作品に見る東アジアの「共通感覚」

韓国のニュースサイトに展覧会記事が掲載されています。
http://www.mr-e.co.kr/news/articleView.html?idxno=3659
以下google翻訳で訳してみました。。。
作品に見る東アジアの「共通感覚」
韓国、日本、台湾の三国キュレーターと作家の芸術的探求展示オープン
三つの国のキュレーターと作家たちが、東アジアの「共通感覚」に注目した展示が開催されている。
O'NewWall(代表ソジュンホ)が22日から12月13日までの安国洞にあるGallery175で「Common Sense of the East」展を開催中。韓国芸術総合学校美術院とパラダイス文化財団が後援する今回の展示は、韓国、日本、台湾のキュレーター3人が選んだ7人の作家の作品が一同に展示されている。
去る19、20日にかけて共同企画者、Shanglin Wu(キュレーター兼作家)と原田明和(キュレーター、HRD Fine Art代表)の講演がO'NewWall、トータル美術館で、22日のGallery175で開催されたオープニングには、キュレーターと作家たちが参加したトークイベントが行われた。
展示には、経済的にますます緊密になれど、政治·文化·軍事的には葛藤が高まっている、いわゆる「アジアパラドックス」についての質問や議論の過程を経て作家たちは、東アジアの言説が欠如した芸術的、感覚的な側面を独特の分離した個別な声で表わした作品を発表している。
韓国のLee Wanは台湾のサトウキビ農場を訪問し、直接ひとつまみの砂糖を作る過程を映像とインスタレーションで発表した。実際に台湾は韓国と日本の砂糖を輸出した後に、成長の基盤を形成したとされる。巨大な経済システムが日常に影響を与える制御された社会とそのフィクションに興味を傾けてきたLee Wanの新作「Made in Taiwan」は、日常的に使用される砂糖をめぐる東アジアの経済の浮き沈みと文化史の関連性を思い起こさせる。
森川穣の作品は特に、今回の展示の企画意図を象徴的に表わす。彼は日本各地から集められた雨水がカップを通過して垂直につながり落ちるように作成したインスタレーションを披露した。日本での地域と時期ごとに様々に呼ばれるこの雨水は、作家が用意した様々な形のカップを通り過ぎながら落ちる。展示会場の文脈に移されたこのデバイスは、最終的には雨は水でしかないということを物語っている。
このように、森川は、複数の地域や文化を象徴する多彩なカップを通過する雨水を提示することで、雨水が持つ相互に矛盾的二進的な特性、すなわち、地域的でありながら、脱地域的な二重性を効果的に露出する。
他の作品に対して、かなり地味な作品だったので、そこをちゃんと見てくれて記事にして頂いてるのは本当に嬉しいです。
特にこの展覧会の為に作った作品ではないのですが、こうして文脈が様々に移り変わることが可能だということが改めてわかりました。
雨は局所的に、地面の一カ所に向けて降る、ある種超サイトスペシフィックなものですが、同時にそれは国境もなにもない一続きの空を雲に乗ってやってくる、脱サイトスペシフィックなものでもあります。
そしてそれらは例え韓国であろうがインドであろうがドイツ、ブラジルであろうが、見た目には単なる水。
その超越的存在感に魅かれるんですよね。
また、雨は循環のメタファーでもあり、降っては昇りを日々繰り返しています。
ここ3年程雨の作品を作り続けていますが、まだまだ未知な部分が多いので、探求を続けたいテーマです。
"Common Sense of the East" @ Gallery175











