fc2ブログ

新年のご挨拶

B6QVDwDCUAAby1k.jpg

明けましておめでとうございます。
昨年も大変お世話になりました。

一度はブログを休止するといいながらなんだなかんだで色々更新してしまいました笑
本人の中ではこのブログとの向き合い方も随分変化していますが、細々と続けてまいりますので、引き続きよろしくお願いします。
というか今年の9月でこのブログ10年目ということに気づきました。怖い。

現在この記事はスイスで書いているわけですが、昨年の今頃はまさかスイスにいるなんて想像だにしないことでした。それもこれもこれまでのご縁が引き合わせてくれた新たなご縁です。縁って不思議ですね。
スイスに来て2ヶ月半になります。言葉も通じず、知り合いもいないこの土地で、辛いこともたくさんあります。
気持ちが弱くなって、誰かの所為にしたくなることもありますが、この環境にいて改めて思うのは、敵なんてどこにもいないということ。敵とは自分の中で勝手に作り上げる仮想敵でしかないということ。自分の敵は自分。このことを強く思うようになりました。手強い敵ですが、どうにかここにいる間にしっかり向き合いたいです。

のっけからネガティブなことを書いてしまいましたが、そうは言っても良いこともたくさん。
まず、やはりヨーロッパに拠点があると、フットワークが軽くなる。ただでも軽いですが、おかげでブログの更新頻度がまた上がってしまいました笑
そして日本では会えない人たちに会えるのも素晴らしい。ロンドンの時は学生でしかなかったし、コネクションもなかったので、誰かに会うという発想は持てませんでしたが、今作家としてヨーロッパにいて、色んな人に会いたいという思いが強いです。
それからなんといっても今与えられてる環境が恵まれすぎです。一昨年スタジオを閉じてからというもの自宅で制作していましたが、こっちで広すぎる家とスタジオを与えられて改めて環境の重要さを痛感してます。自宅でやってる間に知らず知らずに作品の規模が小さくなってしまっていたことに気づきました。構想段階から作れるサイズに勝手に合わせていたんです。これは本当に危険。広い空間を与えられた今、水を得た魚のように構想規模がでかくなってます。これはこれで困りもんですが、やっぱり大きな規模の作品を考えるのは楽しい。6月の成果展で発表予定の作品は自分の中で最大規模となる予定です。以下今年の発表予定です。

3/13-15 グループ展「SWISSNESS」@ ZeughausKultur, ブリーク, スイス
4月 オープンスタジオ @ ブリーク, スイス
6/13-7/5 個展「das Licht」@ Galerie zur Matze, ブリーク, スイス
8月 2人展 Pierre Labat and Minoru Morikawa @ 未定, フランス

今年は闘いの年になりそう。自分に負けずに頑張ります。

最後にスイスのこと。
去年訪れた時はこんな壮大な風景の中で暮らすのってどんな感じなんやろうと思ってましたが、まさか本当に暮らすことになるとは笑
今いるブリークという町も2000-3000m級の山々に囲まれています。冬は特に太陽の南中高度が低くて山を越えられず、常に山越の光が町を照らしています。この光がすごく独特でこの光を題材に作品を作る予定です。
スイス人は日本人に似ています。きっちりしてるし、町もヨーロッパの他の国と比べると段違いできれい。逆にものすごく保守的で自分の国にプライド持ちすぎて日本同様少しガラパゴスかも。外国人の自分に対してすごく距離を置くし、そのおかげで全然友達ができない。スイス人が冷たいと言われる所以はここにあるかと思いますが、絶対そんなことはないと思う。単にシャイなんでしょうね。
日本人と違うのがやることが遅いってことでしょうか。これに結構悩まされてます。メールの返信も大体1週間ぐらいかかります。本人に悪気がないだけに辛い。逆に1週間前のメールをよく忘れずにいられるのがすごい。
あと、人口800万人で国土は九州ぐらい。大阪府より人口が少ない。なのに世界に対するこのプレゼンスの大きさはすごい。永世中立国という立場からEUにも入ってないので余計な移民も受け入れないで済む。スイスの純正を保ちつつ、国連本部やIOCもあってグローバルな国。こんな小さい国の中で4つもの言語が飛び交ってて、さらに英語もできる人が多い。相当かしこい民族です。特にドイツ語圏の人は語学に長けてる印象。会議で9人ドイツ語圏人、1人フランス語圏人だと会議はフランス語らしい笑 ドイツ語圏のレジデンスで助かりました。ドイツ語難しすぎるけど。しかもスイスドイツ。うーん。
そして完全な民主主義で何するにも国民投票が必要。ひとつのことが中々決まらないデメリットもあるけど、おかげで国民の政治意識が高い。どこかの国とは段違い。まあこの人口やから可能ってのもあるけど。
あと、外国人も3ヶ月以上滞在する場合は国民保険加入が義務で、それが民間に委ねられてるからめちゃくちゃややこしくて、本当に苦労した。Franchiesという年間に自己負担する額が選べてその額を越えて初めて1割負担で医療が受けられる。Franchiesが高いほど月額が安い。300から2500フランまで選べるので、よっぽど病院行かない自信のある人は2500とか選んで月額が節約できます。それでも年間30万円弱になるし、払えない人はどうなるんだか。
そして物価が高い。その分給料も日本人の倍。平均年収800万越え。なぜかビールとチョコとパスタが激安。この三種の神器で生き延びてます。ちなみにスイスは世界でも一人当たりのチョコレート消費量が世界一だそうです。
こんなとこかな。

