。
レディメイドが吊られてて影を見せるデュシャンのアトリエを再現した3回目が個人的によかった。
第2回の藤本さんの展示も、彼自身の展覧会みたくなってたけど贅沢でよかった。
第4回のべサン・ヒューズのリサーチノートはとても見切れないけど興味深い作品。
最後の毛利悠子の展示が一番わからなかったかな。。。
同じく泉記念で開催された「見立てと想像力」も中々よかった。
元小学校という背景に、日本人作家とフランス人作家が参加してたけど、見事に明暗分かれてた。
やっぱり日本の小学校の背景を体でわかってる日本人作家の作品が抜群に面白かった。
フランス人作家は無理やり場所に合わせようとしてる感じで無理があったなぁ。

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国立国際美術館の三つの展示。
特に福岡道雄展は、10年来の知人である福元さんがキュレーションしたので個人的に感慨深い展示。
縁あって彼が学生インターンの時から知ってて、それからお世話になりっぱなし。
だったらブログで宣伝しろよと自分でも思ったけど、なんせ福岡さんの作品が個人的にあんまり。。。
彼の「作らない」という態度は同じ作家の端くれとして痛いほど共感できる。
でもそこから発生してくるものに対して全然共感できなかったのです。
奇しくも同時開催の安斎展のタイトル「態度が形になるとき」は1969年のハロルド・ゼーマンの展覧会タイトルからなんだけど、その言葉はむしろ福岡展に付せられるべきだったんじゃないのかなぁと。
安斎展は「行動が形になるとき」だったと思う。
安斎展の面白かったのは、写真が当時の作品や制作をリアルタイムに捉えてるだけに、二次物である写真こそが本物で、その前に並んでいたコレクションであるもの派の作品たちが偽物に見えてしまったこと。
確かに作品としては本物なんだけど、当時の空気を纏っている安斎さんの写真は二次的な要素を超えてた。
あと現在開催中のトラベラーはパフォーマンス作品をいくつか取り入れてるのがおもしろかった。
パフォーマンスはその時間に居合わせないと見られないものなので全体は捉えられないのだけど、なんかその「見逃す」っていう体験も面白いなぁと。
個人的にジェイ・チュン&キュウ・タケキ・マエダの新作とテリーサ・ハバード/アレクサンダー・ビルヒラーのジャコメッティの元愛人を巡る映像作品がよかった。
あとカーディフ・ミラーの作品はすごかった。一瞬見逃しかけるのでご注意を。5/6まで。
にしても最近の国立国際、キャプションが配布スタイルになって見難すぎる。
一々作品タイトル・作家と作品を紙見ながら確認するのは鑑賞のノイズでしかない。。。

あとは知り合いの展覧会をいくつか。
Gallery PARCは移転して一発目のヤマガミ展。
ビルの3フロアがギャラリーになっててびっくり。
個展でやるには作品数が半端ないので大変そう。。。
とはいえ贅沢な展示空間。さすが。
今村くんは名古屋の個展行ったら書きます。(行けるだろうか。。。)
小枝さんと柏原さんは僕の恩師。
小枝さんの作品ちゃんと生で見たの久々で感動しました。
柏原さんは過去のSの作品だけど、ほぼインスタレーションなので過去作と一概にいえない見応えのある展示。
久々にお会いできてよかった。柏原さんも今年で77歳。お元気です。
そして田中さんとtamakenさんは過去に一緒に海外で展示した仲。こちらも久々。
tamakenさんの舟たちはstardustという銀河で美しく航海していました。。。

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