韓国ソウル市内、ギャラリーひしめく安国エリアの中心にあるGallery175のグループ展「Common Sense of the East」に参加中です。
韓国・台湾・日本のキュレーターが自国の若手作家を紹介する展覧会。
日本からは原田明和さんの元、画家の田中加織さんと共に参加しました。
原田氏は到着日当日にTotal Museumにてレクチャーも開催しました。
当初3日程と伝えられた搬入日程は、渡航前日に1日しかないと告げられ焦りましたが、結局日本チームはあっさり搬入は済んで、映像の多い韓国台湾チームが相当苦戦を強いられていました。
そもそも3カ国7人の作品が1つのスペースに展示するのだから搬入日1日はさすがに無茶。
展示も二転三転しつつ、夜通しかかりました。僕らはさすがに先に帰りましたが。。。
韓国ってたくさんの店が夜通し開いてるので、深夜でも買い足し可能なんですよね。
あと一カ所で全部揃うホームセンターらしきものがなく、通りごとに同じような店がズラーっと並んでるので、全部把握するのに半月以上はかかりそう。。。
とにかく、僕らはほとんど日本で必要なものは用意してきたので早く終わりました。
「東洋の共通感覚」という意味の展覧会でしたが、展示の仕方1つでも「相違」が際立っておもしろかった。
壁もガンガン削ったり、すごいエネルギーと力技で進めていく韓国。
のんびり、時間の考慮関係なくやりたいことを着実に進めていく台湾。
本当におもしろかったですね。
初日はトークイベントがありましたが、相違点についてもっとポジティブな討論ができたらよかったかも。
レセプションにもたくさんの人が訪れて楽しかったです。
韓国の人たちは良く飲み、良く食い、良く喋る!たくさんのパワーをもらいました。
カムサムニダ!
タイトル:Common Sense of the East
会期:2013年11月22日(金)- 12月13日(金)
開廊時間:12:00 - 18:00
会場:Gallery175 (B1 175-87 Anguk-dong, Jongno-gu, Seoul, South Korea)
企画:Space O'NewWall(ソウル)
キュレーター:Juno Seo(韓国)、Shanglin Wu(台湾)、原田明和(日本)
Do Hoh Suh 'Home Within Home Within Home Within Home Within Home' @ MMCA Seoul















展覧会参加の為に韓国に行ってきました。
なんだかんだで韓国は毎年のように行ってる気がしますが展示では初めて。
展覧会のリポートは後日にして、いくつか展覧会も見てきたのでご報告。
この冬ソウルのアートシーン大目玉はなんといっても韓国現代美術館(ソウル館)のオープン。
観光地で有名な景福宮の真隣というすごい立地に登場しました。
元々軍の施設だった建物を改修して、前政権の元急ピッチで進められたこのプロジェクト。
ちなみに前大統領のイミョンバクはソウル市長時代からそのスピード感に賛否あったみたい。現在のパククネ政権は逆に遅過ぎて国民から不満が噴出している模様。
まあ、韓国で展覧会やってみて感じたのは、そのスピード感。
もうやるとなったらすごいスピードで物事が進みます。日本とは真逆ですね。
既に現代美術館は既に2つありますが、どっちも街の中心からは遠いので不便でした。前行った時辿り着いた時にはヘトヘトになったの覚えてます。。。日本も都現美が清澄白河にあるのと同じですね。
それがいきなり景福宮の隣に、「現代」美術館ができちゃうんだから本当文化政策すごすぎ。
東京も一度有楽町の都庁が移転する時その跡地に都現美建てる計画が一瞬浮かんだそうですが、一瞬で却下されて東京国際フォーラムになっちゃったみたいですね。惜しいことしたなぁ。
てなわけで、前置き長くなりましたが、今月13日にオープンしたばかりのソウル館に突入。
今月いっぱいは予約ないと入れないけど、関係者に招待状もらえたので入れた。多謝!
中はめちゃくちゃ広くて、途中休憩入れないと一気に回るのはきついです。。。
全体の感想としては、あちゃーって感じでした。。。
立地や建物もせっかくよかったのに、中が最悪。
緊張感のないただ広いだけのホワイトキューブに回りにくい動線。
本当に惜しいです。もったいなさ過ぎ。
元軍事施設の建物のコンテキストも完全無視やし、やってる展覧会ほぼ卒展にしか見えない。
日本でいえば国立新美術館にそっくりです。貸しスペースにはよさそう。
どうしてもっとちゃんとした建築家選ばなかったんだろう。
こんな施設はちゃんと国際コンペとかしてしっかりやらんとあかん。
イミョンバクのスピード感が完全に裏目に出ちゃった感じですね。
期待してただけに残念至極。
ただ、これが成功してればまた日本は遅れをとっちゃうのでホッとしたのも事実。。。
それでも開館記念に展示されてるスードーホーの作品はやっぱり圧巻。
ここのクオリティだけずば抜けてましたね。
タシタ・ディーンのテートのプロジェクトやチェ・ウラムの巨大なダンゴムシみたいな彫刻は見応えあり。
チェ・ウラムは近くのヒュンダイギャラリーでも展覧会やってます。
まあ、普通に町中で現代美術をたっぷり観れるので、新たな観光地としても活躍しそうです。
ちなみにスードーホーの展示は来年の5月11日まで。
そしてこの近くは元々ギャラリーがたくさんあるエリアで、前述のヒュンダイギャラリーや、Kukje Galleryなど韓国でも指折りのギャラリーがひしめいてます。
今回行った中ではSKAPEというギャラリーでやってたKyuchul Ahnの展覧会が抜群によかった。
韓国の作家の作品ってキッチュでカラフルでけばけばしいのが多くて正直苦手なんですが、この人のは詩情に溢れた静かな世界観でとても好感が持てましたね。
特に地下の色んな背の机を本で持ち上げて全部同じ高さにする作品とか、虹を観客で作っていくみたいな参加型のとかとてもよかった。カタログ300円ぐらいだったので買っちゃいました。
1977年にソウル大学の学部出てるので結構なキャリアの人ですね。
画像検索してみたらかなり好きな感じ。コチラ。
あとはArtsonje CenterではJewyo Rhiiのインスタレーション。アートソンジェセンターは館長の好みなのか、読み込み系の展示が多い気がしますね。前回来た時もKim Beomの読み込まないとわからないインスタレーションでしたし、過去にもサイモン・フジワラとかマーティン・クリードとか。去年は大竹伸朗なんかもやってたみたいですが。つまり今回の展示も読み込まないと難しく、ほぼ読み込めませんでした。。。
あとはDOORSという新しいアートフェアも知り合いの関係で行ってきました。
帝国ホテル的な装飾のすさまじいホテルでやってて、作品もけばけばしいのが多くて疲れました。。。

