杉本博司「アートの起源 宗教」@MIMOCA

宇部帰りに行ってきました、杉本博司「アートの起源」。
昨年から続いたこの展覧会もいよいよ最終回。テーマは「宗教」です。
今回はアームレスリング大会もなく平和ですw
全体の印象としては、過去3回よりも、ストレート勝負してる印象。
これまで1階、2階、3階の展示は違うシリーズが置かれてたりして、分断されてる印象があったのですが、今回は杉本さんの代名詞とも言える「海景」がすべての階に登場。
1階は金沢から見せてる十一面観音像と海景のコラボレーション。
2階にぐるっと海景が並ぶ様は圧巻。
何度見ても心静かになる名作です。
最後の真っ暗なスペリオール湖の写真は近づくと反射がキツすぎて見えない。
さらにガラスの拭き跡とか見えて少し残念。
3階の廊下はいつものスライド投影はなしです。
代わりにこれまでの「科学」「建築」「歴史」のポスター。
さらに、19世紀の蓮華のリトグラフと、三十三間堂の仏像を撮った写真の軸装が展示。
メインの3階に入ると右の壁は完全に死に壁にして展示はなし。
左には三十三間堂の千体の「仏の海」。
真ん中の階段の上には光学ガラスで作られた五輪塔に海景が、、、って見えるか!
ちゃんと見えるように、「仏の海」の壁の裏にズラッと海景五輪塔が並んでます。
あと、14世紀イタリアで制作されたキリストの胸像。
いまいちこれがここにある意味が理解できませんでした。
東西の宗教像を強調するなら1階の十一面観音像と配置するとかあったろうに。
場所も中途半端で謎でした。
全体的な展示としては、まあそこまで感動はなかったですね。11月6日まで。
さて、ついに4回すべて制覇してしまったわけですが、こういう展覧会は、作家にとっても美術館にとってもメリットが大いにあるような気がします。
やはり杉本さんは展覧会というメディアの使い方がうまいですね。
写真作品に収まらないそのキュレーション力は本当に脱帽。
美術館としても、基本の雛形さえできてしまえば、展示の入れ替えはそこまで大変じゃないですし、このご時世ですから、費用の節約にもなるでしょう。
さらに、僕みたいなリピーターがあればある程度の純利益にもつながる。
まあ、色々条件はあるけれど、それでも「うまい」展覧会だったな、という印象。
ただ、もう杉本さんはしばらくいいかな、という感じ。横トリで見るけど。
今度はちょっとご遠慮すると思います。多分。多分。
さて、次回の丸亀は休館を挟んで塩田千春展ですね。
船を使った使ったインスタレーション。。。どんなんやろ。楽しみです。
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