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マレビトの会「長崎を上演する」 @愛知県芸術劇場



マレビトの会を観に名古屋まで。
安い宿が取れなかったからって18きっぷで2回往復するという暴挙をやってしまった。さすがに2日目は頭痛。

それはともかくマレビトの会。
彼らは以前は京都を本拠地として活動していた劇団で、現在は東京(栃木?)が本拠地。
まだ彼らが京都にいた頃に知って、2010年に始まったKYOTO EXPERIMENTでもやってたんだけど、なぜか見逃したまま、気になりつつも一度も観たことがないまま今に至っていて、今回愛知でやると知って観に行った次第です。

彼らはその京都にいた頃から、都市をテーマに作品を作っていて、特に被爆した都市広島と長崎をテーマにして作品を作ってきました。
さらに2011年の原発事故を受けてそのテーマに福島も加わり、2013年にはF/Tで「アンティゴネーへの旅の記録とその上演」という舞台を上演します。
そしてさらに3年が経ち、昨夏「長崎を上演する」を初上演。
この舞台の面白いところは、幾つもの断章があって、それぞれに脚本を書いてる人が違うという点。
普通ひとつの劇団には代表するコレオグラファーがいて(地点だったら三浦さん)、彼を軸に回っていくんだけど、その軸をあえてブラして、それを一つにまとめていくというのがマレビトの会の特徴なのかも。もちろん代表に松田さんという方はいらっしゃるんだけど、彼が全ての軸ではないというのがなんとも不思議。
そして、舞台が何日にも及ぶというのもまた面白いです。
今年の初めに「ハッピーアワー」という映画について書きましたが、あれも何日かに分けて、一旦家に持ち帰ることで、映画館だけでは完結しない何かがあったんだけど、今回もそうでした。
しかも今回は遠方だし、電車の往復の中でも色々考えられました。

舞台はタイトルにもある通り長崎。
しかし、いわゆる被爆都市としての「ナガサキ」ではなく、現実の長崎。
もちろん原爆のことや戦争のことに触れるものもあるけれど、ほとんど関係ない物語が大半。
その物語が19にも分かれていて、しかもその物語の間と間はシームレスにつながってるので、前の物語が終わらないうちに次の物語が始まってるような展開は新鮮でした。
そして何と言っても舞台にセットらしきセットがないのが本当に異様。
あるのはパイプ椅子4つとあとはたまに出てくる箱ぐらい。
演者はパントマイムのように、ドアを開けたりコップを拭いたり物を避けたりする。
さらには、衣装まで物語内の設定とは違ったりするので、Tシャツの設定なのに目の前の演者はワンピース着てたり、観てる側も想像力をフルに働かしてみる必要がある。

この能動的な観客というのは、もちろん面白い主題だと思うけれど、これも前回の記事のMOTアニュアルのような、演劇内のドメスティックさに僕らまで付き合わさせられてるような感覚もあって、うーんと思うところもあった。
とはいえ、今回だけではなんとも言えず、やはり気になるので11月に東京でやるらしい「福島を上演する」を観てみることにしようと思います。
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