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Kunstmuseum Winterthur Extension by Gigon/Guyer

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スイス国内ですごく勢いを感じるのがギゴンゴヤー。
世界的ではないにせよ、スイス国内での実現率が非常に高い。
スイスでは現代建築を建てるのが非常に困難。
それは超がつくほどの民主主義で、ちょっとした建築物を建てるにも住民投票が必要。
そのことについてはartscapeのこの記事が詳しいです。こちら
それ故か、スイス国内のほとんどの建築はスイス建築家によるものばかり。
SANAAのラーニングセンターノヴァルティスの建築のようなのは本当に稀。
それ故、スイス建築を集中して見られるのはいいけど、長い事いると正直飽きます。
そんなスイス建築の中でも多くの美術館を手がけているのがギゴンゴヤー事務所。
スイスをめぐるアート関係者にとって最も親しみのあるスイス建築家かも。
チューリッヒから30分ほど行ったWInterthurにあるこの美術館の増築も彼らによるもの。
Liner Museumに見られるようなギザギザ屋根で、中の採光が非常に美しかったです。
コレクションもかなり充実していて、リチャード・タトルの部屋はすばらしかった。

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Winterthurにはもう一個彼らによる美術館の増築がありますが、展覧会やってなかったのでパス。

あと美術館といえばダヴォスにあるキルヒナー美術館。彼らの初期の代表作。
正直建築も中身も面白くなかった。。。すんごく遠かっただけにがっかり。。。

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スイス来たらほとんどの美術関係者が行くであろうチューリッヒにあるアートコンプレックスも彼らによるもの。
現在Hauser & WirthではPaul McCarthey展とカルダー・ピカビア展が、Eva PresenhuberではDag Aitken、Bob Van OrsouwではJulian Opie、Pool Projectでは"A Blind Man in His Garden"という超豪華なグループ展が開催中。これらが無料で一気に見られるので、チューリッヒのアートスポットとしてはマストな場所。あとは有料ですがKunsthalleMigros Museumも入っています。 Eva Presenhuberはもう一店舗あって、そっちもギゴンゴヤーによるもの。

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美術館ではないですが、高い建物がほとんどないチューリッヒで目立つのがPrime Tower。これも彼らの。近辺はおしゃれなエリアで横に写ってるのはFREITAGのコンテナ積み上げた本店(?)。

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以上スイス建築第二弾はギゴンゴヤーでした。
17日の京繊でのレクチャー聞きたかったなー。

次回帰国後はアート編。

Home for Senior Citizens by Peter Zumthor

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スイスもいよいよ最終日。現在空港で飛行機待機中です。
帰国直前にここ最近見たスイス建築をまとめてお届けします。
まずはクールのマサンスにあるズントーによる老人ホーム。
おじいさんおばあさんが心地よさそうにしていて、僕は完全に不審者でした。。。
近くにズントーの事務所もあります。

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Plantahof Auditorium by Valerio Olgiati
クールから1駅行ったLandquartにあるオルジャッティによる農業学校(?)のオーディトリウム。
中には入れなかったけどかっこよかった。

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National Park Centre by Valerio Olgiati
もいっちょオルジャッティ。こちらはZernezにある国立公園センター。公園は行ってません。

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Aargauer Kunsthaus Extension by Herzog and De Meuron
チューリッヒから西に1時間弱のアーラウのヘルドム。ダイナミックで見応えあり。
プラダ青山に見られるような植栽が屋上に。やってる展覧会はイマイチでした。こちら

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Stadtmuseum Aarau by Diener & Diener
同じくアーラウのディナーディナーによる市立博物館。
BielにあるCentrePasqArt同様古い建物と新しい建物の組み合わせ。
中身はドイツ語のみでアーラウの歴史についてであまり興味なし。こちら

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Markthalle by Miller & Maranta
アーラウもういっちょ。ミラーマランタによるマーケット。現在使われてなくて残念。

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第2弾に続く。。。

<関連記事>
Steilneset Minnested by Peter Zumthor
Peter Zumthor
KOLUMBA by Peter Zumthor
Bruder-Klaus-Feldkapple by Peter Zumthor
Kunsthaus Bregenz by Peter Zumthor
Shelter for Roman Ruins by Peter Zumthor
Kapelle Sogn Benedetg by Peter Zumthor
Therme Vals by Peter Zumthor
Atelier Zumthor by Peter Zumthor

Valerio Olgiati

Vitra Haus by Herzog & de Meuron
Herzog & de Meuron
Forum2004 by Herzog & de Meuron
Laban Dance Centre by Herzog & de Meuron

