川内倫子「照度 あめつち 影を見る」@東京都写真美術館

横浜で用事ができたので、先月から写美で始まった川内倫子展へ。
川内さんの作品はずっと追いかけてるけど、考えたら美術館での個展って見るの初。
ギャラリーの個展はロンドンで見てるけど。こちら。
この個展で川内さんの写真にどっぷりハマってしまいました。。。
入って最初の部屋は昨年出したILLUMINANCEシリーズのオリジナルプリント。
通路両サイドに展開していきます。
この辺はまあ、写真集で見まくってただけに正直あまり感動もなく。
問題は次の部屋。
入った瞬間「え!」って声が出そうになりました。
映像作品なんですが、もう「写真が動いてる!」って感じ。
まあ、映像は写真が動いたものってのは当たり前っちゃ当たり前なんですが、その原初的な驚きが何のためらいもなく出てしまいました。
ここまで写真と映像がリンクしてるものって見たことがないです。
川内倫子の写真がそのまま動画になってるみたいな。
こんな映像撮ってたんですね。知りませんでした。
どこかで発表してるところもその映像の中に入っていました。
いつまでも見続けてしまいます。結局1ループ分は動けなかった。
次の部屋では、これまでの作品のコンタクトシートを継ぎ接ぎされた作品が出てました。
なんだかこの展覧会は、写真ができる舞台裏を見せているように思えましたね。
そして最後の部屋は素晴らしかった。
写真美術館であそこまでのインスタレーションを見たのは初めてですね。
インスタレーションといっても、映像2点と写真数点、ライトボックスがただ置いていて、かっちりとひとつのインスタレーションってわけじゃないんですが、あの部屋が一体となってた感覚がありました。
写美のスペースってなんか全然かっこ良くないし、難しいんですよね。
石内都展も畠山直哉展もなんかそこまで入れなかったけど、川内展はそこを見事にカバーしてた。
2点の映像は鳥が延々と群れをなして水の上を飛んでるのと阿蘇山の野焼き。
前者は2010年のブライトンビエンナーレに出品した作品だそう。
川内さんが映像をやってるのすら知らなかった。。。
それにしても後者の阿蘇山の野焼き映像はすごかった。
焼き始めから焼き終わりまですっかり見入ってしまった。。。
その野焼きの写真シリーズも含め、この新作「あめつち」はまた新たな展開でしたね。
でも同じ部屋にあった、エルサレムの嘆きの壁や銀鏡神社の儀式(ライトボックス)、夜空をレーザーポインターで照らした作品たちの連関がよくわかりませんでしたね。
日常的なものから宇宙的なものへと興味が移っていってるのかな?
野焼き以外はイマイチぴんときませんでした。
素晴らしい展覧会でした。期待以上。
でも図録があまりに微妙。。。
装丁ペラペラやし(あえて?)内容も新作あめつち以外はほとんど他の写真集に収録済。
インタビューとかは興味あったけどイマイチ踏ん切りつかず購入見送りました。
あめつちシリーズはまた改めて写真集として出して欲しいですね。
ところで5月25日には内藤礼さんとの対談があったそうだけどどんな感じやってんやろ。。。
個人的に鉄板な組み合わせ。。。聞きたかった!
展覧会は7月16日までです。