展覧会のお知らせ "Common Sense of the East" @ Gallery175

ソウル市内にあるGallery175での展覧会に参加します。
明日からソウル入りです。最高気温4度です。寒いです。でも楽しみです。
帰ったらまた報告させて頂きます。
タイトル:Common Sense of the East
会期:2013年11月22日(金)- 12月13日(金)
開廊時間:12:00 - 18:00
会場:Gallery175 (B1 175-87 Anguk-dong, Jongno-gu, Seoul, South Korea)
企画:Space O'NewWall(ソウル)
キュレーター:Juno Seo(韓国)、Shanglin Wu(台湾)、原田明和(日本)
オープニングレセプション+アーティスト・キュレーターによるトーク:11月22日
「ROOTS」:搬出
「ROOTS」:根

齊藤君とタイトルをどうしようかという話になりました。
そこで僕は最近考えていることを話しました。
先々月東北へ行った時の記事にも書きましたが「根」のことです。
今思うこと 2013.10.03
何を得たのかではなく何を捨ててきたのか。
何を知ってきたのかではなく何を忘れてきたのか。
何を見てきたのではなく何を無視してきたのか。
そうして逆照射される自身の輪郭を見てみたい。
今まであまりに自分自身に目を向けることから逃げてきたように思えます。
サイトスペシフィックな作品を作ることで、自分よりもその場所のことを考えていました。
できるだけ普遍的なものを目指して自己言及を避けてきました。
その避けてきたことすら気づけていなかったようにも思えます。
30になって、ようやくそのことに気づけてきました。
今回の作品は今までとは違うアプローチ、違うモチベーションで制作しました。
言ってみれば会場とはほとんど関係ないものを作りました。
まだ大声で言えるレベルではないものの、今回の作品は少しだけ自分の個人史が入っています。
これは自分にとってはちょっとした挑戦です。
このタイミングで地元大阪で発表できたって言うのも大きかったと思います。
齊藤君も最近自身のコレクションをここで一旦振り返りたいという想いがあったようで、タイトルは「ROOTS」になりました。
二人にとって新しい挑戦を見守っていただければと思います。
展覧会は明日まで!
明日も朝8時からやってますが、11時から13時まで休憩があるのでご注意を!
NO x 森川穣「ROOTS」
2013年11月5日(火)- 11月10日(日)
火ー金 12:00 - 18:00 土・日 8:00 - 11:00 / 13:00-18:00
VADE MECVM. (大阪府大阪市西区京町堀1-13-21 高木ビル 1F奥)
http://www.vm-showroom-02.com/
「ROOTS」:齊藤泰三

