Breaker Project 2011「梅田哲也:小さなものが大きくみえる」@福寿荘

通天閣のお膝元。阿倍野区と西成区の間という「ザ・大阪」って感じの場所に建つ廃墟寸前築60年の木造アパート福寿荘。
このへんは最近再開発が進んで、天王寺駅前には109なんか建っちゃうんだから驚きです。
そんな中ここは時間が止まったような場所。
黄昏時に行ったのも手伝って、物凄い郷愁でした。
それにしても福寿荘のお化け屋敷感が異常。
この企画、一日一人だけ泊まれるそうですが、これはさすがに無理!
でももうすでに全日予約でいっぱいだそうです。。。皆すごいなぁ。
とにかくめちゃくちゃ恐いです。床とか抜けるんじゃないかすごく心配。
そんな中で梅田さんの作品が色んな所に点在。
特に屋根裏の展示は異世界です。
色んな電灯が吊るされてて、紐が下とつながってて、下の人が引っ張るとちゃんとついたり消えたり豆電球になったりします。
部屋を巡りながら、すごいグッドタイミングで水を使った作品が動き出した!
梅田さんの作品は一度動いた瞬間を逃すと中々動かないんで根気がいります。
今回はすごくラッキーでした。
全体としては、ちょっとハマりすぎててそこまで感動はできなかったなぁ。
今後この建物は若手作家のアトリエとして使ったりするらしい。怖すぎやろ!
梅田さんの展覧会の詳細はこちら。
もう1つ梅田さんの展覧会が神戸アートビレッジセンターで開催中です。
Exhibition as media 2011「梅田哲也:小さなことを大きくみせる」@神戸アートビレッジセンター
個人的にはこっちの方が好きでした。
あの使うのが難しそうな空間を見事に使いこなしてました。
このセンターの「機能」を利用することでその空間を解いてたのがとてもおもしろかった。
例えば1階の自動開閉するシャッターを使った作品とか。
特に地下のシアターを使った作品は素晴らしかったです。
初め暗すぎて何も見えなかったけど、徐々に目も慣れていろんなものが見えてくる。
映写機が動き出してからがクライマックス!
物凄く居心地のいい空間でした。楽しかった。
スタジオの作品もよかった。
あれドラムセットはどうにかなるんかな。。。結局わからないまま出てきてしまった。。。
そして1階の時計の作品は動き出すまでの相当時間かかった。
根競べですね。こういう「待つ」というのも梅田作品の魅力のひとつでしょうね。
結果ものすごいことが起こるわけでもないんだけど、動いた時のうれしさはすごい。
上の2つはどちらも12月4日まで。オススメです。
どちらも阿倍野と新開地というカオスな立地ですが。。。
その他に最近観た展示。最近このやり方多いですね。手抜き御免。
大舩真言/高橋治希展「COLORS OF SEASONS」@京都芸術センター
京都では国民文化祭というものが現在開催中です。
といってもイマイチ何が起こっているのかわからないというのが実情w
で、その関連企画でもある京都芸術センターでの企画。
たった一週間だったので観に行けるのか不安でしたが最終日に滑りこみ。
まずはギャラリー南で高橋治希さんの展示。
越後妻有などにも出品されてる陶の作家さんです。
こちらは九谷焼で出来た花たちを中空に浮かせた非常に繊細な展示。
歩くルートも決められていました。
床に落ちる影も美しくて、非常に優雅な展示。
北では大舩さんの展示が行われ、あの展示室でどういう空間を見せてくれるのかと相当期待高めて行きましたが、やはり想像を遥かに越えた展示の作り方。。。すごい。
まず入っていきなり壁が立てられています。
回りこむと段があって、その段の前の壁に大作が一点かかっています。
ゆるいカーブのかかった段に座りながら眺める景色。
床が今回そうとう綺麗になっていて、絵画の映り込みが本当に美しかった。
芸術センターの床は相当汚いので相当磨いたんやろうなぁ。。。
以前内海さんも会場に来て先ずやったことといえば床磨きだったそうです。
まるで水面のような床と大舩絵画の対比が凄まじいです。
彼の場合は、もはや作品とかを超えて、違う次元にまで連れていってくれます。
こういう空間へのこだわりは毎回感嘆させられます。今回もすばらしかったです!
ルネサンスー京都・映像・メディアアート@京都芸術センター。むろまちアートコート
こちらも国民文化祭関連。
更に文化庁メディア芸術祭の一環でもある。
全貌としては京都文化博物館やらマンガミュージアムなども何かやってたようですが、たまたま烏丸寄ることがあったので、ラスト1時かんで文字通り駆け足で見ました。
映像展で、しかも2会場を1時間はさすがにきつかった・・・。結構なボリューム。
ギャラリー南では国立国際の「世界制作の方法」で話題沸騰のクワクボリョウタ氏。
やっぱ国立国際の方がいい。要素が多ければ多いほどいいってだけだけど。
北は京都芸大教授の中居恒夫氏の作品。個人的には結構無理でした。。。
他にもセンター内にたくさん展開していて、八谷和彦さんの「視聴覚交換マシン」なんかも。
大広間のSHIMURABROS.の作品がかなりよかった。
3スクリーンの寓話的ストーリーで、全部は見れなかったけどおもしろかったです。
水道のところの水野勝規さんの作品もすごく綺麗でした。
むろまちアートコートでは、宮永くんの作品スクリーンでギリギリみれてよかった。
1スクリーンで7組の映像を順に流すのは中々しんどいものがあるなぁ。。。
全体として、映像っていうメディアしばりのみってのもなんかわかりにくい感じでした。
白子勝之「exhibition2」@eNarts
eNarts作家の白子君の展覧会です。
今回改めて展覧会で観るのは初めて。
彼の作品は工芸と美術とが本当にうまい具合に融解した絶妙な作品。
先日観た石塚源太氏とはまた違った魅力があります。
制作にものすごい時間がかかるだけあり、本当にクオリティが高い。
おそろしい程の細かさと技術に裏打ちされたまさに工芸品といっても過言ではないです。
ただ、地下の作品はちょっとそういうところから外れていてあんまりでしたね。
11月27日まで。金土日しか開いてないのでご注意を。
東樋口貴子「uyutono」@kara-S
同級生の東樋口さんの展覧会。
彼女は在学中に突然ロシアに留学しロシア語を学んだ不思議な人です笑
今回の展覧会のタイトル「uyutono」(ウユートナと発音します)は日本語で「心地いい」という意味だそうですが、意味と言うよりこの語感にインスパイアされた色鉛筆でキャンバスに描かれた作品。
どれも雲のようなやわらかい印象で、特に遠目ではわからないぐらい薄く描かれた作品たちが結構お気に入り。
こうして同級生たちが作品を発表し続けてるのはすごく刺激になりますね。
むこうスタジオのオープンスタジオ
京都の向日町にあるスタジオ。
メンバーは清田泰寛さん、羽部ちひろさん、HYON GYONさん、前川紘士さん、山本彩さんの5人。
うちも向日町近くにあるので、ご近所さんが出来たとちょっと新鮮。
今年の3月から借りられてるそうで、これが初めてのオープンスタジオ。
元々竹の倉庫だったらしく、天井高がかなりある。
2階と1階でゆったりと使っていました。
他のスタジオ見に行くのは中々刺激的です。
これからゆるりとお付き合いしていければと思います。