三面鏡-万華座談-@7-23gallery

母校の精華大学に行ってきました。
目的は大学内の洋画塔内にある7-23ギャラリーでの展覧会。
今年度で退官される恩師の柏原えつとむ先生と、助手でこちらも3月で退任の田中洋樹さん、そして2年前に着任されたばかりの哲学者佐藤一進さんの3人展。
特に20数年この精華大学で教鞭を執られた柏原先生の退官記念展という要素が強く、たった2日間の展示だったにも関わらず多くの卒業生たちが訪れたようです。
派手なことが嫌いな柏原さんらしく、ひっそりこの小さなギャラリーでの展示。
そもそもこの7-23ギャラリーというのは、柏原さんが着任された時に学生と一緒に立ち上げたギャラリーらしく、在学生たちがその後何度も展示やインスタレーションの場として使ってきました。
かつては塩田千春さんもこの場所を使って展示の練習をしていたようです。
かくいう僕も大変お世話になった場所。
この場所があったからこそ、今の僕のインスタレーションに繋げたと言えるし、studio90という場所を立ち上げる原点になったのも、精華時代から続くDIY精神があったからこそ。
だからこの場所で最後の柏原さんの展示が行われるのは感慨深いものがあります。
昔から柏原ゼミでは展覧会の在り方を問い直すような展示を行ってましたが今回もその精神は健在。
展示会場の真ん中には三角形の机が置かれ、展示中三人が色んな議論をするというもの。
行った時はまだ行われてなくて、時間がなかったのもあって、結局見れずじまいでした。
壁の展示は三人がそれぞれに問いを投げて、それを表現で返すというもの。
佐藤さんはものづくりの人ではないので大変そうでしたが、それでも誠実に投げ返してました。
田中さんが投げた、松本大洋の「鉄コン筋クリート」の任意のページを二人に提示し自由に展開するという問いに対する、柏原さんのインスタレーションがあまりに美しすぎました。
他にも色々ありましたが、内容はこちらの方が詳しいです。
同じころ、柏原研究室では、柏原さんのおびただしい量のドローイングと過去の名作たちが展示されてましたが、こちらもまた凄まじかった…。
誰もいない中で展示されてて盗まれたりしないかとひやひや。
愛の溢れる精華大学でした。
ちなみにこの年末この柏原さんとグループ展ご一緒させていただくことになりました。
今から身の引き締まる想いでございます。がんばります!
詳細は追ってご報告します。


さて、この帰りに京都造形大学の卒展に行ってきました。
今年から造形大は京都市美術館での展示を止めて、学内での展示に切り替えました。
これは中々の決断だと思って、どんなもんかいなと覗いてみました。
結果的に言うと、この卒展は成功していたと言わざるを得ないと思います。
最初、プライスリストを作るとか、なんだかきな臭い匂いが立ち込めていて、少し懐疑的でしたが、値段を大々的に公開するのではなく、あくまでスタッフにお尋ねくださいというスタンスで中々好感がもてました。そもそも京都市美術館では作品を売るのは難しいですしね。
実際に観てたら小山登美夫さんもいらっしゃってたし、中々おもしろいことになってました。
興味あったけど、気が引けてプライスリストは聞かずに帰りましたが。
それにしても、やはり作品がありすぎてくたびれました。
造形大のコースの多さがここに来て、観覧の邪魔になってましたね。
先端アートコースなんて東京芸大まがいの名前でしかも情報デザイン学科の中にあるというカオス。
来年からまたコースが増えるなんて話もあるし、これは中々大変ですね。
結局色々迷って、美術系にたどり着いたのは最後の最後でした。
美術工芸コースではやはり洋画が気になりました。
特に抽象をやってる人たちの勢いが強くてかなり好感。和田直祐さんの絵がよかった。
あとは未来館でやってた大学院の人たちの展示のクオリティが全体的に高かったです。
金正敏さんの陶芸作品は、種を植える為の溝がそれぞれにあり、加湿器を焚いた部屋では実際にカイワレダイコンの芽が器から生えててなんとも言えない愛おしさを感じました。
大山里奈さんの様々な水の落下を楽しめるとてもささやかなインスタレーション。
そして隣の部屋でパフォーマンスされてた藤井まり子さんがまた素晴らしかった。
すりガラス越しに見える彼女自身の存在。
最初そういう部屋なのかと思って入ろうとして、ノブを回して鍵がかかってて、それを理解したときはおお!!!と思いました。彼女がそこにいること自体が作品になるという。
あとびっくりしたのは野外の荒川貴さんのインスタレーション。
凄まじい量の木の皮が山のように盛られているまさにランドアート。こんなんあり!?
とまあ、京芸の時と違って楽しめました。
あの展示室としても成立する各部屋の清潔さと、立地条件だからこそ成立する卒展。
残念ながら精華では無理やなぁー、と思いました。
来年の卒展も機会があれば観に行きたいです。
今年の卒展は3月6日まで。市美でやると一週間足らずですが、学内ということで倍の期間設けてますね。しかも金曜は20時まで。シャトルバスまで出てる!
行った日は閉まってましたが、話題のウルトラファクトリーの公開もしてるとのこと。
さらに最終日には妹島和世x長谷川祐子x千住博x秋元康x浅田彰という豪華すぎる対談が実現。
秋元康が入ってるのがウケますが、さすがですね…。こわい。


ところで今回の卒展は京芸と京造で、どちらも学内でやってたものしか見てないけれど、こぶ〆見てたら成安大の卒制は観に行けば良かったと思う。
前述サイトでも紹介されてる、市美の空間を誠実に生かした林彩子さんと明楽和記さんの作品は、この場所でやることの前向きな捉え方が全面に出ていてとても素晴らしいと思う。
ここでやることをネガティブに捉えず、むしろ力に変えてしまうやり方。
そもそも普段から学生の作品でいいな、と思う作品は普段から成安が多い。
派手さはないが、芯がある。どんな教育がされてるのか気になるところです。