今回共に展覧会をしているシューズブランドNO。
そのデザイナーが齊藤泰三氏です。
彼とはロンドンで出会って以来もう7年の付き合いになります。
最初は大学合同の英語コースで知り合いました。
その時の彼は髪型が独特過ぎて絶対友達になれないと思っていました(笑)
しかしいつのまにやら大親友。
どうやら僕の親友達は第一印象が悪い人が多いようです。
ジャンルは違えどお互いものを作る「同士」といった感覚。
彼に出会うまで靴にほとんど興味がありませんでした。
彼も僕に出会うまでアートに興味がなかったそうです。
そんな二人がお互いの作ったものを尊敬しあえる関係になるとは。
ロンドンは点と点を結ぶ街だと改めて思います。
そしてその線がこの展覧会に結びついていることをとてもとても嬉しく思います。
是非その線を共有してもらえたら嬉しいです。
今週日曜まで。
土日は朝8時からやってますが、11時から13時まで休憩があるのでご注意を!
NO x 森川穣「ROOTS」
2013年11月5日(火)- 11月10日(日)
火ー金 12:00 - 18:00 土・日 8:00 - 11:00 / 13:00-18:00
VADE MECVM. (大阪府大阪市西区京町堀1-13-21 高木ビル 1F奥)
http://www.vm-showroom-02.com/
「ROOTS」:VADE MECVM.

今回会場としてお借りしてるVADE MECVM.さん。
靭公園に隣接するカフェ。
お昼時は立ち飲みエスプレッソがなんと100円。
常連さんがひっきりなしにやってきます。
初めて訪れた時にはその場所のオシャレさに度肝抜かされました。
デザイナーでもあるオーナーの美学が隅々まで行き届いた唯一無二の空間。
梅田からほど近い場所にこんな場所があるとは。
まさに都会のオアシス。
映画になりそうなほど素敵な場所です。
是非一息つきにいらしてください。
ちなみにVADE MECVMとはラテン語で'go with me'という意味だそうです。
NO x 森川穣「ROOTS」
2013年11月5日(火)- 11月10日(日)
火ー金 12:00 - 18:00 土・日 8:00 - 11:00 / 13:00-18:00
VADE MECVM. (大阪府大阪市西区京町堀1-13-21 高木ビル 1F奥)
http://www.vm-showroom-02.com/
「ROOTS」:撮影

NO x 森川穣「ROOTS」
2013年11月5日(火)- 11月10日(日)
火ー金 12:00 - 18:00 土・日 8:00 - 11:00 / 13:00-18:00
VADE MECVM. (大阪府大阪市西区京町堀1-13-21 高木ビル 1F奥)
http://www.vm-showroom-02.com/
「ROOTS」:搬入

世の中が三連休の中、日曜月曜2日間で展覧会の搬入。
日曜は夕方から、月曜は昼からみっちり10時間程使わせてもらいました。
試行錯誤の連続でしたが、おかげ様でいい展示になりました。
明日(というか今日)から6日間の展示です。
おいしい珈琲と共にお待ちしております。
NO x 森川穣「ROOTS」
2013年11月5日(火)- 11月10日(日)
火ー金 12:00 - 18:00 土・日 8:00 - 11:00 / 13:00-18:00
VADE MECVM. (大阪府大阪市西区京町堀1-13-21 高木ビル 1F奥)
http://www.vm-showroom-02.com/