三面鏡-万華座談-@7-23gallery
母校の精華大学に行ってきました。
目的は大学内の洋画塔内にある7-23ギャラリーでの展覧会。
今年度で退官される恩師の柏原えつとむ先生と、助手でこちらも3月で退任の田中洋樹さん、そして2年前に着任されたばかりの哲学者佐藤一進さんの3人展。
特に20数年この精華大学で教鞭を執られた柏原先生の退官記念展という要素が強く、たった2日間の展示だったにも関わらず多くの卒業生たちが訪れたようです。
派手なことが嫌いな柏原さんらしく、ひっそりこの小さなギャラリーでの展示。
そもそもこの7-23ギャラリーというのは、柏原さんが着任された時に学生と一緒に立ち上げたギャラリーらしく、在学生たちがその後何度も展示やインスタレーションの場として使ってきました。
かつては塩田千春さんもこの場所を使って展示の練習をしていたようです。
かくいう僕も大変お世話になった場所。
この場所があったからこそ、今の僕のインスタレーションに繋げたと言えるし、studio90という場所を立ち上げる原点になったのも、精華時代から続くDIY精神があったからこそ。
だからこの場所で最後の柏原さんの展示が行われるのは感慨深いものがあります。
昔から柏原ゼミでは展覧会の在り方を問い直すような展示を行ってましたが今回もその精神は健在。
展示会場の真ん中には三角形の机が置かれ、展示中三人が色んな議論をするというもの。
行った時はまだ行われてなくて、時間がなかったのもあって、結局見れずじまいでした。
壁の展示は三人がそれぞれに問いを投げて、それを表現で返すというもの。
佐藤さんはものづくりの人ではないので大変そうでしたが、それでも誠実に投げ返してました。
田中さんが投げた、松本大洋の「鉄コン筋クリート」の任意のページを二人に提示し自由に展開するという問いに対する、柏原さんのインスタレーションがあまりに美しすぎました。
他にも色々ありましたが、内容はこちらの方が詳しいです。
同じころ、柏原研究室では、柏原さんのおびただしい量のドローイングと過去の名作たちが展示されてましたが、こちらもまた凄まじかった…。
誰もいない中で展示されてて盗まれたりしないかとひやひや。
愛の溢れる精華大学でした。
ちなみにこの年末この柏原さんとグループ展ご一緒させていただくことになりました。
今から身の引き締まる想いでございます。がんばります!
詳細は追ってご報告します。
さて、この帰りに京都造形大学の卒展に行ってきました。
今年から造形大は京都市美術館での展示を止めて、学内での展示に切り替えました。
これは中々の決断だと思って、どんなもんかいなと覗いてみました。
結果的に言うと、この卒展は成功していたと言わざるを得ないと思います。
最初、プライスリストを作るとか、なんだかきな臭い匂いが立ち込めていて、少し懐疑的でしたが、値段を大々的に公開するのではなく、あくまでスタッフにお尋ねくださいというスタンスで中々好感がもてました。そもそも京都市美術館では作品を売るのは難しいですしね。
実際に観てたら小山登美夫さんもいらっしゃってたし、中々おもしろいことになってました。
興味あったけど、気が引けてプライスリストは聞かずに帰りましたが。
それにしても、やはり作品がありすぎてくたびれました。
造形大のコースの多さがここに来て、観覧の邪魔になってましたね。
先端アートコースなんて東京芸大まがいの名前でしかも情報デザイン学科の中にあるというカオス。
来年からまたコースが増えるなんて話もあるし、これは中々大変ですね。
結局色々迷って、美術系にたどり着いたのは最後の最後でした。
美術工芸コースではやはり洋画が気になりました。
特に抽象をやってる人たちの勢いが強くてかなり好感。和田直祐さんの絵がよかった。
あとは未来館でやってた大学院の人たちの展示のクオリティが全体的に高かったです。
金正敏さんの陶芸作品は、種を植える為の溝がそれぞれにあり、加湿器を焚いた部屋では実際にカイワレダイコンの芽が器から生えててなんとも言えない愛おしさを感じました。
大山里奈さんの様々な水の落下を楽しめるとてもささやかなインスタレーション。
そして隣の部屋でパフォーマンスされてた藤井まり子さんがまた素晴らしかった。
すりガラス越しに見える彼女自身の存在。
最初そういう部屋なのかと思って入ろうとして、ノブを回して鍵がかかってて、それを理解したときはおお!!!と思いました。彼女がそこにいること自体が作品になるという。
あとびっくりしたのは野外の荒川貴さんのインスタレーション。
凄まじい量の木の皮が山のように盛られているまさにランドアート。こんなんあり!?