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

なかもと真生展「都市論」@GALLERY M

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愛知県は、小牧・豊田・日進に行ってきました。名古屋は今回パス。
小牧へは来年あたり企画するかもしれない展覧会の下見。
豊田へは豊田市美でやってたintextさんたちのライブ。
何をやってるかイマイチわからんまま行ったんですが、どうやら「アイチ・ジーン」という凄まじいネーミングの展覧会のオープニングイベントだったらしい。
着いたらcircle sideという名古屋を中心に活動するグループのパフォーマンスが始まってた。
京都を旅した音を収録しミックス、さらにタイプライターで時間と場所を打ち、画面に投射。
おもしろいけど、やってることが的を外さなすぎて凡庸に思えました。
intextさんのは、僕にはよくわからなかった。
マックを3台並べて音と映像が同期してるというこちらもまああるかな、っていうパフォーマンス。
池田亮司の時も思ったけど、こういうのは僕には合わないみたいです。
ちなみにintextは京都を中心に活動してるグループ。「アイチジーン」ちゃうやん!!!!
となりつつ展覧会も拝見。
本館の方で引っかかったのは阿部大介さんの作品ぐらいだった。
それでも彼の作品は、発泡バインダーという素材に依り過ぎてる感じがしました。
これは熱を加えると独特の表面を形成する素材らしく、それでドレス等を制作。
平面もおもしろかったけど、靴はやりすぎに思えました。着色するとキツイです。
また、離れの又日亭でも展示があり、ここでは木彫の谷村彩さんが気になりました。
それにしても、このケンミンショー的な企画、ちょっとどうかと思うなぁ。。。
「キョウト・ジーン」とか絶対嫌ですしね笑 お茶出されたらはよ帰らな!みたいな。
ところでチラシ見てたら、写真で気になる作家はこの前のはるひ美術館というところで行われてた同企画にほとんど出品してたみたい。こちらは2月20日までやったらしい。清須市ってどこ?
そもそも豊田の展示も細井博之さんの展示を見逃してるなぁ。。。

そんなこんなで豊田を後にし、日進市へ。
こちらでは友人作家のなかもと真生君の展示がGALLERY Mにて。
愛知の人に聞くと、聞いたことあるけど行ったことない、というこのギャラリー。
名古屋から高速バスで1時間。地下鉄星が丘からもバスで30分ほど。
なんといっても遠い。
2007年開廊と比較的新しいギャラリーですが、オープニングには篠原有司男だったり、鷹野隆大やMAYAMAXXなんかも展示をしている。前述の阿部大介さんも2009年に展示してたみたい。
実際場所も広くて、10mx10mx5mという半端ないスペース。
そんなスペースでなかもと氏は「都市論」と題された壮大なインスタレーションを展開。
まずギャラリー入って左の扉をくぐって展示室へ。
この動線もすべて今回の展示のために設置。
入ると、奥の壁からLEDライトで照らされた何かの塊たちが、高さ1m弱ぐらいの台の上にズラーッと整理され並べられているのがわかる。
最初は暗くて一つ一つよくわからないが、次第にその輪郭がはっきりしてくる。
さらに、物見台のような場所まで設置され、そこから俯瞰することもできる。
そうすると、それらがまるで都市のように見えてくる。
実際は彼の故郷でもある愛媛県新居浜市から集められた産業廃棄物に銀色のスプレーをふりかけたものが並べられていて、それらは出自も様々な物。
中には火葬場で棺桶を載せる車輪付きの台なんかもあったりしました。
それにしても、こういう展示で残念なのが、どうしても物当てゲームになってしまうきらいがあること。
ものが具体的すぎる上に、形もほぼそのまま見せてるので、自ずとそうなってしまう。
そうなると、全体図よりも部分に目が行きがち。
あと、都市論ということで、榎忠の工場の部品を並べた作品を思い浮かべるが、あちらがステレオタイプな未来都市像とすると、こちらはすごく馴染みのある風景に見えてくる。具体的にはスカイスクレイパーの現代都市ではなく、置き去りにされた近代の工業都市。
作者の故郷から集められたという所からもある種のノスタルジーを覚えなくもないのだけれど、それらの表面に宿るフェティッシュをスプレーで消し去る行為がうまく結びつかない。
ノスタルジーに駆られそうになる寸前でどこかストップがかかってしまう。
どちらに行けばいいのかわからず、結局部分に思考が乗っかってしまう。
倉敷の野外で見せた作品に関しては、太陽光に照らされ、それらが光のオブジェに感じられ、うまく思考を飛ばすことができたのだけれど、今回はそれが難しかった。
また、本人としては体育館級の大きさでも見せてみたいということだったけれども、サイズを大きくすれば何かが解決するのかも少し疑問。ただの都市のジオラマにしてしまっては勿体無い気がする。
こちらの作品より、無茶ぶりが甚だしいドローイングにむしろ興味が湧いてしまった。
本人的にはあくまで実現させるためのドローイングなのだろう。それはクリストの方法論に近い。
まるでコピペ感覚で、冗談のように思えても仕方がないそれらは、むしろ独立して作品足りえてる気がする。
これらが何百枚も日夜描かれてるしたら、、、。
それにしてもギャラリーの空間をほぼ無視した展示構成がすごかったなー。お疲れ様です。
こちらは3月6日まで。
<関連記事>
なかもと真生「境界線/不在」@西院久田町貸家
なかもと真生@大原美術館