Fondazione Prada by OMA

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ミラノは5月にオープンしたプラダ財団美術館に行ってきました。
正直そんなに期待してなかったんですが、想像を超える凄まじい施設でした。
写真たくさん撮りましたが、過剰なまでのファクターが織りなしており全然撮りきれません。
artscapeでも特集されてますが、ファッションx建築xアートという流れはここ数年で定番化してきましたね。昨年末にオープンしたルイ・ヴィトン財団然り。そんな中でもちゃんと棲み分けができてるのがおもしろいなと思います。
プラダは以前からOMAと組んでショーもやってきたし、ミウッチャ・プラダはアートコレクターとしても有名なので、今回の施設はついにって感じですが、にしてもこう来るかって感じの内容でした。
とりあえず建物。もうOMAの過剰さがすごい。古い工場と新しい建物を組み合わせていて、見た目そんなに広く思えないのに、実際回り始めると全然見終わらないという恐ろしさ。早足で見て2時間かかりました。
見取り図こんな感じ。

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入ったらどこ行ったらいいの?って戸惑いますがまずはチケット売り場へ。

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中では7つの展覧会が同時並行的に開催中。

・Serial Classic @ Podium
ギリシャ・ローマ彫刻とその模造品をめぐる展覧会。
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・Robert Gober & Louis Bourgeois @ Haunted House
狭いので時間指定の整理券必要ですが、行った時は混んでなかったのですぐ入れた。
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・An Introduction @ Sud & Deposito
展示の仕方がすごかった。正直どうよって感じですが。
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・In Part @ Nord
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・Trittico @ Cisterna
Eva HesseとDamien HirstとPino Pascaliの三人展。
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・Processo Grottesco @ Cinema
2006年に制作されたThomas Demandによる洞窟の写真作品の実際のジオラマや資料が展示されてた。
30tの段ボール紙とコンピューター技術で作られたジオラマは異常。
この時の展覧会はちょうどロンドンで見てたので懐かしい感じでした。こちら
CinemaではRoman Polanskiの自伝ドキュメンタリーも上映中。
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あとまだ何か建てようとしてる途中でした。
OMAの美術施設としては、ロッテルダムのKunsthalleを思い起こさせますが、この施設の混乱具合はなぜか心地よかったんですよね。なんでやろ。やはり彼らの持つカオスが洗練されてきたからでしょうか。同じく古い建物を改修したモスクワのGarage Museumも気になります。
展覧会としては、ちょっと散漫でしたが、今後どうなるか楽しみな施設です。

"das Licht(W.D.)" "Raum"終了しました。

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昨日無事二つの展覧会が終了しました。
特にアトリエの方は、昨年ここに来て以来続けていた展示だっただけに、感慨深いものがありました。
アトリエの展示では、元はWilli Dreesenという2013年に亡くなった画家のアトリエで、ここに来る以前から彼の話を聞き、是非ともコラボレーションがしたいと考えていました。
しかし、物故作家とのコラボレーションというのは、本人がいないだけに、デリケートな部分も多く、交渉も中々進まずに四苦八苦しました。
その結果、なんとか息子さんに了承を得て、彼のドローイングを二点借受けることができました。
展覧会初日、Dreesen夫人がいらっしゃいました。
僕としては、最大の敬意を持って、彼の作品を扱ってはいたものの、彼女の意にそぐわないものだったらと不安ではありましたが、アトリエに入って展示を観た彼女の目には涙が浮かんでいました。
彼女は英語を話すことができず、僕もドイツ語を話せないので、言葉はかわせないものの、彼女の涙を見て僕の目からも涙が溢れました。
この展示をやってよかった、と心から思えた瞬間でした。
今朝、撤収作業を終え、開かれていた窓を閉じて、寂しさと安堵に包まれました。
またここで次の作家がどんな作品を作るのか楽しみです。
9ヶ月間本当にお世話になりました。
まだスイスの滞在は2週間ほど残っているので、たっぷり楽しんで帰国したいと思います。
ちなみにGalerie zur Matzeの作品は僕の帰国後も展示しています。8月2日まで。