とまあ、京芸の時と違って楽しめました。
あの展示室としても成立する各部屋の清潔さと、立地条件だからこそ成立する卒展。
残念ながら精華では無理やなぁー、と思いました。
来年の卒展も機会があれば観に行きたいです。
今年の卒展は3月6日まで。市美でやると一週間足らずですが、学内ということで倍の期間設けてますね。しかも金曜は20時まで。シャトルバスまで出てる!
行った日は閉まってましたが、話題のウルトラファクトリーの公開もしてるとのこと。
さらに最終日には妹島和世x長谷川祐子x千住博x秋元康x浅田彰という豪華すぎる対談が実現。
秋元康が入ってるのがウケますが、さすがですね…。こわい。
ところで今回の卒展は京芸と京造で、どちらも学内でやってたものしか見てないけれど、こぶ〆見てたら成安大の卒制は観に行けば良かったと思う。
前述サイトでも紹介されてる、市美の空間を誠実に生かした林彩子さんと明楽和記さんの作品は、この場所でやることの前向きな捉え方が全面に出ていてとても素晴らしいと思う。
ここでやることをネガティブに捉えず、むしろ力に変えてしまうやり方。
そもそも普段から学生の作品でいいな、と思う作品は普段から成安が多い。
派手さはないが、芯がある。どんな教育がされてるのか気になるところです。
目的は大学内の洋画塔内にある7-23ギャラリーでの展覧会。
今年度で退官される恩師の柏原えつとむ先生と、助手でこちらも3月で退任の田中洋樹さん、そして2年前に着任されたばかりの哲学者佐藤一進さんの3人展。
特に20数年この精華大学で教鞭を執られた柏原先生の退官記念展という要素が強く、たった2日間の展示だったにも関わらず多くの卒業生たちが訪れたようです。
派手なことが嫌いな柏原さんらしく、ひっそりこの小さなギャラリーでの展示。
そもそもこの7-23ギャラリーというのは、柏原さんが着任された時に学生と一緒に立ち上げたギャラリーらしく、在学生たちがその後何度も展示やインスタレーションの場として使ってきました。
かつては塩田千春さんもこの場所を使って展示の練習をしていたようです。
かくいう僕も大変お世話になった場所。
この場所があったからこそ、今の僕のインスタレーションに繋げたと言えるし、studio90という場所を立ち上げる原点になったのも、精華時代から続くDIY精神があったからこそ。
だからこの場所で最後の柏原さんの展示が行われるのは感慨深いものがあります。
昔から柏原ゼミでは展覧会の在り方を問い直すような展示を行ってましたが今回もその精神は健在。
展示会場の真ん中には三角形の机が置かれ、展示中三人が色んな議論をするというもの。
行った時はまだ行われてなくて、時間がなかったのもあって、結局見れずじまいでした。
壁の展示は三人がそれぞれに問いを投げて、それを表現で返すというもの。
佐藤さんはものづくりの人ではないので大変そうでしたが、それでも誠実に投げ返してました。
田中さんが投げた、松本大洋の「鉄コン筋クリート」の任意のページを二人に提示し自由に展開するという問いに対する、柏原さんのインスタレーションがあまりに美しすぎました。
他にも色々ありましたが、内容はこちらの方が詳しいです。
同じころ、柏原研究室では、柏原さんのおびただしい量のドローイングと過去の名作たちが展示されてましたが、こちらもまた凄まじかった…。
誰もいない中で展示されてて盗まれたりしないかとひやひや。
愛の溢れる精華大学でした。
ちなみにこの年末この柏原さんとグループ展ご一緒させていただくことになりました。
今から身の引き締まる想いでございます。がんばります!