帰りは高速が事故により完全にストップ。2時間で1mmも動かなかった…。

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

松田啓佑「WORDS LIE ?」@eNarts

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久々にギャラリー回ってきました。といっても3つですが。
烏丸から小山→neutron→eNartsとすべて徒歩。さすがに疲れた。
小山のシュテファン・バルケンホールは良くも悪くも期待通り。
予定調和的に素晴らしかったです。特に階段登って正面に見える壁に寄り掛かるような作品。
すごいのが、最初の部屋すべて制作年が2011年!制作ペースが早過ぎる…。
それ以外も去年の作品ですからね。
ドローイングはよくわからなかったです。
オープニングは関西の関係者全員集合ぐらいすごい人だったそうです。
なんせバルケンホール本人によるトークですもんね。すごい。
僕は残念ながらギャラリーの番の為に行けませんでした。
展覧会は3月19日までです。

続いてneutronの森太三さんの展示。今年初neutron。
前に画像見て、行かねば!と思ってました。
滴る雨水の如く粘土の粒たちが壁を伝う。
ここの展示方法としてはかなり合ってるとは思いましたが、画像で見てた時より硬い印象。
雨水のような柔らかさがあまり感じられず残念。
あともう少し色を絞った方が美しかったと思う。
ポートフォリオ見てたら、昨年滋賀の倉庫でもやってて、その時の白い雨粒の方が綺麗。
こちらは3月6日まで。

そして今回なんといってもよかったのがeNartsの松田啓介君の展示
行かねば行かねばと思いつつ最終日ぎりぎりになってしまいました。(明日まで)
以前から各方面で、すごいという声は聞いてましたが本当にすごかった。
しかも、想像してたプリミティブなすごさとは違っていい意味で裏切ってくれました。
ポートフォリオを見る限り、昨年からかなり変化したように見える。
というかこのポートフォリオもすごい。。。タイトル手書き!
中には写真をそのまま貼ってるやつとかもある。豪快。
タイトルがそもそもすごい。
「消えてくれ」(2006) 「ぶち壊す」(2006) 「自分なくなれ」(2006) 「すべてどうでもいい」(2006) 「自由になりそうになると吐きそうになる」(2007)等々。。。
どうしたん?と心配になります笑
今回の新作はすべて「UNTITLED」。
元々作品にタイトルを付けるのが嫌だったそうですが、学生の頃担当の先生に付けなさいと言われて半分無理矢理付けてたそうです。その嫌さがタイトルにそのまま反映されてるのかな?笑
それでも、これらのタイトルは松田くんの作品をうまく言い表しているように見える。
圧倒的な拒否感を作品たちが放っているから。
すべての作品が鑑賞者に対して背中を向いているように見えた。
それは、アバカノヴィッチの彫刻を見たときの感触に近い。
視線を投げかけても横滑りしていく感覚。
それでもその背中は何かを今にも物語そうな予感に満ちている。
見れば見るほど眼が離せなくなってしまう不思議な魅力に溢れていました。
特に地下へ降りる階段の踊り場にある作品が僕の中では白眉。
ポートフォリオを見ただけなのではっきりと断言はできませんが、今回の新作群で顕著なのが、画面の中に間が出来たことがすごく大きな効果を発揮しているように思えます。
何も描かれていないその間にほとばしる絵の具のシミ。
それらと、臓物のような塊とで構成される画面が素晴らしかったです。
個人的にはドローイングにあまり魅力は感じられなかったけど、油彩はとても良かった。
とても不思議な作家さんです。

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

今村遼佑「ながめるとみつめるのあいだ」@studio90 ♯4

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今村遼佑展Vol.01は、昨日無事終了しました。
4日間のみ、且つアクセスの悪い中たくさんの方々に来ていただきました。
ツイッターでも告知ツイートをリツイートして協力頂き大変感謝しております。

Vol.01では、会場にたくさんのアルミの風船が浮かび、風船同士が触れ合うと床のLEDが点灯するという仕組みの作品を発表しました。
「森森(しんしん)と降り注ぐ」という仮タイトルがついていて、森の木漏れ日から着想された新作です。
空間に流れる気流を可視化した作品でもありました。
窓から入る自然光で見せていたので、昼と夜で全く違った印象でした。
たった4日では勿体ないという声が多々聞かれましたが、今後どこかで発展していく作品だと思います。
また別の場所で見られるのが楽しみでなりません。

次回は3月の前半を予定。
出来次第発表ということなので、作者を含めて誰もいつになるかわからないという笑
Vol.01同様各所で発表しますのでチェックお願いします。

今村遼佑「ながめるとみつめるのあいだ」@studio90 ♯3

明日で最終日の今村展Vol.01ですが、延長が決定しました。
2月21日(月)13:00-19:00で予約制です。ご希望の時間を受け付けます。
studio90@live.jpにメールしていただくか、僕のツイッターにDMください。
今村遼佑のメールでも受け付けております。
http://www.geocities.jp/imamura_ryosuke/indexのcontactの文字をクリックしてください。
よろしくお願いします。

今村遼佑「ながめるとみつめるのあいだ」@studio90 ♯2

いよいよ明日からです。よろしくお願いします!

今村遼佑「ながめるとみつめるのあいだ Vol.01」
2011年2月18日(金)~2月20日(日) 13:00~19:00
2月18日、20日は作家在廊予定
http://www.studio90.info/exhibition008.htm



「眺める/見つめる」

自分の設定した主題に向き合い制作に集中し展示を熟考し作品を作り上げていく中で、 見つけるものと見失うものがある。なので、時々その逆をたどる。素材は最適か、そもそも、その主題は必然か、あるいはさらに後ろに下がって、考える。作ることは必然かと。作らないことも含めて作品を考えると、展示空間はただの生活空間になり、自分は作家でなくただの生活者になる。そしてその立場から、風景を確認する。