写真家Thomas Andenmattenによる作品写真と作品の説明をウェブサイトに載せています。
http://minorumorikawa.com

Anish Kapoor @ Chateau de Versailles

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ヴェルサイユで開催中のカプーア展に行ってまいりました!
昨年末に発表された時はそりゃもう興奮しました。
2008年のジェフ・クーンズから始まり、村上隆やジュゼッペ・ペノーネ、李禹煥等すでに恒例化してますね。
いつからか宮殿内での展示はなくなり、公園のみとなりましたが、入場無料であの長い行列と観光客の波に飲まれずに済むと思うと、宮殿自体に興味はないアートクラスタと宮殿のみに興味のある観光客との棲み分けは正解と言えるかもしれません。
とはいえ公園広すぎ。
そして、僕が行ったこの日のパリは30度を超える暑さ。
日本ほどの湿気がないのが救いですが、それでも死にました。
作品ひとつひとつはやはり素晴らしいんですが、こうも広いと集中できない。
その上この暑さで正直鑑賞体験としては劣悪でした。
しかも見たかった「Descension」は調整中で観られず!
まあ、そのショックを通り過ぎるぐらいの熱波が逆に救いでした。
先日落書きされた「Dirty Corner」は、どうもしっくりこず。
反射の作品はさすがでしたが、多分最も成功してたのは、「Sectional Body preparing for Monadic Singularity」という長いタイトルの膜の作品。公園内に彼自身の空間を作り出していたということでよかったですね。やはり彼の作品は空間とのシンクロニシティが個人的には見所なので、空間と呼ぶには広大すぎるこの公園ではあまりいい効果は得られてなかったように思えます。
あと、宮殿から少し離れたSalle du Jeu de Paumeという場所にも「Shooting into the Corner」が展示されてます。打つ瞬間は観られませんでしたが。これも場所との関連がいまいちリンクしてなかった感があってちょっと残念でした。
個人的に期待は満たされませんでしたが、パリに来られる方は是非。11月1日まで。

他にもポンピドゥーのモナ・ハトゥムとか観ようかと思ってたけど、時間がなかったのでパス。
友人の展示を観てパリを後にしました。
ということで、今年最後の欧州行脚終了です!

関連記事
Xavier Veilhan @ Versailles
ARK NOVA by Anish Kapoor x 磯崎新
Anish Kapoor @ Leeum
Anish Kapoor @ Royal Academy of Arts
Anish Kapoor @ Lisson Gallery

Imi Konoebel 'Kernstücke' @ Kunstmuseen Krefeld

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ドイツはクレフェルドにミースが手がけた邸宅が二件並んで建ってて、しかも今は美術館になってるということで、前から行ってみたいと思いつつようやく行って来れました。
クレフェルド駅からバス54番で10分程行ったところにあります。(Haus Lange下車)
現在ランゲ邸ではDavid Reed展、エスタース邸ではImi Knoebel展が開催中。
せっかく美術館なのでおもしろそうな企画の時にと狙ってて、今回のクネーベル展がドンピシャ。
そして、もうこの展覧会が素晴らしすぎた。
正直ドローイングちょろっと飾ってるぐらいかと思ってたし、まあ、ミースの建築も観られていいやぐらいの気持ちで行った僕が馬鹿でした。本当に本当に素晴らしい展覧会だった。
ミースの建築と見事なまでの共演。
元々クネーベルの作品はミース建築と合うだろうとは思ってたけどここまでとは。
クネーベルのミースへの尊敬、でも媚びることなく貫き通す彼のスタイルとが言葉に尽くせないほどの感動を生む空間を生み出してました。
特に、白い壁に白いペンキの矩形を描いた部屋は息もできないほどのすばらしさ。
開かれた窓から差し込む光と風。建築が呼吸してるみたいだった。
もうそこから数分間動けないほど感動しました。
過去作から新作まで、なんの無理もなく建築に溶け込んでて本当に美しかった。
展覧会は8月23日まで。こちら
もう一つのランゲ邸の方の展示は正直ひどかったです。。。

それにしても最近クネーベル人気がすごい。
去年もヴォルフスブルグ美術館で大きな回顧展があったばかりなのに、今現在デュッセルドルフにあるK21もマレービッチとクネーベルに関する展覧会を開催中らしい。こっちも時間あったら是非行きたかったのだけど断念。きっと素晴らしいことになってるはず。この夏ドイツにいる方は是非クレフェルドとデュッセルドルフ梯子することをお勧めします。建築ファンもアートファンもどちらも満足できるはずです。デュッセルドルフの方は8月30日まで。こちら

Rosas 'Golden Hours (As you like it)' @ Les Théâtres de la Ville de Luxembourg



スイス滞在も残すところあと少し。最後の欧州行脚に行ってまいりました。
まずは二つの舞台を鑑賞。
ひとつはRosasの新作「Golden Hours (As you like it)」。
今年1月にブリュッセルで初披露され、パリでも既に発表されてます。
今回はルクセンブルク。初訪問でしたが、列車トラブルに巻き込まれ、あわやルクセンブルク自体にたどり着けないのではと泣きそうでしたが、なんとか到着。これで西ヨーロッパはほとんどの国行ったことになります。
とはいえ、時間もギリギリで観光のかの時も見当たらないままルクセンブルク滞在は終了。
なにはともあれ舞台です。