新年早々長々と書いてしまいましたが、本年もどうぞ宜しくお願いします。

追伸
初詣にマッターホルンを拝んできました。
雲ひとつない空にくっきり浮かんだ神々しい姿。
前回来た時は雲に包まれて何も見えなかったので、無事リベンジ達成。
今年も良い年になりそうです。

あと、この記事777番目の記事らしい。めでたい!
カレンダー
12 | 2015/01 | 02
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
プロフィール

もりかわみのる

森川穣
現代美術作家。
森川穣 website
A'holicオーナー
A'holic website
instagram

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理者用
カウンター
To See List
・2023.12.02-2024.02.04
「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄 @ 渋谷区立松濤美術館

・2023.11.24-2024.03.31
「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」 @ 麻布台ヒルズギャラリー

・2023.12.09-2024.02.25
キース・ヘリング展 アートをストリートへ @ 森アーツセンターギャラリー

・2023.12.01-2024.01.28
梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ @ ワタリウム美術館

・2023.11.09-2024.03.31
第14回上海ビエンナーレ @ 上海当代芸術博物館

・2023.12.17-2024.01.27
味/処 @ 神奈川県民ホールギャラリー

・2024.01.11-03.10
フランク・ロイド・ライト世界を結ぶ建築 @ パナソニック汐留美術館

・2023.12.16-2024.02.18
久門剛史「Dear Future Person, 」 @ @KCUA

・2024.01.12-02.25
牡丹靖佳展 月にのぼり、地にもぐる @ 市立伊丹ミュージアム

・2024.02.06-04.07
中平卓馬 火―氾濫 @ 東京国立近代美術館

・2024.01.18-03.24
能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築 @ ギャラリー間

・2024.02.23-04.14
生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真 @ 東京ステーションギャラリー

・2024.02.14-05.27
「マティス 自由なフォルム」@ 国立新美術館

・2024.03.06-06.03
遠距離現在 Universal / Remote @ 国立新美術館

・2024.03.09-06.30
カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 @ DIC川村記念美術館

・2024.03.12-05.12
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ @ 国立西洋美術館

・2024.03.15-06.09
横浜トリエンナーレ2023 @ 横浜美術館ほか

・2024.03.30-07.07
ブランクーシ 本質を象る @ アーティゾン美術館

・2024.04.06-07.07
ホー・ツーニェン エージェントのA @ 東京都現代美術館

・2024.04.24-09.01
シアスター・ゲイツ展 @ 森美術館

・2024.04.27-08.29
デ・キリコ展 @ 東京都美術館

・2024.05.23-08.04
魚谷繁礼展 @ ギャラリー間

・2024.09.04-11.24
大西麻貴+百田有希 / o+h展 @ ギャラリー間

・2024.09.14-12.01
塩田千春 つながる私(アイ) @ 大阪中之島美術館

・2024.09.25-2025.01.19
ルイーズ・ブルジョワ展 @ 森美術館

・2024.11.02-2025.02.09
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子 ―ピュシスについて @ アーティゾン美術館

・2024.11.23-2025.01.26
「再開館記念―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」展(仮称) @ 三菱一号館美術館

・2025.09.13-11.30
あいち2025 @愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなか

QRコード
QR