眺めることと見つめることの間の、感覚の、意識の反復横跳び。筋トレ。方向感覚を失わずにその距離を獲得していくこと。

今村遼佑


「いいニュースというのは、多くの場合小さな声で語られるのです。-今村遼佑展に寄せて-」

今村の作品を想う時、村上春樹の小説に出てくるこの言葉を思い出さずにはいられなかった。
そう、彼の作品は、どうしても私には「いいニュース」に思えるからである。
それはいつも、世界が軋む、その一瞬の、囁くような、かそけき「小さな声」で伝えられる。
そのニュースは、普段、生活のノイズにかき消され、聞こえてくることはほとんどない。
しかし、今村の作品に向き合う時、私はこの世界から一度脱し、その声を聞くことができる。
廻るオルゴール。ゆっくり動く糸。点滅するライト。
日常の素材を用いながら、それらが織り成す調和は日常では聞こえない声を届けてくれる。

今村は大学では彫刻を学んでいる。
彫刻と言うと、どうしてもマッチョなイメージが頭をよぎる。
しかし、今村の作品を見ると、それとはま逆の世界である。
彼の作品を初めて観たのは2008年に京都芸術センターで行われた「gadget」展であった。明らかに彼の作品は、何かしらの示唆を私に与えていて、その数ヵ月後の2009年に大阪のPANTALOONで行われた個展「畔を廻る」を観て、私の彼に対する評価は確信に変わった。
そこから東京の「ノックする。」、神戸の「白色と雑音」、京都の「きょう・せい」と作品を追い続けているが、年々その「小さな声」は私の中で「大きく」なっていった。
そして今回、彼に是非このstudio90を使って何かしてほしいと依頼するに至った。
ちょうどその時shiseido art eggの入選が決まり、多くの人があの「小さな声」を聞くのかと思うととても興奮した。それはまさに「いいニュース」だった。
先日その資生堂の展示「ひるのまをながめる」を観に行ってきた。地下に降り、その空間を上から眺めた時の「絶景」は筆舌に尽くし難い。見た目にはからっぽなその空間が、「小さな声」で満たされていた。その振動は、微震のように私の鼓膜を揺さぶり続ける。私にはとても「強い」作品に思えてならなかった。

思えば彼と初めて会ったのもこのstudio90であった。彼がたまたまここの第一回展でもある筆者の個展を観に来てくれたのだ。当時は彼の作品を知らなかったが、まさかその数年後にその彼がここで展示をするとは、縁とは不思議なものだと思う。
そして今回このstudio90で、彼はまた、新たな試みを見せてくれる。
それは、この空間をアトリエとして使い、出来た時点で公開するというものである。
普通のギャラリーでは中々むずかしい、studio90ならではの方法論である。作者も未知なまったくの新作をまさにこの場所で作りながら発見していく。それはまるで、遺跡を発掘するような考古学的な営みであり、未知の領域に向かって実験を繰り返す科学者のような作法でもある。それはとても面白い試みだと思った。
果たして、ここで生まれた作品はどんな声で私たちに囁きかけてくれるのだろう。
是非今村の作品が奏でる「小さな声」に身を委ね、全身でその「いいニュース」を受け止めてほしいと思う。


森川穣

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

今村遼佑 第5回shiseido art egg 「ひるのまをながめる」@資生堂ギャラリー

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資生堂の今村くんの個展を観に行ってきました。
ちょうど今週からはじまるstudio90の展示以来を今村くんに伝えた頃(去年の9月ぐらい?)、このshiseido art eggの入選を耳にしました。
それを聞いたときは本当にうれしかったし、あの地味な(失礼)作品が数ある応募者(261件)から選ばれたのは驚きでした。審査員の審美眼は相当鋭いですね。
なので、本当に楽しみで楽しみで仕方なかった展覧会。
レセプションにも行きたかったけど都合が合わず。
どっちにしろレセプションみたいながやがやした中で見るのは不向きなのはわかってたので。

さて、資生堂に着いて、上の写真を撮ってる時、一人の女性がギャラリーへ続く階段を下っていかれました。そのあとに続こうとしたら、なんでかそのまま戻ってこられました。
ん?と、彼女を見送り地下に降りて納得。

何も、ない!笑

いや、わかります。ないことはないです。あるんです。そう見えるだけです。
でも、何も知らない人から見たら、確実に搬入前後の状態ですよ!
あんだけ、からっぽな資生堂の空間を観たのは初めてでした。
でも、とりあえず階段の踊場にはドローイングが展示されてるので、何か展示されてるっていう暗示にはなるのかな?でも踊り場から見る風景は本当にからっぽ…。
ドローイングは一昨年のsiteでの個展「ノックする。」のドローイング。
家型の中で様々な出来事が起こっているという大きな紙に小さなドローイングです。
そしてさらに降りていって、そのからっぽに潜入。
まずはオルゴール。これがすべてのきっかけになっているのです。
そして小さなハンマーが床の近くにあり、それを見下ろすとその先にライトが点滅している。さらに先には糸巻きが糸を巻き、紙くずとマスキングテープが吊るされては落ちるを繰り返している。そしてもう一個ライト。
奥の部屋では、なんと梱包用の紐!上の方にもハンマーがあった気がする。
これらが本当に些細にあの空間に配置されています。
多分要素としては僕が見つけたので8つ。
オルゴールが電気信号を送る装置になっているそうです。

いやはや、本当に大胆な展示。
これだけ攻めてる展示は中々見られないと思います。
こんな展示するのは絶対相当勇気が必要。本当に男気あふれてますよ、彼は。
物で空間を埋めるのって、造るのは確かに大変やけど、展示しちゃえば安心出来ちゃうんですよね。
その点今村くんのこの展示に関しては、もちろん造る苦労も多々あるでしょうが、展示してもさらに安心出来ない感じがすごいです。さらに器械で動いてるので、止まらないかという心配も。。。
ターナー賞のマーティン・クリードや去年のスーザン・フィリップスを思い出します。
彼らの展示はマジで何もなかったですからね。上には上がいます。
(クリードに関しては当時賞を捨てたとすら言われてたらしい)
こういう展示は作品の力を100%以上信じてあげられるからこそできるんですよね。
作品と作家の信頼関係がこういう展示にこそ垣間見れたりするのです。
そしてこの展示は空間が広ければ広いほど映えます。
明らかにsiteの時よりよかった!期待を超えてくれました。嬉しい。
僕の作品も結構通り過ぎられますが、今村くんには敵わないかも笑
特に吊るされてるモチーフがいい。
梱包紐は、前回の藤本さんの搬出時に出たゴミらしいです笑
いやはやお見事な展示でした。おすすめ!!