詳細は追ってご報告します。
さて、この帰りに京都造形大学の卒展に行ってきました。
今年から造形大は京都市美術館での展示を止めて、学内での展示に切り替えました。
これは中々の決断だと思って、どんなもんかいなと覗いてみました。
結果的に言うと、この卒展は成功していたと言わざるを得ないと思います。
最初、プライスリストを作るとか、なんだかきな臭い匂いが立ち込めていて、少し懐疑的でしたが、値段を大々的に公開するのではなく、あくまでスタッフにお尋ねくださいというスタンスで中々好感がもてました。そもそも京都市美術館では作品を売るのは難しいですしね。
実際に観てたら小山登美夫さんもいらっしゃってたし、中々おもしろいことになってました。
興味あったけど、気が引けてプライスリストは聞かずに帰りましたが。
それにしても、やはり作品がありすぎてくたびれました。
造形大のコースの多さがここに来て、観覧の邪魔になってましたね。
先端アートコースなんて東京芸大まがいの名前でしかも情報デザイン学科の中にあるというカオス。
来年からまたコースが増えるなんて話もあるし、これは中々大変ですね。
結局色々迷って、美術系にたどり着いたのは最後の最後でした。
美術工芸コースではやはり洋画が気になりました。
特に抽象をやってる人たちの勢いが強くてかなり好感。和田直祐さんの絵がよかった。
あとは未来館でやってた大学院の人たちの展示のクオリティが全体的に高かったです。
金正敏さんの陶芸作品は、種を植える為の溝がそれぞれにあり、加湿器を焚いた部屋では実際にカイワレダイコンの芽が器から生えててなんとも言えない愛おしさを感じました。
大山里奈さんの様々な水の落下を楽しめるとてもささやかなインスタレーション。
そして隣の部屋でパフォーマンスされてた藤井まり子さんがまた素晴らしかった。
すりガラス越しに見える彼女自身の存在。
最初そういう部屋なのかと思って入ろうとして、ノブを回して鍵がかかってて、それを理解したときはおお!!!と思いました。彼女がそこにいること自体が作品になるという。
あとびっくりしたのは野外の荒川貴さんのインスタレーション。
凄まじい量の木の皮が山のように盛られているまさにランドアート。こんなんあり!?
とまあ、京芸の時と違って楽しめました。
あの展示室としても成立する各部屋の清潔さと、立地条件だからこそ成立する卒展。
残念ながら精華では無理やなぁー、と思いました。
来年の卒展も機会があれば観に行きたいです。
今年の卒展は3月6日まで。市美でやると一週間足らずですが、学内ということで倍の期間設けてますね。しかも金曜は20時まで。シャトルバスまで出てる!
行った日は閉まってましたが、話題のウルトラファクトリーの公開もしてるとのこと。
さらに最終日には妹島和世x長谷川祐子x千住博x秋元康x浅田彰という豪華すぎる対談が実現。
秋元康が入ってるのがウケますが、さすがですね…。こわい。
ところで今回の卒展は京芸と京造で、どちらも学内でやってたものしか見てないけれど、こぶ〆見てたら成安大の卒制は観に行けば良かったと思う。
前述サイトでも紹介されてる、市美の空間を誠実に生かした林彩子さんと明楽和記さんの作品は、この場所でやることの前向きな捉え方が全面に出ていてとても素晴らしいと思う。
ここでやることをネガティブに捉えず、むしろ力に変えてしまうやり方。
そもそも普段から学生の作品でいいな、と思う作品は普段から成安が多い。
派手さはないが、芯がある。どんな教育がされてるのか気になるところです。