舞台上にはセットと言われるものは何もなく、特徴的な大きな照明が天井にあるぐらい。
開演時間になると、タイトルでもあるBrian Enoの「Golden Hours」が流れ、奥から役者たちがゆっくりした速度と独特のステップで歩いてくる。この曲が5回ほどリピートされた後に、もう一つのタイトル、シェイクスピアの「As you like it」を元にした舞台がスタートする。
とはいえ、これ以降ほぼ音楽も皆無で、台詞もない無言劇。
台詞は奥の壁に投影され、役者たちはひたすら身体のみで「語る」。
Rosasの舞台は2月に初めて「Rosas danst Rosas」を観て以来2回目。(WIELS含めたら3回目)
舞台がスタートしてから終わるまでの緊張感は相変わらず凄まじいものがあります。
2月に初めて彼らの舞台を観た時には、あまりに言葉にならなくてここには書けませんでした。
今もほとんど言葉にならないのだけど、確実に新しい扉を発見したような歓びを見出せています。
このブログをご覧になったらわかるように、大概いろんなものを観てきた僕ですが、まだまだ扉はあるもんだなぁと思う次第で、逆にこれだけ観てると、叩かないでいい扉と叩くべき扉の見分け方みたいなのがわかってきて、このRosasは確実に後者だなと思います。うまく言い表せませんが。
その要素のひとつに、彼らの表現が自己表現に収まってないことが挙げられると思います。
オリジナルであるというのと、自己表現であるというのは僕の中で別格。
特にダンスは自身の身体を使って表現するものなので、自己表現に陥りやすいメディアだと思う。
いくつかのパフォーマンスを観てきたけど、自己表現で終わっているものの方が圧倒的に多い印象。
しかし彼らのそれは、明らかにその閾値を逸脱している。
地点もそうですが、その自己表現に陥らないひとつの手段として、他人の作品を使うというのがあります。
今回もBrian Enoとシェイクスピアを使いながら、しかしそこに決してはまらない。
身体で「語る」と言っても決して手話などのジェスチャーではなくあくまでダンス。
RosasはこれまでもSteve Reichの「Drumming」(東京公演観たかった)や、前回の作品「Vortex Temporum」など、音楽を使っています。
音楽とダンスの相性がいいのはもちろんですが、彼らのダンスは、そこと確実にズレてる。
そのズレが彼らのオリジナルなんだろうなぁと思います。
もっともっと観ていけば、きっといろんなものが見えて来るんだろうなぁと思いつつこの辺で。

そしてもうひとつはPina Bauschです。2010年にびわ湖ホールで観た「私と踊って」以来。
今回は夢であった彼女の本拠地ドイツはウッパタールで観てきました。
しかも演目は彼女の代表作とも言える「Kontakthof」!
実は3月にも観に行こうとしてたんですが、アムステルダムからの電車が謎の停電で止まってしまい、チケットまで取ってたのに行けなくなってしまったのです。この時の演目は「炎のマジョルカ(MASURCA FOGO)」でしたが、神様が「Kontakthof」を僕に観せるために仕組んだ出来事という痛い妄想に浸りながら今回は無事到着。
ウッパタールって、なんとなく地の果てみたいなイメージでしたが、デュッセルドルフからも近いし、特に田舎でもなかった。ヴェンダースの映画にも出てた街の風景が観られて感動。
そしていよいよ開演。
もう、今までドキュメンタリーとかで観てきた名場面の数々に涙しました。
全編通して笑いの絶えない舞台ですが、徹底したアイロニーがこの舞台にはあります。
舞台セットは、どこかの舞台で、舞台の上の舞台があり、しかもその舞台は最初から最後まで開くことはない。
「人はわかりあえない。」という絶望的な感覚と、それでもコンタクトせずにはいられない人間の愛おしさが伝わってきました。人間の条理と不条理をここまで見事に見せきるのはさすがです。
改めて偉大な人を僕たちは失ったんだなぁと感慨深かったです。

Rosasとピナは真反対とも言える舞台ですが、どちらも本当に素晴らしかった。
Rosasの舞台に立つ人間は、とてつもなく研ぎ澄まされたダンサーたち。
逆にピナの舞台に立ってる人間たちは、どうしようもなく人間らしくて、実際この「Kontakthof」はかつて、高校生から65歳以上のお年寄りまで、ダンス経験のない人たちにまで演じられています。
ピナの舞台の普遍性があるからこその芸ですよね。
この勢いで「CAFÉ MÜLLER」や「春の祭典」、「NELKEN」とか観てみたい!
またいつか必ず観に来たいと思います。
ちなみに今回僕が取った席はたったの10ユーロ。こんなん近くに住んでたら通いつめそう。

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