今村遼佑 第5回shiseido art egg 「ひるのまをながめる」@資生堂ギャラリー
2011年2月4日(金)-2月27日(日) 11:00~19:00 日・祝 11:00~18:00 月休
http://www.shiseido.co.jp/gallery/



さて、いよいよその今村くんの90での展示が今週金曜日から始まります。
僕はその文章を書かなければ…。また告知します!

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今村遼佑「白色と雑音」@GALLERY301
今村遼佑「ノックする」@site
今村遼佑展「畔を廻る」@PANTALOON

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

「耳をすましてー美術と音楽の交差点」@茨城県近代美術館

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水戸まで足を延ばしてきました。
目的は水戸芸術館、だったのですが、「ついでに」観に行った茨城近美の展覧会が、近年稀に見る素晴らしいテーマ展だったというまさに「棚からぼた餅」体験でした。
「耳をすまして」と題されたそれは、美術側から音楽へのアプローチの変遷を見る展覧会。
視覚芸術である美術と、聴覚を使う芸術の音楽。
下手に「領域横断」に手を出すのではなく、はっきりと「美術側から」と銘打ってるのも好感がもてます。
また、以前にもここでは「眼をとじて」という展覧会をやっていたそうで、今回も同様、美術鑑賞とはまた異質な態度を喚起するテーマになっています。
今回初訪問でしたが、「眼をとじて」も観たかったです…。

まずこの展覧会が素晴らしかったのは、「音楽」と聞いて、思い出しうる作品はほぼ揃っていたこと。
三木富雄の耳から始まり、ルドンの版画、マン・レイの写真、そしてブランクーシのミューズの彫刻。
もうのっけからして、「これはただごとじゃない…」と悟りました。
その後もマックス・クリンガーの楽譜の挿絵に、シャガール、そしてもちろんカンディンスキー!!
さらにさらにマチスの切り絵の版画にクレーにライリー。
これはマジですごい!!圧巻のラインナップです。
全国から掻き集められた名品の数々。かなりテンション上がりました。
そして、この展覧会において、それらが「音楽」というキーワードでゆるくつながっていて、まるで作品と作品がバトンを渡しあうような、素晴らしい調和が生まれていました。
個性ある作品たちが、まったく喧嘩をしていない。驚異的です。
こうして近代の名品たちに彩られた第1部の「音楽にあこがれる美術」は幕を閉じ、第2部「音と交差する美術」が幕を開けます。こちらは現代美術中心。そしてのっけからいきなりジョン・ケージッ!!!
ケージの「RYOKU」と題された版画。意味わからんけど美しい。
そしてお次は音楽といえばこの人、藤本由紀夫さんです。
藤本さんの作品をこれだけ一気に観たのは初めてかも。
作品数はすごく多いのに、とてもスマートな展示。
オルゴールがゴミ箱に落ちる作品がおもしろい。
あと研磨して聞けなくなったビートルズのレコード「DELITE」もいい。
そして最年少八木良太氏。
八木君は、若くして美術館の展示がすごく多い。次もMOTアニュアルがもうすぐ始まる。
そして今回のテーマにぴったりの作家さん。
なんか藤本さんを継承してる感じでこの流れはすごくよかった。
氷のレコードが毎日2時半から学芸員さんの手でかけられるらしい。
行ったのは午前中で、聞けなかった。残念。
他にも砂時計の砂を聴く作品や、水に浮かぶレコード。表麺のラベルにSKYと書いてて、裏面は底の鏡に映しだされてSEAと書かれている。詩的な作品。
その隣にあったのは机の上のヘッドフォンをつけて、しゃがむと水に潜った音がする作品。
仕組みはどれもシンプルやけど、どれも楽しい作品。さすがです。
そして野村仁の「'moon'score」。大好きな作品です。改めて音楽で聴く。
隣の部屋には金沢健一さんの鉄の作品。
鉄の板の上で踊る砂の映像と写真。そして観客が鉄の欠片を叩いて「演奏」する作品。
欠片はひとつひとつ違う形をしていて、どれも音が違う。
最後に石田尚志の映像。バッハの「フーガの技法」とドローイングのアニメーション。
映像に使われた膨大なドローイングも展示してあって、すごい量でした。
また、一階にも作品があり、藤本さんの椅子に座ってパイプから聞こえる音を聴く作品と藤枝守のモノコードの作品。
藤本さんのはMOTにもありますね。
藤枝さんのは芸術センターで観ました。めっちゃがんばらないと音が聞こえません笑

とまあ、こんな感じ。
思わずカタログ買っちゃいました。
1700円で、なんとCDまでついてる!
CDには、藤本さんの椅子の作品のパイプにマイク仕込んだ音と、金沢さんの鉄の音楽、さらに藤枝さんと八木くんも参加。超豪華です!!!
300部限定となってましたが、これは手にいれておいてよさそう。
もう本当に素晴らしい展覧会でした。
美術館でのテーマ展で、これだけ感動したのは、2008年の広島現美の「MONEY TALK」以来。
早くも今年のベスト10に入るのは間違いないです。超おすすめ!
来週から水戸では梅まつりだそうです。併せていかがでしょうか。

「耳をすましてー美術と音楽の交差点」@茨城県近代美術館
2011年1月22日-3月6日 月休(2月21・28日は開館)
http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/exhibition/kikaku/index3.html


<関連記事>
「ある風景の中に」@京都芸術センター
八木良太「制作と実験」@京都市立芸術大学新研究棟1階立体1教室


「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」@水戸芸術館
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本来こちらがメインで水戸入りしたわけですが、正直相当期待はずれだった展覧会。
もう、去年のターナー賞受賞者スーザン・フィリップスと、ずっと観たいと憧れ続けた土屋信子さんの作品が観れるってんで、テンション上がりまくって初日から行ったんですが。。。
確かにスーザン・フィリップスの中庭に響き渡る透き通る歌声は素晴らしかった。先述の「耳をすまして」の流れで出会ったので、感動も一潮。
そして土屋さんも確かによかった。あのわけわからん世界観。たまりませんでした。
確かに一人ひとりの作品は文句のつけどころがありませんでした。
eNartsで観た小林史子さんも、木村友紀さんも期待通りでした。
では、何がいけなかったのか。
それはやはりテーマの設定と展示の方法。つまり残念ながらキュレーションです。
まず「クワイエット・アテンションズ」というタイトル。
観る前はなんて素敵なタイトルなんだろう、と思ってました。しかし観た後にこのタイトルが果たしてまったくこの展示に相応しくないように思えてならなくなりました。
最初の展示室から、いきなり躍動感あふれる小林さんの自転車のインスタレーション…。
ク、クワイエット???とのっけからつまづきました。
そして、展示室を順にたどっていっても、正直「クワイエット・アテンションズ」は展示のノイズにかき消されて、最後まで聞こえてくることはありませんでした。
そして展示。1展示室1作家という、まるでスライドレクチャーを見ているよう。
この展覧会は何がしたかったんでしょうか?
女性作家の紹介展だったのでしょうか?
もう少しミニマルな展示を期待していたんですが、悪い方に裏切られました。
まあ、そんな期待は当方の責任ですが、もう少し作品と作品がつながるような展示になるような試みがあったらなーって感じでした。ビックリするぐらいすっぱり切れてるので。
あぁ、これで近美がなかったら正直救えなかった。
水戸芸に関しては残念ながらこんな感想しか書けません。ごめんなさい。
まあ、紹介展と開き直れば見る価値はあると思います。
とにかくスーザン・フィリップス素晴らしいです。5月8日まで。

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

小谷元彦「幽体の知覚」@森美術館

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本年初上京してきました。わざわざ大雪の日に…。
大雪といえば、5年前にScaiの名和さんの展示観に行った日も大雪でした。
あの時は谷中がすごい景色になってたなぁ。
今回は雪質が水っぽかったのでほとんど積もってませんでした。
むしろ大阪とかの方がやばかった。
そんな雪にも負けず色々行ってきましたのでご報告。

まずは森美の小谷元彦展。
オペラシティの曽根さんと迷いましたが、曽根さんエルメスで見たんで割愛。
ちなみにエルメスは「雪」展。まさにこの日にうってつけ。
でっかいクリスタルで雪の結晶を彫った彫刻と大理石でゲレンデを彫ったやつ。あと絵画とドローイング。
クリスタルの雪は、レンゾ・ピアノの建築とマッチしてました。
が、やっぱ好きになれない。オペラシティに足が向かなかったのもこのため。
エルメスが今月28日までで、オペラシティは3月27日まで。
というわけで小谷さん。
すごい作品量でした。完全に元は取れます笑
これがまだ30代の一人の作家の仕事量なのか、という。
小谷さんの個展は2004年のKPOで一回見てます。
なので、最初の少女の写真や、鹿の剥製に矯正器具はめたやつとか、ヴェネツィアに出してた女の子がハエ食っちゃう映像とか、あと滝のやつとかはもう既に見てたのでほぼスルー。(滝は並びすぎってのもある)
それ以降の仕事は、おもしろいことに、より「彫刻」的になってました。
つまり、純粋に造形ということ。
こういう仕事って、「東京芸大の彫刻!」って感じだやなーと感じます。
京芸の彫刻は、ある一定のルールを課して、造るというより生成するって印象。
名和さんなんか、まさに京芸の彫刻って感じがする。
昨年小谷さんと名和さんの対談がありましたが、名和さんの直後のツイートがそれを物語ってます。
「小谷さんとのトークは彫刻について。方向性の違いが浮き彫りに。そもそも畑が違うのかも知れない。」
名和さんと小谷さんのトークについてはこちら>> 1 2 3 4(未)
前に爆笑問題のNHKの番組で、東京芸大の特集がありましたが、彫刻科の工房で、昇龍を彫ってる人がいて、僕の中では衝撃的でした。こんな人おんねや!!って。
東京芸大は、やはり芸術における技術を重んじてる大学だと思います。
それは、受験の時点からスタートしていて、あのデッサンは端から見ていて異常です。
故に技術命な日本画なんかにはとても向いてると思う。
村上隆を初め、松井冬子、千住博なんかもそうですね。
逆に、現代彫刻、或いは油画における技術は、そこまで重んじられていない気がします。
だから、日本のアートシーンにおける現代彫刻は京芸が強い印象。
現代造形において、技術は磨けば磨くほど工芸っぽくなっちゃうというきらいがあります。
そういや曽根さんも芸大なんですね。納得。
曽根さんと小谷さんは、2003年のヴェネツィア・ビエンナーレの日本館で二人展やってます。
小谷さんは去年エルメスで個展やってるし、色々共通点が。
こういう教育における作品の方向性ってないようで実際ある気がする。
僕なんて、まさしく精華って感じがします。抽象命!マーケットなんて糞喰らえ!的な笑
他の大学はわかりませんが、こういう傾向っておもしろいなぁ。
で、展覧会ですが、ひとつひとつが「俺を観よ!」と投げかけてくる強い作品ばかり。
中々楽しめましたが、やはり僕の見たいものではないなぁ、って感覚。
鑑賞者に委ねる部分があまりにすくない気がします。
もちろん、こういうのって、作品を見慣れてない人にはとてもいいと思います。
「現代美術ってわからない」とよく言うけれど、「わからない」良さが現代美術にはあるんだと思う。
「あれは何やったんやろう?」と考えることが、現代美術の入り口につながるんですよね。
その点で、やっぱり小谷さんの作品は僕の中でちょっと違う気がします。
そんで、相変わらずエルメスの作品がビス丸見え…。萎えます。なんで?
最後のドキュメント映像で、スタイリッシュな小谷さんが、回転するドクロにロウソク垂らして、「あっつ!あっつ!」と泥臭いことやってるのは面白かった笑
まあほんと、見ごたえという点では文句なしの展覧会。今月27日まで。
このあと静岡県立美術館、高松市美術館、熊本市現代美術館に巡回します。
それにしても、森美って見せ方がワンパターンでおもしろくないですね。
こういう量で見せる方法しかできないのかな?もっと別のやり方はないのかな?
例えば、3部屋ぐらい使って1つのインスタレーションを見せるとか。
次のマルセル・デュシャン賞展も見に行こうと思ってますがどうかなー。


高嶺格「とおくてよくみえない」@横浜美術館
IMG_2207.jpg

前評判悪過ぎの高嶺さんの展覧会へ笑
もうかなり覚悟して行ったので、逆に結構楽しめました。
高嶺さんのこの展示に関して、やはり特筆すべきは「感情の揺さぶり」ではないでしょうか。
前半のゆるい作品(タオル、物々交換)から、いきなりアメリカ批判やパレスチナ問題、在日など。
そして最後のタイトルにもなってる「とおくてよくみえない」。
前半は本当に笑いました。
あのタオル(毛布)の展覧会は一体!?
物々交換の映像のとなりの外人は一体!?
謎過ぎます。
後半は、既に見てる作品が多かったので、ちらっと見るぐらい。
「ベイビー・インサドン」はこの一年で3回も見てる…。
最後のは本当に謎でしたね。高嶺さんらしいといえばそうですが。
壁に書かれたメッセージも意味深。
本当に遠近のとれない人。まさに「とおくてよくみえない」です。
これまでの高嶺さんの仕事がほとんど見れます。さすがに「木村さん」の展示は写真だけでしたが。
高嶺さんって、アート関係者(特にキュレーター)のファンが多い。
わからないわからないと思いつつも、やっぱり気になってしまう存在なんでしょうね。
これだけ個人の魅力で作品が成立してる人って珍しいと思う。不思議な人。
この展覧会は3月20日まで。この後なんとイギリス・バーミンガムまで巡回だそうです!!
ちなみにこの高嶺展と小谷展、曽根展は、それぞれのチケット持っていくと割引が効きます。
あとiPhoneのミューぽんっていうアプリを1月31日まで600円やったから買ったんやけど、元取れるんかな…。とりあえずこの高嶺展で200円分割引。
関連記事>>高嶺格「Melody?Cup」@伊丹アイホール 高嶺格


ライアン・ガンダー「Ftt, Ft, Ftt, Ftt, Ffttt, Ftt, or somewhere between a modern representation of how a contemporary gesture came into being, an illustration of the physicality of an argument between Theo and Piet regarding the dynamic aspect of the diagonal line and attempting to produce a chroma-key set for a hundred cinematic scenes」@TARO NASU
IMG_2231.jpg

「謎な人」という点ではこの人も負けてません笑
なんだこの長いタイトルはーーー!!
昨年の「レゾナンス」展以来気になってます。年末のグッゲンハイムでやったのも気になる。
なので、最終日無理矢理滑り込みです。
実はこのTARO NASUは何気に初訪問。
馬喰町は何度も来てるし、おとなりのαMも何度か来てるのに、いつもタイミングが合わずに閉まってたり、おもしろい展覧会やってなかったりで行けてませんでした。
青木さんのリノベーションってのも気になってたんですが。
地下に降りると、会場に矢が刺さりまくってる!!!圧巻です。
わざわざこの為に床作ったりして、このギャラリーは本物だと思いました。
また、奥には木の板に着色したような色とりどりの作品群が。
これ、よくみるとすべて同じ形。どうなんてるんや?
とギャラリーのスタッフさんに聞いてみると、ものすごく丁寧に答えてくださりました。
いやはや、こういうところでギャラリーの質ってわかりますね。素晴らしいです。
ちなみにこの作品は、「選択されえた未来」を表しているそうで、つまり、作家は作品の色を選ばなければならないが、逆にこの作品は選ばないことを作品にしている。何パターンもの同じ作品を造ることで、不自由な未来からの解放を目指しているとか。本当に異様な展示でした。
奥には、壁の角に2つのスライドが上映されてて、その部分以外の壁は真っ黒にぬられてる。
スライドの意味がまたよくわかりませんでしたが、これはなんだかレゾナンスの作品に近い気がする。
意味はよくわかりませんが、空間の操作の仕方とかとても好きな作家。
あー、太宰府天満宮と沖縄の展示観に行きたい…絶対無理やけど。
ちなみに隣のαMものぞきました。今期の「複合回路」最後の作家、石井友人さんの絵画展。
視覚信号としての絵画。おもしろい作品とそうでない作品の差がすごかった…。
来年は「成層圏」がテーマ。注目は川北さんと宮永くん。どっちかは観に行きたいです。


テオ・ヤンセン展~生命の創造~@日本科学未来館
IMG_2220.jpg

年末に友人に教えられて、調べたらちょうど日本でやってたトム・ヤンセン展。
ゆりかもめとか久々に乗ったー。
これを美術というかわかりませんが、ユートピアン的な仕事がとても気になります。
ビーチアニマルと言う、風で動く機械仕掛けの生きものたち。
電気ではなく動力が風という自然なのがおもしろいし、作りも非常にアナログ。
プラスティックと、ペットボトルやら。
会場は凄まじい人でごった返してました…。
でも、さすがにフジテレビの企画だけあって、エンターテイメント性が強すぎて萎える。
やっぱビーチで動いてるところが観たかったなぁ。
でも展示してあるアニマルたちが、風と闘った傷跡が生々しくて、とてもロマンティック。
まるでドンキ・ホーテのよう。
そんなとこ注目してる人だれもおらんねやろうけど。
もう会場を砂浜(砂漠)にして、アニマルたちの墓場みたいなインスタレーションで見せて欲しかった。
やっぱ無理よね。現代美術に毒されてます。14日で終了。
大人の科学マガジンで、このミニ・ビーチアニマルが付いてくるらしい!!


吹雪の横浜。
IMG_2208.jpg

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

東京2011_vol.1

ここ数日ある申請の為に奔走してました。そして今日無事提出完了!また発表します。
そんなわけもあり、ここの更新もあまりできてませんでしたが、明日今年初遠征です。雪!
毎年言ってますが、今年こそ上京回数減らしたい。
今年の目標ずばり3回。次は6月で、その次は9月or10月。まあ、無理かな…。せめて5回で。

今回の上京備忘記です。
高嶺格@横浜美術館
曽根裕@メゾンエルメス8Fフォーラム
今村遼佑@資生堂ギャラリー
テオ・ヤンセン@日本科学未来館
曽根裕@オペラシティアートギャラリー
「クワイエット・アテンションズ」@水戸芸術館
「耳をすまして」@茨城県近代美術館
ライアン・ガンダー@TARO NASU
小谷元彦@森美術館

んー、二日でこの量可能なのだろうか??
正直今村くんと水戸芸見れたらそれでいい。テオ・ヤンセンも見たい。
高嶺ー曽根ー小谷のリンクは完全に蛇足です。見れたら見る。
何気にTARONASU初めて行くかも。水戸芸ついでに茨城県美も初。
雪にも負けずがんばりまーす。


本日は京芸の卒展観に行ってきました。
驚くほど引っかからなかった…。
新研究棟で行われてた博士課程の6人展はさすがでしたが。
八木さん、水木さん、児玉さんの展示は他と圧倒的にクオリティが違う。
黒宮さんの絵がなんか変な方向に行っててちょっと心配。
あとは造形構想修士2年の中島彩さんのドキュメンタリー作品ぐらいかな、気になったのは。
他の卒展はどうしよう。とりあえず京都市美でやってるのは観にいく気になれない。母校も含め。
やっぱ学校でやった方が絶対いい。
書くとこなかったのでここで書きました。

「TRANS COMPLEX - 情報技術時代の絵画」@京都芸術センター

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すごく久々に展覧会記事を書く気がする…。
ということで、京都芸術センターの展覧会に行ってきました。
これは今年から始まった、キュレーションを競うコンペ「展覧会ドラフト」で選出された、彦坂敏昭と村山悟郎の二人展です。
審査員は平芳幸治さんと長谷川祐子さん。
公開プレゼンなんかもあったりして、かなり本格的な審査でした。
この二人はそれぞれshiseido art eggの第1回、第4回で展示した若手作家。僕と同い年。
ちょうど今第5回に選ばれ展示してる今村君も来週からうちのstudio90で展示スタート。
来週は京都で資生堂祭です!(ぉ

さて、展示内容ですが、この難解なタイトルやコンセプトとは裏腹に至ってシンプル。
どちらも空間の余白を活かした展示となっております。
とくに北の村山くんの展示は素晴らしかった!
本当に美しい展示で、資生堂の時より断然よかったです。
入って左右の壁に大きな麻を編んだ「絵画」。
奥の壁にドローイング。手前には何もなし。潔くていいです。
左右の麻の作品は、一方が天井を這い、他方が床を這う様が有機体のよう。
また、南の彦坂君の展示は、大胆にもギャラリーの右半分のみに展示していました。
最初入った時の正面に少し低めの位置でかかる、真っ赤な作品がとても印象的。
ただ、右の壁の作品は正直要ったのかな?
もちろん作品のバラエティとして必要だったのかもしれませんが、どうせだったら、手前の壁にかかってた赤い作品をそこに配して、もうそれだけでもよかった気がする。
あと、なんといっても残念だったのは、床!汚すぎる…。
内海さんが以前展示の為にすごい時間かけて床を磨いたという話してたけど、それは必要だったと思う。
すごくもったいなかった…。
そういうところって、やっぱ作品に大きく影響するんですよね。
特に今回のように低い位置で見せてるから余計。

今回の二人の作品に共通するのは、ある一定のルールで作品が生成されてるというところでしょう。
ただ、そのルールをどこまで鑑賞者に共有してほしいのかが、全く分かりませんでした。
故に、作品との距離の測り方がとても微妙。
テキストもありましたが、それらがどう意味するのかよくわからなかったし。
そして、キュレーションとして、本当にこれが最良だったのか。
正直ただの二人展に見えてしまいました。
もちろんそれでいいとは思うけれど、今回のように、キュレーションのコンペで勝ち抜いた二人だっただけに、そこが見えづらいのは辛かった。
公開プレゼンの公表で長谷川さんもおっしゃってたそうだが、やはりここでやる意味も見えづらかった。
場所を無視する(宙吊り)にするならするで、それなりのやり方がもっとあったのでは?
審査員のお二人がこの展示を実際に見てどう感じたかを知りたいです。

でもまあ、本当に展示は美しく、作品も強度があるので見ごたえは十分です。
「展覧会ドラフト」ではなく、普通の二人展として提示されてたらもっとすんなり見えてたと思います。
今月27日まで。東京の巡回もあるみたいです。こちら
この展覧会の往復書簡ブログもあります。こちら

<関連記事>
村山悟郎 shiseido art egg vol.4@SHISEIDO GALLERY
彦坂敏昭展@大原美術館
MOTアニュアル2008

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